カンボジアの子ども達の 教育を支援する会 №15 2015 年 3 月 10 日 The Society of Educational Support for Children in Cambodia ◆「西日本・カンボジア友好協会」からの助成について ◆ 本会代表 横山 正幸 大変嬉しいお知らせがあります。2013 年4月に九州の企業が中心となって設立された「西日本・カンボジア友好協会」 が、 私達の会の活動を応援するために2014年度から5年間にわたって年50万円を助成してくださることになりました。 これは、同協会会長・八頭司正典氏(株式会社丸松セム代表取締役会長)のご厚意によるものです。昨年、8月に私が 本会のニュース・レター第 12 号を同氏にお送りしたところ、氏より電話があり、 「SESCC の活動に大変感動しました。 お役に立つことがあれば、お手伝いしたい。 」との大変ありがたい申し出をいただきました。そこで、私は早速8月 22 日にご挨拶に伺いました。また8月 29 日には副代表の桑野さんと会社を訪問し、 会の活動等について具体的に説明させていただきました。そして、9月 29 日に 博多区の福岡商工会議所ビルで八頭司会長、友好協会の小林専司専務理事、本 会の桑野副代表と私の4人で協議の結果、西日本・カンボジア協会と SESCC の間で、寄付について確約書を交わすことが話し合われました。確約書は、友 好協会の理事会を経て、10 月 31 日付けで正式に発効しました。その確約書で は、寄付金 50 万円は、①王立プノンペン大学日本語学科の、成績、人物ともに 西日本・カンボジア友好協会会長 八頭司正典氏(右)と桑野副代表と筆者 優れているが、経済的に恵まれない、地方出身の女子学生への奨学金、②同大学 日本語学科主催のスピーチ・コンテストにおいて最優秀賞を受賞した学生 1 名を本会の全額負担で日本体験研修(ホー ムステイ)に招待する費用として使われることになっております。 そこで、早速事務局で協議し、従来の王立プノンペン大学日本語学科の女子学生を対象としての「SESCC 奨学金」に 加え、 「SESCC・八頭司特別奨学金」を創設することを決めました。奨学金の額は、従来の奨学金の倍の 800 ドル(因み に1年間の授業料は現在 450 ドル)です。11 月3日~12 月3日の期間で募集しました。その結果、2名の枠に対し、 なんと 15 名もの応募がありました。その中から成績、課題作文、生活状況など、送られてきた資料を慎重に検討し、コ ンポンチャム州出身のワン・チャンテイさんとポーサット州出身のリム・チャンピセイさんを選びました。チャンテイ さんは、早く父親を亡くし、進学はしたもののプノンペンの物価はあまりにも高く、学業の継続を諦めかけていたとの ことでした。奨学生に決まって嬉しくて嬉しくてすぐに田舎のお母さんに連絡したとのことでした。 第4回日本語スピーチ・コンテストについては、本号3ページで紹介されているデン・モニラー君が最優秀賞を受賞 し、この4月4日から2週間の予定で日本体験研修(ホームステイ)に来ることになっています。私達の会は、予算規 模も小さくできることは非常に限られています。しかし、 この度こうした助成金をいただき、将来日本との絆になる 若い人材を育てる取り組みに携わることができることは大 変ありがたいことです。西日本・カンボジア友好協会会長 の八頭司正典氏をはじめ、同会の会員の皆様に心から感謝 申し上げます。 王立プノンペン大学日本語学科の奨学生たち(2014 年 12 月) プノンペン訪問記 2014 年 12 月 横山あづま 2014 年 12 月 18 日から 30 日までの 13 日間、プノンペンに行ってきました。プノ ンペンは、どこも高層ビルの建設ラッシュで、高いクレーンが林立し、大型トラッ クがひっきりなしに走って土埃をあげていました。カンボジアはどんどん成長し、 人口も着実に増えているようです。というのは SESCC で関わり、交流してきたプノ ンペン大学の卒業生達が次々と結婚し、昨年の秋だけでも 4 人の赤ちゃんが生まれ ていたからです。可愛い赤ちゃん達に会ってきました! ニュース・レター13 号でお知らせした、難病 SLE で苦しんでいるソパリカさんの お宅にもお見舞いに行ってきました。薬のせいで顔が少しむくんでいましたが、病 気は幸い小康状態でした。お見舞い金をお寄せ下さった方々にとても感謝していま した。私達からもお礼申し上げます。 これまで私達が読書活動等の支援をしてきた貧困地区の子どもの居場所「プテイ ア・クニョム」 は残念なことに完全に閉鎖され、活動停止状態にありました。建物 とスタッフの雇用費年 70 万円を支援していた神戸に本部を置く仏教団体 RACK が 送金をストップしたためです。その背景には、現地運営団体のずさんな運営計画と 経理の問題があったようです。本や書棚などは近くの家に置かせてもらっていまし た。ここで本を読んだり、勉強したりしていた多くの子ども達のことを思うととて も残念ですし、就学援助を受けていた子ども達は今どうなっているかと心配です。 