日本林業技術協陰 - 日本森林技術協会デジタル図書館

昭 和 6年9
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日本林業技術協
陰
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どんな図形の面矛責も
早く
キモト・プラニは、任意
正確にの白色図形を黒い台紙の上
キモ8−.羽ラー
簡単に鶚二壷蕊鱒鰭美
学的に円筒軸方向に走査しますと、白い図
I
形部分のみが反射光となって光電管に受光
されます。その図形走査時間を、エレクト
I
ロニク・カウンターで累積することによっ
て、図形の面積を平方センチメートルで表
示する高精度のデジタル面積測定機です。
キモト・フ・ラニは、機構部、独立同期電源
部および、カウンタ一部分よりなっており
ます。
本機は地図、地質調査、土木、建築、農業
土地利用、森林調査等各部門に広く活用で
きます。
キモト・Zラニ
株式会社老もと
本社東京都新宿区新宿2-13TEL354-0361(fW
大阪営業所大阪市南区 上本町4-613-3TEL763-0891㈹
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従来ご愛顧いただいておりましたデンドロメーターに,更に改良を加へ言
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号=主な改良点==既往のデンドロメーター用途=冒
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1.取扱がいたって容易1.ha当りの林分胸高断面積測定言
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好評発売中
森林航測ハンドブック
林野庁監修
A5判約500頁特製本日林協編
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一
本会創立50周年の記念として刊行するものです。わ力掴の林業における空中写
真利用の重要性は,すでにご承知のとおりで,多言を要しません。本書はこれを専
門技術者の承ならず,広く林業にたずさわる人盈の日常業務の処理にまでこの技術
を利用され得るように編集されております。航測入門の書として’業務実行上の手
ぴきとしてぜひお備え下さい。
声に合云
価
2,000円
員特価
1,800円
申込所
千代田区六番町7番地
発行所
社団法人日本林業技術協会
T E L O 3(261)5281
3
振替東京60448
取引銀行三菱銀行
麹町支店”".…
│近刊|
森 林 法
一
林野庁林政課
泉孝健著
鳥居秀一
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8月上旬発刊予定
解 説
新書判約250頁
予価400円
1
われわれの日常行なっている仕事は,どこかで必ず森林法に連がりがあります。‐
いつでも即座に森林法にはどう書いてあるか,それはどのような意味を持つもので
あるかを知ることが出来れば仕事の運びもスムーズになりまし襲う。その点,本書
は小型で,しかも内容豊富な格好の書と言えます。
既刊「森林施業計画の解説』姉妹編
発行所東京都千・代田区六番町七番鼬
社団法人日本林業技術協会
.TE.L03(261)5281
振替東京60448
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表紙写真
第17回林業写真
コンクール佳作
「阿蘇の杉林」
久留米市
島 守 治
目 次
ファッショゾテーマ
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林業と生態学・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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11100180山、10081■、日、
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会員証
(日林協発行図書をご
注文の際にご利用下さ
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手束蒸一・・1
沼田真・・2
府県における林業試験研究のあり方・
安藤愛次・・8
降水量の蕊助におもう.・・・・・・・・・・・・
高見寛・・12
自然成帯性を追って(1)・・.・・・・・・
久保哲茂・・14
一
毒舌有用(13)・・・・…・・・…..…
林間漫語(3)・・・・・・・…・・・・・・・・.
● ■
池田真次郎・・18
堀田正次・・18
会員の広場
アカマツの天然生木と植栽木の根系について・ 。…・・・・…・・・黒木富生・・21
技術開発と情報管理………..….….…. . ・ … ・ … … … 横 田 英 雄 ・ ・ 2 3
里山開発に寄せて..…・…・…...….…。. . … … … ・ … 林 常 夫 ・ ・ 2 7
どうらん(ギャナリーヤシ)・・・・・・・・20
技術情報・…・…・・・・……・…33
(タイワンフウ)……・・・・32
現代用語ノート・こだま・……・34
山の生活….、・・…....."....。….、20
第25回総会報告…・…・……・・35
海外林業紹介…・・……・…。.….、31
協会のうごき.……..……・・要40
F
I
ファッションテーマ
G
61画
手 束 蒸 一
凸
(秋田営林局長)
一
工業では3桁4桁の生産性向上もめずらしくない技術革新の時代であるが,わが林業において
鍵,まだ1桁の域を越えることは困難であり,特に育林関係では1桁も下の方であろう。しかしな
がら,これは国際共通のことであるから,特にわれわれ日本の林業人がコンプレックスに陥るのは
筋違いであるし,また,.このようなハンディに目をおおってバラ色の夢を描くのもナンセンスであ
る。要は,なぜそうなのか何が壁なのかの明確な科学的認識にたって,見当はずれのないよう地道
な前進を図ることが林業技術振興の唯一の道である。
ところが一方において情報化時代の名のもとにマスコミのセンセーショナリズムが一世を風廃し
ている。林業人はPRが下手だというのが定評であるが,どうもこれは,林業についての正しい認
識と理解を得るための広報活動そのもののことよりも,目玉ニュースの提供度が少ないことと胃の裏
腹であるように思える。すなわち今は,マスコミの論調が国や地方の政治にも大きな影響を持つの
で本来地道であることを地道に主張していては正しいことであってもなかなか世の中に認められに
くいということなのである。
そこでPRの戦術としてデフォルメの誘惑が強くなる。デフォルメは写実でなくて絵画的強調で
一
、あるから,本来自然科学の原理とは相入れないものをもっている。ここのところの.ズレが,過去に
おいて,林業技術テーマのはやりすたりという不可思議な事態のくり返しの原因をなしているよう
・である。
i
もとより,技術は自然科学と経済を結ぶきずなであるから,どちらもが流動的発展的なものであ
;る以上,固定的なものでありえないのは当然であるが,いずれにも明確な関連がないと思われるの
艇,技術だけがふわふわと関係者の注目をひいたりまた忘れられたりすることがあるのは戦術的デ
・フォルメの副産物なのであろう。
当節,予算獲得などのためには多少オーバーな表現も致し方ないのかも知れないが,技術者自身
:がそれに酔ってしまってはどうにもなるまい。近ごろ宣伝される「高密路網を基溌とする施業」の
技術体系についても,これをファッションテ一言に終わらせないためには,そのねらい,効果,限
界などの整合性をしっかりふまえて進めることが肝心である。まず留意すべきは,そのねらいを,
多額の基雛投資を基礎とする土地集約な施業の方向に定めるのか,架線万能の技術体系に加えて,
立地次第でより.省力的な効果を期待できる作業道施業の技術体系を整えることに定めるのかという
‘ことであるが,名称がかもすムードとさしあたり実現性のある方向との間にズレがあることを冷静
艇分析してかか,るべきであると思う。
− 1 −
;論壇;
林業と生態学
沼 田
真
画
(千葉大学・教授)
1°はじめに・
2
本稿のわたくしへの注文は,エコロジーが今日の林業に対して 果たす役割のようなものを示ぜと
一
いうことであった。アメリカの大統領ニクソンの年頭教書で,公害問題に対するエコロジスhの役
割が取り上げられて以来こうした環境保全に対して具体的にどんな役割を果たせるのかがしばし
ば話題になっている(タイム誌2月2日号)。
生態学つまりエコロジーは約100年前に生物学の中にその吸々の声をあげ(Haeckell866),そ
の後わが国では三好学の髄物の社会」(1903)や「普通植物生態学」(190かなどによって一般化
されるに至ったものである。したがってエコロジーに対する生態学の訳はずいぶん古くから日本語
として定着したわけであるが,内容的には,幾多の変遷があり,紹介者の三好自身が不当に低い位
置においた初期の生態学と,戦後のそれとは大きな隔たりがある。特に最近”公害問題などの関連
でエコロジーやエコロジストといわれる時には,何かそこに新しい期待がこめられているように承
える。今日の生態学は果たしてそのような期待に答えられるのか,林業との関係は一体どうなのか〉
以下にそりの問題点を追究してみたい。
2.応用生態学の立場
としたい。
すると基礎的な生態学というのは,植物,動物を中心とした理学系の生物生態学ということにな
るであろうが,一方,林業(forestryないしsylviculture)は,木を中心とした共同体(community)ないしはエコシステムにおける木の生産とこれを管理する技術的分野と一応は規定できるで
あろう。つまり,そうした木を中心とした生物生産業,生態系管理業であるということになろう
が,これは理学系の生物生態学とはすぐには結びつかない。そこに両者のかけ橘としての応用生態
学(ここでは林地生態学ないし森林生態学)の立場がある。このことは木でなくて,草を中心とし
た草地生態学ないし草原生態学が,草の生産やその管理をする草地造成業や草地利用業と基礎生態
− 2 −
一
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基礎的な生態学はふつうは生物科・学の一分科と考えられ,植物,動物,微生物,人間などを対象
にして,一応植物生態学,動物生態学などが成立すると考えられる。またそれら植物や動物とその
生活をささえる無機的環境から成り立つ生態系(エコシステム)を対象として,その間の物質やエ
ネルギーの流れを調べる生態系生態学も成り立つし,動植物群集の瀧造や機能の解析に中心をおい
た生物生態学も成・り立ちうる。上の人間の場合ほ,生物の一員としての人間(たとえば人画成長の
問題など)を生物のレベルで扱う場合は自然科学的,生物科学的生態学であるが〉これが地球上に
広がる人間主体的な生態系の広汎な問題を取り上げるとなると,先の公害問題なども含まれてきてシ
社会科学的な生態学の成立する必然性がでてくる。そうなると,生態学は一種の総合科学として自
然・文化両面にわたる広大な領域を占めることになるが,ここでは自然的な面に限って論ずること
8
学のかけ橋をするのとまったく同様である。同じことは耕地生態学ないし盤業生態学の場合にもい
えることである℃
生物生産に例をとるならば,植物としての木が行なう物質生産の量と質を原理的に明らかにしよ
うとするのがそれであるが,林業では,木とはいっても葉や根の生産はもちろん問題ではない。葉
・や根がなけ-れぱ材の生産もありえないが,問題なのはもちろん経済的に価値ある材の生産である。
したがって,林業の立場からみれば,基礎生態学者のいう生物生産とか物質生産とかは生産という
.言葉を使うこと自体ナンセンスに聞こえよう。しかし,基礎生態学者からすれば,全体の物質生産
凸
のからく・りがわかれば,材という部分の生産を思うように支配することができると信じている。つ
まりは物質生産の原理をモディファイし,スライドさせていけば十分林業的な材の生産の指針たり
うると考えるのである。しかし,林業の側からすれば,原理はどうあろうと,特定の樹種にどれだ
Iけの施肥をし,間伐をして仕立てればよいかといったことがわかればよい。害虫が発生したら,こ
一
,れをどうして防除するかが問題なのである。そういう実際に即した処方菱がぜひ必要なのである。
。そのためには基礎生態学では距離がありすぎるし,そういう問題にもやがては答えられるはずだと
・するだけで,すぐ間にあうというものではない。そこで,林業における切実な問題に答えるべく,
生態学の原理の適用を考えようというのが森林生態学にほかならなし、。
3.日本の森林生態学
草下正夫「森林生態学の日本における発端と研究方針に関する第三者的批判」(1954)という興
味ぶかい記述によると,日本の森林生態学は,内務省地理局にいた田中壌の「校正大日本植物帯調
査報告書及び図表」(1884)にはじまる。日本の森林帯をはじめて明らかにした田中の業績に対し,
その間帯を解消し,アコウ帯を修正した本多静六「改正日本森林帯諭」(1912),さらに植物生態学
者の中野治房.「本邦森林植物群落組成」(1940-43)や吉良竜夫「日本の森林帯」(1949)といった
日本の森林についての認識を深める路線が進められた。一方,大正末期には,河田燕を先導として,
一
掴中波慈典佐伯直臣,宮崎榊などが森林生態学を推進し,各営林局には植生調査係ができ,国有
,林植生調査方法が設けられたりした。この時期はわが国の森林生態学の第一の黄金時代で,「植
:生を知らざれぱ林業人にあらず」という勢いであったという。ところが,第二次大戦中は造林関係
,が冷飯をくって意気上がらず,戦後大政正隆を先導として土壌調査が脚光をあび,各営林局では植
生調査係のかわりに2∼3名の土壌調査係ができたという。
”とlE
このような,第一段階は植生,第二段階は土壊に力点のおかれた時期があった。これは,よくで
きたテキストのEyre,S.R.:VegetationandSoil(1963)ではないが,森林生態系の重要な構成
:要素で,生態学的基溌づくりに一応はよかったと思う。植生も土壌もそれぞれの時期にそれなりの
役割は果たしたであろう。しかし,わが国の応用生態学として最も早く確立した森林生態学(河田
蕪「森林生態学講義」(1932)がその一つの指標になろう)も,経過をふりかえってみるとあまり成
功したとはいえない。もし国有林植物目録のようなものを作ったのが植生係の成果だとしたら,森
二林生態学への偏見をうえつけたうえで,むしろマイナスであったと思う。営林局などでタンスレー,
タウミー,モロゾフなどの翻訳紹介をさかんにやった時期があるが,これらが本当の意味で浸透し
たのかどうかはなはだ疑問である。
植生調査係がはかなく消え去った後で誕生した土壌調査係には大政式のペドロジーの方法論があ
ったわけであるが,これもある時期の役割は果たしたが,今や一つの転機にあると思う。土壌学が
単に客体としての土壊を対象とした科学ではなく,林業との関連における土壌学ならば,木とい
5forestcropを育成するための作物主体的な生態系における土壌の位置づけを与えるものでなけ
ればならない。そういう点では林業との関連における土壌学はまさしく生態学の一つの分野でなげ
− 3 −
ればならない。植生の研究またしかりで,営林局における植生調査係以来の伝統は生態調査係へ発
展し,研究機関でいえば林業試験場の土じよう部や造林部の一部は,当然森林生態系調査部といっ
た形に発展すべきものであると思われる。そうしてこそはじめて,生態系の中での林木生産が合理
的,科学的基雛の上に位置づけられることになるであろう。
4.生態学的視点の適用
アメリカの生態学会では戦後たびたび応用生態学に関する論議を行なっているが,その一例とし
て1956年「生態学の応用に関するシンポジウム」で,「森林管理における生態学の応用」(H.J.
Lutz,Ecology38,46-49,1957)が論じられた。ルッツによれば,林業の一般的な生物学的基礎
として植物生態学があり,その特定の問題に関しては森林生態学が関与する。今世紀のはじめにギ
u
ッフォードが,樹木の種生態や林分の立地との関係における特性を明らかにする分野としてSilvics
という言葉を作ったのは,もっと一般的にいえば森林生態学であった。森林生態学のテキストとし
一
て彼があげた例は,マイル(1909)の「自然法則にもとづいた造林」,ルブナー(1924)の「造林の
植物地理学的基礎」,タウミー(1928)「生態学的基礎にたった造林」,同じくデングラー(1930)の
「生態学的基礎にたった造林」などで,このような方向は戦後何冊かの「森林生態学」(スパー,
ハルトマンなど)という名称の著書につながっている。ところで,生態学の造林への応用の第一の
眼目は,ルッツによれば#!ecologicalpointofview''だという。クレメンツもかつて,生態学は
生物学の一分科というよりも方法論であるといったことがあるが,そうした発言につながるもので
あろう。
5.強い鹸性土壌でのみ生育:デンマーク
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1.条11:のよいところにはえる械物:
嵐
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単械ではPIIoI''二5.0
(カラットイラク・リ・など)。
挿林”林床ではPH0pt=4.0∼4.5
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のゴメススキの例、
好N性械物、土蝋の通飢、光の供給十分、
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2.わる$6封‘I:(たとえI龍、Iも砂蝋>にはえる
6.鮠艮働養分鱗給下で蛾1筋の物質生産、
楠物;1ンエル'シィッチγは土棉につめた
しかも脚然では強肢維でやせたところ:
粗い砂で脚舟、師鮒&肌(の脇物1噸lい疏
急引、
佳上壌で郷go
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3郡蒋の鳩合1M柚よりずっとせ膿いメト
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7.〔I然概態では豊かな現境をき計.酸性
ウ・フニスクのjM'合;
か衝暁質i嬢、やや、Z燦ある$、ばや』f1盤』
.I分象X’I'11&1!性∼弱鹸性でのみ勝蒋を
澗な-1竣:寸オウシノケグザ.ハルガヤ
などの蜘也噸を、豊か象環塊では他種ど
作る.
