くちきデイリーニュース 〒973-8411 2015 年 8 月 20 日(木) 福島県いわき市小島町2-9-15 株式会社朽木会計事務所 TEL 0246-27-3631 FAX 0246-26-4234 Email 大家さんは日本人? 東京オリンピックが一因か? 東京オリンピック開催を控えた都心部の 地価上昇への期待を背景に、アジアの富裕 層などが投資を目的に東京のマンションを 買うケースが増えている(日経新聞、2014 年 11 月 27 日)。 と言った記事が出るほど外国人(特にア [email protected] ョン等を借りる場合です。 通常、個人が住宅として非居住者所有の マンション等を借りる場合は、源泉徴収義 務はありませんので、仲介する不動産業者 も全く源泉徴収に関して留意しておりませ ん。源泉徴収をせずに全額を支払っている ような場合、数年後の税務調査で指摘され ると、高額な追徴課税となります。 その時になって、大家さんに返してくれ と言っても、非居住者ですから交渉も大変 です。既に契約を解除してしまっている場 ジア人)の日本不動産への投資は増えてい 合などは、追徴された源泉徴収税額を取り ます。 戻すのは全く困難になります。 また日本の多くのマンションデベロッパ ーも、台湾や中国に支店や出張所を設けて、 交渉は納税管理人を通して? 非居住者が国内の不動産を賃貸する場合、 投資マンションの販売に乗り出しています。 必ず国内に居住者である納税管理人を置く 大家さんが外国人だとどうなるの? こととされております。税金のことですか 法人や個人事業者(士業の方々等)の源 ら交渉するとなれば、納税管理人を通して 泉徴収義務を負っている者が、非居住者(国 と言うことになると思います。 外に居住している者、所謂外国人)が所有 する不動産の家賃を払う場合、20.42%の源 泉税を徴収して支払わなければなりません。 具体的に言えば、20 万円の家賃を支払う 場合概ね 4 万円を差し引いて支払い、4 万 円は支払った翌月の 10 日までに源泉徴収 税額として国に納めなければなりません。 企業の寮は要注意 企業がオフィスビルを借りる場合、所有 者が非居住者であれば、仲介する不動産業 者も毎度のことなので、心得て留意してく れますが、問題は企業の寮として、マンシ この辺のビルはほ とんど外国人に買 われました。 補足と解説 おける外国人不動産取引の動向 No.2880 政府統計調査る外国人不動産取引の動向 たとき (海外投資家による不動産取引実態) 東京オリンピック開催を控えた都心部の地価上昇への期 待を背景に、アジアの富裕層などが投資を目的に東京のマ ンションを買うケースが増えている(日経新聞,2014 年 11 月27 日)。新築物件が建設費の高騰で値上がりして 非居住者等に不動産の賃貸料を支払っ 不動産の賃貸料に対する源泉徴収 非居住者や外国法人(以下「非居住者等」といいま す。)から日本国内にある不動産を賃借して、日本 国内で賃貸料を支払う者は、非居住者等に対して賃 契約率が低下する一方で、「外国人投資家などが購入に動 貸料を支払う際に、20.42%の税率で、所得税及び き、都市部を中心に割安な中古物件を検討する人が増えて 復興特別所得税を源泉徴収しなければなりません。 ここでの源泉徴収の対象となる「不動産の賃貸料」 いる」(日経新聞,2014 年11 月21 日)。 外国人投資家らが都心部で購入したマンションを賃貸し の範囲は、次のとおりです。 て収入を得るほか、将来の売却を視野に入れた動きがみら れる。為替円安で日本物件を買いやすくなったこと、台湾 や香港では不動産の価格高騰で投資のチャンスが減少し ていること、これまで投資先だった中国も従来のような利 回りは期待できないこと、などの経済事情が外国人投資家 の都心マンション購入行動に影響している。 2014 年8 月に国交省が発表した「海外投資家アンケー ト調査」の結果によれば、海外投資家の投資先としての日 国内にある不動産、不動産の上に存する権利の 貸付けによる対価 採石法の規定による採石権の貸付けの対価 鉱業法の規定による租鉱権の設定による対価 居住者又は内国法人に対する船舶若しくは航 空機の貸付けの対価 なお、個人の方が自己又はその親族の居住の用に 本の評価は、「不動産市場の規模」(45.9%) 供するために、非居住者等から不動産を借り受けて 「不動産投資関連制度の安定性」(41.5%)についての いる場合には、その個人の方は、支払の際源泉徴収 評価が高く、次いで「不動産投資リスクの水準」 (40.2%)、 をしなくてもよいことになっています。 「不動産市場の流動性」(39.9%)の順となっている。 一方、「税制優遇等の不動産投資におけるインセンティブ の充実度」(11.7%)、「不動産市場における商品(不 動産)の多様性」(18.1%)については、低い評価結果 となった。特に、日本を除くアジア諸国との比較では、 「不 動産投資関連制度の安定性」で日本の評価が高く、総じて また、我が国が締結している多くの租税条約では、 土地等の不動産の賃貸料については、不動産の所在 する国においても課税できるとする規定を置いてい ます。 したがって、非居住者等に対して日本国内にある 市場成熟度への評価が高い結果となっている。 不動産の賃貸料を支払った場合には、租税条約にお 投資実態としては、投資対象は「実物不動産」(62.7%) いても、その非居住者等が受領した賃貸料について、 が高く、以後「私募ファンドへの投資」(27.5%)、「不 我が国で課税できることになっていますので、国内 動産を裏付けとする債権」(23.5%)、「J-REIT」 法どおりの課税をすることになります。 (17.6%)となっており、この結果からも、外国人投資 家が実際に不動産を購入している実態がみえる。 国税通則法 (納税管理人) 第百十七条 個人である納税者がこの法律の施行地に住 所及び居所(事務所及び事業所を除く。 )を有 せず、若しくは有しないこととなる場合又は この法律の施行地に本店若しくは主たる事務 所を有しない法人である納税者がこの法律の 施行地にその事務所及び事業所を有せず、若 しくは有しないこととなる場合において、納 税申告書の提出その他国税に関する事項を処 理する必要があるときは、その者は、当該事 項を処理させるため、この法律の施行地に住 所又は居所を有する者で当該事項の処理につ き便宜を有するもののうちから納税管理人を 定めなければならない。
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