ネアリーさんの赤ちゃんハナちゃん (筆者左端) コッ・プラック小学校へは 23 日、24 日、そして前田会員と2人 の活水女子大学看護学科の学生さんがプノンペンに到着されてか らの 26 日と、3日にわたって訪問しました。そして、①児童図書 の寄贈、②図書室の管理・運営をしてもらっているソクラーさんの 雇用費1年分を校長先生に委託、③滑り台増設のための費用 900 ドルの贈呈、④6年生のクラスで今回もハーモニカを指導(最終日 にはクラス全員で「キラキラ星」を合奏しました)、などをしてき ました。図書室はよく利用されていました。屋外遊具も超人気で、 ブランコ、滑り台には長い順番待ちの列ができていました。23 日 はコッ・プラック・クローム小学校にも行き、児童図書を寄贈して きました。また、29 日には前田会員と学生の太田さん、山本さん 達と一緒に訪問し、合唱や独楽回し、凧あげ、シャボン玉遊びなど で子ども達と交流してきました。子ども達は大喜びでした。 プノンペン大学の奨学生9人への奨学金支給式と昼食会は、25 日に日本語 学科の学科長のレスミー先生も出席し、大学前の軽食喫茶 Halo Halo の一室 を借りて行いました。27 日の午前中は、日本語学科の第4回運動会をレスミ ー先生に「是非!」と誘われて見学。学生達は4チームに分かれて徒競走、 綱引き、玉入れ、障害物競走などに奮闘し、歓声を上げて”青春”をしてい ました。休暇で来ていた日本からの大学生達も実行委員スタッフとして活躍、 とても自然な国際交流がなされていました。昼食には、6月に開店したイオ ンからフライドチキンとあんぱんの差し入れがありました。これは最高でし た。この日の午後は、ダニーさんの結婚披露宴に出席しました。彼女は、2008 年に私の家にホームステイした日本語学科の卒業生です。披露宴は、車で3 時間のタケオ州の村の家で行われました。伝統的な衣装をまとった新郎新婦、 着飾った女性達と楽団のライブで、華やかで賑々しいパーテイーでした。招待 客は 600 人ほどとのこと。この人数はカンボジアでは普通ですとは驚きます。 上記の他にも見学や交流がいくつもありましたが、紙面の都合で報告でない のは残念です。 1 月 17 日土曜日、王立プノンペン大学日本語学科第4回弁論大会が開催され、最も素晴らしいス ピーチをしたデン・モニラー君に、SESCC・八頭司賞が贈呈されました。 下記の文章はその時のスピーチ原稿です。ユーモア溢れる文章で、モニラー君の日本や日本語 への思いが語られています。SESCC・八頭司賞の副賞として、モニラー君を 4 月 4 日から 17 日の日 程で、福岡での短期日本体験研修(ホーム・スティ)に招待することになっています。モニラー 君からのメールには「日本で桜が見たい、福岡の歴史について調べたい」と書いてありました。ちょう ど満開の桜を見ることができるのではないかと思います。4 月 12 日の本会総会後には弁論大会のス ピーチを披露してもらう予定です。モニラー君がたくさんの方々と交流をし、様々な体験をして、福岡 で過ごす二週間が有意義なものになるように、会員の皆さまと一緒に応援したいと思っています。 (桑野 嘉津子) 日本人みたい 皆揃ってハーモニカで「きらきら星」をふく 休み時間、人気殺到の滑り台 王立プノンペン大学日本語学科第4回弁論大会最優秀にデン・モニラー君 王立プノンペン大学日本語学科 3年生 デン・モニラー みなさん、こんにちは、私は三年生のデンモニラーと申します。皆さん、私の顔を見てください。私の顔は日本人みた いでしょう?日本語を勉強する学生だから、誰でも、あなたは日本人みたいと言われたら、うれしいでしょう。私も同じ です。 私は高校生のとき、よく日本のドラマを見ました。そして、日本のドラマを見ると、日本人の生活水準が高いというこ とが分かりした。それに、ドラマの日本人と私はよく似ていると思いました。それで、私は日本人が好きになって、日本 人になりたいという夢を持つようになりました。日本人になったら、きっと、日本に住んでいて、もちろん日本語ももっ と理解できるようになるはずです。 ですから、高校を卒業してから、日本語学科で日本語を勉強することに決めました。私はそれまで、日本語を勉強した ことがなかったので、すごく難しかったです。でも、自分の夢のためにどんなに難しくても、一生懸命勉強しました。ま た、日本語を初めて勉強したので、日本語を話すのは難しくて、発音も日本人と違いました。1年生のとき、話せたのは 簡単な言葉だけでした。 一年生が終わって、二年生になった。ある時、私は作文の授業で先生に発表させられました。そのとき、私は日本人 になりたいという夢について、発表しました。発表しているとき、私はクラスメートに「皆さん、私の顔を見ると、日本 人みたいでじょう」と言ったら、そのとたんに、数人の友達に笑われました。そのうえ、「モニラーさんの顔は日本人と ぜんぜん違いますね」とからかわれました。