の渡争:二まける食虫械稔≦
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4.わるい粂作で生理的'二も溌獅ウにも蛾
適鐵こ速・ウ・るゅ92戦地の聴地ややせた草
地の被物:マツムシソウ、オグルマの仲
伽をど、よい鵬、1$で十分水をやっても,k
青するが.乾燥したやせ上よりわるい。
一
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図−1個体群と共同体におけるそれぞれ生理
的(斜線部)最適点の関係,+がよい条件,
−がわるい条件を示す。Knappl967)
+ 一
そうした生態学的視点の一例として,クナップ「実験生態学」(第2版,1967,208頁)か‘ら,生
理的好適曲線と生態的好適曲線の関係を示してみよう(図1)。ここでよく考えなければならぬこ
−-−−4−−−‐
■。
一
/鼠、
マツパシバ。
、
とは,ポット,水栽培あるいは圃場で'本の個体ないし,同一種の個体群として育てて行なった試
験から得られたデータや法則性は,実際の林地で植え付けた樹種以外に,雑木,雑草,昆虫,バク
テリア,かびなどと共存する共同体レベルにはそのまま適用できないということである。たとえば
アカマツをポットで十分管理した条件のもとで育て,肥沃度の高↓、土壌での生育がよいという結果
が出ても,実際にアカマツの成林するところはやや乾燥したやせ地に多い。このような実験と野外
を比較して,アカマツも本当は肥えた土の方がよいのだが,スギに比べると材としての価値が劣る
︾
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一
ので,よい土地にスギを植えてしまい,アカマツは結果的にやせ地に成林しているのだといった解
釈をしたとすれば,これは生態学的視点をまったく身につけていないことから起こった誤解といわ
なければならないo今関(1963その他)がよくいうように,アカマツのような遷移における先駆種
は陽樹であるが,陽樹というのは病気に弱い。このように陽樹と陰樹を耐病性か.ら見るのはきわめ
て興味ある観点であるが,アカマツのような陽樹は,特に肥沃地の場合芽生えの時に根が病気でや
られるので,そういう点で有利なやせ地がよいという。これは単に栄養生理的な問題ではなく生態
系におけるミクロフローラの役割を正しく認識したものにほかならない。倒木更新をすることの多
いエゾマツについても,それは稚苗時代に立枯病に弱いエゾマツが,養分は乏しいが衛生的である
倒木上で発芽した稚苗のみが健康に育つという考え方(倉田1949,今関1963)も類似のケースで
ある。これは図’でみると,その6の場合であって,ポットや圃場での試験をフィールドにすりか
えて,アカマツも本当は肥沃地がよいのだと,単に栄養生理的見地から判断したとすると,これは
まったく生態学的視点を忘れたものであると断ぜざるをえない。ルッツはい承じくも,「林業家は
木をみて森を忘るべからず」と警告を発しているが,林木生産の場は,共同体レベルの生態系であ
ることをとことんまで頭にたたきこんでおかねばならぬ。前にも少しふれたように,土壌でも気象
でも,これらを森林と独立な外界として扱う土壌学や気象学は成り立つわけではあるが,森林の土
壌や気象は,森林主体的な生態系の中の環境としての土壌や気象でなければならず,そのためには
土壌の粒度組成なり化学的組成なり,’温度なり風なりが森林の生活にもつ意義を森林の側から評価
されねばならぬ。北海道のエゾマツ,トドマツ林を崩壊させる直接の要因は台風であっても,風圧
に対して機械的抵抗力の弱い木の承が選択的に被害を受ける。この抵抗力の弱い木とは心材腐朽菌
におかされた木が多いことを今関は指摘している。そういう意味では,ただ単に風速を計ることは
気象観測にはなっても森林生態系の環境を計ったことにはならない。森下(1952)の実験にふるよう
一
Z
に,アリジゴクにとっての’等地,2等地は,単に砂の粒度組成を調べることからはつかめない。
土地の評価はアリジゴクが与えるのであって,そこに主体的でかつ客観的な環境の把握がある。ア
カマツにとっての土壌は現実のアカマツ林生態系の中で,土壌以外の諸要因(たとえば菌類)との
複雑なからみ合いの中で正しく規定されるのであって,単なる土壌分析や生理学的レベルからの即
断を許さないことは上記のごとくである。
5.林業と生態学
上では方法論としての生態学の役割の一端にふれたが,具体的にどんな方法で林業に寄与して・き
たか,あるいは寄与しうるであろうか。もちろん応用生態学といえども林学のような生物技術学で
はないから,そこで得られた森林生態系の解析法や法則がどのように役立つのかということになる。
以下いくつかの例をあげて承よう。
1)森林立地図あるいは植生図IUFROの11回会議(1953)のころから論議が進められたが,
12回(1956)の時に森林類型学のワーキソググループができ,13回(1959)にその第1回会合の
あと同じくスイスの低地林地域で,スカチヱフ,アイヒンガー,ブラウン・ブランケ,シュミード
らの方法による森林立地図作成法を比較することを決めた。その成果はエレンペルクの編した「森
− 5 −
−
L寺
林立地図作成のための植生学的,土壊学的方法」(1967)にまとめられた。林業家の知りたい林分
管理の指針,造林樹種の選択,林地地位級の判定などに以上のような方法がどの程度役に立つか,
一致した診断がでるか,コストはどう違うかなどが論議されている。これらはいずれも,森林生態
系(BiochoreあるいはBiogeoz6nose)の立場で,森林群集(Bioz6nose)に対する立地(Biotop)
を森林類型学的な立地図としてまとめるという方法である。
2)森林立地指標植物上の森林立地図は植物社会学の考え方が基調をなしているが,林地の地
衣.鮮苔,草本類を立地の乾湿,肥沃度などの指標として使おうというのは,これら林木以外の植
物の種生態的知識に基づくもので,エレンベルク「気候および土壌の指標としての雑草群落一農業
生態学第1巻」(1950)とか,クルーデナー「森林立地指標植物」(1950)などがそのよ↓、例である。
わが国でも,前田禎三・宮川清「林床植生による造林適地の判定」(1970)のようなものがこの方
向をとったものである。この指標植物的な考え方はクレメンツ「指標植物」(1920)にもみられる
ように,植物生態学と農林業などの応用面とのかけ橋として古くから注目されてきたものである。
これを個をの植物の種生態(個生態)からがっちりと築きあげ,かつ,土壌酸性度に対する反応,
窒素の要求度,土壌水分や通気に対する反応温度反応,根の深さなどを0,1,....,5の6階級に
分けて表示し,それら階級値の統計をも有効に用いるのがエレンベルクの方法である。
3)遷移と遷移診断林業における遷移の重要性は,天然更新のような場合に限らず,一般的に
認められねばならない。造林地でも木の成長ということばかりでなく,造林木とその他の草や木を
含めた半人工的群落の遷移が進行する。下草刈りなどの管理の必要度はそうした遷移の正しい生態
学的診断を基礎として判定されるはずである。わたくしは草地の場合にそうした診断基準(遷移度
など)を作り,林地にも同様の方法の適用を試承ている。ここで林業技術者が,木を見て森を見ず
凸
一
の諺のように,造林木の個体群の象に着目して,生態系としての森林共同体(造林木とは競争関係
にある草木を含む)を認めないと遷移の観点を失い,生態的な保育の根拠をつかむことができない。
下草刈りのごときもいつも同じように必要なのではなく,造林木個体群に対して下草がすゑわけ関
係に達すればその必要は少なくなる。日本の竹林は遷移の途中相であるが,ある管理水準(ある遷
移段階)に引き上げれば下草刈りが不要になることをわたくしはかつて論じたことがある(沼田
1
9
5
5
)
。
ー 6 −
一
■口
4)群落総造ある地域にスギ,ヒノキのような極相樹(climaxtree)なりカラマツ,アヵマッ
のような先駆樹(pioneertree)なりの造林をする場合,それらに最も適した林としての生産構造,
分散構造などがあるはずである。同じ樹種でも緯度や標高でそうした最適瀧造は異なり,また北米
のDouglasfirのように,ある地域では先駆樹,ある地域では極相樹になるということもある。
天然林と違って,人工林では(特に伐期が短くなれば)極相にみられる再生産構造としての年齢構
成を問題にすることはないであろうが,それでも林としての成長や遷移の過程に伴う望ましい構造
は一般に天然生林から学ぶことができる。たとえば極相林における極相樹はランダム分布にきわい
て近いものであるが,こうした分散職造を間伐基準に取り入れることも可能である。林分密度を間
伐基準にした四手井(1956)の方法もその一種と考えることができる。
5)種生態各樹種の種生態(個生態)は有用樹種についてはかなり調べられているが,特に吉
良(1954),吉良・吉野(1967)のような温量指数と分布頻度の関係を承たもの,ウィッテーカー
(1956)のように乾湿度一標高の座標軸に対して等密度線をいれるもの,バクジス(1959,1962)
のように乾湿度一養分,乾湿度一温度,乾湿度一光などの座標軸に対する分布を示すエコグラフ
(ecograph)とか種間の関係(量的組成)を表わす三角モデルなど,広義の勾配分析(gradient
analysis)が行なわれている。先の立地指標のところで述べたエレンベルクの種の特性表のやり方
を木についても行なうことができる。種間の結びつきから群落の組成上の特徴をとらえる三一戸ツ
パの植物社会学の方法は,群落観においては,勾配分析をもとにした連続体説と相容れないが,種
生態の把握の目標は同じであって,やはり造林樹種の選択,その後の保育などの基礎を提供する。
6.むすび
以上には,わずかな実例をとおして林業の生態学的基礎を考察したが,「都市近郊林と生態学に
│関するロックウッド会議」(1962)などでも論じられたように,林地の役割は単に林木生産だけで
二寸四
なく,多目的林業になりつつある。わたくしどもも京葉工業地帯の分離帯としての公害防止林の計
,画に参画したことがあるが,広義の公害では飛行場周辺の防音林など,その他,水源かん養林,種
会の防災林から,明治の森,県民の森のようなレクリエーシ雲ソ,学術研究などのための保謹林な
|野外調査の
’やり直し
一
’
す
管理
的
〔
イ
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〕
〔イエス〕
管理方針を打ち出
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シミュレーターは
適当か?
|
模擬
▽
夕は適当か?
シミュレーターに
よるデザイン
|予備的情報一
情報処理
〔ノー〕
’
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---‐ー 1
‐
:、‐、〔ノ・一〕
図−2システムズ・エコPジーによる資源管理の手順(VanDynel963)
どさまざまである。これらを一言にしていえば多目的に応じた森林資源ということになろうが,こ
卓L
れに対する応用生態学的アプローチは森林生態系の見地にたった資源管理であろう。そのためには
ヴァン・ダイン(1969)らもいうように生態系のモデル(言葉のモデル,静的なscalemodel,さ
らに動的なflowdiagram)化をし,データをとったらアナログ・コンピューターにいれてシミュ
ロ
レーションをし,そして数式のモデルとして完成する。コロラド州立大学の自然資源生態学教室で
行なっているモデル化センターとフィールド・ステーションの2本立ての研究シスデムは,以上述
べたようなエコロジーの林業への寄与においても,いわゆるシステムズ・アナリシス,あるいはシ
ステムズ・エコロジーとして,今後大いに期待できる方向であろう(図2)。
わかりやすい林業研究解説シリーズNo.40
林床植生による造林適地の判定
|
前田禎三・宮川清著
申込先東京都千代田区六番町7番地日本林業技術協会
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学問では一筆者は伝承科学と唱えている−その時点まで
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以上のような観点から自然立地に関連した前記の3図
を刊行してきた。林業のように研究にも長期間を要する
方》
;林業試験研究のあり方
;
れやすい。
:
に得られた知識を総合して成果をまとめておくことが必
要であり,前記3図はいずれもその刊行時点においては
言くなら》
;本稿は,昭和44年12月12日ガンのため亡く
なら
“生寒《
わが国はもと典り世界においても前例のない新しい方法
;と44年夏以降2度の闘病生活の間に書き残されたもの
はばからない。
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●もり山子■U●口○JpDyタ。○8◆もり夕,GPp1争夕〃Q,● 6。aPDvdqq4,良▽4,句ipDqクワ
;れた前山梨県林業試験場長故安藤愛次氏が,43年春
:
を
抄
録
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た
も
の
で
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る
。
;遺稿には,故安藤氏の山梨県の林業発展に尽くそう
:とする情熱と後に残る場員への期待,はげまし,あた
;たかい愛情が脈打っているが,ここには,会員諸氏にと
#っても示唆に富む共通的な問題をおもに取りあげて紹
;
介
す
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。
1
3クもf、タもf3foJ
,
《 略 歴 大正'4年生,昭和19年東大科学科入学
:
昭和22年大学院へ進む昭和27年山梨県林業
試験場勤務。昭和37年同場長となる。この間
日本林学賞を受憧,外国視察2匝胎
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により,新しい考え方に基づく林業図であると断言して
、
昭和43年度には10図の作成を予定している。これ
らは試験場幹部職員により年度内の完成を計りたい。’0
、
項目は検討によりもっと重要テーマがあれば変更も考え
られよう。
−
いずれにせよ,「10図葉」の林業図作成のためには,
林業試験場あげての協力体勢が必要であり,さらには各
図とも目下山梨県林業行政面から切望されている項目で
あり,これら諸項目と取り組むことのなかから県林政と
の緊密な連係が保たれるものと考える。
》
へ
∼
、
』
わたくしたちは山梨県の林業'林樺業へ寄与するため
の,また治山・環境緑化などにより県民福祉に役立つた
めの実地に即した研究を目標として成果をづみ重ねたい
林業経営に関する研究
本県の経営に関する研究は,その歴史は 10数年で 全
国林試中最も古く,また業績も多い。
既往の成果朧,山梨県の林業地帯区分Iこ つ い て
産
出,投入面関係からの解析を行ない,これを基にして林
と思う。
を考え,場員諸氏の業務遂行上の参考に資したいと考え
過去3カ年に林業実務に役立つ地図を完成したが,古
た。林分収護表材職表を調整し,刊行している。林業
柵造改善事業の発足に伴い,対象町村へ全場員が出かけ
てアンケート調査を行なった。その結果は未発表のもの,
が多いが,林道の適正配置のためのその効率の算定法を
究明した。シイタケの産地形態を山間部(山村)と平地
くは昭和37年度の山梨県森林立地解析図がある。昭和
(挫村)とに分け,農村では協同組織と個人経営とに分
愚
。
試験場あげての協同研究
40年度には,林野土壌図,42年度には林業気象図を作
︽一
以下は現在までの成果を顯承,今後の試験研究の方向
地生産力との関係から各地域ごとの労働生産性を調べ
けて,その各々の長所短所を明らかにした。
以上が当場で行なった経営研究のあらましであるが,
成した。
これらの地図を作成した意図は次のとおりである。従
来の林業の試験,研究はややもすると,ある限られた林
公立林試における経営研究のレーゾンデートルについて
私見を述べれば次のとおりである。
地を対象とした,応用範囲の狭いものであった。これら
なぜ各県に林業試験場があるのか?われわれは何を
の結果を普遍化するためには林業用の地図がなければな
重要であり,立地解析による地域性の把握が先行されね
なすべきかという問いは常に試験場員たる者の自問自答
しなくてはならないことである。先般の林業白書でも,
林業は地域的に大差のある林地生産性と,それぞれ特異
性のある社会経済条件を背景に成り立つものであること
が強調されている。われわれの責務の一つはこの地域性
を把握することにある。すなわち,試験場全体として
は,全国における山梨県林業の位置,特性を自然,社会
ばならない。
経済的な面から究明することであり,細かくは本場は,
らない。いうなれば本県の林業地といわれるところでも
全県図から拳れば点でしかない。森林生産を考え為なら
面を対象とする必要がある6
林業は長期産業といわれ,人力より自然力にたよるこ
とが大きい。したがって自然を解析することがきわめて
林業研究の成果を示すのに,地図は報告書より活用さ
釜無川と笛吹川流域,富士分場は桂川,道志川流域,峡
− 8 −
Q
南分場は富士川流域の林業特性を研究することである。
特に林業経営の研究においては,地域林業の特性把握
が必要であり,今回の機構改革の利点にもつながる。
§
による効率の比較の試験が多かったようである。
林業機械化研究ともなれば,当然機械試作は研究機関
が行なうべきである。さりとはいえ,林業用航空機,ヘ
かかる見地から,1955年および1965年の農林業セン
リコプター,林道開設機,集運材機などの大型機械を公
サスおよび1960年の中間センサス資料を縦横に分析し
立林業試験機関で単純に試作できるものでもない。これ
わが国内における本県の位置づけ,県内の地域区分を実
ら大型機械は既開発の機械を導入し,機能テストあるい
施することが肝要である。.このためには単に林業統計資
は効率調査を行なうのが現状であろう。機械科として今
料では十分でなく統計課はもとより農務部関係課との,
後注目すべきテーマを列記すれば次のとおりである。
ア.航空機・ヘリコプターによる林地肥培,病虫害防
あるいは農林省の統計事務所とも連係を密にし,資料を
除
集めなくてはならない。この分析により,山梨県林業の
経営上の問題点がクマなくあばかれることになる。さら
●
一
に林業地帯区分に発展させるためには,隣県資料,自然
ウ.ダム建設,主林道開設への新型土木機械の導入
立地資料を併察する必要がある。かかる経営研究ば過去
エ、集運材機にT2の導入
数年来その必要性を全国林業試験場会議あるいは林業
経営分科会で説くところであるが,おお方の賛成はうる
ものの、、まだどの県も着手されていない。
本県林産業の経営改善への試験場の貢献として,オペ
オ.ウニモーク(作業車)の比較検討
県有林経営においても,国有林あるいは大企業家が取
り入れている林業機械で導入しなければならないものが
多いように思われる。これら大型林業機械のカタログ,
レーション・リサーチ,がある。これによる最適計画の作
納入先,価格などをまずリストアップする必要がある。
成は,企業体にとっては最も魅力的なものである。まず
小規模経営体への技術開発
経営科内での相互研修により方法の習得が必要である。
これまた筆者の年来の願望であるが,林業用器具の改
これに伴うものとして品質管理への近代統計学の応用が
善改良が公立試験機関で着手されるべきと考えている。
あり,さらにはDPへと発展してゆく。
たとえ嘘カーマ・ナタといった道具類の改良である。
林業経営の研究は特段,行政との関連が深く,行政の
一試案を述べればカマとナタそれに枝打ち用カマを併
あるべき姿を予見,予察し,先行して研究がなされなけ
用した器具の開発であるが,枝打ちにはノコギリが普通
ればならない。林業構造改善事業,特に林道計画への理
だろうが,このごろではナクを用い,カマに柄をつけて
論的な裏付けが必要であり,本県林政上の大きな課題で
行なう地方も多い。
ある入会林,部分林についても学問的な確固たる理念を
柄の金属化によりこれら三つを一つの器具に統一でき
ると思われる。刃はステンレス,柄は軽合金でシャープ
試験場でうちたてる責務を負っている。
林試計画への寄与はいうまでもないが「県民の森」の
=
イ.ブルトーザーによる階段造林,および副林道開設
計画作成に当たってもコンザルティングの必要がある。
でスマートな万能ガマの試作にいどまれたい。
ちなみに刃をとぐには,刃でなく砥石を動かす方が合
理的である。
2
小規模経営体における機械化の問題で特に注意したい
林業機械に関する研究
最近わが国民生活に鑑ける機械化のテンポは著しい。
のは農業のテツを踏まないことである。アメリカに倍す
確かにオートメ化により人間生活に必要な日常品はコ
る一経営体一馬力のわが国農業の機械化は世界の笑い物
ストダウンされ,機械化がわれわれの豊かな生活へ寄与
になっている。前者のイマシメとして機械化の計画立案
していることば否定できないが,機械化に伴う公害,疾
には多角的,総合的考察をくだし,林業用機械の多面使
病,あるいは精神面での人間性の喪失などはあらかじめ
用により稼動率の向上を特に留意することが必要と考え
十分に検討してさけるようにしなければならない。
る
。
本県林業における機械化を考える場合には,これを大
林道の路面維持のための簡易補修機が西ドイツのキー
規模と小規模経営体を対象とする技術開発の2面に分け
ジンガー博士により作製されている。(41年秋,筆者が
た方が妥当と考える。もちろん両者に共通する問題もあ
見学してきた)この機械についての様式,性能などは検
る
◎
討の価値がある。機械科の仕事の一つとして林業試験研
大規模経営体への技術開発
究そのものの機械化,合理化,自記化,電気化などにつ
従来の機械化研究ほ研究機関の主体性がないよ-うに思
われる。すなわちメーカーの試作品を用いての功程調査
いて検討されたい。これは実験室だけでなく苗畑,採種
林,実験林の管理上の問題も含まれる。
−−−−9−−−‐
』
ノ
ての研究も可能となった。既往の成果としては苗木の栄
造林に関する研究
山梨県林業試験場33年の歴史においても最も重点の
おかれた項目であり,また成果も多い。またその分野も
森林土壌あるいは林木育種といった1科を作ってもよい
内容の部門を包括しているので,将来の研究の発展,研
究員の整備状況によっては分科も考えられる。現況では
養診断法において,独自の方法を開拓したことと,ファ
イI、メーターを育苗技術に取り入れたこと,タネの前処
一応次の細分により検討を進めよう。
を重点テーマとし,これら樹種のサシキ技術も検討が必
1.森林立地
要である。暖地性主要造林樹種とともに「県の木」カエ
理と育苗成縦との関係を求めたこと,シラベの育苗につ
いて多くの知見を得ていることなどである。
寒地性樹種については育苗期間の短縮と得苗率の向上
して本県の自然環境を解析し,全国にさきがけて環境区
分および林地生産力の推定,全県土壊図と林業気象図の
デ,その他花木類の育苗技術について試験に着手したい。
一般へのサービスとして実行中の苗畑土壌の検定,施
肥設計譜の作成は各会場で実施するようにした方がよか
作成などをしてきた。
ろう。
今年の問題としては,環境区分および生産力の推定法
Wこついて内外国の手法を比較検討し,本県のより的確な
4.育林
過去15ヵ年の適地適木調査,国土調査などをもとに
立地解析法を確立することである。
当面の問題としては林業地形図の作成を'44年度に企
画したい。このための資料,文献の収集が必要である。
全県下4,500個のUTM方眼ごとに立地条件を記戦
し,そこの林況,崩壊地など地況,施業方法などを対比
4
di
一
造林関係の研究のなかでも特に育林分野の成果は多
い。なかでも植栽方法,下刈手入・林地肥培・間伐・更
新方法・混植など枚挙にいとまがない。
今後の研究方針としては育林分野内の部分技術を総合
し,技術の体係化を図ることと,他分野との関連研究へ
展開させる必要がある。2,3項目について例示する。
植栽方法スギ以外の樹種が問題である。育苗方法,
する。
カラマツ林の生産力調査はなお2カ年継続し43年に
Iは南アルプス地方,44年には補正調査により全点数300
となれば,電子計算機による多因子の相関分析を予定し
立地との関係あるいば功程,特に植穴堀機との関係など
広範囲にわたるテストにより,成果の適用範囲を拡大す
ることを心掛けたい。
下刈り手入従来の機械的ある、、は物理的方法と化学
.ている。
的方法の比較を地栫え作業とともに立地条件別に試験し
2.林木育種
10周年を経た林木育種事業も創成時の苦闘を終え,よ
て承る必要がある。
うやく成果があがる時期となってきた。研究面でも耐寒
林地肥培幼齢林と壮齢林について一応の結果は得て
性のスギ系統が抽出されたことは特筆される。精英樹も
いるが,なお,細密試験地の設定も必要である。石灰あ
選抜から採種(穂)園の設定もほぼ終わり,優良系統の
るいは土壊改良剤と肥料との混用も残された問題であ
増殖,次代検定林の設定の噸阻を迎えている。研究とし
り,葉分析あるいは土壌調査による施肥基準鐙調査を山
ては,スギ・ヒノキは耐寒性を主とし,選抜,交配によ
梨県の9地区ごとに進めてゑたい。
り優良系統の創成を図り,耐干性,耐病性など特性検定
今
施肥対象としては針葉樹ばかりでなくシイタケ原木林
などの広葉樹林も試験地設定の時期にきている。
・へと研究分野を開拓すべきであろう。
カラマツについては耐病性(菌・虫)を主とし,また
モミ・トウヒ属の育種研究を富士分場において進める必
育林研究としてはこのほかに天然植生の調査,これの
I
系統的分類による地位の推定などの仕事が含まれる。
造林科の業務は自然環境に強く支配される。富士分場
要がある。
スギのサシキ苗についてはなおPRが必要であり,県
ではカラマツ・モミ・トウヒ属などの亜高山性樹種を,
下のサシキスギ造林地の実態調査を再び行ない,サシキ
峡南分場ではスギ・ヒノキ・スラッシュマツ・テーダマ
妓術全般の普及が大切である。従来行なっているタネの
ツ・ポプラ・ユーカリなど暖地性樹種の研究を行なうよ
発芽検定はソフテックスなどの新技術を導入し,より的
う分担し,‘各地域の天然植生につ、,ても,分布図作成を
確な方法を探求したい。
長期テーマとすべきである。
3.育苗
特用樹種と早成樹種については,後述の材料科で述べ
る各種の用材樹種とともに,タネ,苗木の生理生態,造
従来はアカマツとカラマツの育苗技術に重点がおかれ
て研究されてきた。一部にはシラベ,ウラジロモミその
林上の特性などを研究しなければならない。
他寒地性外国樹種であったが,今後は暖地性樹種につい
− 1 0 −
』■L
材料に関する研究
森林保護に関する研究
年間を通じての質問事項が最も多い分野であるが従
製材,乾燥および材質に関する研究を行なう。材質に
来,害菌,害虫など病害虫の固定とこれの対策をたてる
関しては,カラマツ材,シラベ材について成果を得てい
ことを一般へのサービスとしてきた。気象災害,シイタ
る。製材,乾燥についても事業白勺なベースのうえに試験
調査をくり返し,実務的な結果か ら業界へ寄与してきた.
