社会科・公民科教育法 三木 健詞

文 京キャンパス にて開講
社会科・公民科教育法
Methodology of Teaching Social Studies and Civics
MIKI Kenji
三木
健詞
■授業の目的
中学校・社会科(公民的分野)
、高等学校の公民科を担当する教員として必要な資質能力の基礎を身につけることを目的
とする。※この授業が対象とする教科を教育実習で担当する場合には、3 年で必ず履修すること。
■授業の到達目標
社会科公民的分野および公民科の性格・目標・構成などの基礎的枠組み、各科目での指導案作成・評価・指導法などの実践
的な技能を習得することを到達目標とする。
■授業計画
〔前期〕
〔後期〕
1 ガイダンス
1 ガイダンス
担当者の教師体験から社会科・公民科教員として必要な
前期の授業を振り返り、中学校の社会科と比較しながら
資質能力を理解し、各自学習に取り組む姿勢を確認する。
高等学校の公民科教育法の学習内容を確認する。
2 社会科の位置づけと学習指導要領の変遷(1)
2 学習指導要領と公民科の特色(1)
中央教育審議会答申、学習指導要領をもとに教育課程の
学習指導要領「総則」のポイントについて、中学校との
構成と社会科の性格を戦後の変遷を通して考える(~昭
共通点・相違点に着目しながら確認する。
和 40 年代)
。
3 学習指導要領と公民科の特色(2)
学習指導要領および解説をもとに、公民科の特色や改善
3 社会科の位置づけと学習指導要領の変遷(2)
前回に引き続き、教育課程の構成と社会科の性格を戦後
点について理解する。
の変遷を通して考える(昭和 50 年代~)
。
4 公民科の目標・内容構成(1)
政治・経済の目標、内容構成、取扱いを確認する。金融
4 社会科の授業実践に学ぶ
これまでに注目された授業実践例を読み、社会科の指導
教育の実践事例についても学ぶ。
方法を実際の授業場面のなかで理解する。
5 公民科の目標・内容構成(2)
倫理の目標、内容構成、取扱いを確認する。先哲の思想
5 学習指導要領における公民的分野の扱い
現行学習指導要領をもとに、社会科公民的分野の特色と
を扱った実践事例についても学ぶ。
内容の改善点などを確認する。
6 公民科の目標・内容構成(3)
現代社会の目標、内容構成、取扱いを確認する。法教育
6 公民的分野の目標・内容構成
公民的分野の目標、内容の構成・取扱いを、学習指導要
の実践事例についても学ぶ。
公民科の授業づくりの基礎演習(1)
領および解説をもとに確認する。
7
実際の授業風景をVTRで視聴しながら、指導方法の基
7 指導計画と評価
学習指導要領および解説をもとに、指導計画、学習指導
本スキルを学ぶ。
案の作成方法、観点別評価方法を演習で習得する。
8 公民科の授業づくりの基礎演習(2)
前回までの学習成果をもとに、教材研究や指導計画、学
8 公民的分野の授業づくりの基礎演習(1)
前回までの学習成果をもとに、教材研究や指導計画、学
習指導案の作成の仕方を演習する。
習指導案の作成の仕方を演習する。
9 公民科の多様な授業構想(1)
生命尊重をテーマに、ゲストスピーカーのお話を通して、
9 公民的分野の授業づくりの基礎演習(2)
引き続き、教材研究や指導計画、学習指導案の作成の仕
対象を多様な見方でとらえる必要性を考える。
方を演習する。 10 公民科の多様な授業構想(2)
生命尊重をテーマとした公民科の授業づくりを構想し、
10 多様な指導方法の演習(1)
公民的分野の多様な指導方法としてNIE学習を取り上
教材化の方法を考える。
げ、実際の単元に位置づけて演習する。
11 公民科の多様な授業構想(3)
貿易ゲームを演習し、国際単元の授業における教材化の
11 多様な指導方法の演習(2)
公民的分野における多様な指導方法としてシミュレーシ
工夫について考える。
ョン学習を取り上げ、実際の単元に位置づけて演習する。 12 公民科の授業づくりの基礎演習(3)
提出した学習指導案をもとに相互の講評を行い、指導案
12 公民的分野の授業づくりの基礎演習(3)
提出した学習指導案をもとに相互の講評を行い、指導案
作成のポイントを習得する。
作成のポイントを習得する。
13 公民科の授業づくりの基礎演習(4)
提出した学習指導案をもとにマイクロティーチングをお
13 公民的分野の授業づくりの基礎演習(4)
提出した学習指導案をもとにマイクロティーチングをお
こない、相互の講評を通じて指導法の基礎を身につける。
こない、相互の講評を通じて指導法の基礎を身につける。 14 公民科の授業づくりの基礎演習(5)
前回に引き続き、提出した学習指導案をもとにマイクロ
14 公民的分野の授業づくりの基礎演習(5)
前回に引き続き、提出した学習指導案をもとにマイクロ
ティーチングをおこない、相互の講評を通じて指導法の
ティーチングをおこない、相互の講評を通じて指導法の
基礎を身につける。
基礎を身につける。
後期まとめ
15
これまでの学習をもとに、到達度と課題を総括し、各自
前期まとめ
15
これまでの学習をもとに到達度と課題を総括し、各自が
が自己評価する。
自己評価する
■授業の方法
前期は社会科(公民的分野)
、後期は公民科を中心に講義と演習をおこなう。教科の基礎理論については講義形式で、教
材研究、指導案作成、マイクロティーチングなど実践的な指導力の基礎の習得は演習を中心にして学ぶ。社会科、公民科教
員の志望者として恥ずかしくない知識技能、心構えを身につけるために積極的に授業に取り組むことを求める。
■予習・復習
予習:新聞記事を使った時事問題の情報収集や基本事項の整理を求め、授業時に発表・討議をおこなう。
復習:授業のまとめ、課題に関する相互評価の整理などをおこなうこと。いずれも授業時に指示する。
■成績評価の方法
定期試験・小テストの成績、授業中の取組態度や教材研究・指導案の課題、マイクロティーチングの取組状況などをもと
に総合的に評価する。なお、教員免許状取得を目的とする科目の性格から、休まず出席することを前提とする。遅刻・早退
もしないよう教員志望者(社会人として当然ですが)としてしっかり行動すること。
■教科書・参考書
教科書 文部科学省『中学校学習指導要領』
(平成 20 年告示)
『高等学校学習指導要領』
(平成 21 年告示)
中学校教科書「新しい公民」
、高等学校教科書「現代社会」
、
「倫理」
、
「政治・経済」
(東京書籍)
■関連する科目
「社会科(地理的・歴史的分野)
・公民科教育法」
「日本政治史」
「近代日本経済史」など