静岡文化芸術大学室内楽演奏会2015プロジェクト 『風と川と音と』龍山に響くパイプオルガンコンサート 企画趣旨 浜松市天竜区龍山(旧龍山村)は、かつて銅山で栄えた中山間地ですが、1960年代に銅山閉鉱後 に人口が激減し、現在は林業が産業の中心となっていますが、現在も人口流出は止まらず、今では 限界集落となりつつあります。 この龍山地域に1990年、森林文化会館が完成し、ボッシュ製のパイプオルガンが設置され25年 が経ましたが、この楽器は決して有効に活用されているとはいえない状況です。 そこで、静岡文化芸術大学「室内楽演奏会2015」プロジェクトでは、この地域の資源を生かし、 それをどのように利用し、浜松市民に還元していくかを研究した結果、この貴重な楽器を生かし、 龍山周辺の方々をはじめ、浜松市民に広く存在を知っていただくととともに、そこから奏でられる 音楽を楽しんでいただきたいとコンサートを企画しました。龍山のパイプオルガンの公開演奏は約10 年ぶりとのことです。 この演奏会にとって最も大事なことは、龍山でオルガンのコンサート開くことに加え、浜松市民 がそこに足を運ぶことにあります。浜松駅から車で約1時間30分の龍山町は、悠々と流れる天竜川 両岸には山々が連なる自然豊かな地域です。 そんな自然に溢れた空気の中で響く「ヨーロッパの木の文化」の結晶ともいえるオルガン音楽 は、街の大ホールの巨大なオルガンで演奏される音楽とは一味も二味も違って、人々の心の中に響 くはずです。 遠方であるが故に、集客という点においては、難しさがあることは十分に承知しておりますが、 本プロジェクトには浜松市をはじめ、地域企業の皆様のご協力をいただきながら、龍山の山々にオ ルガンの音を響かせたいと思っております。そして、浜松市内各所からお集まりいただいた皆様に は、豊かな自然の中で、ほんのひと時でありますが、オルガンの音楽を楽しんでいただきたいと思 っています。 龍山森林文化会館のパイプオルガン 1990年、ふるさと創生基金を活用し、林業が盛んな地域の特色を打ち出した施設として、浜松市 天竜区龍山町(旧龍山村)に森林文化会館が完成しました。 その多目的ホールに設置されたパイプオルガンは『ボッシュ社(ドイツ)』製で、高さ6.4メ ートル、幅4メートルで、788本のパイプが組み込まれている。手鍵盤は2段56鍵、足鍵盤は30 鍵。和名で「風琴」と呼ばれるパイプオルガンは、風をパイプに送り込み空気が振動して音が出る 楽器です。龍山のオルガンは、小鳥がさえずるような風の音を奏で、豊かな自然の中で楽器本来の 温かみのある音を感じることができるでしょう。 *静岡文化芸術大学室内楽演奏会2015プロジェクト 静岡文化芸術大学室内楽プロジェクトは、今年で7年目を迎える継続プロジェクトです。毎年、大学の教職員が監修者となり、学生 が事業の企画や運営を担当しています。
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