IPO・内部統制 演習講座

連載 第5回
IPO・内部統制 演習講座
一般社団法人日本経営調査士協会 専務理事
下 田 秀 之
―上場、経営品質向上に資する誌上講習―
新規上場・内部統制の実務的な知識を確認いただく第5回目の演習問題を掲
載します。問題の出典は、弊会主催の上級IPO・内部統制実務士試験問題で、
後段に解答例を掲載しました。
<今回の演習問題>
【問題1】上級IPO実務士 第6回 資格認定試験より出題
問①
上場審査の実質基準では、申請会社が経営活動を有効に行うため、内部管理体制が適切に整備、
運用されていることを求めています。そのなかで、申請会社の予算が組織的かつ合理的に行われ
ていることに加え、予算管理の状況について確認されます。上場審査における予算管理の状況の
確認について、(1)および(2)の質問に解答してください。
(1) 予算管理に関する上場審査上のポイントを簡潔にご解答ください
(2) 予算実績差異分析が、
経営判断の有効な材料となるために考慮すべき点を簡潔にご解答くだ
さい
問②
上場審査においては、経営活動の効率性及び内部牽制機能を確保するに当たって必要な経営管
理組織の一環として、規程、マニュアル等の社内諸規則の整備・運用状況が確認されるため、上
場準備会社は規程、
マニュアル等を適切に整備した上で、
実際に運用することが必要となります。
社内諸規則の整備・運用について、
①規程・マニュアル等の整備を行う段階で注意すべきポイント
②上場審査上の留意点
以上、①、② について、解答してください。
問③
上場準備における反社会的勢力への対応に関する以下の説明文につき、空欄( a )~( f )
に適当な語句を入れてください。
・上場申請時に東京証券取引所に「( a )」を提出する必要がある。「( a )」において確
認を求められる範囲、確認項目は以下のとおりである。
対象者
確認項目
上場申請日における役員、役員に準ずる者、重 氏名、生年月日、最近( b )に経歴(職歴)と
要な子会社の役員
してかかわったすべての会社・団体等及び兼職
している会社・団体等の名称及び本店所在地
上場申請日における株主上位( c )名
・法人株主については名称と本店所在地
・個人株主については氏名・生年月日・住所
—1—
・投資ファンドについては、ファンド名、所在
地・運営者(ファンド出資者のうち、上場申請
会社の発行済株式の 5%以上の出資持分を持
つ大口投資者が存在する場合、その名称
仕入先及び販売先(直前事業年度の連結ベース ・個人の場合は氏名、生年月日、住所
で上位( d )社)
・法人の場合は名称、本店所在地
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上場準備における反社会的勢力への対応に関する以下の説明文につき、空欄( a )~( f )
に適当な語句を入れてください。
・上場申請時に東京証券取引所に「( a )」を提出する必要がある。「( a )」において確
認を求められる範囲、確認項目は以下のとおりである。
対象者
確認項目
上場申請日における役員、役員に準ずる者、重 氏名、生年月日、最近( b )に経歴(職歴)と
要な子会社の役員
してかかわったすべての会社・団体等及び兼職
している会社・団体等の名称及び本店所在地
上場申請日における株主上位( c )名
・法人株主については名称と本店所在地
・個人株主については氏名・生年月日・住所
・投資ファンドについては、ファンド名、所在
地・運営者(ファンド出資者のうち、上場申請
会社の発行済株式の 5%以上の出資持分を持
つ大口投資者が存在する場合、その名称
仕入先及び販売先(直前事業年度の連結ベース ・個人の場合は氏名、生年月日、住所
で上位( d )社)
・法人の場合は名称、本店所在地
・取引先を反社会的勢力排除の観点から審査する体制、反社会的勢力に関する情報集積の方法、
外部専門機関との連携の実施方法、相手方が反社会的勢力と判明した場合や、反社会的勢力か
ら不当要求を受けた場合における対応手順などの業務フローを整備し、( e )などの形で、
マニュアル化する必要がある。
・会社の使用する契約書に( f )を導入する必要がある。これから取引を開始する取引先だけ
ではなく、既存の取引先との契約書にも導入する必要がある。
問④
上場準備会社は、上場会社と同様、会社の実態に即した会計処理基準を採用し、適切な決算処
理を実行できる体制を整備することが求められます。会計処理に関する(1)から(5)の質問
につき、解答してください。