しかしながら製材,乾燥とも弓
しかしながら製材,乾燥とも手持ちの機械はいずれも
アウト・オブ・デイトである。そこでまず製材機を購入
ケ,ナメコなどの食用菌,さらに治山関係の業務も保護
科に属している。
森林および苗畑の病虫獣害に関する成果はきわめて見
q
一
るべきものが多く,その成果は事業に反映されている。
し,ワンマン式による製材功程の調査を樹種,規格別に
すでに実用化された事項としてば,カラマツ林のコガネ
行なう予定である。
ムシ類,マダラメイガ,メタマバエの防除,苗畑におけ
材質に関しては,ラワン材,チーク材,ニュージーラ
る線虫防除などである。また森林調査において空洞木と
ンドマツ,北米材およびソ連材など外材の識別法につい,
されている心材腐朽材について,地域樹種ごと‘にその実
態を明らかにし,ヒノキのトックリ病の発生環境条件の
て考究してみたい。
関係を究めている。
今後の問題としてば,人工林の増加に伴い急増してい
る突発害虫の被害にそなえ,定点観測地を全県下に整備
しなければならない。今までは富士山麓慈主体として定
点が作られていたが,これからはその位置と測定項目に
ついても再検討し,また必要とあれば観測施設も配置す
べきと考える。
病虫獣害の発生と立地条件あるいは寄主の栄養状態と
の相関関係は深い。また気象害を受けたところ力;病害虫
の侵入口となる例もみられる。また既述のように品種系
統により罹病率が同一樹種でも違う。さらにぱ菌害材な
どは当然のことながら木材としての品等は落ちる。以上
のように森林被害は他分野との関蓮がきわめて高い。経
9
力も必要であろう。
保護科と材料科との関係で最も大切なテーマは,生丸
太の防虫,防菌法の確立である。、県下の主要土場におい.
て早急に薬剤散布法に関する試験に着手されたい。
な問題であることが多い−を拾いあげ研究を幅広く進め
林業と林産業との関連において現在筆者が感じる矛盾
の最も大きなものは「木材需要に見合った原材料林造
成」といった機運が林業界にまったく承られないことで
ある。このことは北欧における家具用材のナラ卿カバ秣
るよう望みたい。
と対比してまことに寒心に堪えないことである。
営科,造林科,材料科との連絡を密にじて,者分野のハ
ザーマに埋没しそうなテーマ一こうしだテーマほど実際的
=h
従来実施してきた亜高山性樹種の材質試験はこれを発
展させ,経営科,造林科,保護科との協同試験とずる・
すなわち,カラマツ,シラベ材についてば天然更新木
と造林木,生育地として富士山,八ガ岳,秩父山地,南
アルプスの4地域,局地地形あるいはそこの土壌型など
自然条件と材質との関連を明らかにし,、将来の施業計画
としてはこれら樹種の原料材施業林と樵造林施業林とに
区分する必要がある。これら作業種の決定に当たって
は,いわゆる菌害的伐期齢が問題となり,保護科との協
シイ寡ケ,ナメ君,ナラタケなどの食用菌については
デンマークなどでは120年伐期の林が法正状態に整備
国庫補助の系統選抜試験と併行して,品種系統の早期判
などの研究がなされたが,現在ではとのお野の研究は中
'されている。北欧家具の伝統の陰にほ原木林が厳として,
存在している。本県の林産業の恒久的な発展を願う身と
して声を大にして原木林造成の必要を唱えたい。本県心
シイタケ栽培を維持するだけでもブーラ林6,000haが必
要である。パルプ用材’チップ材といい,生産目標に合
止され莚いる。しかし,山梨県の急峻な地勢,火山灰の
致した施業法があるわけである。
定に関す万研究へいどまれたい。
治山治水に関する研究はタ輔罫って山腹面からの土砂流
出量の測定ある、い嫁王質調査による適正法切角度の饒出
堆積,深層風化した花こう岩や第三紀層が広いことiなど
特に家具材,建具材など木工用材の汰半ほ他県産のも
から荒廃地?発生は著しく,治山研究はぎ込めて重嘆な
のが用いられているのが本県の現状である。_楽器材,恥
位鐘占めて、、‘愚。研究員の充実を待つで汰の研究を行
ワ.昭和“琴度26号台風の被害調査結果の分棚
章材,器具材,装飾材,彫刻材なども量は少なくても原
木林を造成し,優良材を供給しなければ木工業界の健全
な発展は望めない。まずこれら樹種について'の資源調査
/f.UTM方眼ごとの山腹荒廃
を行ない需要との関連で資源保存あるいは造成計画をた
ウ.河床侵食状況の記載
てることが急務である。
な│う必要がある。
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州南部から沖縄方面にかけての減少が顕著である。、
(2)季節的には梅雨期の増加(北ほど顕著),秋霧期の
減少(南ほど顕著)が著しい。
2‘日本海側での増加,大平洋側での減少傾向は,さ
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(水利科学研究所.三
当協会常務理事)三
無降雨期間50日間の記録を更新して,大平洋岸,四
国,九州などの各河11の貯水ダムが減水し,大口電力需
要54工場に使用制限をしいようという状態にまで至っ
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昨年10月下旬に名古屋気象台で開かれた気象学会の
シンポジウムで,名古屋気象台の加藤久雄,森幾也の両
氏が,最近の日本の「降水鐙の長期変動について」と題
して,きわめて関心の持てそうな発表を行なっ‘ている。
ここできわめて関心の持てそうなと破調したのは,われ
われ森林という自然物を対象にした業務を行なっている
ものにとっては,気象に関してのマクロ的,ミクロ的な
変化が大きく業務のやり方に影響を及ぼすことがあるか
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1931∼1960年を平年値としたときの
偏差(mm)(加藤原図)
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従来まで,とかくミクロ的変化によって寒害・干害・
風水害等の被害を受けていたので,割合に実感として理
解しやすかったけれども,マクロ的変化となると,大勢
に順応する大自然を相手とする業務であるがゆえに,関
心もそれほど持てなかったように考える。しかしこれで
よいものであろうか。もう一度考え直して承るのも無駄
1
=ではなかろう。
さて加藤久雄氏の発表内容であるが,筆者は気象につ
Iいて素人であるので,発表者から借用した資料に基づき
要旨だけを述べることとする。
加藤久雄氏発表要旨(第1,2図参照)
1.廻31年∼1960年を平年値とし1961年∼1965年と
の平均年降水量の偏差を比較すれば,
− 1 2 −
24
1961∼1965年@q平均年降水量の平年
らである。
(1)日本海側は増加しているが,大平洋側は減少して
も、る。特に東海地方から関東にかけての南岸,および九
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った。
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#土1月29∼30日に本土を縦断して行った俗称「台湾坊
主」のもたらした豪雨によって52日目で打ち切りとな
一
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たのはこの1月のことであった。「雨量ゼロ」の新記録
1
1
第2図中部地方における第1図と同様平年
偏差(加藤原図)
らに長期的に1901年∼1930年と1931年∼1960年の比較
駄ではないと考える。おそらく未知の問題や未解決の問
した結果にも見られる。
題等の中で,この長期変動の耶実に結びつけると説明の
できるものもあるのかもわから1ない。またわ糊われの業
水利科学研究所調査結果の一部から(第3図参照)
務の中で考え方を練り直さなければならない問題点も出
昭和44年度水利科学研究所調査による名古屋営林局,
てくるに違いない。
中津川営林署管内恵那山の年降水量の経年変化は第3図
のごとく減少傾向にある。(気象担当.日下部文雄氏)
調査結果の要旨のみを記せば(細部は〃森林施業と治
たとえば,昭和39年の「保安林整備臨時措腫法」の
基礎となっている,流域ごとの平均年間降水鎧は修正を
要すると思われる。特に今後主すます旺盛な水需要をか
ー
山事業に関する基礎調査報告書〃昭和45年,月.財団法
かえている大平洋ベルト地帯の上流域の保安林配備は強
人水利科学研究所を参照)一見凹凸が著しく感ぜられ
化の要があるように考えられる。これに反して裏日本の
保安林配備は若干緩和してもさしつかえないものと考え
られる。ただしこれらのことは,配備計画策定当時の
社会状況が横ばいとの考えに立ってのことであって,農
るが,最多・最少降水量の変動率は0.5,%と割合に安
定しており,大井川水系の平均変動率70%,天竜川水系
一
の平均変動率80%と比べものにならない。少し脱線し
たが変動率が割合に少なくとも,変動量が1,400mmも
あるがゆえに,njilの流量に及ぼす影響は相当に大きな
業・工業問題から,あるいは過疎・過密地帯の現出して
いる昨今は基本的に練り直す価値が十分あると考えるが
ものと考えられる。また動植物系に及ぼす影響も気がつ
どんなものだろうか。
かないけれどもないとはいえなり,ように思う。
もう一つの問題は,降水量の変動に伴う森林生態系に
及ぼす影響であろう。きわめて徐なにではあるが,変化
をきたしていることは十分考えられる。ことに森林生態
系は降水量の変化に伴って順応して変化していることは
謁00
事実であろう。多少の凹凸を描きながら,大勢として増
減する過程で,時には過湿・乾燥の時もあろう。これが
植物の樹勢に影響しないはずはない。少ない降水愛の地
域では土壌中の塩類濃度の変化もないとはいえない。
釦00卜
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加里・窒素不足や石灰施肥など問題視されるようなとこ
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第3図中津川営林署管内恵那山における1951
年∼1968年の年降水量の経年変化
一
ろや,降水量の多くなっているところでカラマツの先枯
病や落葉病に見られる,樹勢のおとろえたときの病菌害
の集団発生,あるいはマツクイムシ等の発生消長なども
関係があるのかもしれない。
これら日本の西部および中部の降水量の変動傾向につ
いては「異常気象」(和田英夫著・・昭和40年.講談社)
』
の中で次の装うに予想している。
すなわち「降水量は西日本・中部日本などのように今
また大気の乾湿による蒸発散の植物に及ぼす影響や栽
培法の改善等は見のがせないであろう。
以上思いつくまま述べて承たが,それぞれの専門分野
での検討を期待したい。
まで豊水期にあったところでほ,今後減少する傾向が大
きい。しかし北日本ではこれに反して多めになりそうで
ある……」
以上のことなどを総合すれば,降水量の変動傾向は新
事実ではなく,またきわめて長期の周期であるのかもわ
からない。台風の進路が,ここ数年変化しており,一度
台風のおとずれがないと200∼300mmも降水量が少な
くなることもある。反対に北陸の豪雪のごときも大きな
変化の一つであるから,なにも珍しげに騒ぎたてること
もなかろうとの考え方もあるかもしれない。しかし前述
したように,この長期変動の事実をふまえて,もう一度
われわれの業務の内外をながめて,考えなおすことも無
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一南部タイガー亜帯から広葉樹林帯へ一
自然成帯性を追って(1)
7月18日真夏にしてはうすら寒い。低い雲がモスク
モスクワークリミヤ半島トラック旅行記
ワをおおっている。こんな天気がこれからの長い旅の初
日であるということはいかにもわびしい。10朧大学中
庭に全員が集合。学生8人(男2人,女6人),指導教
官(女1人),助手(女1人,彼女は夜間部の学生でも
久保哲茂
(林試・土じよう部)
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ある),運転手とその息子(小学生),それにわたくしを
加えて総勢13人。
わたくし以外はいずれもジーパンにセーターとジャン
バー,その上にそろいの紺色の防寒着を羽織っている。
Ⅱ
まえがき
それはキルティングされた綿入りで,厚ぽったくかなり.
植物の分布がある法則にかなった地理的配腫を示して
重い。物たしくはあるが,着ぶくれて格好よくは見えな
いることはよく知られている。亜寒帯林とか温帯林など
い。どう見ても中共軍のいでたちだ。私物で一杯にふく
と呼ばれるように,それが緯度に対応して帯状に分布す
れ上がった大型キスリングをそれぞれ持参しており,軽
る場合もあれば,高山帯とか亜高山帯などというよう
装でサブリニツクーつのわたくしを少を不安にする。
に,海抜高に対応した帯状の領域を形成している場合も
調査用や野営用の器材の積承込承が始まる。車は幌付
ある。これらは緯度や海抜高に伴って変化する気候,な
きの大型トラック。男女,師弟の別なく共同作業するの、
か・んずく温量の遠いの反映として理解されている。もち
はなごやかでよいが,動作はきわめてのんびりしてい、
ろん植物分布の法則性は上記の二つだけではない。中に
る。しかしこれは彼らだけではない。モスクワへ来たこ
は海岸からの距離に対応している場合もあれば,さらに
ろ,売り子やウエイトレスのスローな働きぶりによく腹
局所的には地形に支配されている場合もある。
土壌もそれが気候,生物,地形など環境諸条件の総合
所産である自然体の一つであるからには,その分布もこ
れらの法則から朧ずれるものではない。これらの法則性
を立てたものであった。数10kgの梱包を抱えて運ぶ女
子学生の力には驚かされる。積承込み順序,積承重ね方
などを,教室の先誰連中がこまごまと指導している。
11時45分,大勢の見送りの拍手の中をスタート。シ・
の究明は土壌地理学の中心課題であり,その成果は腱林
ナノキ,ドロノキの並木の茂るレーニン大通りを南西
業のための地域区分にとってj重要な埜礎的資料となる
へ。やがてモスクワ環状自動車道に乗り入れる。この付
で あ ろ う 。 、
筆者はモスクワ大学地理学部土壊地理学・景観地球化
学講座にしばらく籍を置き,土壌地理学的地域区分の研
近はすでに郊外。若いシラカバ林が多く,所たにマツ林
究にたずさわった。そのおり自然成幣性をテーマとした
の里程標の数字瀬次第に増して行く。100km地点で初,
や放牧地がある。ついでモスクワとクリミヤ半島をつな・
めて停車し,道路わきで昼食。道の両側は約60年生の二.
