〈発行〉国公労連 国公労連 国公労連速報 [email protected] [email protected] 2015 年 5 月 20 日《№3157》 《内閣人事局交渉》 定年延長・ 定年延長・再任用の 再任用の改善を 改善を求め要求 求め要求書 要求書を提出 国公労連は 20 日、「雇用と年金の接続に関する要求書」(→別添)を内閣人事局に提出し、 交渉を実施しました。交渉には鎌田書記長を責任者に4名が参加し、内閣人事局は稲山総括参 事官、稲垣参事官らが対応しました。 交渉の冒頭、鎌田書記長は「要求事項はかねてより我々の主張している内容であり、基本的 な考え方だけ述べたい」とし、以下の要求趣旨説明をおこないました。 ○ 国策により年金の支給開始年齢を段階的に 65 歳に引き上げるという時点で、雇用と年金の 確実な接続については労使ともに共通の認識にあったと理解しているが、現時点で、公務員 においては現行の再任用制度以外のものについて明確な考えが示されておらず、非常に遺憾 である。 ○ 雇用と年金の接続については、この間の春闘期交渉のなかでも「閣議決定に沿い、定年退 職者の再任用を政府全体で着実に推進する」「改正国公法附則第 42 条に基づき、雇用と年金 の接続の在り方についての検討を速やかに進めていく」との最終回答があり、人事管理運営 方針でも「平成 27 年夏を目途に政府方針を取りまとめる」とされている。しかし、いまだに 内容について我々に示していない。 ○ 我々は、公務の職務や人事管理の面からして、定年延長がベストだと考えている。2011 年 9 月に人事院が「定年を段階的に 65 歳に引き上げるための国家公務員法等の改正についての 意見の申し出」を行っており、これに沿って定年延長の制度化をはかることは、政府・使用 者としての責務である。直ちに、定年延長を行う方針を示すべきだ。 ○ 現行の再任用制度をとるとしても、民間では高年齢者雇用安定法によって継続雇用が義務 づけられているが、公務の現行制度ではフルタイム再任用は定員の枠内とされ、かつ使用者 の権限での「任用」となることなどから、希望者全員が再任用される保障がなく「義務化」 になっていない。義務化になる制度へ改善するよう求める。柔軟な定数管理を行わない限り、 希望者全員の再任用は困難だ。 ○ また、職務の級を低く格付ける運用により、生活できる賃金水準となっていない。特に短 時間再任用の賃金は低い水準に抑え込まれている。少なくとも、再任用職員の賃金引き上げ と生活関連手当の支給・拡充が必要だ。職員が生活設計をするためにも、早期にどういう制 度を作るかを明らかにする必要がある。そして職員が生活しうる制度にしなければならない。 高齢層職員は連年の処遇切り下げを受けており、退職後に十分な蓄えができるような環境 にない。働き甲斐・生きがいに直結する重大な問題であり、年金との接続をしっかり果たす ことが強く求められている。職員の高齢期雇用について、政府・使用者としての責任ある対 -1- 応を求める。 これを受け、内閣人事局稲山総括参事官は「あらためて要求書の提出をうけたが、我々として も検討して、しかるべき時期に回答したい」との回答にとどまりました。 最後に鎌田書記長は「今後、誠実な交渉協議を求める。我々の意見を真摯に受け止め、要求 に沿った検討を行うよう求める」と述べ、交渉を締めくくりました。 雇用と年金の確実な接続をめぐって、政府は、「夏を目途に方針を取りまとめる」としていま す。国公労連では、本日の要求書提出を皮切りに、夏季闘争期において、交渉・協議を積み上げ ていくこととします。 以 -2- 上 《別添》 2015年5月20日 内閣総理大臣 安倍 晋三 殿 内閣官房長官 菅 義偉 殿 日本国家公務員労働組合連合会 中央執行委員長 宮垣 忠 雇用と年金の 雇用と年金の接続に関する要求書 年金の接続に関する要求書 年金支給年齢が段階的に繰り上げられるなかで、雇用と年金の確実な接続は官民を問わず緊急 の課題となっています。 国家公務員の高齢期雇用については、人事院が 2011 年 9 月に「定年を段階的に 65 歳に引き上 げるための国家公務員法等の改正についての意見の申し出」を行いました。しかし、政府はそれ を無視して、2013 年 3 月には、現行の再任用制度による雇用と年金の接続を閣議決定しました。 現行の再任用制度は、フルタイム再任用を定員の枠内としており、画一的な定員削減により定 員が厳しく査定されているなかで定数の問題が生じることや、再任用制度は任命権者の裁量にも とづく運用であることなどから、希望者全員が再任用される担保はありません。また、現在、再 任用職員の7割をしめる短時間再任用では、級の格付けを抑制する各府省の運用もあり、生活に 必要な収入を得ることは困難であり、雇用と年金を確実に接続していくためには、現行の再任用 制度では不十分なことは明らかです。 政府により一方的に公的年金の支給開始年齢が引き上げられることにともない、無収入の期間 を生じさせないため雇用を確保することは当然の要求です。国家公務員労働者が長年培ってきた 知識と経験をいかしながら、安心して働き続けられる充実した制度の確立が求められます。 以上のことから、政府・使用者として私たちの切実な要求に対する誠意ある回答と対応を強く 求めます。 記 1 「天下り」や早期退職慣行を廃止し、定年年齢までの雇用を保障するとともに、雇用と年金 の確実な接続をはかるため、定年年齢を 65 歳とすること。 2 65 歳までの定年延長が完成するまでの間は再任用制度を併置することとし、以下の要求を実 現すること。 (1)定員管理の柔軟な運用を含め、政府の責任で必要な定数を確保し、希望者全員の雇用を保 障すること。 (2)給与水準は退職前の給与水準を基本とし、少なくとも定年退職時給与の 7 割の水準を確保 するとともに、現在支給されていない生活関連手当を支給すること。 (3)再任用後のポストや処遇に著しい格差を生じさせないようにすること。また、ポストや処 遇の設定などについて、任命権者による恣意的な運用が行われないようガイドラインを示す など政府として責任ある対応をとること。 以 -3- 上
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