アスパラガス

うまさ絶 品! えちご 食 材 の 旅
アスパラガス
新潟県産アスパラガスの紹介
第4回
「越後姫」から始まり「なす」「枝豆」と続く
シリーズ第4回は「アスパラガス」です。
【特徴】
前年の夏~秋の間にたっぷりと養分を蓄えた株か
ら、春の訪れとともに芽吹く若芽を収穫するアスパ
ラガス。
新潟県産のアスパラガスは、雪解けの水分や5月
の豊富な日照により、柔らかくて甘く、また新鮮な
ことが売り物です。
【出荷時期】4月~9月
【県内の主な生産地】
主として新発田市、津南町、十日町市で生産・出
荷されています。
【栽培・収穫の様子】
県内では3月頃に種をまき、50~70日間育苗したのち、5月頃に植え
付けるのが一般的です。1度植え付けると10年前後は同じ畑で栽培が可
能で、長いところでは20年間も栽培・収穫します。植えた翌年から少し
ずつ収穫されますが、3年目から本格的に収量が増えてきます。
露地栽培の様子
収穫は早いものでは4月下旬から始まり、若い茎が地上部に30cm位伸
びたところでカマなどを使って行います。
近年、新潟県では4月から7月上旬に収穫する春採りに加え、夏から
秋にかけて立茎栽培(茎から枝葉が伸びるまで成長させ、株に養分を蓄
えさせる)で長期間収穫する夏秋採りが増加しています。夏秋採りで
は、2m前後に茂った株もとに出る若い茎を収穫します。
【アスパラガスの種類と効能】
ハウスでの立茎栽培の様子
枝葉が伸び養分が蓄えられた
株もとに、若い茎が萌芽する
グリーンアスパラガスは緑黄色野菜に分類され、ビタミンA・Bや、
鉄・カリウム・カルシウムなどのミネラルが含まれています。また、ア
ミノ酸の一種であるアスパラギン酸を多く含みます。
アスパラギン酸の名前はアスパラガスから発見されたことに由来しています。アスパラギン酸には疲
労に対する抵抗力を高め、新陳代謝をよくするという働きがあります。
また、茎が赤紫色の紫アスパラガスも数品種が栽培されています。赤紫色は含有されるアントシアニ
ンによるもので、ゆでると深い緑色になります。
【豆知識】アスパラガスは新鮮なうちに調理するのが一番。生のまま冷蔵庫等で保存する場合は、
寝かさずに立てて、切り口が乾かないように湿らせた紙や布を敷くと良いでしょう。
ホクギンMonthly 2015.7
『アスパラガス』ア・ラ・カルト
データでみる「アスパラガス」
新潟県では、園芸の生産拡大と稲作農家の
所得向上を図るため、米に次ぐ経営の柱とし
て園芸導入を進めています。
アスパラガスは収益性や価格の安定性など
から、えだまめやブロッコリーなどと共に、
導入品目として多く選定されています。
平成26年度県内における主な園芸導入・拡大品目(面積順)
品目
1
えだまめ
2
拡大面積(ha)
経営体数
21.8
55
アスパラガス
6.2
25
3
ブロッコリー
4.7
29
4
かんしょ
4.6
5
5
カリフラワー
3.7
31
32.0
295
73.0
440
その他
合 計
※面積は平成26年度に園芸を新規導入又は作付拡大したことによる増加分
出典:新潟県農産園芸課
「アスパラガス」のおいしい話
春採りと夏秋採りの立茎栽培を行い、新潟県一のアスパラガス出荷量を誇る
JA北越後。なかでも、4~6月に収穫される“太い・甘い・柔らかい”の3
拍子が揃った選りすぐりの新発田産アスパラガスは「ふとっパラ」と命名さ
れ、市内のスーパー・直売所等で特別に販売されます。さらに、5月に収穫し
た70g以上の規格のものは、幻の極太アスパラガス「ふとっパラプレミアム」
として限定販売されます。柔らかくて食べごたえのある極上品です。
【お問い合わせ先】JA北越後 営農販売部 園芸振興課 TEL 0254-41-0770
新発田市では地場産の美味しいアスパラガスを多くの人に味わってもらう
ため、様々なイベントを行っています。
毎年5・6月には「食のアスパラ横丁 味めぐり」を開催。今年は新発田
市・新潟市等の飲食店70店舗が、新発田産のアスパラガスを使ったオリジナ
ルメニューを販売しました。店舗で貰えるシールを集めて応募できるスタン
プラリーや、一番多くアスパラ料理を食べた人に賞品が贈られる「アスパラ
いっぺ食うだ賞」といった企画も好評です。
さらに、アスパラガスを使ったご当地B級グルメ「アスパラみどりカ
レー」が、新発田市の飲食店で提供されています。アスパラガスのピューレ
を使用し、各店がそれぞれに趣向を凝らしたカレーです。
ふとっパラプレミアム
限られた期間にごく少量し
か出回らない、幻の一品
食のアスパラ横丁 味めぐり
【お問い合わせ先】新発田市 農水振興課 農業経営推進係 TEL 0254-33-3108
アスパラみどりカレー
豪雪の地・津南町で栽培されるアスパラガスは、長い積雪期間を経て雪解
け後に短期間で萌芽するため、みずみずしくて柔らかく、甘みがあるのが特
徴です。出荷は春採り限定で、5月上旬~7月上旬まで行われます。
JA津南町では収穫後に真空予冷と雪室施設で品温を下げ、鮮度を保った
まま出荷されます。平成26年度からは行政と協力し、ふんだんに堆肥を入れ
土壌改良を行い、新規のほ場を3ヵ年計画で順次整備、栽培面積を拡大して
います。 【お問い合わせ先】JA津南町 営農部 営農センター TEL 025-765-3123
穴の開いた発泡スチロール
ケースに詰めてよく冷や
し、出荷時に穴を塞いで冷
気を閉じ込め、鮮度を保つ
【資料提供先】新潟県農林水産部 食品・流通課(TEL 025-280-5304)、新潟県HP
JA全農にいがた(豆知識)、ぐみの木(アスパラみどりカレー)より
ホクギンMonthly 2015.7