た。そこでは緯度が下がるにつれていろいろな植物や土
次林。シラカバ,ドロノ索,シナノキが多く,マツ(Pinus:
壌の移り変わりが見られた。以下その時の野帳からの抜
silvestris),ナラ(Quercusrobur,Q.petraea),ナナ
き書きによって成帯性なるものの概要を紹介することに
カマド,まれにトウヒ(Piceaexcelsa)を混じえているc,
しよう。
林床は草本。広-針亜タイガー林と呼ばれている。森林
立地的地域区分では,この付近しまトウヒ随伴広葉樹林地
も営まれていない。したがって読者諸兄の業務に直接役
区とされている。
立つ話にはならないと思われる。しかし北から南への植
このあたりはロシヤ平原の中央部に当たり,波状のゆ’
相,土壌など自然景観の移り変わり,そのとらえ方,ま
るやかな起伏が広がっている。基盤は石炭系,ジニラ系
た自然条件の変化に対応した土地利耐,家屋,服装など
からなり,一部に白亜系の所もある。しかしこれらの古・
人間生活の変化,さらにソ連の大学における実習のあり
い地層は,粘土や砂などからなる厚い層によってカバー
方などを,ソ連(ヨーロッパ部分)の自然,社会の一断
されている。土壌母材となっているこれら表層物質は,
面として読承取っていただくことはできよう。
融氷堆稜物(氷河の後退期,溶けた大量の水によって運
搬堆積されたもの)で,場所によっては氷河堆積物(毛
− 1 4 −
∼
〆
︽一
ぐモスクワーシンフェローポリ線に入る。モスクワ起点
巡検に同行し,モスクワからクリミヤ半島までの旅をし
このルートに沿う地蜘ま森林が少ない。めぼしい林業
一
1
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レーン)もある。
年平均気温3.7oC,積算温度1950,降水雛550mm,
屋,柱は使っていない。これには大量の材木を必要とし
よう。石材に乏しいが,木材ゐ豊富なロシヤらしい建築
このうち雪として降るのが100∼130mmo10月から土
である。そこの共同給水栓から水をもらう。40J入りア
壌凍結が始まり,厳寒時には深さ50∼80cmまで凍結
ルミカン(集乳カン)に4本,計160Iが一行13人の1
するといわれる。
日分の水である。鉄銃色の濁り。夕食時,湯を飲もうと
土壌はジョルノポーポドゾル性土壌で,ポドゾル化の
すると,「腹をこわすからキセーリを飲め」と言われる。
程度は中ないし弱。土壌地理学的地域区分では,ジョル
それは片栗状の飲物で,地下水が悪いために生まれたも
今
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トラック荷台前部の座席(実は認査器材の入った長い
5
5
°
木箱)に教官と学生4人がすわり,ほかの者は荷台中央
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部にゴロ寝,巻いた寝袋を敷きつめた上に横になるので
−4
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1
思ったより寝心地はよい。前部では教官があちこち指さ
しながら,次なに現われ,過ぎ去っていく植物,地形,
土壌などの説明をしており,4人の学生はそれをノート
ゾ
合
している。ゴロ寝組は明日交替して前部座席にすわると
いう。体をつつき合ってふざけているのもあれば,すで
に眠りこんでいるのもいる。時速60∼80kmで走るた
め真夏とはいえ体感温度は日本の真冬のそれに近い。皆
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ラ、〆.ウ
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のであろう。生活の知恵か。
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が着ぶくれで来た謎が解けた。
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耕地,草地が多くなり,森林が減ってくる。ツーラ市郊
外のシラカバ林が今夜の野営地に選ばれる。約25年生
の萠芽林,通直で細枝,枝下高は高い。近くのカラマツ
一
造林木は年間50cmの上長成長をしている。さっそく,
野営の準備。男子学生ばテント張りと薪割り。女子学生
のうち炊事当番の3人が雅鯉にかかる。ほかの者ば薪集
各
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オカ河の長い橋を渡る。ここを境に景観は一変する。
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めとベットの組象立て。
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車座になり夕食。「まずくないか」と炊事当番が気に
して聞く。「オッチェニーハラショー」と答えておく。
事実,空腹のわたくしには彼女らの手料理がこのうえな
いご馳走に思われた。ただしアルコールの無いことだけ
ア ゾフ海
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ーミゴス
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を除けば。
談笑の後,それぞれロウソクの灯の下でノート整理。
黒
海
それからトランプ,バレーボール,散歩など思い思いに
や
ほの白い夜を過す。寝袋は厚手ズック製,その中に綿入
りの綿製袋,さらにシーツ代わりの白木綿の袋。それを
図1巡検=・−ス
1.ツーラ2.オリヨール3.クールスク
折りたたぷ式ベッドにのせて使用するので暖く,寝心地
4.ハリコフ5.ドネプ戸ペト陣一プスク
6.ザポロジエ7.メリトーポリ8.プリアゾフスコニ
9.アスカニヤノー(10.ジャンコイ11.ケルチ
12.フェオドーシャ13.シソフェローポリ14.ヤルタ
15.セバストーポリ縮尺1:10,00qOOO
はよい。
大学の実習は専門教育だけでなく,団体生活の心得,
野営生活の知識や技能を習得させることもねらいの一つ
ノボーボドゾル性土壌南部タイガー亜帯に含まれてお
であるように思われる。作業の分担,テントの張り方,
り,この付近はその南縁に当たっている。
焚火のしかた,どれをとっても要を得ている。
しばらく進象,森林のと切れたあたりにコルホーズが
7月19日6時起床。あたりは一面の朝露。当番はす
現われる。作柄はよくないようだ。農民の住宅も服装も
でにかいがいしく朝食準備中。コップ2杯の水で洗面。
コーヒーの香りがすばらしい。朝食後約30分間,昨日
あまりよくない。古い家屋はイスバと呼ばれる丸木小
− 1 5 −
の復習が行なわれる。昨日ノートをとっていた4人が,
めいめい自分のノーI、を読象上げる。それを教官が補正
していく。徹底した教授法だ。
食べ残しや焼けぽっくいを穴に埋めてから出発。ツー
ラ市を通過して支線に入り,10時ヤースナヤポリヤブー
着。ここは文豪トルストイの領地であった。旧邸が残っ
ていて,大勢の見学者がつめかけている。われわれもそ
れに加わる。広い邸内はナラ,シナノキ,ド陣ノキ,シ
ラカバなどの大木が茂り,大きい森となっている。その
間に住宅,納屋,農夫小屋,農園,果樹園,花壇,ベン
チなどが美しく配置されている。それらを結ぶ樹下の道
路はよく手入れされている。白い細身のズボンに黒いコ
ートを着た貴族が,きらびやかな貴婦人と馬車で現われ
ても不思議でないくらい優雅なたたずまいを見せてい
る
。
耕地,草地が広い。
この付近は年平均気温4.5oC,降水量約500mm,平
均積雪深約25cmである。地形,地質は昨日の地域と
ほぼ似ているが,表層物質はレスの場合が多くなる。土
壌は明らかに変わっいる。ジョルノポーポドゾル性土壌
は,オカ河からこちらにはほとんど分布していない。こ
こほすでに灰色森林土の分布領域である。
開園されて数年と思われる広大なリンゴ園で土壌調
査○教官が坑の位置を決め,2人の男子学生力翻ってい
く。平坦地に深さ1.5mのトレンチを作ることは容易
でない。その間,教官が,地名,モスクワからの距離,
&
地形,地質,母材,気候,林相などについて説明し,他
の学生はもぎとったまだ青いリンゴをかじりながら,そ
一
れをノートしていく。所定の大きさに掘り終わると,,
人の学生が坑に下りて,巻尺を断面中央に垂れ下げ,そ
木造2階建ての家は思ったより小さく質素だ。ナチス
の右側を包丁(昨夜馬鈴薯を刻んでいた)で傷付け,構
占領時代にかれらの宿舎として荒らされ,しかも退却の
時放火され,内部はかなり痛められたと聞く。おびただ
しい蔵書には,英,仏,独語のものもかなりあり,「不帰
左側に層位の界線を入れていく。他の,人はpH比色
鳥」,「順礼日記」など日本のものも混じっている。家族
が,各層ごとに深さ,土色,構造,.…と観察結果をし
の肖像画や写真で飾られた客間,書斎,居室などには,
たくさんの遺品が展示されている。晩年愛用した例の白
い上っぱり,杖,車椅子,ピストル,小銃,革の鞭,時
計,文具類,チェス,トランプ,レミングトンタイプ,
エジソンから贈られた蓄音機グラン'ドピアノ2台,食
器類,手紙など。イギリス製の大型柱時計はデジタル
で,今なお正確に時を刻み,19日の文字を小窓から出し
ている。
短い草におおわれている。晩年,人間社会からの逃避を
試承た彼にふさわしい墓といえよう。学生らから「彼の
著書を読んだか」と聞かれる。思いつくままに数篇あげ
ると皆一斉に驚きと喜びの顔となる。
邸を後にし幹線にもどる。しばらく進象,今度は舗装
されていない田舎道にそれる。村ばずれで昼食。近くで
はコルホーズ農民が総出で乾草の積承込象をしている。
昨日オカ河を越えてからこの付近まで,すなわち灰色森
林土一広葉樹林帯の主要林木は次のとおりである。ナラ
(Quercusrobur),トネリコ(Fraxinusexcelsior),シ
皿,もう1人が稀塩酸を持って坑の上で待機。坑の学生
ゃべり,他の学生はそれをノートしていく。pH係の学
生も判定結果を皆に告げ,塩酸を持った学生は炭酸塩沈
積の有無を告げていく。この作業は坑ごとに交替で行な
っていくとのことである。
観察結果に誤りがある時だけ教官が補正するが,その
必要はあまりないぐらい適確である。まれに構造の発達
程度や推移状態の判定などに注意があり,また学生間で
の討論もあるが,なかなか大した腕前である。おそらく
明日からでも土壌調査の業務を十分果たしえるであろ
う。この点日本の犬学の土壌学教育における調査技術の
信一
邸内の一隅,シナノキの林の中に彼は眠っている。そ
の墓は直方体の土盛りだけで石碑のごときものはなく,
造,組織,亀裂などを観察しやすいようにする。そして
訓練はどうである"う。土壌学は野外調査から,断面調査
からという伝統的な考えが貫かれていることはうらやま
しい。
pHは白色磁製皿(ドイツ製)にのせた土粒に混合指
0
示薬を注いで判定。基準色はpH3∼8の6段階である
が,中間に発色した場合は0.25刻象に読み取っている。
土色ば土色'帳なしで呼ぶため,わたくしだけは日本から
持参した土色帳で記録することにした。
断面No.1淡色灰色森林土,重埴土,母材はレス。
ナノキ(Tiliacordata),シラカバ(Betulaverrucosa,
Ap層は黒褐色で約26cm。PHは6.25∼6.75の間に
B.pubescens),ドロノキ(Populustremula,P.nigra,
ある。日本の土壌が温和な気候下にありながらいかに塩
P.balsamifera,P.alba),ハンノキ(AInusglutinosa),
基を失っているかに思い当たる。褐色のB層下部(深さ
カユデ(AcerPlatanoides,A.campestre),ハシバミ
約130cm)にマンガン斑。
(Corylusavellana)。そしてこれらから成る森林は数種
の林型に区分されている。森林分布比率は15∼20%で,
動。樹高約25m,通直。低木階にハシバミ,カエデ,
開園前の土壌を調べるため,隣接のシナノキ林に移
− 1 6 −
(7.5YR4/4)のB層に移っている。一見ポドゾルに見
7.5YR3.5/1
0
A]
A
鷺
える。しかしA1層がpH5.50であっただけでほかの
pH5.50
各層は6.25∼6.75である。
7.5YR5/2
pH6.25
調査終了後,土を坑に返して埋めるのは女子学生の役
目。肉体労働を嫌い,お上品にかまえる日本の女子大生
に見せてやろうと思い,カメラにその光景を収める。
「日本の女子学生はミミズでもこわがり,土いじりを好
まない」と言うと,皆けげんな顔をする。労働観の違い
7.5YR4/2.5
A2B
pH6.50
一 一 一 一 一 = 一 一 一 一 一 一 一 一
7.5YR3.5/4
B1
50
か。
pH6.50
断面No.2の近くのシラカバ防風林内に設営。防風林
− − − − − − 一 一 一 一 一 一 一 一
は12列の植え列からなり,列間160cmであるため幅
句
は計20mになる。各列は210cmおきに械裁されてい
一
B2
7.5YR4/4
る。ちょうど枯死木が現われ始めたころで,絶好の薪と
pH6.75
なる。夕食後,女子学生がわたくしに「寒いからトラッ
ク内で寝てはどうか」とすすめる。「昨夜,わたくしの
いびきがすごかったのだろう」と言うと,「実はそうな
&だ」ということで一同爆笑。皆のご要望にこたえて今
夜からはトラック内を褒室とする。
今日通過したツーラ市は古くから金属工業の街として
Cm
栄え,特にサマワール(戸シヤの伝統的な卓上湯沸釜)
凸 一
図2淡色灰色森雄士(断面No.2)
の産地として知られている。古いpシヤの浬言に,「ツ
一マユミ(?),草本階はカンアオイ(?),スケ類。
断面NO.2淡色灰色森林土灰色(7.5YR3.5/1)
のA1層は厚さ8cm,さらに白っぽい(7.5YR5/2)
・A2層は9cm・厚さ約20cmのAB層を経て,褐色
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投 稿
ーラヘ旅するのにサマワールは持って行くな」というの
がある。この意味は=旅に女房を連れて行くな」とのこ
とである。日本流に言えば何となろうか。
(以下次号)
募 集
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会員の皆様の投稿を募ります。下記の要領により振ってご寄稿下さい。会員
の投稿によって誌面が賑うことを期待しております。
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園技術体験の紹介,実験・調査等の結果の発表。自らためし,研究したり,調査したり,実行した結果をわか
りやすく他の会員に紹介する目的で,要点だけをできるだけ簡単に書いて下さい。複雑な図や表はなるべく
省し、て下さい。〔400字詰原輔用紙15枚以内(刷り上がり3ページ以内)〕
麺林政や技術振興に関する意見,要望,その他林業の発展に寄与するご意見,本会運営に関すること,会誌海
ついての意見,日常業務にたずさわっての感想などなんでも結構です。
〔400字詰原稿用紙10枚(刷り上がり2ページ)〕
口上記についての投稿は会員に限ります。童た原稿は未発表のものをお寄せ下さい。
,口図,表,写真などを入れる場合は,上記内の制限字数から一枚について400字ずつ減らしてお番き下さい。
口原稿には,住所,氏名および職名(または勤務先)を明記して下さい。
口原稿の採否,掲載の時期については,編集室にお任かせ下さい。長すぎる原稲は紙面の関係で掲戦できませ
んので,お返しするか,圧縮することがあるかもしれませんから,ご了承下さい。
口掲載の分には,薄謝を贈呈いたします。
口送り先東京都千代田区六番町7郵便番号〔102〕日本林業技術協会編集室
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− 1 7 −
体の位置づけはともかく,多くの人々に害を与える現象
│詞一イ蚕H亙…塵’力穏こるという識
とがある。今岡一般健公琴いわれ
ているのは,このあたりがきわみてあいまいになってい
て,特定多数の人が害を受ける現象を,原因やその背景
はともかくとして,おしなべて公害と称している場合が
多い。また自然保謹という言葉も公害をなくし,もとの、
状態にもどそうという解釈と,公害を無くすことによつ
池田真次郎
て自然をとりもどすの味もちろん,さらに積極的に人圃
(林試・保護部)
生活のなかの一要素としての自然環境を保持,または人
公害と自然保護
為的に作り出していこうという二つの意味があると悪
近ごろさかんに「公害問題」とか「自然保護」というう。現在多くの場合これらの考え方や施策の方向づけ力壺
毒舌有用〔13〕
1
︽一
ことが言われるようにな?た。先ごろ総理大臣のテレビ混然と扱われており,明確に現象を論理的につかんでい
施政演説にも自然保護を重視するような趣旨が述べられないうら象がある。いわゆる公害をなくするのは,ある’
た。まさに,従来からこの方面への一般国民の関心度か時点では自然保護または自然状態への還元につながる
ら考えると,一つの大きな転換期にきているような感じが,其の自然保謹は公害をなくすることだけでは目的嘘
を受けた。しかし,筆者は現状でのこれからの問題につ達せられない。
いて解析してふた結果,以下述べるような蛎項につき注公害は,企業体によって生起されている場合がわが画
意を促しておきたい。では多いのである。水質汚染,大気汚染などは,企業体
われわれがよく考えなければならないのは,「公害」のあり方に基因していると断定しても支障ないと思う。
と「自然保護」との根本的な因果関係である。公害とはしたがって,現在一般にいわれている公害の大部分は麦
文字の示すように,背景に公的に必要な重要な問題とし企業体そのものが持つ欠陥から発生しているものであっ
ての性格を持っていて,2次的にそれから発生した事象て,もちろん都市計画を明確に作案し,工場地帯,住雇