(1)収益の認識基準に関する以下の説明文について、誤っているものを一つ選び、その理由とと
もに解答欄に記入してください。
① 当期において契約期間が 2 年間の保守サービスを受託し、契約期間(2 年分)の対価の全額
を受領したが、契約期間のうち、当期に属する期間に対応する対価部分のみを当期の売上と
して計上する。
② 当期中に商品を受注し、発送準備が完了したものの、得意先への発送は翌期となったため、
当該受注案件については、当期に売上を一切計上しなかった。
③ 商品売買を事業として行っている会社においては、商品の発送時点で売上を認識すること
ができる。
④ 商品の販売先との間で当事者として商品売買契約を締結している場合でも、在庫リスクや
信用リスクの負担状況や商品の検収に対する責任の有無などの取引実態から、商品売買代金
の総額を収益として計上することは認められず、実質的に手数料と考えられる部分のみを収
益として計上するケースがある。
(2)ソフトウェアの会計処理に関する以下の説明文について、誤っているものを一つ選び、その
理由とともに解答欄に記入してください。
①
ソフトウェア開発部において自社利用のためのソフトウェアを開発するとともに、開発
したソフトウェアの保守作業を行っている。いずれも、制作した自社利用のソフトウェア
に関する作業を行っているため、ソフトウェア開発部に所属する人員に関する人件費を無
形固定資産のソフトウェア勘定に計上している。
② 研究開発目的のためのソフトウェアの制作費は研究開発費として処理しなければならない。
③ 無形固定資産として計上したソフトウェアの取得原価は、当該ソフトウェアの性格に応じ
て、見込販売数量に基づく償却方法その他合理的な方法により償却しなければならない。た
だし、毎期の償却額は残存有効期間に基づく均等配分額を下回らないことが必要である。
④ ソフトウェアを市場で販売する場合、最初に製品化された製品マスター(複写可能な完成
品)の完成までの制作費はソフトウェアに計上してはならない。
(3)棚卸資産の評価方法及び評価基準に関する以下の説明文について、誤っているものを一つ選
び、その理由とともに解答欄に記入してください。
① 棚卸資産の評価方法として、個別法、先入先出法、後入先出法、平均原価法などが認めら
れている。
② 前期に計上した棚卸資産の簿価切下額については、継続適用を条件に当期に戻入れを行う
方法を選択できる。
③ 通常の販売目的で保有する棚卸資産について、小売業の場合でも正味売却価額(売価から見
—2—
積販売直接経費を控除したもの)ではなく、再調達原価(購買市場の時価に購入に付随する費
用を加算したもの)により評価することができる場合がある。
④ 通常の販売目的で保有する棚卸資産について、収益性の低下による簿価切下額は、注記に
よる方法又は売上原価等の内訳項目として独立掲記する方法により示さなければならない。
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④ ソフトウェアを市場で販売する場合、最初に製品化された製品マスター(複写可能な完成
品)の完成までの制作費はソフトウェアに計上してはならない。
(3)棚卸資産の評価方法及び評価基準に関する以下の説明文について、誤っているものを一つ選
び、その理由とともに解答欄に記入してください。
① 棚卸資産の評価方法として、個別法、先入先出法、後入先出法、平均原価法などが認めら
れている。
② 前期に計上した棚卸資産の簿価切下額については、継続適用を条件に当期に戻入れを行う
方法を選択できる。
③ 通常の販売目的で保有する棚卸資産について、小売業の場合でも正味売却価額(売価から見
積販売直接経費を控除したもの)ではなく、再調達原価(購買市場の時価に購入に付随する費
用を加算したもの)により評価することができる場合がある。
④ 通常の販売目的で保有する棚卸資産について、収益性の低下による簿価切下額は、注記に
よる方法又は売上原価等の内訳項目として独立掲記する方法により示さなければならない。
(4)「連結財務諸表に関する会計基準」に関する以下の説明文について、誤っているものを一つ
選び、その理由とともに解答欄に記入してください。
① 原則としてすべての子会社を連結の範囲に含めなければならない。
② 会計上子会社の決算日が連結決算日と異なる場合には、子会社は、連結決算日に正規の決
算に準ずる合理的な手続により決算を行うが、差異が3ヶ月を超えない場合に子会社の正規
の決算を基礎として連結決算を行うことができる。