また、一人の友達は「モニラーさんは日本人になりたいという夢をあきらめ たほうがいい」というほしくもないアドバイスをしてくれました。そして、「モニラーさんの顔からすると日本人になる なんて、ありえないことですよ」と言いました。私は友達の話しを聞いてから、とても、恥ずかしかった。そして、家に 着いたとき、鏡の前に座って、自分の顔を見ました。すると、日本人とぜんぜん似ていないのが分かりました。そのとき、 日本人になりたいという夢をあきらめようと思いました。 二年生の二学期が終わって、夏休みに私は日本人と一緒にアルバイトをしていました。ある日、日本人と日本のこと を話しているとき、その日本人に「モニラーさん、日本語も日本のこともよく分かっていますね」とほめられました。そ のとき、私は本当にうれしかった。「日本人みたい」という言葉の意味が分かってきました。日本人と顔が似ているとい うことだけでなく、日本語が上手で、日本の歴史や日本の文化などが分かる人も「日本人みたい」と言えるということで す。それで、私はもっと日本人みたいになれるように、今、日本語や日本のことなどを一生懸命勉強しています。日本人 は優しくて、世界の貧しい人々のために、色々な活動をしています。私もそういう日本人になりたいです。 紙風船で遊ぶ前田会員と子ども達 デン・モニラー君(左)と王立プノンペン 大学日本語学科主任のレスミー先生 読み聞かせをするソクラーさん デン・モニラー君 王立プノンペン大学日本語学科 第4回弁論大会の様子 ― お 知 ら せ ー 第9回総会のご案内 ☆☆あなたに出来る こんなこと☆☆ ◎会員になる 年会費 3,000 円を下記の郵便振替口座に払い込むと会 日時:2015 年 4 月 12 日(土) 員になることができます。 午後 2 時~ 会員には「会報」 「ラウンド・テーブルのお知らせ」など 場所:エフコープ自由が丘店 各種のご案内をさせていただきます。 2F 会議室 (宗像市田久4-16-6) 総会終了後は来日中の王立プノンペン大学日本語学 科3年生デン・モニラー君のスピーチと交流会を予定 しています。ぜひご参加ください。 ※詳細は別紙をご覧ください。 ◎寄付をする 1)一般寄付 日本では僅かなお金でもカンボジアでは、次のような支 援ができます。可能な方はいくらでも結構ですので、ぜひ 応援してください。 会費納入のお願い ・100 円で鉛筆を 10 本買うことができます。 2015 年度の会費納入を郵便振替口座にて ・500 円でノートを 10 冊買うことができます。 お願いします。 ・2,000 円で小学校低学年用の薄い冊子のような絵 納入方法:郵便振替口座 本を 10 冊買うことができます。 年会費:3,000 円 ・5,000 円で少し厚い高学年用の本を 10 冊買うこ 口座番号:01730-9-47392 とができます。 口座名称:カンボジアの子ども達の教育を支援する会 ※本会の会計年度は、会則の改正により、今年度 から4月1日~翌年の3月31日までとなりました。 2)使用目的指定の寄付 女子大学生への奨学金のための費用として 25,000 円で国立大学に通う女子学生の 授業料の半期分を援助することができます。 ◇奨学金は本会とその方のお名前で ♥ご寄付ありがとうございました♥ 【2014 年度分】 (順不同・敬称略) 贈らせていただきます。 3)未使用の切手やハガキ書き(損じのハガキ)等の寄付。 赤木千賀子 安斉悦子 石田祐子 伊藤則子 ◎資金確保のためのチャリテイ事業などを行う際、ボラン 井上光枝 大久保淳子 大久保美加 大島まな テイアをする。 岡野知子 ◎ラウンド・テーブルや写真展に参加する。 小方圭子 奥裕子 小野淑子 加知ひろ子 加知輝彦 川口和子 桐生俊明 久保悦子 窪田秀子 栗崎一代 桑野静子 桑原広治 古賀昭光 坂本恵子 佐藤和夫 ◎友達や家族に本会のことを伝える。 ※下記事務局までご連絡ください。 下川トモ子 神野正子 高崎妙子 多田有輝子 田崎徳友 田中一郎 田中佐和子 田中景子 中島美穂子 中村美咲子 橋本澄子 林正子 林田スマ 林田宣子 林田新二・庸子 森由美 平川誠一 廣田省治 福田輝美 福永善秀 正平辰男 益田信也 松村ツヤ 宮崎厚代 宮原俊彦・和子・明子 本村主生 矢田公美 八谷敏子 八尋美恵子 柳幸子 山口勇 横山あづま 横山順一 横山正幸 吉田小夜子 吉田ゆかり 西日本・カンボジア友好協会 読み聞かせの会「ととけっこう」 その他匿名希望の方々 カンボジアの子ども達の教育を支援する会 -事務局- 住所:〒811-4174 宗像市自由ヶ丘西町 9-4 代表 横山正幸 方 ℡/Fax:0940-33-1457 E-mail:[email protected] URL: http://sescc-fukuoka.pepper.jp/ -郵便振替口座- 口座番号:01730-9-47392 口座名称:カンボジアの子ども達の教育を支援する会
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