が,多くの人盈に害を及ぼす現象という意味と,発生原地帯,緑地帯というような配置を計画的に作図し,それ・
″●ノダ城ジノ”′〃ノ"ノ"'少〃宙″ソツレ”ムグノ空ノグ湾丞クヶッ".〃タン多ノ汐”城ジゲタ汐ルノかノ″必ノ容抄ツヒ2分J""凸/ヶ/ゴゾジ"〃ノムクノ今クグソタ択夕"雪玖タケ”y公ノクノグァゴノタソシf今〃”アタノ変〃シソ査分ダグ▲/タノダ・
林間漫語〔3〕のではない。
また,料理屋によっては,普通の料理屋の2倍程度の、
髄を出して,ご馳走したような気分でいる店もある。
堀田正次
こんな場合「重食」という言葉を思い出す。
「軽」の字がついた言葉で「重」の字をつけられない、
軽重言葉は「職食」以外にないものかと,暇な時考えてみた
亡父の三十三回忌で関西に帰郷した時,新幹線の新大が,そう簡単に該当の単語が浮んでこない。
阪駅の椛内を歩いていたら「軽喫茶」という溶板が眼に
軽文学,軽音楽,軽便鉄道,軽卒,軽輩の五つ。
ついた。入ってぷると腰掛が並んでいるスタンド式喫茶これと反対に,重の字がつくが,軽の字のつけられな
店である。わたくしは今まで「軽喫茶」という日本語にい言業はないかと空想してみると,これはたくさん浮か・
お目にかかったことがないので奇異の感がした。
び上がって来た。
東京の街を歩いていると「軽食」の看板の出た食堂に「重要」「重力」「重心」「重量」「重役」「重税」「重箱」I
よくお目にかかるが,この言葉も戦前にはなかった言葉瞳宝」「重鎮」「重複」「重臣」・…・・等をまだまだた
ではなかろうか。くさんありそうである。
「軽食」という言葉はなじまれても,軽と対照をなす次に経も童も両方使われる言葉を探して象た。
重の字を使った「重食」という言葉はまだお目にかから重(軽)工業重(軽)油重(軽)量級
ないし,流行しそうもない。重(軽)労働重た−軽を軽重
しかし,「重食」に相当する蛎実はある。まだありはしないかと手帳を出して,鉛筆をなめてみ‐
温泉旅館などで,夕食を食べずに泊ると,翌朝の朝食たが,これ以上出てこなかった。
挺,前夜の夕食分を合わせて運んで来ることがある。こんなことを考えながら,つれづれ時間を満たしてゆ‘
こんな場合,ガったくしのような大食漢も食べ切れるもくことは,頭の老化現象を防ぐのに役立つものと考え
− 1 8 −
辱一
(三菱製紙(株)取締役林材部長)
'
ぞれに付帯する設備を整備していない点などについて製品のコストを下げるために硫茨分の多い安価な重油を
jま,企業体だけに責任を負わすのは無理かもしれない燃料として使用し,たいに空気中に媒煙を充満させ,亜
’し,企業体を織成している個凌のもの,またそれらをあ硫酸ガスを多趾に排出する結果になる。また水質汚染に
る程度総合し共同で適切の処置をとるべく強力に指導しついても,浄化装箇を持たず直接河川に汚れを放出する
ていなかった点については,国家的の責任が問われるか結果起こる場合が多く,これらの例は一つ一つあげるま
もしれなし、が,それにしても適切な処腫は企業体自身がでもなく明確な事実がすでに多く見られている。汚水を
責任を持って実施すべきことである。発生源の手直しを直接河川に放出するため,漁業ができなくなったり,人
・せず,爾後対策を国の費用,すなわち国民の税金でまか間が直接,間接に害を受けて奇病が発生したり,生命を
一
、なうのは性格上納得できない。企業体自身の負担で,汚さえ失っている。他方企業の高度の発展は,われわれの
水,悪性ガスの発生源をなくすために,それらを防止す生活内容を盤かにしている点は否定しえない。交通機
るのに十分な設備を持つべきである。企業全体に要する関,電気製妬,自動車工業というように,われわれ個人
経費の何パーセントかは,これら公害発生源防止施設にの生活内容に直接影響を与えつつある正の部分は,例を
使用すべきである。将来は,50%ぐらいの経費を充当しあげて説剛するまでもなくよく理解されていることであ
なければならないような情勢になりうる可能性もある。る。したがって経済企業の発展に文句をいう筋はない催
筆者の経験した例では,ある地域の経済開発計画のなかずだが,それにはそれ相応の反応を利潤という形で得て
に,堂つたくこの種の費用が計上されていない場合があいるのだから,当たり前のことといえばいえる。このよ
ったし,話によれば水源池近くに観光的な開発地域を造うな点で公害防止には国民の税金を使用すべきではない
成するのに,総予算の1%内外しか当該方面に当てる予という考えが生じてくる。逆に東海道遊歩道的な公共的
算が考えられていない例もあった。これらは,企業といの性格のあるものは国家的な投資をすべきであるという
う経済行為によって発生する負の部分に隙まったく目を理屈になる。要するに公害防止すなわち自然保護という
つぶり,正の方向にだけ先走ってしまっている結果で,考え方ば,現象のごく一部しかみておらず明らかに誤り,
公害などは,このようなところから発生しているのであで真の自然保謹施策とは基本的に考えの出発点が違って
る。企業計画で負になる部分を放置するのは,たとえばいるのをよく認識しておくべきである。
……毎才…"々ソ”覆字…ソ”▼”もマノ〆"ダア〆”"
ャ極ア…”〃F"”f毎”"夕…”ザ”も雫'”〃…'‐マノヱ4…"ぶげ…"苧ダグタ…”▼”'寺'”…'、
て,絶え談この種のっ主らないことに空想をふけってぃ.…の結果,偶発的にできたもので,わたくしがかつて
、る今日このごろの毎日である。生活した函館市,長崎市で,市民が夜景を美しくするた
夜景めに,ことさらに自宅の電灯を多くしたり,大きくした
オーストラリアへゆく途中,香港で途中下車して,昼り,あるいは生活上必要な箇所に,夜景上有害だから取
一
潤,香港の街を車を走らせてながめる機会に恵まれたり除く措置をとった辨例は一度もない。
が,美しいという印象を承じんも受けなかった。わたくしが見て美しいと思う夜景の都市は,港湾都市
日が沈んで,夜が来ると,電気の灯で,これが同じ香が多いためかも知れないが,概して,夜景は港のある都
港の街かと疑われるほど,美しい感じをわたくしの眼に市が美しく見える。
与えてくれる。海と陸とが,夜になっても,若干色が違うし,その間
昼間の汚い部分が闇に吸いとられて,電灯だけが表にに電灯の集まりが,ある箇所は密に,ある箇所は疎に,
浮かび上がってくると,全然異質の印象を与えるから,しかもその間に調和のとれた印象を与えようと,人間が
おもしろい。創意くふうをこらさないで,調和のとれた形をなしてい
シドニーとかオークランドのように昼間の風景も美しる所が,誰がそうさせたのか知らないが,面白いと思わ
●
、、印象を与える街で,夜景も美しい印象を与える都市もれるのである。
あれぼ函館や長崎のように,昼間はさほど美しいと思わ
飛行機から見た東京の夜景は広い面職にわたって,規
ない,普通ありきたりの都市が夜景となると格別美しい模は大きいが,少しも調和がとれておらず,美しい印象
印象を与える所もある。を与えない。
夜景はいかにして作られるか。神戸の夜景がよいと聞いているが,わたくしはまだ拝
何も夜景を美しくするために,都市設計をされた話も見の機会に恵まれない。
聞かないし,多数の人間が生活するための諸灸の住宅や−シドニーやオークランドのように昼の風景も,夜の風
ビルや,商売のための家造り街作り,道路公園,港湾等景も美しい都市を日本にもほしいと思う。
− 1 9 −
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り,葉先が下へ垂れさがるからでしょう。;
〔街路樹シリーズその29〕
さて股後に,この樹の菜の繊維が大変おもしろい所i
R
に利用されていることをお知らせ致しましょう。
《
それは,キ『ナリー群島で小鳥の巣を調べていたあ#
キャナリーヤシ
る愛鳥家の言によると,野鳥(おもに小鳥)の巣はほ;
とんどこのキャナリーヤシの繊維で作られているとの;
キベナリーヤシは写真のように南国的情緒のある樹こと
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木で,日本で街路樹として使用されている所は,最も
暖かな四国,九州を始め熱海などの観光地です。この
樹木は,常緑喬木,雌雄異株で,高さ20余mにもな
り,幹回りも3mにも達するようです。
幹は分岐せず直立し,幹には環紋があります。
葉は頂生で,大業冠となり,葉端は弓状となって,
葉の先が下垂します。原産は,名前のごとく,キャナ
リー群島のもので,ヤシ科の植物であり,一見ナツメ
ヤシに似てます。そして大変わが国の風土に適応して
いることと,冬季でも零度を下らない所であれば,ま
ず,枯れるようなことはありません。
この樹木の枯死限界温度は零度位といわれており,
日本に渡来しているヤシ科の中でも,一番大きく,一
番耐寒力がありそして強健な樹木といえましょう。
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鰯
』
一
この樹木は今までの街路樹と違って,ほとんどが歩i。.!:.
道の中に植えられず,道路の中央に設けられた分離帯
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宮
宮 崎崎
市 内市 内 《
に植え付けられています。それはあまりにも葉幅が張文.写真,落合和夫(東京都.道路工率部)
文・写真,落合和夫(東京都・道路工率部);
《
・●P◆句…・一●.◆‐・・・QPら.・勺合少寺や今◆も=◆吟。一寸建〆やP.…一凸四.圭圭も.-.鵠q幸.守.段…字。。.… ...◆よ.。.b今ヂーヂも.●免硬−.%碑へ.-.少一一.ロ◆令ンも匂.や.垂堅.∼の…少◆ご◆や一己エ単らへ..‐▲の.=Q-.変替ら空一今……少旬。ザ.少埜一句
ゅへ。-.少Q-ゴ。。.・令ン、.。.…堅….”.←。.“今シ・ェ嘩心手・・・全..・−−…Q、←.空一今・…士少._ザ...−へ-,,へ。魚一:
開田の 昔と今
木曽の開田村でも,板葺 屋根に石がのっている風景
はあまり見られなくなった。 最近まで飛騨の人情が濃
鹿げた話である。その分屋も倒されてしまL,ノそこで
の生活の経験を話してくれる老人もいなくなったばか
りか,村には女の子を承かけることさえ珍しくなっ
た。反対に道路が発達した今の開田には自動車やバス
で都会の娘たちがやってくる。
くしみついていたが,今は それもうすれてし童った。
一
飛騨ざか( 、の長峰峠を越せ{ 笈日和田の部落ガあって,
好き好んで遠い木曽谷との往来をしなくてもよかっ
た。日和田のカタクリの粉は開田で肱貴重なもので,
今では手に入らない。日和田には戦前まで飛騨一の大
馬地主がいた.数百頭を入れる馬小屋があって,その
4
馬のほとんどは開田で生まれた木曽馬であったとい
う。一昨年十数頭の木曽馬が明治村へ移されてから,
開田にほ馬はほとんどいなくなった。
開田高原から馨る御岳は崇高そのもののように大き
くそびえて、、る。御岳は鮒田の人為}ことっては神の座
であり霊峰であった。そのため女が不浄のとき聖地を
汚すことをおそれて分屋に身を隠すという習慣があっ
た。このようなことは開田にかぎったことではない
が,開田で特にきびしく長く続いたわけは,御岳信仰
と結びついていたからであろう。 いまから考えると馬
[山の
生
− 2 0 −
、
8ー一一'■■■一一ーーー■■■■ーーーー■■■一−一一ー■■■■■■=■■■■-■■■4■■■ーーー=ーー=ー幸一==ーー、1■■■■ーRp-Dp-:-rdl-−=一h−1-,-
介'1、小令'M、命に令仁延卜↑
型,BB-ER型が出現した。年平均気温15oC,年平均
会員Q広場
降水量1,780mmである。
2.調査方法
根系は,除草用手かきと移植ゴテによってほぼ完全に
アカマツの天然生木と
掘り取ることができた。掘り取り後すぷやかに根系を水
洗し,各部分を調査して,90。∼100・Cに調節した乾燥
植栽木の根系について
器内で48時間材料を入れ,絶乾重遥を測定した。
根系について職,水平状に広がっている根を水平根と
−発育に伴う各部分の変化一
し,根株・杭根および杭根より発生している二次的根系
屯
黒 木 富 生
については杭根として処理した。また根の大きさの区分
(広島県・林政課)
については,すべて長さ10cmに切断しその中央径を
一 日
アカマツは,スギ,ヒノキについで多く造林されてい
る樹種であるが,広く植栽が行なわれるようになった歴
史がスギ,ヒノキに比較して浅いせいか,それほどはっ
きりした施業体系が確立されていないように思われる。
このため,「植栽木が天然生木と同様に生育するのだろ
測定して区分したが,その分類は,細根0.2cm以下,
小径根0.2∼0.5cm,中径根0.5∼2.0cm,大径根2.0
5.0cm,特太根5.0cm以上とし,根株はそれぞれの
区分階へ入れた。なお,細根と小径根を小根とし,それ
以上の大きさのものを太根として大区分した。
うか。」という疑問をもちながら植栽したり,奨励した
りしている人たちも少なくないようである。また,植栽
木が天然生木のように生育するための条件として,これ
調査結果
1.生育に伴う根の形態的変化
までいろいろ述べられているが,それを大別すると,土
天然生木の場合,0年生ですでにA層とAo層の境か
壌条件・育林技術・品種系統などをあげている報告が多
ら2次根の分岐がみられ,1年生では水平根の分岐がさ
い。しかしながら,現地指導にたずさわっていて,もう
らに進むが,定量的に分類できるほど明りょうではな
い。2年生になると抗根と水平根の区分が明確になり,
少し具体的な資料が欲しいことを常を考えていた。
幸いにも,1968年に6カ月間京都大学森林生態学教室
根の直径も大きくなり,細根の侭か,小径根・中径根が
で調査研究する機会を得たので,地上部と地下部の生育
見られ,地上部では分枝が認められた。3年生になる
を関連づけて調査を試承た。この報告はその中の一部で
と,水平根と杭根はさらに伸長し,分岐し,水平根から
あるが,林業関係者にとってなんらかの判断の材料に役
垂下根の分岐が観察された。4∼10年生の間には,根系
立てたいと思って記述することにした。
の発達は一層進承,特に水平根はAo層の境と地下10cm
一
なお,調査は鳥取県造林課の池本隆専技とともに実施
したもので,四手井綱英教授をはじめ,関係教職員多数
の指導援助を受けた。ここにつつしんでお礼申しあげ
る
。
までの深さに多く,垂下根を分岐させ伸長は著しい。根
系の分岐と広がりは法正に行なわれていた。しかし杭根
の伸長は土壌の影響を受けてばらつきが大きかった。
植栽木については,3年生で根株から分岐している根
調査の概要
数が天然生に比べて多く,床替え作業や造林時の取り扱
い作莱の影響を受け,水平根が曲がったままの状態で伸
1.供試木
長しているものがかなり多く見受けられた。したがって
供試木は,京都市北区上賀茂に生育し,隣接木の被圧
杭根と水平根の区分は天然生に比べて不明りょうであっ
を受けず健全に生育しているもので,天然生木77本
た。6∼7年生になっても,植栽時に影響を受けたと思
(0∼10年)と植栽木14本(3.6.7年)を細根にいたる
われる水平根の曲がりは,そのままの状態で伸長してい
まで,ていねいに掘り取った。植栽木は京大上賀茂試験
た。根株および杭根は地際部分から,深さ10cmまでの
地産のものである。
肥大が著しく,天然生に比較して明らかに異なることが
供試木の生育地の地形は,傾斜5。∼35.の山腹の禰行
土が大部分で,標高は160mである。地質は古生層に属
し,基岩は砂岩および粘板岩からなり,風化の進んだ褐
色森林土壌である。土壌型はBB型力球半を占め,BDd
識別された。さらに肥大部位を解析したところ,幼齢時
における根株付近の側根が,取り扱い作業のため広がり
きれずにいたものが,根系の生育とともに癒合している
と思われるものが多く観察された。
− 2 1 −
=-■Q-lL=一qDp│ー一■qU一一一F■-1ー'■■■ーーー■■■ーーーーーーー=ーーーーー=ーーーー■■■−,●■■■■■ーーーーー一一ー一一一
また,植栽木は天然生木に比べ3年生の段階では,小
根の数が多く認められたが,6∼7年生では反対に小根
の割合は少なくなり,水平根については,かなり先端ま
で直径の大きい根系が観察された。
地 剛│城Ⅶ
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2.各部分と部分の関係
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一
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トーr
天然生木と植栽木の地際直径の2乗と地下部重(乾)
の関係を調査したところ図一1のようになり,天然木も
植栽木も同じような一つの直線関係が認められ,地下部
の重量を知るためには,地際直径の測定によって相対成
ム
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長関係をつかめることがわかった。
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関係式は,次のとおりとなった。
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、
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logWR=1.22001ogD2-1.7446
一
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WR:地下部重(乾)D2:地際直径の2乗
琢
また,地上部重(乾)と地下部重(乾)の関係につい
て,天然生木と植栽木を比較したところ,両者の間には
図一2のように同じような直線関係が認められた。勾配
は0.9100で1に近い値を示し,地上部と地下部の関係
<T/R率)は,ほぼ一定であるが,重量が増加するにつ
れて,わずかに地下部に対する地上部の割合が大きくな
m召
地際枇総量、曾
図−1地際直径の2乗と地下部重の関係
地ド梛弧Ⅶ!
.