③ 破産会社などで、かつ、有効な支配従属関係が存在しないと認められる企業は子会社に該
当しない。
④ 自己の計算において議決権をまったく所有していない会社については、子会社に該当しな
い。
(5)セグメントに関する会計基準に関する以下の説明文について、空欄( a )~( d )に
適当な語句を入れてください。
①
事業セグメントの決定にあたっては、企業の最高経営意思決定機関が、当該構成単位に
配分すべき資源に関する意思決定を行い、また、その業績を評価するために、その経営成
績を定期的に検討するために経営者が企業を事業の構成単位に分別した方法を基礎とする
「( a )」の考え方が導入されているため、投資家の投資判断にとっても重要な情報で
ある。
②
企業は、セグメント情報として、(1)報告セグメントの概要、(2)報告セグメントの( b )
及びその他の重要な項目の額、(3)報告セグメントの( b )において開示された項目の
合計額とこれに対応する財務諸表計上額との間の差異調整に関する事項を開示しなければ
ならない。
③
報告セグメントが1つしかなく、セグメント情報を開示しない企業であっても、関連情
報として、( c )ごとの売上高、国内及び海外の売上高、国内及び海外に所在する有形
固定資産の額、主要な顧客の名称、売上高等を開示しなければならない。
会社が( d )の償却額を計上している場合、( d )の償却額及び未償却残高に関
する報告セグメント別の内訳を開示しなければならない。
【問題2】上級内部統制実務士 第5回 資格認定試験より出題
問①
連結決算業務に関連する決算・財務報告プロセスの一つとして、「連結パッケージ」を子
会社から収集する業務があります。「連結パッケージ」は、親会社において連結財務諸表を
作成するために必要な情報を子会社から入手するためのものですが、連結パッケージには、
子会社の貸借対照表、損益計算書のほか、一般的にどのような内容が含まれますか。考えら
れる項目を5つ、解答欄に記載してください。
問②
連結財務諸表作成業務を効率的に進めるためには、必要な情報を「連結パッケージ」に適
時かつ適切に織り込み、これを各子会社から正確に計画したスケジュール通りに回収するこ
とが重要です。このために親会社の連結財務諸表作成担当者として、決算日到来前に事前に
実施しておくべき事項は何がありますか。考えられる項目を解答欄に記述してください。
【問題3】上級内部統制実務士 第6回 資格認定試験より出題
問①
若手のスタッフが、貸倒引当金計上の関するリスク・コントロール・マトリクス(RCM)
を作成しました。上司のあなたはスタッフが作成した RCM のレビューを実施しましたが経
験が浅いスタッフであるため2つの誤りがあります。
—3—
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れる項目を5つ、解答欄に記載してください。
問②
連結財務諸表作成業務を効率的に進めるためには、必要な情報を「連結パッケージ」に適
時かつ適切に織り込み、これを各子会社から正確に計画したスケジュール通りに回収するこ
とが重要です。このために親会社の連結財務諸表作成担当者として、決算日到来前に事前に
実施しておくべき事項は何がありますか。考えられる項目を解答欄に記述してください。
【問題3】上級内部統制実務士 第6回 資格認定試験より出題
問①
若手のスタッフが、貸倒引当金計上の関するリスク・コントロール・マトリクス(RCM)
を作成しました。上司のあなたはスタッフが作成した RCM のレビューを実施しましたが経
験が浅いスタッフであるため2つの誤りがあります。
以下に示す、①~㉓のうち、誤っている番号とその理由を簡潔に記載してください。
実
在
性
業務
貸倒引当金
計上
貸倒引当金
計上
貸倒引当金
計上
貸倒引当金
計上
貸倒引当金
計上
貸倒引当金
計上
貸倒引当金
計上
網
羅
性
アサーション
権
評
利
価
と
の
義
妥
務
当
の
性
帰
属
期
間
配
分
の
適
切
性
表
示
の
妥
当
性
リスクの内容
R1 個別引当すべき
債権の把握が網
羅的に実施され
ていない
④
⑦
コントロール
発見的 発見的 発見的 発見的 発見的 発見的
C4
C5
C6
C7
C8
C9
貸
の貸
管 印 際 仕る し 取 計
倒
整倒
理 が に訳 た引 算
引
合引
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金
確金
仕 こ力 に 流の を
