佐藤ゼミ個別説明会に関する補足資料 1. はじめに 今回、佐藤ゼミの個別説明会では、1 回目と 2 回目とで異なる内容の説明を行いました。 そのため、1 回目のみに参加した方は 2 回目の内容を、2 回目のみに参加した方は 1 回目の 内容を、それぞれ知ることができません。また、1 回目も 2 回目も来て下さったという方で あっても、説明担当者の能力不足で、伝えたいことを十分にお伝えできなかったのではな いかという心配もあります。 そこで、佐藤ゼミに興味をお持ちになってくださった皆様の入ゼミ選びの参考になれば との想いから、1 回目と 2 回目の個別説明会で最も伝えたかった点を、改めて文章にまとめ ることとしました。少しでも皆様の参考になれば、望外の喜びです。ただ、少し長くなっ てしまいました。お時間がないという方や長くて読めないよという方は、下線部だけでも 読んで頂ければ、短時間で個別説明会のエッセンスをおわかり頂けると思います。 なお、個別説明会で行った説明は、全て筆者から見た佐藤ゼミの印象です。したがって、 恣意的な面もあるかもしれません。ですので、真の佐藤ゼミの実態は、ぜひゼミに入って (文責:R. Y.) 確かめてみてくださいね♪ 2. 個別説明会 1 回目(10 月 16 日) (1)ゼミを見る指標 説明会では、ゼミの特色を見るうえで、二つの軸があるということをお話しました。一 つ目は、①「論文作成・討論会への参加など、ゼミ生全員で一つの目標に向かって一生懸 命に勉強するゼミ←→自分の知的関心に応じてのびのびとゼミ内で楽しく勉強するゼミ」 という軸です。もう一つは、②「上下がきちんとしていて、規律正しく皆仲良く団結して 楽しく学生生活を送っているゼミ←→上下関係は厳しくなく、それぞれが自分の自由や意 思を大切にしながらも、お互いに助け合って楽しく生活しているゼミ」という軸です。 このような①および②の軸で見た場合、佐藤ゼミは、①自分の知的関心に応じてのびの びとゼミ内で楽しく勉強するゼミであり、②上下関係は厳しくなく、それぞれが自分の自 由や意思を大切にしながらも、お互いに助け合っているゼミ、だと言えます。では、その 意味するところは何か、ゼミの内容・雰囲気に即して説明したいと思います。 (2)ゼミの内容 ゼミでは、先生から示されたテーマから、自分の好きなテーマを選んで発表することに なります。発表の方式は、レポーター形式で、2~3 名のグループで発表します。発表後は、 先生を含めたゼミ生全員で議論します。一見すると、このような形式では自由に勉強でき 1 ないようにも思えます。しかし、各テーマは、たとえば、 「脳死と臓器移植」というように、 割と裁量の広いものですから、自分の興味・関心に応じてとことん調べることもできます。 他方、自分のできる範囲できちんと勉強すればよいので、そこまで負担になるものでもあ りません。ですので、「刑法には興味があるけど、刑法マニアみたいにとことんやるとか、 討論会とかでハードにやるのはちょっと…」という方でも安心して勉強できます。 また、刑法の重要論点をバランスよく勉強したいという方には、現役 LS 生や OB による 任意参加型の勉強会(過去には、LS 入試の過去問(刑法)を検討しました)もあります。 そこでは、ゼミでは扱いきれなかった刑法の重要論点を勉強することが可能です。ですか ら、「医療と刑法とか、情報化社会と刑法とか、勉強してみたいけど、他の刑法の重要論点 も勉強してみたい!」という方にもピッタリのゼミではないでしょうか。 先ほどから「自由にのびのび勉強できる」という観点を強調して説明してきました。し かし、ゼミで達成すべき目標もあります。それは、大学の集大成であるところの、卒論で す(LS 受験者は免除)。ですので、他のゼミのように討論会などの目先の目標はなくても、 卒論という目標に向かって熱心に勉強する必要はあります。とはいえ、先生もご指導くだ さいますし、みんな例年ちゃんと書いて卒業してますから、そこまで大きな負担にはなり ません。みんなの書いた卒論は、2 年間の活動写真とともに CD-ROM にまとめられ、追い コン時に卒業記念として卒業生に配られます。 以上が、①自分の知的関心に応じてのびのびとゼミ内で楽しく勉強するゼミの意味です。 (3)ゼミの雰囲気 上述の②の軸に関しては、ゼミの雰囲気に関連します。ゼミ生は、個々人の意思を尊重 しながらも、楽しく和気あいあいとやっています。とはいえ、イベントへの参加などが強 制されるということはありません。そうでありながら、ゼミ生の誰かがやりたいと言い出 したことを他のゼミ生がサポートする環境があります。たとえば、ゼミ生の一人が弁護士 の先生を呼んだ講演会をやりたいと言えば、他のゼミ生が参加してくれたり、三田祭に出 店したいと言い出せば皆でやったり、といったことがありました。他方、皆がそんなに乗 り気でないイベントはやんなかったりもします。たとえば、三田祭の出店は 4 期以降やっ てません(笑)。このように、各人が自由にやりながらも、誰かがやりたいと言い出せば、 それを他のゼミ生がサポートしてくれる環境があるのも、佐藤ゼミの魅力の一つです。そ うでありながらも、それが強制されないというのが、ポイントでしょうか。だからこそ、 自分のやりたいことを最大限にやりながらも、ゼミ活動も楽しくやることができます。 