4 水産動植物に対する被害防止 - 平成27年度 静岡県農薬安全使用指針

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水産動植物に対する被害防止
農 薬を使用す る際に、河川 や湖沼な どに農薬が流入 して、魚 介類に影響を及 ぼすこと がある。ま
た 、農薬の 魚毒性 評価はコ イ及びミ ジンコ で行われ ているが 、エビ 、カニ類 及び海水 魚は、 一般的
に、これらに比べ農薬に対して弱いので、農薬を使用する際には細心の注意が必要である。
(1) 農薬使用上の注意
ア 農 薬 取 締法 第 12条 の2 第 1 項 の 規定 に よ り水質 汚 濁 性 農 薬に 指 定 されて い る 農 薬 は有 効 な 代
替農薬があるので使用しないよう努める。
水質汚濁性農薬
シ マ ジ ン 剤 ※
主
な
商
品
名
シ マ ジ ン
※人畜の被害の防止を図る観点から指定された。
イ 農 薬 を 使用 す る 際には 、 水 産 動 植物 に 対 する被 害 を 防 止 する た め 、次の 点 に 注 意 して 使 用 す
る。
(ア) 河川、湖沼及び海域の周辺において使用する場合には、水域に流入しないようする。
(イ) 水田で使用する場合には、農薬のラベルに記載されている止水に関する注意事項等を確認し、
散布後1週間は止水し、かけ流し、溢水、漏水等がないよう水管理や畦畔管理に努める。
(ウ) 散布後に使 用 し た 機具 の 洗 浄 水 及 び 使 用残 りの 薬 液 は 、 河 川 な ど に 流入 し な い よ う に す る。
ウ 農 薬 製剤 ごと の 水産動 植 物 に対 す る 注 意事 項は 、 農 薬の ラ ベル に記 載さ れ て いる の で、 使 用
前に必ず読む。
エ 本県では次の規則により有害物の遺棄漏せつの禁止と罰則が規定されている。
・静岡県漁業調整規則(昭和39年静岡県規則第 17号)
・静岡県内水面漁業調整規則(昭和39年静岡県規則第 39号)
(2) 農薬散布の事前連絡と事故発生時の措置
ア 使用地域内及びその周辺に魚介類の養殖 施設がある場合には、使用する農薬の選定、使用時期、
使 用 方 法 及 び 水管 理 等 につ い て 、 当 該 養殖 施 設 関係 者 と 十 分 協 議の 上 、 被害 の 未 然 防 止 に努 め
る。なお、湖沼などで農薬使用による影響を受ける可能性のある漁業が営まれている場合には、
同様に、当該漁業関係者と十分協議の上、被害の未然防止に努める。
イ 万一、農薬による魚類等のへい死事故が発生した場合には、「魚類へい死 対応マニュアル」(静
岡 県く らし 環境部 生活 環境 課発 行 http://www.pref.shizuoka.jp/kankyou/ka-050/documents
/heisijiko_h2606.pdf)を 参 考に 速 やか に市 町 環境 部 局、 農 林部 局 、 農 林事 務 所、 病 害虫 防 除
所、保健所に通報し、これら関係機関の指示に従い、適切な措置を講じる。
(3) 農薬製剤の水産動植物に対する使用上の注意事項
農薬 製剤ご との、「 水産動植 物への 影響に か かる使用 上の注 意事項( 製剤別一 覧)」 は、独
立行政法人農林消費安全技術センターの下記のホームページで公開している。
独立行政法人農林消費安全技術セン ター>農薬>登録・失効農薬情報>
水産動植物への影響に かかる使用上の注意事項(製剤別一覧)
http://www.acis.famic.go.jp/toroku/index.htm