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高
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票 確者 い 固 ご と
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期
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る
認
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額
る
認 る す定
と
⑧
⑩
⑫
⑬
⑮
⑱
⑳
⑥
⑨
⑭
⑰
③
⑤
⑪
R5 貸倒引当金計上
の仕訳を忘れる
R7 貸倒引当金の流
動・固定分類を誤
る
発見的
C3
示貸
さ倒
れ実
績
適率
切の
な計
上算
位過
者程
のは
承計
認算
をシ
得
て ト
いに
る明
②
R4 貸倒引当金繰入
額の計算を誤る
R6 貸倒引当金計上
の仕訳伝票が適
切な管理者の承
認を得ていない
防止的
C2
専個
門別
家評
へ価
鑑す
定る
を債
依権
頼に
すか
るか
る
担
保
に
つ
い
て
①
R2 個別引当する債
権の回収不能見
込額を誤る
R3 貸倒実績率の算
定を誤る
発見的
C1
す滞
る留
債
権
リ
ス
ト
と
個
別
引
当
リ
ス
ト
を
照
合
⑯
⑲
㉑
㉒
㉓
問②
財務報告とは、財務諸表及び財務諸表の信頼性に重要な影響を及ぼす開示事項等に係る外
部報告をいい、「財務報告の信頼性に重要な影響を及ぼす開示事項」とは、有価証券報告
書等における財務諸表以外の開示事項で次に掲げるものをいう。
(実施基準Ⅱ. Ⅰ. ①ロ)。
(1)財務諸表に記載された金額、数値、注記を要約、抜粋、分解又は利用して記載すべ
き開示事項
(2)関連会社の判定、連結の範囲の決定、持分法の適用の要否、関連当事者の判定その
他財務諸表の作成における判断に密接に関わる事項
以下に示した有価証券報告書(抜粋)における記載事項において、「財務諸表に記載され
た金額、数値、注記を要約、抜粋、分解又は利用して記載すべき開示事項」として、実施基
準で例示された項目を5つ挙げてください。
(注)解答は複数ありますがそのうち5つを記載してください。
—4—
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第一部
第1
第2
第3
第4
有価証券報告書(抜粋)
企業の概況
企業の概況
1 主要な経営指標等の推移
2 沿革
3 事業の内容
4 関係会社の状況
5 従業員の状況
事業の状況
1 業績等の概要
2 生産、受注及び販売の状況
3 対処すべき課題
4 事業等のリスク
5 経営上の重要な契約等
6 研究開発活動
7 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
設備の状況
1 設備投資等の概要
2 主要な設備の状況
3 設備の新設、除去等の計画
提出会社の状況
1 株式等の状況
(1)株式の総数等
(2)新株予約権等の状況
(3)行使価格修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等
(4)ライツプランの内容
(5)発行済株式総数、資本金等の推移
(6)所有者別状況
(7)大株主の状況
(8)議決権の状況
(9)ストックオプション制度の内容
(10)従業員株式所有権制度の内容
2 自己株式の取得等の状況
(1)株主総会決議による取得の状況
(2)取締役会決議による取得の状況
(3)株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容
(4)取得自己株式の処理状況及び保有状況
3 配当政策
4 株価の推移
5 役員の状況
6 コーポレート・ガバナンスの状況等
(1)コーポレート・ガバナンスの状況
(2)監査報酬の内容等
<今回の演習問題/解答例>
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3
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(4)取得自己株式の処理状況及び保有状況
配当政策
株価の推移
役員の状況
コーポレート・ガバナンスの状況等
(1)コーポレート・ガバナンスの状況
(2)監査報酬の内容等
<今回の演習問題/解答例>
以下に今回挑戦いただいた演習問題の解答例を掲載します。概ね7割以上の正解率でしたら