他にも、OB・OG が先述した勉強会をやってくれたり、就活例会として就活のアドバイ スをしてくれたりもします。そのため、法曹志望者も就職志望者も OB・OG からのサポー トが受けられ、安心してゼミでの勉強ができます。だからといって、非常に上下関係が厳 しいといったことはなく、先生を含め、優しくサポートしてくれます。これも、佐藤ゼミ の魅力と言えるでしょう。 2 以上が、②上下関係は厳しくなく、それぞれが自分の自由や意思を大切にしながらも、 お互いに助け合っているゼミ、の意味です。 (4)まとめ 要するに、佐藤ゼミでは、各人が自分の進路や意思を大事にしながらも、いわばオプシ ョンとして法曹志望の学生や就職活動する学生のサポートが充実したゼミと言えます。そ のため、法曹志望の人も、就活の人も、刑法マニアの人も、法律はちょっと苦手という人 も、楽しく刑法を学ぶことができるので、個性豊かなゼミ生が集まります。そして、この ように多様なバックグラウンドのある人々が集まるからこそ、法曹志望者を主に対象とす るゼミと違い、多様な視点でモノを見るという力を養うことができます。そのような多様 性を担保するため、自己 PR 用紙と面接という選考方式を採用しています。 3. 個別説明会 2 回目(10 月 23 日) (1)ゼミのテーマ 来年度は、「医療に関する刑法上の問題」および「情報化社会における刑法上の問題」を 大きなテーマに、これに関する個別のテーマに関して、レポーターが自作のレジュメを用 いて発表し、その発表を踏まえて先生を含めたゼミ生全員で議論します。これらのテーマ は、実社会と刑法理論とが激しく衝突し合うもので、教科書を読んだり、事例演習形式の ゼミで勉強したりするのでは、深く学ぶのが難しいものばかりです。 最近のゼミでは、事例演習形式や「原告-被告」に分かれた討論などの形式が主流にな っているように思えます。しかし、事例演習や判例研究は、三田で開講されている「演習」 科目で十分に学ぶことができます。むしろ、佐藤ゼミの扱うテーマは、他の刑法ゼミや講 義では、なかなか腰を据えて学ぶことのできないテーマではないでしょうか。ですので、 大げさに言えば、これらのテーマを学ぶには佐藤ゼミに入るしかないという訳です。 加えて、個別のテーマは、教科書に載っている有名な事件や社会的に話題になった事件、 刑法理論的に重要な問題を含まれており、刑法を学ぶのにうってつけです。また、国際法 など他の法分野の視点が問題となり得るテーマもあり、幅広い視野から刑法を学べます。 (2)佐藤ゼミで身につく能力 佐藤ゼミでのレジュメ作成や発表を通じて、①実社会の諸問題を刑法的に解決する能力 や②資料収集能力・プレゼン能力を身につけることができます。 ①は、論じ方の筋道がある程度は想定されている事例形式などとは異なり、実社会に対 して刑法理論がどうあるべきかという答えのない問題を扱うため、難しい問題を如何に解 決するかという問題解決思考の能力を学ぶことができます。これは、社会人として必要な 素養ですし、事例演習ではなかなか学ぶことのできないものではないでしょうか。 3 ②は、テーマに関する文献を収集してレジュメを作成し、ゼミ生の前で 30~40 分という 限られた時間の中で発表することから、自然に身につけることができます。これは、企業 で働く人にとってはいわば必須の能力ですし、現に OB の中には、この点を就活の面接で のセールスポイントにしたなんて話も聞きます。でも、いきなり「やれ!」と言われても 困りますよね?安心してください。文献の収集方法やゼミでの発表の仕方は、春休みにあ らかじめ練習する機会があります。ですので、安心して 4 月からのゼミに臨むことができ ます。 (3)具体例を用いたテーマの先取り 「インターネット上の犯罪と刑法の場所的適用範囲」というテーマを例に、ゼミでどの ようなことをやるのか、を説明しました。また、そのような説明を通じて、ゼミの雰囲気 が少しでも伝わったかと思います。そこでは、スライドや具体例を用いながら、何が問題 になっているのかを中心に説明させて頂きました。 重要なのは、従来の理論は一体どういう内容のものなのか、その理論は現実の社会の問 題に対処するのに適しているのか、適していないとしてそれをどのように理論的に説明し ていくのか、という点を学ぶことです。佐藤ゼミの各テーマは、これらの点を学ぶうえで 最適のものです。刑法の授業を聞いていて、「一体これが現実社会に起きる問題を考えるう で、役に立つのだろうか?」と思った方も多いと思います。是非この機会に、日吉の講義 では勉強できない、これらのテーマについて学んでみては如何でしょうか? (4)まとめ 2 回目の説明会では、佐藤ゼミのテーマについてご紹介いたしました。マスコミを騒がせ た有名な事件から、教科書にも載っているような理論的に重要な問題まで、実に幅広いテ ーマが扱われることがおわかり頂けたと思います。ですが、これらのテーマは、一貫して 現実社会の問題と刑法理論の問題とが激しく交錯する、いわばアクチュアルなテーマとい う点では共通しています。このような難しいテーマを 1 年かけてじっくりと学ぶというス タイルのゼミは、近時では珍しいものになっています。だからこそ、佐藤ゼミで学ぶのも 面白いと思いますので、ご検討頂ければと思います。 4
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