潜在精巣摘出における hCG負荷試験の意義 (株)益田大動物診療所 嶋田浩紀、原知也、長崎雄太 足立全、岸本昌也、加藤大介 (株)益田大動物診療所 材料及び方法 hCG負荷試験 hCG 3000IU i.m. 採血 Day.0 採血 採血 Day.5 Day.7 ・血清中テストステロン(T)濃度を測定 (株)益田大動物診療所 材料及び方法 去勢牛、未去勢牛におけるhCG負荷試験 ・交雑種(黒毛和種×ホルスタイン種) ・4ヵ月齢 ・去勢牛:3頭、未去勢牛:3頭 (株)益田大動物診療所 結果 (ng/dl) 未去勢牛 (ng/dl) 100.0 90.0 80.0 70.0 60.0 50.0 40.0 30.0 20.0 10.0 0.0 去勢牛 100.0 90.0 80.0 70.0 60.0 50.0 40.0 30.0 20.0 10.0 0.0 day.0 day.5 day.7 day.0 day.5 day.7 (株)益田大動物診療所 症例 症例①:ホルスタイン種、6ヵ月齢 症例②:黒毛和種、6ヵ月齢 症例③:交雑種、8ヵ月齢 症例④:黒毛和種、7ヵ月齢 潜在精巣と診断し、hCG負荷試験を実施 (株)益田大動物診療所 症例① ホルスタイン種 6ヵ月齢 片側性潜在精巣(左側) hCG負荷試験 ・処置前(陰嚢内精巣と潜在精巣のT産生能) ・陰嚢内精巣去勢後(潜在精巣のT産生能) ・潜在精巣摘出後(去勢牛のT産生能) (株)益田大動物診療所 (ng/dl) 症例① 200.0 150.0 100.0 50.0 処置前 陰嚢内精巣去勢後 潜在精巣摘出後 0.0 day.0 day.5 day.7 陰嚢内精巣去勢後において、既にテストステロン値の上昇は見られなかった。 →摘出した潜在精巣にはT産生能が無かった。 →精巣の発育とともにT産生能を獲得する可能性が考えられた。 (株)益田大動物診療所 症例② 黒毛和種 6ヵ月齢(hCG負荷試験時) 片側性潜在精巣(左側) 4ヵ月齢時に摘出手術を行うも、皮下及び腹腔内 の探索により、潜在精巣を確認出来ず。 潜在精巣の存在及びT産生能を確認する目的で hCG負荷試験を実施。 (株)益田大動物診療所 症例② (ng/dl) 160.0 140.0 120.0 100.0 80.0 60.0 40.0 20.0 0.0 day.0 day.5 day.7 精巣の存在を確認 再手術 (株)益田大動物診療所 症例② (株)益田大動物診療所 症例② 精巣逸所症と診断 (株)益田大動物診療所 症例② (株)益田大動物診療所 症例② (株)益田大動物診療所 症例③ 交雑種 8ヵ月齢(hCG負荷試験時) 片側性潜在精巣(右側) 6ヵ月齢時に摘出手術を行うも、皮下及び腹腔内 の探索により、潜在精巣を確認出来ず。 潜在精巣の存在及びT産生能を確認する目的で hCG負荷試験を実施。 (株)益田大動物診療所 症例③ (ng/dl) 120.0 100.0 80.0 60.0 40.0 20.0 0.0 day.0 day.5 day.7 精巣の存在を確認 再手術 (株)益田大動物診療所 症例③ (株)益田大動物診療所 症例③ (株)益田大動物診療所 症例③ (株)益田大動物診療所 症例③ (株)益田大動物診療所 症例③ (ng/dl) 120.0 100.0 80.0 術前 60.0 再手術後 40.0 20.0 0.0 day.0 day.5 day.7 (株)益田大動物診療所 症例④ 黒毛和種 7ヵ月齢(hCG負荷試験時) 片側性潜在精巣(右側) 摘出手術を行うも、皮下及び腹腔内の探索に より、潜在精巣を確認出来ず。 潜在精巣の存在及びT産生能を確認する目的 でhCG負荷試験を実施。 (株)益田大動物診療所 症例④ (ng/dl) 140.0 120.0 100.0 80.0 60.0 40.0 20.0 0.0 day.0 day.5 day.7 精巣の存在を確認 再手術 (株)益田大動物診療所 症例④ (株)益田大動物診療所 症例④ (株)益田大動物診療所 症例④ (株)益田大動物診療所 症例④ (株)益田大動物診療所 症例④ 140.0 (ng/dl) 120.0 100.0 80.0 術前 60.0 再手術後 40.0 20.0 0.0 day.0 day.5 day.7 (株)益田大動物診療所 潜在精巣牛に対するhCG負荷試験の意義 精巣の有無を的確に診断できる。 hCG投与による精巣の発育、精巣下降の促 進が期待できる。 術前、術後のT産生能を測定することで、摘 出手術の成否を判断できる。 hCG負荷試験が去勢牛としての診断となり、 子牛市場への出荷、肥育に供する事が出来 る。 (株)益田大動物診療所
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