1 0009
る傾向を示した。
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関係式は,次のとおりとなった。
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logWR=0.91001ogWT-0.5686
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以上のほか,同化部分と非同化部分をゑても,ほぼ同
争隠−−
、
WR:地下部重(乾)WT:地上部童(乾)
班
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1 0 1 ‘ . ノ ゲ 〆 - i − , , 一
フ
乙ような相対関係を示し,明りょうな較差は認められな
ゾ
膿
かった。
'ilil/111rl--
しかしながら,深さ0∼10cmの地下部重と地下部全
重については差がなかったが,深さO∼10cmの杭根重
(根株を含む)と地下部全重との間には,形態の項で述
?豚
Z
。天然
偽樅殺
'・:ill71奮一r−lil[ー 。一
|肘−1−'’ -h十
0.01
かった。
この関係式は次のとおりで,図−3にも示した。
0.T-1101001,000g
地上部祁Vr
図−2地上部重と地下部重の関係
植栽logPWRTao_,0=0.88241ogWR-0.1066
天然logNWRTao_,0=0.87661ogWR-0.2282
PWRTao_,0:植栽木深さ0∼10cm杭重
検討および要約
この調査は,ほぼ同じ環境のもとに生育している天然
NWRTao_10:天然生木〃
生木と植栽木の根系の発達状態,地上部と地下部などの
WR:地下部重(乾)
関係について調査を行なったものであるが,両者の間に
さらに,太根と小根の重量関係を比較したところ,太
一
豚
べたように差が認められた。つまり植栽木ほ天然生木に
比べ0∼10cmの杭根が肥大し重くなっていることがわ
熟
は量的成長関係においては,ほとんど相違点がないこと
根は両者とも勾配1.1089のほぼ同じ直線関係を示した
が認められた。しかし,根系の細部について比較した場
が,小根ほ天然生木の勾配が0.8009となり,植栽木の
合,植栽木は,根株付近の肥大や地下部重の発育に伴っ
0.6369に比べ急勾配であった。つまり,地下部重の増
て小根の割合が少なくなるほど,体質的に問題がありそ
加とともに植栽木は天然生木に比べ,根系全量に対する
うに考えられた。このことは,病虫害や気象害,土壌条
小根の量の割合が少なくなる傾向を示した。
件のよくないところへ植栽された場合など,いくらか不
− 2 2 −
■
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本誌2月号に掲戦された堀氏の「国有林における技術
開発について」は,国有林の今後の技術開発についての
問題点を多角的に取り上げている。その中で,特に,技
術開発は情報管理から始まることを指摘されている!)o
技術開発の着想は,まず広く情報を集め,それを分折
し,その検討,評価を経て,技術革新の可能性が確かめ
られ,技術的な十分な裂づけによって具体的な開発計画
となり,それによって国有林野事業の業務計画も,それ
深さ0∼10cm杭根狐
Wi《TaⅢ】。
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一 ゴ
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/
を折り込んで作成されなければならないとされている。
堀氏は,この論文の中で,技術開発スタッフは,将来
展望にたって仕事を進める必要があるだけに,情報は林
業部門にとどまらず建設,通産などの他部門,また学会
(林学,土木学,機械学,生物学会など),業界,国の内
外にわたって一般的技術水準動向にも,目を向けておく
。天然
△植栽
必要があると言って鮨られる。
ロ
|
◎
一
500g
100
10
電Ⅶ(
地下部璽珊
、図−3地下部全重と深さ0∼10cm杭根重の関係
安な要素が考えられるにせよ育苗,育林技術を適切に行
なうことによって,天然生木と植栽木の差は,ほとんど
なくなるようにできることが考えられた。つまり,肥大
現象の解決策としては,苗木の床替;林地植栽による際
に,根系を十分に広げ,杭根に側根が接することを少な
くすることによって是正することが可能である。
なお,杭根長については,パラツキが多く他の部分と
の一定の関係が認められなかったが,植栽木の育苗時に
以上は,行政機関から述べられた情報管理の必要性で
あるが,一方研究機関に立っても,この情報管理朧,容
易ならざる事態になっていることば周知のことである。
研究者にとって,最近の情報量の爆発的増加ととも
に,研究手法の点で各研究者がカバーしうる専門領域が
ますます狭く深まる反面,大型プロジェク│、の採用によ
って,その領域が各方面にわたり一つの問題解決にあた
って必要される情報は,従来未経験であった分野の最新
の研究結果の利用を考えることが必要となってきた。情
報の利用形態も,ごく限られた範囲の専門家が互いに承
知すればよいということでなく,広くかつ迅速な情報流
ロ﹄
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今
一
通が要請されるようになってきたのである。
おける根の切断の影響は,ほとんどなく生育箇所の土壌
条件の影響をより多く受けているようであった。
一
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7∼8年で倍になる増加率であるという。
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まさに憶報の洪水である。このなかから,いちはやく
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(林業試験場・関西支場)
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、
2.情報の洪水
わが国の科学技術関係の情報源機関として,約500の
学協会,400の大学,800余の各種研究機関があり,刊
行される逐次刊行物は約5,000種,これから生産される
論文は6万∼7万件に及ぶと↓、う2)。しかもこの生産量
の増加が,戦前は15年で倍になったものが,最近では
ーも、一e■b、ー●、一q甲や、一口GーGv1D-●■‐。■●●■■●■ロ
ー 昏 自 = ■ I ■ 凸 一 ① b = ■ G ■ ■ − ● F = ■ ■ ● b − G b − b ■ ■ I ー ● ■ 国
必要なものをキャッチし,より有効な精報を組象合わ
せ,技術開発への着想を確実なものにするためにはぜひ
とも情報管理体制を確立しなければならない。
昨年の10月,科学技術会議から,わが国の情報管理に
の進むべき方向を設定しようとする動きが高まりつつあ
ついて答申が出されたのは記憶に新しい。これは情報化
時代に生きぬくための科学技術B策を打ち出したもの
で,最新の科学技術情報が,容易に入手できるような
「全匡的流通システム」の確立を内容としたものであ
る。
る
8
)
。
1.情報管理の必要性
最近のわが国の急激な産業社会の変革に伴って,林業
部門においても,新しい着想のもとに,林業技術の今後
− 2 3 −
。 ー ー ー ー ー 一 一 ■ ■ ■ ー 一 ー ー ■ ■ ■ I ■ ■ ■ ー ー ー ■ ■ ■ ■ ー ■ ■ ■ 一 ■ ■ ■ 一 一 一 ー ー ー 一 一 ー ■ ■ ■ ■ ■ ロ ■ 一 一 一 ー 一 ■ ■ D C ■ ■ ■ 一 一 一 ■ ■ ■ ■ 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 I − − b − ‘ ,
研究者は研究開発活動の30∼40%を情報入手と調査
分野では現地調査で得た情報は貴重なものである。
に費し,あるいは情報入手が不十分のために,研究の重
(2)第一次文献の収集
複が起こりがちであり,米国ではこの重複研究によ為ム
学術雑誌,学会誌,研究所報告,会議報告,単行本な
ダが年間700億円にのぼるという指摘をしている。
と,originalの文献
(3)第二次文献サービス
3.林業関係の文献
さて,林業,林学の分野においては,どの程度の情報
第一次文献を探索するための文献目録,索引,抄録誌
レビューなどの参照。
◆
が,現実に生産されているであろうか。
現在情報管理として,最も力を入れているのは,この
「日本林業文献目録」は,林業,林学に関係する逐次
サービスである。研究者が個人で関連事項の文献にいち
刊行物,各種林試研究報告,大学農学部演習林報,学会
いち当たることには,限界があり,研究者の必要とする
報,協会報,それに林務行政機関で刊行される報告書,
1966年版は,175種のこれら刊行物から,約4,900件の
文献を課題ごとに集めてやるサービス,すなわち,選択的
情報提供SelectiveDissemin2tionofTnformationで
ある。研究内容の進渉報告,批判的なレビュー,翻訳サ
文献名を載せている。しかし,これはあくまで,直接林
ービス,original文献の複写などがあるが,このような
業,林学に関するものの承である。
情報処理のプ再セスを経て,情報源から利用者にどのよ
巴
調査書および単行本の目録を掲賊したものである。この
この文献目録は,行政が出された刊行物も掲げてある
うにして渡すか,各プロセスの中間にたって,情報源→
貴重なリストであるが,広く林学おふぴ関連農学の試験
利用者の結びつきを強め,それによって情報流通の円滑
研究文献の象を載せている「日本艇学進歩年報」(林学
編)の同じく'66年版を見ると,研究分野だけでも,
化を図る情報案内サービスClearingsuFviceがいよい
1,857件の文献数があがっている。
報センターJICSTの設立,その後活動などその現われ
以上は,いうまでもなくわが国だけの発表文献数であ
るが,ちな象に,林学,木材学逐次刊行物の世界的な抄
よ重要視されてき,科学技術庁管轄下の日本科学技術情
である。
また農林省の研究機関としても,図書資料関係者によ
録誌である,ForestryAbstractsに収録されている件数
って「怖報処理効率化検討会」を発足させ,農学分野に
は,’67年版6,736件,’68年版6,851件と,世界の主
おける国内の文献の,KWICIndexの作成作業に伴う
要林学,木材学会関係の研究文献は,年間7,000件近く
Key=wordの選出など,情報処理機械化への一歩とし
て,準備作業を開始しつつある5)。
となっている。
以上述べたのは,林業,林学プロパーから生産される
情報量であって,一方文献作成例のuserとしての立場
次に,これも腿学資料担当者の報告であるが,前述の,
(2)鮒一次文献の収集にあたって,農学研究者かいまどの’
から見ると,林業,林学のような応用科学的な間口の広
い分野においては,艇林水産の関連分野の承ならず,油
たものを発表している。これから結論的に引用すると,
断なく各方面の情報に眼をくばっていないと,有効な傭
報をとりにがす恐れもでてくる。
そこで,これは農林省所属の研究機関の例であるが,
ように傭報を収集しつつあるか,実証的に詳細に分折し
どの逐次刊行物から得ており,利用する逐刊誌の種類数
は,1専門分野あたり300種類に及ぶという。逐刊誌か.
自の専門分野でのKey=Journalsll種類に眼をとおし
究者は情報源として利用しているのが実態である鋤。
ていなければならないし,また過去約6年間の文献をあ
ら得られる情報の50%を,常に保持するためには,各
されば,文献情報の半分をうることができると報告して
いる6)。
このような情報量の中で研究者は,どのようにして必
要な蒲報を得ているのだろうか。
次のような手段が考えられる。
(1)口頭による伝達
5.林学研究の発表利用誌
さて,それでは林学の方はどうであるか。現実に林学
研究者は生産した情報を,どの刊行物を通じて発表して
研究会,学会などに出席,現地調査,視察などの際の
聞き込承。日進月歩の研究を探求するために,活字にな
らない前の情報交換が非常に重要視される。特に,林業
一
避学でば文献情報を,その83%を学術雑誌,学会誌な
現在ここには,邦文9,700種,外国文4,700種,計
14,400種という膨大な逐次刊行物が所職され,それを研
4情報の収集方法
一
いるか,また頻度高く発表誌として利用しているものは
どれか。また情報利用者側からいえば,どの刊行誌を見
れば各専門分野の文献が数多く掲載されているか。図書
− 2 4 −
Q
弓=■■■ー−ーー■■■ー==ー一ーー一一一一ーーーーーーーー■■■ーーーーーー一ー=ーーーーーーーーー■■■ーー一一ーーーー−−一一一一一一一宇一
第1表
一
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#鮫│綾・'””│麓”│“護│” 災
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林業経済
林学会誌
林学会誌
営林局報
林業経営
研報
公立林試
報
蕊
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徳川林政
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一 一
研紀
森林計画
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道農
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国立〃
大学研報
林学会誌林学会誌
公立林試
大学研報 報
営
林局報営林局報
告
森林と肥国立林試
培 報
国立林試大学研報
植
物学雑林業技術
誌
報
林業経済
林業経営 林 木 の 育 北 海 道 の
種 育 種
研報
林学会誌
林学会誌
森林防疫
治山研論
文集
ニュース
F
一
林 産 学
学
用
蕊鑛化│鵬物鯉│灘維、
材学会北海道林
│営林局報 木
誌産試報木材学会誌
機械化林
業
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維学会国立林試紙パ技協誌
誌
薬学雑誌木材工芸撫道林麓
木材大学報晶本菌学会
大学研報翁立林試発酵工学雑
公立林試
報
営林局報
林学会誌
国立〃
公立林試
報
公立林試
報
日本菌学
国立〃
林業技術
営林局報* 大学研報
国立林試
報
大学研報
北方林業
大学研報
木材研究木材研究国立林誌
監熟木工生産大学研報
会報
大学研報
日本草地
学誌
学誌
日本生態山林
植物病理
学報
林業技術
山 林
画立林試
報
森林航測
低温科学林木育種
北方林業
新砂防
スリーM
経 済
林業技術
日本自然林業と薬
保協報剤
応動昆学
会報
水利科学
グリーン
エイジ
繍孟木工機械林業会誌
紙パ技協高分子加Chem.P.
誌 工
鬮立林試材料驚洋食晶研
報
外 6外10 外 1 8 外 9 外31 外22 外10 外 4 4 外 2 4 外 4 5
単18 単 8
蝉‘01噸‘
単11
単 1
(注)1)林業会誌には支部講演集を含む。2)営林局報は,各局の業務報告集等を含む。3)大学報は各大学鍵
学部演習報を含む。4)−は,発表文献数の50%前後で分けたもの。5)外は,上記10誌以外の掲
載誌数。6)単は単行本。
資料関係者から見れば,ある部門のKey-"Journalsはど第2表両会誌に引用された文献の寿命
----------------------一一.呈一ニーーーーョ
れであるかなどの一応の目安にはなると思い作成したの−−−‐
が第1表である。資料は「農学進歩年報」(林業編)の
'65,,66,.67年版3カ年を集計した。部門別のわけ方も
同年報にあった。
コー
、
林学会誌木材学会調蕊繕
最高値出現年
30%
しかし,この表には制約がある。進歩年報の承の最近
3カ年を資料したことと,資料分析によく用いる論文の
引用文献を素材としたいわゆるreference統計ではない
ので文献発表利用誌一覧表としてみていただきたい。
この表は,各部門別の発表利用頻度の高いものからベ
2
2 2 . 4
3.4
3.33.0
50%(半減鱒)
5.7
5.85.8
60%
7.2
7.67.7
70%
9.7
10.010.2
80%
13.0
13.514.8
90%
’
’00%(最長)|
18.0
19.024.5
95
98108.9
スト・テンをあげたが,発表文献利用誌のうち,50%前
注)幾学7学会誌は, 日作紀, 士肥誌,日植病報,青
後の利用する頻度の高い刊行誌は,林業学部門では2∼
種雑,日草誌応動昆,農業気象の'62∼'66年の平
一
3誌として固定していることがわかる。もちろんこれは均(農林水産技術会議編「図書管理運営に関する研
究会報告」昭和42年度版P.21より引用)
芯記したように,林学会誌には各地方で行なわれる支部
大会の講演集まで含み,営林局報の中には,各局業務報6.林学利用文献の寿命
告なども含んでいるので,他の単一誌と異なって発表舞次に,前掲の農学部門の文献情報の計鐘と同一手法で
台の広いことも関係しているが,おおよその傾向は読象林学部門の代表的学会誌である,林学会誌および木材会
取れると思う。誌を資料に用いて,各掲城論文,資料などに参照された
林業学部門は,かなりのバラツキを示し,表の10誌引ハ]文献の寿命をあげてみたのが第2表である。
以外に利用している雑誌も圧倒的に多く40∼50種を発これは,’66年,’67年,’68年の両誌を寅料とし,そ
表手段として利用していることがわかる。れぞれの発行年を基点として,そのさかのぼる年数によ
り投稿論文に引用された文献の寿命をはかったものの平
− 2 5 −
■ー一一一一一一一■■■ー■■I■−1■■■ー=■■■1■■■一ー■■■ー一一一一一一一一一一
均値で,すなわち各研究者がどの程度新しい,あるいは
古い文献から情報を得ているかの指標である。
眼としている公立林試,実践面に直接結びつく技術開発
それによると,両誌とも2年前に発表された文献の引
を行なっている営林局署などでは,その主たる活動の場
用がピークとなり,それ以降同じような傾向で減衰す
る。そこで,両学会誌の総引用数の50%をカバーじう
る年数(half-life,半減期)は,それぞれ5.7年,5.8年
と同じような年数を示し,逆に,両誌とも生産されてか
ら10年程度の文献を保持しておけば,引用文献の70%
をそれぞれの機関誌,地域的出版物,学会支部報,講演
要旨に求めているのが現状で,これらの機関に対する
Key-Journalの種類,保持年齢などを分析する必要があ
ほカバーできることになる。ついでに,農学7学会誌の
傾向もあげておいたが,80%ラインから両誌の寿命の方
が短くなること以外はだいたいおなじような推移を見せ
に現われ,その後痕跡をのこす程度で減少しているのは,
おそらくほとんどの資料を戦後発行したものから取らざ
るを得ず,また戦後急激に各種の関係資料発表機関誌も
増加したことに原因があるように思える。すなわち,林
業関係の主要な機関誌の創刊年をゑると,「木材学会誌」
1昭30年,「日本林学会各支部講演集」が昭25∼35年に
わたって刊行され,「林業技術」が現誌名に改名され新
編集方針で刊行されたのが昭23年,また「林木の育種」
昭32年,「林業経済」昭23蜂,公立試験場報告,新制
大農学部報等しかりである。
かように,林業部門においても戦後急激に情報源が広
がったため,図書資料をあずかる関係者にとっては,ス
ペースの関係,予算の関係でどのような文献をいつまで
保持すればよいのか,利用探索される文献寿命も考慮に
いれざるをえず,その頻度に応じて文献の配列にも注意
せざるをえないだろう。
る
。
7.おわりに
林業の技術開発それに伴う広範な分野を包括する研究
国 内
6 9 4 9
外 国
3 1 5 1
単行本
1 8 6
の比をゑると第3表
よいよ重要となってきた。
情報管理体制の整備として,第一次文献の系統的広範
な収集は,さることながら,それに利用者が到達するま
での第二次的サービス機能が強く望まれている。紙数の
関係でふれる機会がなかったが,林野資料館編で発行し
ている「林野資料月報」は,この意味で,行政,研究両
機関にとって,林業関係の情報,海外林業だより,国内,
外国の林業雑誌の索引,ダイジニスト行政通牒など,バ
ラエティに富んだ内容を持った他の分野にはない資料月
報である。
他日またこれらの林業関係の第二次文献の現状につい
て紹介したいと思うが,目録,索引,抄録,それも各問
題別の選択的情報提供の整備充実など,これからの林
業,林学の発展のためにどうしても強化が望まれるとこ
ろである。
引用文献
1)堀健治:国有林における技術開発について,林
業技術,1970.2
1968.12,p.18
して,
伊藤全:科学技術情報の全国システム,日本農
すなわち,林学会
、
る
。
第1表は,進歩年報に掲載された文献の承から算出し
た発表頻度の多い雑誌を掲上したのであるが,両誌に発
表する研究者は,かように高率の外国からの情報源を探
索していることになる。
しかし,両誌のような中央の学会誌の本誌のみの分析
であるから,公立林試,行政機関の現業方面からの投稿
嶮少なく,大学研究機関,国立林試などの研究者に限定
-
h
a
3)この答申に対し農学担当の立場から述べたものと
学図書館協議会を報No.12.1970.1
誌では3割,木材学会誌では5割が外国からの雑誌ある
わせて単行本から引用された文献比率は表のとおりであ
H
2)科学技術庁計画局編:科学技術調査〔情報特集〕
のとおりである。
いは,単行本から引用が行なわれている7)。また内外合
k
プロジェクトの導入により,各方面からの情報取得はい
第3表さて,前掲の資料
林
琴
語
│
禾
凋
琵
芸
誌
を
服
い
て
引
用
文
献
の
国内文献と外国文献
令
一一
ている。しかし,90%をカバーする年数が約20年弱前
され,このような傾向を示すのであるが,実用研究を主
4)農林水産技術会議編:農林省試験研究機関等所蔵
逐次刊行物目録(日本語,外国語〕(1967年版)
5)同上会議編:図書管理運営に関する研究会報告
(昭和43年度)p.41
KWICとはKeyWordinCotextの略で,Key
wordを定めて題名より索引を容易にする。
6)中村千里・北村晴夫:農学部門における文献情報
の計量,同上報告(昭和42年度)p.10
7)この傾向は,国立林試報告にも承られる。
細井守:林学,林産学についての論文の引用文
献に関する調査,同上報告P、25
− 2 6 −
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言=溌診==猫w‘==…==…==鵠".==辞w'=='堤==認可
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里山開発に寄せて1
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十,百人が出動した体験から,林主と地元民衆との結び
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業界の社会勢力滴養上にも,その基本として役立つこと
1i−自然生広葉樹林を見なおす−
1
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ミミ
9
わたくしは往年地元民衆と,林業関係で懇切に結びつ
き,森林防火組合を全道的に育てあげ,発火と同時に数
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l
1
$
ミミ
ついたチームワークこそは,これを統合すれば,日本林
を碓信するものである。
専門家に向かっては,以上でたくさんだと思うが,以
下永年にわたるわれらの苦衷談片を摘記する。
ii林.常夫II
1 i 、 l
過去の実績を顧みる
ミ
ミ
圭鍔="剛=爵溌"==蕊:==霊秘==蝿==縄‘==…』i
力
ー
まえがき
最近の木材需要は,従来の建築,家具用材に併行し
て,製紙,パルプエ業の流れに沿って,繊維からの再成
木材工業用が勃興し,中でもダンポールエ業では,木繊
維のほかに樹皮まで取りこんで,林道が整備すればあた
かも山地に遺棄するものがないくらいにまで,全林木が
禽
成担当10年,道直営官行斫伐事業の元締役7年,道有林
担当6年,国有林担当8年がおもなるもので,昭和14
年大戦直前に,57歳で退官したが,いずれの場合も営林
各チームのキャプテン的役割をふるまった。しかし,地
ことごとく利用される時代が近づき,里山に多い自然生
広葉樹が日墹しに人気を高めつつある。
方勤務歴を欠き,現地営林実務役歴を欠き,わが体験談。
片山前林野庁長官がここに着眼して里山開発を政策化
し,現長官もこれの拡大に努めておられる。わが国に数
多い里山林主などと同時に関係地元民にとっては,その
明治末,大正初期の山野火時代
この時代に本道は盛んに鉄道が延び,同時に艇牧(馬)ル
営林方法をどうするかは,きわめて重要な問題である。
わたくしは今日すでに,林学界の最老齢者の1人で,も
■−−可
わたくしたちは若い時に,営林には過去の実績を検討
せよ。ブーツハゼーエンと教え込まれて,それを守った。
わたくしの本道官業務歴は明治41年からで,施業案編
にば欠陥がある。
場として大地積処分が敢行され,移民群,企業家,.特に
林木利用者とその伐木者群が新開地域に集来し,開拓上
の焼き払い,失火,放火が頻発し,しかも消火力が弱か
ったから,毎春(秋も)季の乾燥期には非常に山野火が.