IPO・内部統制業務の実務責任者として御活躍できることと承知しています。
【問題1】解答例
問①
(1)
予算実績差異分析が適切に行われて、適時開示に支障が生じないような体制となっているか。
(2)
予算と実績の差異内容の事実関係の把握だけではなく、差異の原因を分析し、対応策まで検討
する必要がある。
問②
番号
解答
・会社の業種、規模、組織構成等の実情に適合する体系・内容で作成されており、有効
に機能するものとなっているか
①
・第三者が読んで理解可能であり、それを読むだけで業務の実施が可能なものとなって
いるか
・規程等に定められたとおりに業務の運用が実施されていることが確認できるような社
内管理資料の作成・整備
②
・規程やマニュアル等は基本的に運用実績が求められるため、直前期に入るまでに整備
を終了し、運用をスタートさせること
問③
a 反社会的勢力との関係がないことを示す確認書
c 50
e 反社会的勢力対応マニュアル
b 5 年間
d 10
f 反社会的勢力排除条項
問④
(1)
番号
理由
特に顧客の検収までに時間がかかる場合など、実現主義の下での「財貨の移転の完了」
③
といった収益認識基準を満たさない場合がある。
(2)
番号
理由
将来の収益獲得又は費用削減が確実であるソフトウェアの制作に関する制作費につい
①
てしかソフトウェアとして資産に計上できないため、保守作業に係る人件費はソフトウ
ェアに計上できない。
(3)
番号
理由
①
棚卸資産の評価方法として後入先出法は認められていない。
(4)
番号
理由
緊密なものが所有している議決権が過半数であり、意思決定機関を支配しているとみな
④
される場合は、子会社となる可能性がある。
(5)
a マネジメント・アプローチ
b 利益(又は損失)、資産、負債
c 製品・サービス区分
d のれん
【問題2】解答例
—6—
問①
・連結会社間の取引の明細、債権債務の明細
・連結会社から取得した固定資産やたな卸資産の明細
・退職給付関係の情報
・リース取引に関する情報
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・セグメント関係の情報
等
問②
・新会計基準の適用がある場合や会計方針の変更等を行う場合には、連結決算マニュアル 16/02/16 19:45
c 製品・サービス区分
d のれん
【問題2】解答例
問①
・連結会社間の取引の明細、債権債務の明細
・連結会社から取得した固定資産やたな卸資産の明細
・退職給付関係の情報
・リース取引に関する情報
・セグメント関係の情報
等
問②
・新会計基準の適用がある場合や会計方針の変更等を行う場合には、連結決算マニュアル
等を改訂して会社が採用する会計方針等を子会社に周知する。
・事前に子会社等の決算担当者を対象に経理会議等を開催して連結決算について教育指導
するとともに、連結パッケージへの入力方法についても指導する。
・決算スケジュールを子会社等に周知し、連結パッケージの回収期限等を周知徹底する。
【問題3】解答例
問①
⑬が誤り。
貸倒引当金繰入額の計算を誤るリスクであるため貸倒引当金残高の前期比較を実施す
るよりも、計算方法が誤っていないかを検証する必要がある。そのため「計算方法を前期
と比較する」コントロールが必要である。
⑳が誤り。
貸倒引当金の流動・固定分類は表示を誤るリスクであるため網羅性にはあたらない。そ
のため⑳は不要である。
問② (配点5点)※下記の中から選ばれていれば正解
主要な経営指標等の推移
業績等の概要
事業等のリスク
研究開発活動
設備の状況
株式等の状況
コーポレート・ガバナンス
の状況等
配当政策
生産、受注及び販売の状況
財政状態、経営成績及びキャッ
シュ・フローの状況の分析
自己株式の取得等の状況
<今回の演習問題/要点等>
第五回目の出題は、IPO・内部統制の主要な業務テーマである経営管理体
制の整備、決算・財務報告プロセス等の基本的な理解を求めたものです。
上場準備のための経営管理体制の構築、財務報告の信頼性確保のための経理
体制の整備から、この分野の重要性が大いに意識された出題となっております。
解答例にある「主要なキーワード」が解答されたかどうか、是非とも御確認く
ださい。
(参考図書:「これですべてがわかるIPOの実務(第 2 版)
」
、
「これですべてがわかる内部統制の実務(第 2 版)
」中央経済社)
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