第一章 東アジア経済 ―跡から沈没へ― Ⅰ 問題意識: •なぜ東アジア経済・共同体なのか •東アジアとその工業化とは •奇跡から沈没への原因 1 東アジアとは: 世界銀行報告(1993年)「東アジアの奇跡」 • 韓国 • 台湾 • シンガポール • マレーシア • タイ • インドネシア • その他のASEAN諸国 2 • • • • • • • • • • アジア経済研究における代表作 原洋之介『アジア経済論』岩波テキストブックス 杉原 薫『アジア間貿易の形成と構造』ミネルヴァ書房 渡辺利夫『新世紀アジアの構想』筑摩書房(ちくま新書) 北原 淳『開発と農業:東南アジアの資本主義化』世界思想社 平川 均『NIEs世界システムと開発』同文舘 中村 哲『東アジア近現代史』青木書店(シリーズ6) 安 忠榮『現代東アジア経済論』 ト照彦『東洋資本主義』講談社現代新書 末廣昭『キャッチアップ型工業化論』名古屋大学出版社 西口清勝『アジア経済発展と開発経済学』法律文化社 などがある 1 NIEsと中国のGDP・経済成長率(%) NIEs 平均 年 中国 香港 韓国 シンガ ポ-ル 1986 -1995 8.1 9.9 6.5 8.8 8.5 1996 -2000 6.0 9.7 5.1 6.4 7.4 2001 -2005 1996 -2005 5.8 9.2 4.9 5.8 7.3 台湾 インド ネシア タイ 7.9 9.4 8.0 マレシア 7.7 7.8 6.3 9.4 7.9 5.9 8.7 7.2 7.6 出所)http://www.ide.go.jp/Japanese/Publish/Topics/27_es.html Ⅱ 1 東アジアの多様性と先発新興工業国 工業化とは(industrialization): であり、イギリスの産業 人類の新しい とし、技術の変化に伴う一連の 革命を を 政治的、社会的、人口学的、経済的 意味する。 2 東アジアの多様性はどこにある か? 3 東アジアの工業化の共通性? 2 Ⅲ 1 工業化における研究推移 ロストウの成長段階論 伝統社会(the traditional society) 離陸先行段階(the precondition for take-off) 離陸(the take-off) 成熟(the drive to maturity) 大衆高消費段階 (the age of high mass-consumption) 2 ガーシェンクロン 工業化の躍進(industrialization spurt) 発展途上国の躍進可能であることを主張 (1968年) 代案的手段(concept of substitute) 3 金泳鎬の第4世代工業化論 第一世代(18世紀末-19世紀初) ファースト・カマーズ(first comers) 第二世代(19世紀半ば) レイト・カマーズ(late comers) 第三世代(19世紀半ば-20世紀初期) レイト・レイト・カマーズ(late late comers) 第四世代(20世紀半ば-20世紀末) 3 4 クルーグマンの要素投入論 要素主導型成長 (input-driven growth) pp.14-18 Ⅳ 日本モデルの亜流 1「脱亜入欧」→? 隣人効果(neighboring effect) 2 日本工業化の開拓者 大久保利通(としみち 1830-1878) 渋沢栄一(1840-1931) 3 日本の工業化と東アジアへの影響 1)明治維新 義務教育 技術導入と進歩 「和魂洋才」 2)日本企業の海外展開 3)東アジアの奇跡と沈没 4)21世紀の東アジアの展望 4
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