はや発言の資格はないが,北海道にのゑ60余年間偏住し
て,明治末∼大正初期の本道山火旺盛時代から今日ま
で,自然生広葉樹の第二次林の成育を見続け,かつ考え
発生し,山火時代を形成した。
続けた宿命者であるから,その見解は狭小ではあるが,
たり満10年間,夏回り半歳ずつ,国有林1,506,000町.
この際表題について若干書き残したいと思う。
歩と里山を歩き回ったから,施業案そのものは,簡易速:
成品に過ぎなかったが,山火事に関しては十分以上の体
験を持つ。同時に在官30余年を通して山火事とその跡
地の植生の変化推移,林木の風価生態,林衣防火線,地
その要旨は,もしこの際自然生広葉樹林を目前の利の
象をあさって,跡地を往年の薪炭林時代のごとく放任し
て雑木澱作りに堕してはいけない。必ずやまず林道を開
発して集約作業に備え,広葉樹の自然実生,萠芽を合理
的に除間伐撫育を遂げさせ,同時にその中に混交する疎
立木林分には必ず人工植栽を併行させて完全営林を遂行
せねばならない。また,今日問題たる労,資間のことに
ついても,現に先覚者がやっているように,苗圃造林,
主間伐,土木業務などを巧みに組桑合わせ,年中継続し
て関係地元民を自家用材の供給とかその他の面でも家族
的に厚遇して,結びつき,熟練専門技術を優遇してよい
チームワークを進められたいと願う。今日進んだ林業家
その時代に施業案編成技師として,ほとんど全道にわ,
元民防火組合育成など,一種の山火事男となった。
したがってその後の50年を加えて,山火跡地が凝規
の対象となることは,宿命的である。次述の山火事話は
施業案時代の半分を費した北見,十勝,釧路すなわち道
東地方に話題を拾う。
山火事と立地関係
山火は最も風向風力と,地勢とに支配される。風につ
に結びつける計画にまで緒につけておる。これらはみ
いていえば,わが国太平洋沿岸の平野では,春季の強常
風は南西風を主とする。本道でも日高,十勝,釧路の沿
海大平野は,本道特有の異状乾燥季節の中を,古来南部
沿海地方住民の失火は,必ず北方山岳部に向って自由に
焼き広がり,消防陣が手薄だったから,雨の降るまでは.
な,交通便利な聖山の特徴である。
燃え広がったのが,本道平野火事の常例と見てよ.ろし、
は,さらに従来副林木として今日まで軽視したものを,
根まわし,剪定整姿して公園,街路樹として,都市計画
− 2 7 −
〆
ノ
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、、。しかしこの平野,丘陵地には造物主のあたえた耐火
性カシワの大木が,見はるかす疎立する樹海が本来の姿
であった。しかし,鉄道とともに入地者が増加し,明治
末から始まったタンニン工業とともに,このカシワは,
立木の玄ま剥皮され,製炭し,また豆畑化とともに伐ら
れ,掘り返され,数年にして一望裸地と化した。そこで
春季特有の暴強風時代が来て,作物種子は土壌とともに
吹き飛ばされるに至り,大問題となり,昭和の初期から
農林協力で,現存の有名なカラ青ツの防風林創作が励行
‘されて地力が回復したのは,本道農地防風林の規格型と
4
なっている。しかるに,これには表題関係の余談がある。
シ ナ ノ キ
最近この平野を旅行すると,一時姿を消したはずのカ
兵
シワが,いたる所に萠芽していて,団状の密林叢を形成
施業案技師当然の職務と思い,焼跡に発生する樹種と
し,カラマツと高さを腕い,腿牧人などは巧象にこれを
数,その経過年数と変遷,またその立地的差異などにつ
利用して補足防風帯としつつある現実例が見受けられ
いて専念した(生態学流行前の自己流)。その結果は大
小の焼け株からの萠芽と軽飛来菰子たるヤマヅーラシその
他の実生,時にこれを掘って見ると,地下に張る根部,シ、
ら直接萠芽(根吹苗と名づけた)もあり,焼け跡の広蕊
構稚木は,疎密の差肱あるが,第二次林形成の雄盤城棚
当旺盛なものがあることを認知した。しかるに被害後3
∼5年経た立地では雑草,かん木など繁殖が進承,非常
に調査の困難を感じた。また本業務地域の異動で,同一
標準地の再調査を欠いた。
る。これはも、らろん実生でない,焼株萠芽か,根吹萠芽
か,わたくし嫁目下調査を依頼中であるが,カシワの
「根強い」ことは事実で,千歳飛行場を飛び上がって見
おろすと満面をおおう林叢もまたこれである。
次に山野火は地勢に左右される。すなわち山火は地勢
が急峻な所に行くと,風表の斜面は焼けるが,分水嶺に
達すると,風鶏ま弱風,無風と急変して(密林もあり)
自然に消滅する。実例は国立公園然別湖観光者の見る実
例で明白である。かくして帯広営林局所管の各水源国有
山岳林61万町のうち,おもなる原生林帯はほとんどま
ったく安泰である。
しかるに南西風が北見を越すと,水源原生林から吹き
出す風となり,上流には北見営林局の有名な置戸,温根
腸の美林があり,ここから吹きおろす風は,下流の人里,
すなわち発火地帯に行くと,この火をオホーツク海の海
岸方向に吹き送るから結局,北見もまた十勝と同様に低
平な里山が焼かれる宿命を持つことになる。すなわちこ
の里山は自然生広葉樹力詮地歩を占めている。
しかるに同じ北見側でも藻琴山は,かの有名な沿海平
原の原生花園地帯の背畿をなすなだらかな緩斜面が頂上
まで続くから,焼けやすく,全面広葉樹を主として,往
年マッチ軸木原木ヤマナラシの主産地であったし,また
現在も広葉樹二次林である。これに反し同山の裏,釧路
側の急斜面は屈斜路湖水にも守られ,古来原生的針葉樹
林である。これは本州でも,箱根山も,日光山も同趣で,
野ば山を巡り,樹は谷をとざす帰趣となっている。
要は本道の針広葉樹林の純林的分境は古来その成因が
山火に深縁があることを言いたく,長文になった。
山火跡地の標準地調査
※萠芽例の一つ※
「北見付近の針葉樹林春被害地でのことであった。針
葉樹全滅跡地に,巨大なナラが残立し,秋になるとその
周囲に一見実生苗のような稚木が一斉に群生するのを見
いだした。これらを引き抜こうとしたら断然抜けない。
そこで黒化朽土層を掘ると,地中に指大の焼け株があ
り,みなそれらの萠芽であることを認知した。」
この小例の内容について付記する。
もしこれを地表的に見るならば「実生と即断」しや寸一
い形態である。しかしナラの実生はもちろん,小苗を値
えても,この樹特有で,根部に直根,側根を拡充して,
地被植生に勝、ら抜く用意のできるまでは,下層社会に隠
忍する。「まずその根底を養う」という漢語のとおり。
わたくしはこれらの樹種を「隠れたる生命」と呼んでい
る。陽性の樺木類はそれは困難だから裸地を選らび,速
やかに立ち上がるのが普通であるが,わたくしはダケ・カ
ンパの萠芽をも認めている。かくして実生か萠芽かの研
究には林地下の根の社会研究を推進したい。
本道山岳林の代表広葉樹
施業案調査の末期ごろ,本道国有林蓄讃24慰石と称さ
れた時代(帝室林を除く),その内に広葉樹蓄蔵1億石以
− 2 8 −
ー
早
巳
力
ダケカソパ
−
上と推算されるものは,ナラ,シナノキ,イタヤカエデ,
ダケカンバ類,ブナの5種であったが,ブナは道南温
帯,ダケカンバは高山部を本拠とするから,ナラ,シ
ナ,イタヤが本道山岳林の広葉樹代表と発表したが,最
近の帯広営林局の道東森林記録にも│司様の記事がある。
宝-.言b¥巻
わたくしはこの三種が里山でも「隠れたる生命」樹群
イ タ ヤ
を代表するかのどとく思っている。ダケカンバ類の繁殖
力は抜群で,最近の現状では札幌近郊の温帯林域にまで
は萠芽の不成綴は当然で,その点,山火技師君憾地上ス
盛んに延びている。要するに本道の里山の自然生広葉樹
レスレに切るから,萠芽成績はむしろ良好で,わたくし
林の帰趣もこんなものじゃないかと思っている。
はこれに教えられて発言しつつある。しかし親株は幾回
さらに書き添える。山岳高処の裸地はダケカンバがほ
とんど独占する。昭和8年ごろ,北見温根湯川の上流,
くり返して台木に使えるかは,もとより知らない。
,材搬出したが(そのおり,河水を呑んで大勢が下痢した
また次に萠芽作用憾寒帯でばだめと聞いていたが,大
北海道には,寒温両植物帯があり,その接触点が広く,
学説にも,この両フローラの接触点には挫かな広葉樹林
帯が出現するとあるようだから,現実の里山にも萠芽の
,のが水銀鉱山発見の緒となった),それより30年後の今
対象があるべきだとの推論も確信している。
今日の水銀鉱山の水源高台(大雪山続き)に大風倒被害
が起こり,森林鉄道を延長して,この被害木を官斫で造
日,石北新国道の峠上より望見すると鎌ケカソバの純林
を形成している。大雪山風害跡地にも,現今この傾向は
見られないだろうか?
わが造林思向一肥沃地造林一
かくて数年を経ると,わたくしの頭も飛躍した。昭和
元年に道有林65万町歩を担当した時の人工造林方針を
摘記すると,
伐採跡の萠芽処理について一山火技師に教わる−
これも体験弱であるが,わたくしは桐樹については体
験自信がある。同時にこれに習って,他の広葉樹につい
ても,切り株に春季群生する新萠芽群を秋まで成育経過
(1)従来慣行された,大面積無立木原野に大規模の人
工造林を即時に企画することは,往年,農林省特別
経営造林型の模ほうで,本道の林情に適せず,これ
を中止する。
を見て,主芽1∼3本を残して他を剪除する。その後も
この主芽を撫育すれば,肥沃地のヤチダぞ(シオジ)の
(2)この極の原野は防火を厳漣して(当時本道では地
ごときは7年生で10mまでは伸び上がる実例を見てい
元民衆と密着して森林防火組合が育成されていた)
,る°目下実務知己に懇望して調査し,それらの経過を写
自然生広葉樹林の成立を待ち,その経過を見る。
(3)その経過中,その内に優良立地林分を見いだせば
その林分を皆伐して,貴重なる造林讃を注入して力
作する。その立地の良否判断は,常識的に「林木の
上長成長は地位に正比例する」を骨にして,現地林
真にすることにしている。
しかし老大木株は萠芽力がない。しかしてその齢級,
径級の限界はいまだ知悉しない。次に根元切り口の地上
猫はもちろん低い方が適当である。しかし本道では往時
湘放伐木作業で切った高い伐株(雪上で中腰で切る)で
− 2 9 −
務官は常に立地の清肥判断に慣れてもらった。
'
一一一一三口
(5)その他の一般林においても,まず交通便利なる山
分布,成長状況などについて多年にわたり調査され,各
種の文献を発表し,最近わたくしもたくさんの資料を恵
まれている。氏は北大林学出身で,後に宮部,工藤両博
士について,同系の植物学を専攻され,その後九州大学
麓地帯のうちで,優等地位に劣等林をのせている林
植物学教室で級結教授の助手として植物生態学を修めた
分を選んで人工造林する。
篤学者であり,さらに満洲に渡り,戦後まで残り,帰国
後は東北パルプ社で造林を手伝いながら,人工造林寺本
槍に飽きたらず,広葉樹の天然更新問題に移って今日に
(4)他の劣位林分は薪炭材として立木売りとして,そ
の収入は造林饗の援用資とする。この立木価が最近
は急飛躍しているのである。
これはかなり独断的で「林氏の肥沃地造林」とも評さ
れたが,道有林には「林相改良事業」と称して近年まで
この我目が残り,旧友たちからおりおりその好成績林写
真を見せられることがある。大切な造林識の使途に慎重
こうけつ
ー
至る人物である。
わたくしはこの人物を現代の実務指導師として,満腔
r
の敬意をもって斯界に紹介し,同時に氏に純林学界にも,
であれというつもりであった。
さらに深く連絡あることを願う。
里山営林に集約作業を待望する
a−1
自然生広葉樹林に対する戦前の思意経過は前述のごと
くであるが,戦後においてはわが国の燃料聯傭の急変か
あとがき
ら,製炭原料としての要求は一時途絶の形となったが’
かさねていう。諸産業中,農林畜産業はいずれも生き
しかし最近に至り繊維原料としての要求が新たに勃興し
た。その用途別の需要樹種,原木価格の進展状況などに
ルチャーの語尾を付するごとく,熟練と愛情と継続的努
ついてはわたくしも見聞しているが,これは現代人の方
力が必要である。わたくしは先年ドイツで有名なシュワ・
がよく知ることであり,その各種観点からの較利研究も
また同断である。ただこの自然生広葉樹林分をいかに施
業して,その成長を促進し,繊維収穫趾を増大しうるか
ルツワルドの近代山作業の現場写真を見たが,担当営林
署長がスコップを持って現場に立ち,側近の過剰天然爾
を上手に掘り起こし,完全な鉢付き苗として,これを植
え付けをする人のスコップに渡す。その人はこれを受け
は,重大な関心事である。
わたくしは全林を精査して広葉樹林に適当する林分の
科学的研究を遂げて,繊維収穫の増進をはかりたい。そ
の他の疎立木地を始め,右の不適林分は集約な人工造林
、
ものを長期にわたって育成する仕事で,その外語源にカ
を進め,これらを合わせて完全営林を進めてはいかがと
取って,用意した植穴に植え込んで,完全な植林が成立
する。これは遊牧,狩猟民を祖先に持つかの国の民風で
もあるが,わが国においても篤農的に,少なくとも里山I
小面積林業主には,これを期待したい。
申し述べているのである。わたくしは天然更新を推奨す
るに当たり,素人企業家,その他予算人から「そんなに
天然更新が良法であるなら,伐採跡は萠芽だ。人工造林
費は,林道澱は,云盈…・」と予算削減の口実にされた
劃
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営
言
三
言氏は明治39年,東大林学科を卒業,北海道庁にミ
ニ
言入り施業案技師として,永年にわたり北海道の森曼
辛い経験を持つから,この問題は慎重に発言せねばなら
冒林を自らの足で調査された。このことが"氏の識冒
ぬと思う。
冒見を培かう避難になっていると考えられる。
前述中に自然生広葉樹林の成長量話題を欠くが,わた
くしは良成紙地で概略数年10石程度の実例話は聴取し
ているが,退官後は実査機会を持ちえず,またおおかた
の里山では,戦中,戦後に坑木その他可用樹種の選伐さ
れた林分が多く,純天然林での調査を逸していることは
昌
臺
冒
冒以後,北海道林業の指導的地位にあって,森林ミミ
ー
量経営に尽くされ,昭和7年には,現在の北海道国有言言
言林,道有林を通じて最高指導者の地位につかれた。言
二
=
三昭和14年退官。
二
喜
言
三氏の在職中における最も大きな功績は”従来の皇
言保存政策の殻を脱して,施業の改善に基づく,森言
冒林の積極的な開発と資源の更新に力を注ぎ,北海ミ
言道の立地条件に適応した,当時としての新技術を言
三
=
二
=
本稿記者としての最高の遺憾である。
ー
斯道の篤学者紹介
わが観察の不備(かつ東京で文献全戦災)を補うため
ー
三
に現代に唯一と思う先覚者を紹介したい。その人は竹内
言確立されたことである。
ミ
量現在は北海道林業会館の理事長として”若い林言
亮氏(腱博)(東京都田無市向台町3丁目10-38)で,
言業家との接触に,また文筆を通じて後進の指導に言
同氏は東北地方,北海道を東地方の東北パルプK.K・社
言
尽くされておられる。明治15年生まれ聡88歳である。曼
勇
ー
=
言
:
M
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川
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1
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R
二
有林を中心に,自然生広葉樹林について,林木の発生,
− 3 0 −
一
夕
複雑であるので,時間の労費と経費のかさむ蓄積調査
は,むしろ開発計画が技術的,経済的に可能であること
が明らかになった後に行なってよいと思われる。また工
場着木材原価の概算を早い時期に知っておくことは重要
で,新設工場が経済的に苦しい初期を乗り切るまで,特
に木材原価を可及的低廉に持続するよう注意が払われね
、出/、魁ノ′、ⅧⅧ刀
ばならない。
■
海外林業紹介
2.バルブ・紙の原料材
(1)針葉樹:現実の目標に対してマツ類*は原料と
。
して必要な唯一の熱帯針葉樹といえる(*筆者注:メル
熱帯諸国におけるバルブ・紙原料木材
クシマツ,ベンゲットパイン,カシヤマツ,カリピヤマ
』−−
ツ等)。その量は限られているとはいえ,地域固有のマ
本稿は元FAO林業・林産部員P.J.Valkomies氏
が熱帯諸国におけるパルプ・紙生産用適材に関する若干
ツ類はまさしく一様な密度と繊維長を持ちパルプ・紙生
の見解を述べたものの概要である。すなわち,いかなる
産の広範囲にわたり好原料である。これらマツ類から作
熱帯木材がパルプ・紙原料にふさわしいかの基準を示し,
られるパルプは亜熱帯,温帯で生育するマツからのもの
熱帯諸国がその木材資源をパルプ紙の生産に利用するに
と同様であって,寒冷気温で育った針葉樹からの典型的
は林業上どのような方法を採る必要があるかを同氏はい
なパルプと比べて樹脂が多く,張力が低く,裂けやすい。
植林された外国マツのパルプとしての品質については
おうとしたのである。(UnasylvaNo.94,1969)。
余り知られていない。植栽地の気候・土壌がその郷土の
状態に類似している場合は問題ないとして,高度の低い
1.基本的考察
パルプ・紙需要と木材原料との妥当な連挑が新たな開
場所の外国マツ植林地は土着のものとまったく違った密
発に際しその程度(タイプ・規模)を決める基礎として
度,繊維長,樹脂含有量を有するものを生産するようで
必要なことはいうをまたない。熱帯諸国の自国内または
ある。したがって,外国マツ植林地で生育した材のパル
地域的需要は比較的限られ,そのかぎりにおいて国際的
プ品質を評価するには以上の違いを詳細に測る必要があ
競争を意図しない規模の工場をささえることができる。
る。また恒久的な工場の開発にほ上述の不均等な木材を
これらはしばしば保護され,どうかすると良質でない製
混合して,製品の一様性をもたらすような合理的供給が
品まで許容される。世界市場で競争しうるパルプ・紙工
望まれる。熱帯産マツはその広葉樹と同様に製材,合板
業の開発には安く多量の木材が供給される必要がある。
等の製品に適合するのが普通であるので,したがって,
工場が使用する木材の種類,数量,価格は製品の需要に
よって幅広く変化する。パルプ・紙生産に木材が使用さ
パルプ・紙生産と機械的木材加工業との結合の効果は高
』一
9
く評価さるべきであろう。
(2)広葉樹:熱帯での利用しうる莫大な木材量は多
れるには次の3点が問題になる。
(1)製品の需要動向:将来の需要予想は議論の余地
