Py-GC/MSによる 高温下での温度変化による発生ガス成分調査

NSST HIROHATA report
No. M-1501
熱分解(Py)-GC/MSによる高温下発生ガス成分調査
1. 概要
物質を加熱した時に発生するガス成分には、人体や機器に有害な懸念物質が含まれていることがあり
ます。比較的低温(室温~約 300℃)で加熱時の発生ガス成分はヘッドスペース法 等により分析可能で
すが、300℃以上の高温下での発生ガス成分分析には適応できません。
弊社では、1050℃まで昇温可能な熱分解装置を設置したPy-GC/MS を使用し、高温下での発生ガス成
分分析が可能です。
2. 装置仕様
・装置 : Py-GC/MS
GC/MS
QP2010Ultra(島津製作所製)
熱分解装置
PY-3030D(フロンティアラボ社製)
・試料サイズ : 直径 3mm, 高さ 5mm以下
・加熱可能温度 : 40℃ ~ 1050℃
・加熱雰囲気 : He ,擬似エアー(HeとO2の混合ガス(He/O2=80/20 vol.%))
Py-GC/MS装置外観
3. 分析事例
● タバコの葉の加熱温度別(600℃、1000℃)発生ガス成分調査
擬似エアー雰囲気下で600℃,1000℃に設定した熱分解装置に試料を導入し、瞬時に試料を加熱させた
時の測定結果を下記に示します。
ニコチン
アバンダンス
二酸化炭素由来
3-シアノピリジン
600℃加熱(擬似エアー雰囲気下)
酢酸,トルエン,ニコチン等のピークが観察される
4-ビニルピリジン
酢酸
ニコチリン
トルエン
保持時間(min)
1000℃加熱(擬似エアー雰囲気下)
有機物由来と考えられるピークが観察されない
アバンダンス
二酸化炭素由来
600℃加熱時には、酢酸やトルエン等の多くの成分が検出されたが、1000℃加熱時
には、有機物由来と考えれる成分は検出されなかった。
これは、1000℃の高温下で燃焼させた場合、タバコの葉に含まれる成分が二酸化
炭素に分解されたことが考えられる。
保持時間(min)
高温下での燃焼を想定した、加熱発生成分の観察が可能です!
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M-1618 熱分解(Py)-GC/MS装置紹介
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