数の広葉樹混交林分内にある。輸送問題とコスト高がこ
れらの賓源利用の重要な障害であるとはいうものの,熱
がないほど簡単によくたてられている。
(2)木材の種類と品質:針葉樹,広葉樹のいずれを
使用するかはパルプ・紙製品の大よその種類を示すこと
で十分といえる。品質について重要なことは使用木材の
密度,繊維長の一様性である。品質に影響する他の因子
は木材中のヘミセルローズと抽出可能の柔組織,導管細
胞含有量である。繊維の長い針葉樹は,短い広葉樹より
広くパルプ,紙生産に利用されるので,大体において品
帯広葉樹の利用がパルプ紙工業にとってきわめて限られ
た範囲であるおもな理由は,数百種に及ぶ樹種の密度,
繊維長,その他特質の幅広い変異である。これら樹種の
比重は0.2∼1.2であって,パルプには0.3∼0.8の比
重のものが適当とされるから,おおよそ'/3のものが対
象外となる。
また繊維の短いことも熱帯広葉樹のパルプへの適応性
質がまさるということができる。
の点から弱点と評価される。概して広葉樹は針葉樹より
(3)木材の量と原価:ある木材資源がパルプ・紙生
産に好適かどうかを決めるのに,あらかじめ詳細な蓄積
調査を用意する必要はない。逆に,熱帯混交林は著しく
繊維力海く,少鐙の繊維と多くのヘミセルローズ,柔組
織と導管細胞を持つ。重要な要因は管孔状繊維膜の厚さ
と内腔直径の比率である。いわゆるRunkel比(膜厚W
− 3 1 −
0
の2倍と内腔直径Lの比:2W/L)のおおよその限界
(3)竹:竹も多くの熱帯諸国でパルプ・紙生産に相
は,合理的な品質のパルプを生産する樹種では0.25∼
当量用いられている。竹パルプは優秀な広葉樹パルプと
1.5である。これら樹種の多くは比較的重く,抽出物を
して分類され,上質紙生産に好ましい性質を持つ。だが
多く含有する。熱湯またはアルコール・ベンジン抽出物
が10%を越えれば,パルプ生産に好適な木材と.はいい
問題は開花による枯死,収謹最と輸送コス1,である。土
がたい。
土着および外国産双方の広葉樹の熱帯での植林に成功
着の竹林は30∼40年ごとに花が咲きその後枯死する。
竹材はかさばること,小竹林が分散しているなどで伐
採,集材輸送の経蟹は手の出せぬほど高いものとなる。
している例はある。フィリッピンに論けるカランパヤン
(AnthocephalusCadamba)の9年生林分は年燕30f
ロ
3.結論
://ha(絶乾材)の収穫が得られる。ある種のユーカリ
熱帯諸国においてパルプ・紙生産への木材資源利用の
は熱帯において非常に高い収穫をあげた。選抜された広
葉樹の人工林はまだ熱帯諸国ではあまり多くはないが,
見通しをたてるには,林業,経済,の諸方面にわたる広
将来この地域のパルプ・紙原料材として最良資源となる
同一専門のグループでば泰業を運営しよい結果をもたら
に相異ない。広葉樹は針葉樹ほど広範囲なパルプ.紙へ
すことはむずかしい。また,経済的に成り立つためには
の適応性はないが,近代技術はこの差異を狭めたのみな
らず,広菜樹からのある等級のパルプ・紙は針葉樹のも
針葉樹,広葉樹をともに利用しうる工業的設備を持つこ
とが望まれ,このことは原料収集または植林の計画樹立
のよりすぐれている。
の際心すべき重要な点である。三井鼎三
い知識と経験とを必要とする。したがって,個人または
一
この樹木は落葉喬木で雌雄同株で,高さ50m以上
に達し幹回りも6nlにもなり直立木で枝が多く長卵
形となります。花期は8月で雄花は総状で,雌花は単
タイワンフウ
一で淡黄緑色で,ともに花被がありません。,0月ごろ
昨年の3月紹介しましたアメリカフウの仲間で,同
じまんさく科ですが,外観的に異なるとともに性質も
たいへん遮っている樹木なので説明することにしまし
ょう。
まず,フウの木と,一言でいうと,このタイワンフ
ウを指し,アメリカフウは,そのフウ属の中のモミジ
バフウといわれるもので,葉形は名前のようにモミジ
に似て葉が五つに割れていますが,タイワンフウは葉
なく材は淡紅黄白色で中国では家具材としてつかわれ
ています。
(同属の蘇合香Liquidambarorientalisは樹脂を香
料とするので知られている)。
このタイワンフウの分布地は,中国西東部,台湾,
海南島の産で,太湖,南湖地方には大きな巨木がある
ようで,江蘇省蘇州城外呉江より太湖に至る途中に大
純林があるとのことです。日本には享保年間に中国か
ら来たといわれてます。
ことができます。
また,樹皮もたいへん違っていて,このタイワンフ
ウの樹皮は滑らかで灰褐色であり弱なしい感じがあり
ますが,アメリカフウの樹皮は,縦にざらざらした皮
脈のようなものがあって紫灰色で固い感じを与えま
やわ才兄クおげもfひ召屯占日今忍
す。また樹の性質も異なり,アメリカフウの場合は若
木の時の移植を嫌いますが,タイワンフウの方は,こ
うした心配はなく,よく活着します。このほか紅葉す
る時は,アメリカフウ同様美しい色に染め上げられま
;すが,このタイワンフ ウの方が色づきが遅く,そして
匙
;落葉期になってこの樹 木の欠点が現われます。それは
も
もタも◆Q2rQ8ヶ●計もGE・ざ賂f●1令名fPJD●3姥
eひで●FGg今立・ワウ◆U今OGgい●笥資0◆ご●里つ々r●唾◆し●少?●丘
も多少大きく三つに割れているので,すぐに区別する
成熟します。この樹木はただの街路樹や庭木ばかりで
9J見ず、子3名3$ざもザ、f:g3gtgFLJもダ◆
。□々ちつCら守口●1℃●0○℃DjegGQ■◆,。g●、。◇F◆Hの0℃夕じQUわり●々かG▽今月やg●いり◆r◆汀ウレ。●か。口々BGGP
〔街路樹シリーズその30〕
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− 3 2 −
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※ここに紹介する資料は市販されないものです。発行先へ
頒布方を依頼するか,配布先でご覧下さあよう端願いいた
します※
昭和43年度成長限界試験林.
らない。その意味から,農林水産業にかかる試験研究の
(付41,42年度設定成長量調)
■
熊本営林局昭和45年1月B5版192P
熊本営林局では41年度から,成長価の高い優良林分
造成のための一環として,われわれが駆使できる可能な
かぎりの技術と資本と労働を投入して施業を行ない最大
町
=
内容を包括的に,しかも多方面にできるだけ理解しても
らうように編さんしたのが本書である。
その内容は
第1章林業関係試験研究の概要
第2章林業試験場における試験研究の概要
限の成長量を期待するところの〃成長限界試験林〃を設
第3章助成事業による都道府県の試験研究の概要
定している。本書は,43年度に設定した成長限界試験
林の設定報告と41年度に設定したスギ成長限界試験林
および42年度に設定したヒノキ成長限界試験林の成長
調査結果をとりまとめたものである。
第4章公立試験研究機関の試験研究
I研究課題,項目一覧
I研究業綴一覧
(配付先国立林試都道府県林務部課同林試)
(配付先営林局国立林試)
・
昭和44年度都道府県林業試験指導機関
実態調査書
天然生カラマツの産地別成長形質に
関する実態調査
林野庁研究普及課45年3月B5版79P
林野庁昭45.3B5版243P
本番は,天然生カラマツの実態を究明して,産地によ
る成長,形質の相違を明らかにし,形質優良な系統の造
林をすすめるたあの資料を得る目的で,林野庁が43年
この調査書は,都道府県林業試験指導機関の実態を把
握するために行なった調査の結果をとりまとめたもの
で,内容はつぎのとおりである。
1.一般的事業
度に林木育種協会に委託して調査を行なった。その結果
をとりまとめたものである。
①設立年次,②機関の組織
2.人員
その内容は
①総人員,職務別人員,一機関あたり人員,研究
前段で,カラマツの一般的生態,学名と品種,自然分
』 −
8
布,成因,生育環境,群落瀧成について書かれ,ついで
各地のカラマツ林の実態を,尾瀬ケ原,奥日光,本白根
者数,②専門分野別研究者数
3.資金
①資金総額,②支出項目別使用額,③一機関
山,浅間山,上高地,北八ケ岳,南八ケ岳,御岳山,富
当たり資金,④研究饗総額,⑤一機関あた
士山の林分を対象に定量的形質,定溌的形質の相互関
係,定性的形質,定量的形質と定性的形質との関係等を
●
り研究費,⑥研究員一人当たりの研究費
4.施設,機械器具
詳細に報告し,最後に総括的にまとめられている。
①建物,②実験林,実習林,展示林(見本林)
(配付先営林局国立林試林木育種場
都道府県林務部課)
苗畑,③磯械器具
5.その他
(配付先都道府県林務部課同林試)
昭和44年度農林水産試験研究年報
(林業編)
農林水産技術会議事務局,林野庁
昭45年2月B5版188P
試験研究をより効率的に推進し,その成果を利用する
ためには,農林水産関係試験研究の動向を常に把握し,
一望のもとに傭職しうるものを用意されていなければな
− 3 3 −
、
Ⅱ
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一
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岬当業理でに期てつ能がでい仙
今
ぶに能〆はっれギの性承機Ⅷ
●
スタートラインに並ぶのは、そのような体制が整って後ということになり寵
A﹁なるほど、住宅産業に向って、工業製品と木材が、また、内地材と外材が
取り残されることになるね。﹂
前に、この辺の所をはっきり割り切って、稜極的に取り組まないと、時代に
ば、内地材はついて行けなくなると思われる。.︿イブをどうのこうのという
り方も変わって来るから、大量の需要に即応して供給できる体制がなけれ
等、規格のままでは、とうてい使用できるとは思われない。また、需給のあ
における生産過程の一部材たりうるかどうかだ。現在のように多種多様の品
がれないし、これが木材需要の大宗となるだろう。したがって、木材が工場
大量生産ということに集約されると思うね。将来、住宅のプレハブ化ばまぬ
点は、むしろ林業内部にあって、それは木材の部材化ということと、木材の
いなあ。しかし、木材の使用を促進するうえで改善しなければいけない問題
B﹁やあ、ずい分勇ましいことをいうね。それにあまり林業技術的とはいえな
え方はどうでしょう。﹂
成する各種の産業に、山から新しい︿イブを取り付ける必要があるという考
イプは、徐衣に細くしぼんで行く感じです。ですからこの際、住宅産業を構
建材を進んで仕入れるということになりましょう。山もとと需要者を結ぶパ
とか、、もうかるとかいうことになれば、外材を取り扱うことの方を喜び、新
だろうかということです。なぜなら、製材業者も商売ですから、扱いやすい
材木屋に売り、製材工場に運び込んでいましたが、これからはそれでよいの
と努力しています。ですから、従来、林家は長年かかって育て上げた立木を
とどまらず、その上に家屋を大麓生産方式で造り、住宅産業の主流になろう
質をどしどし商品化しています。また、不動産関係の大企業は宅地の造成に
世界各地から木材を陸続と持ち込んでいますし、化学産業は木材に替わる物
いろの産業がその需要を満たすべく、進出して来ました。たとえば、商社は
A﹁こんなのはどうでしょう。住宅需要の著しい増大基調に目をつけて、いろ
B﹁どんなテーマを考えているのかね。﹂
A﹁先輩、林業技術に原稿を送らなければならないのですが、ご指導下さい。﹂
流通の障害
一
すね。ご趣旨のことを書いてゑます。有難うございました。﹂民有林生
− 3 4 −
01
部三三三三三三三言三三三三三言三一言三三三三三三三三三三三三三三三三三言三三三三三三三三言一三三三一三罰
画憶謹
I
●1
第25回総会(通常)報告
昭和45年5月26日(火)午後1時より東京都港区農林年金会館において下記の式次第により開催。
午後5時半無事終了しましたのでご報告いたします。
1.開会
2.理事長挨拶
夕
3.来賓祝辞
4.表彰
(1)第16回林業技術賞受賞者の表彰(2)第3回林業技術奨励賞受賞者の表彰
屯
垂
(3)第16回林業技術コンテスト受賞者の表彰(4)永年勤続職員の表彰
5.議事
(')議長選出(2)議案群議
6.林業技術賞,ならびに林業技術奨励賞受賞者要旨発表
7.藤岡光長賞授与式と受賞者の講演
8.閉会
第25回総会(通常)決議公告
昭和45年5月26日開催の本会第25回総会(通常)において次のとおり決議されたので,会員各位に
公告します。
昭和45年5月26日
社団法人日本林業技術協会
理事長蓑輪満夫
議案
第1号議案昭和44年度業務報告ならびに収支決算報告の件
原案通り承認可決
一
第2号議案昭和45年度事業計画ならびに収支予算案の件
原案通り承認可決
第3号議案昭和45年度借入金の限度額の件
11,000万円とすることを承認可決
第4号議案常任顧問委嘱承認の件
前林業試験場長坂口勝美氏を常任顧問に委嘱することを承認可決
第5号議案役員改選の件
役員選考委員会により推せんされ別記のように決定
昭和44年度業務報告書
昭和44年度の諸事業は,一部契約の遅延,人員の不足などのために,事業量の完遂に若干難渋した
が,会員ならびに本会組織各機関および,関係各方面の深いご理解とご支援をうけ,総会において承認
された事業計画は全部完遂することができた。
その収支決算はつぎのとおりである。
− 3 5 −
自至
1
昭和44年度収支決算報告書
(1)損益計算書
借
糊i罐謂湘)
方
科 目 | 金 額 ’ 摘 。 要
還 元 費
(円)
10,591,447
事 業 費
196,443,769
(円)
ウ
■
’
航測検査費
研究指導費
一般聯業捜
61,802,456
航測事業費
134,641,313
665,715
ケ
4,539,955
の
︽一
一般管理費
101,020,264
その他の費用
5,032,489
草津保養所費
期首棚卸品
期首仕掛品
2,901,423
当期剰余金
12,551,506
合 計
335,543,148.
人 件 費
70,547,826
運 営 費
30,472,438
685,329
1,111,251
| ’
貸
科 目
方
| 金 額 ’ 摘 要
会 費 収 入
(円)
13,952,693
事 業 収 入
289,880,841
一般事業収入
71,803,789
航測事業収入
218,077,052
雑 収 入
871,511
受 取 利 息
231,590
引当金勘定戻入
2,188,850
13,929,095
研究指導収入
一、
85
1
7
0
9
9
2J9
1
7
1
2
,
6J3
航測検査収入
(円)
その他収入
草津保養所収入
803,208
期末棚卸品
Z513,282
’
合 計
(2)貸借対照表
ほと
1日
昭和45年3月31日現在
方
預預
通座
現普当
金金金
目|金
科
額
│’貸
│|科目|金
(円)
453,018
支 払 手 形
17,197,116
未 払 金
55,024
短期借入金
方
額
(
円
)
7,699,100
’
54,473,428
49,500,000
− 3 6 −
ノ
1
一
全
金金託形金金券用金品金物品備林
■
振定貸受売未有前敬棚仮土備設部
P
替 貯
期 預
付 信
取 手
掛
収 入
価 証
払 費
卸
払
地 建
714,612
,│
長期借入金
223,396
1,000,000
預 り 金
1,856,485
105,000
仮 受 金
退職給与引当金
価格変動準備金
貸倒引当金
退職給与積立金
設備充当資金積立金
韮 本 財 産
通 常 財 産
繰越剰余金
当期剰余金
19,559,243
74,555,761
753,500
8,658,523
2,450,000
7,513,282
1,699,341
39,461,314
27,387,983
295,000
1,300,000
6,000,000
37,000,000
12,535,344
9,216,128
17,886,714
12,551,506
6,347j700
合
’
計
216,465,474
合
科
目
払 費
卸
払
55,024
地 建
品備林
価 証
備設部
収 入
17,197,116
四浬8271銅
掛
(円)
453,018
J
取 手
|金額|科目
1
付 信
2
'
6
,
4
6
5
,
“
’
昭和45年3月31日現在
26
80
00
04
36
10
02
30
08
24
11
4
1
6
90
02
75
50
23
3
もZqa3aaaqa9L
1
6
0
0
5
5
5
5
5
1
9
6
7
2
0
1
5
5
7
6
4
5
,3
3
,
,6
J4
j
期 預
金金金 金金託形金金券用金品金物
預預
通座
現普当 振定貸受売未有前敷棚仮士
替 貯
|
計
(3)財産目録
qL
558,909
2,997,144
8,286,089
分
← 一
2,372,320
前 受 金
267,968
分
合
|金
額
(
円
)
27,387,983
8,286,089
6,347,700
計
216,465,474
支 払 手 形
7,699,100
未 払 金
54,473,428
短期借入金
49,500,000
長期借入金
前 受 金
2,372,320
預 り 金
1,856,485
仮 受 金
558,909
小 計
正 味 資 産
116,683,638
99,781,836
合 計
216,465,474
223,396
(4)剰余金処分
1.繰越剰余金
17,886,714円
1.当期剰余金
12,551,506円
1.繰越剰余金6,438,220円
昭和44年5月26日
計30,438,220円
これを処分すること
F記の通り
1通常財産
20,000,000円
1.退職給与積立金
4,000,000円
東京都千代田区六番町7
社団法人日本林業技術協会
理 事 長 蓑 輪 満 夫
− 3 7 −
前記社団法人日本林業技術協会の昭和44年度業務報告,収支決算報告(損益計算書貸借対照表,
財産目録)について監査の結果,すべて適法かつ正確であることを認めます。
監事
筧高
監事
正
橋 克
一
一
巳
昭和45年度事業方針
、
一︶
今や,わが国経済の伸展と国民生活の向上にともない,価値観の多元化は,森林ないし,林業に対し,
社会的にも,産業的にも,その要請度をますます多面的に増大しつつある。しかも,世界的展望にたつ
ならば,木材需給の将来は,必ずしも,楽観を許さないものと思われる。
一方,わが国林業の大宗をなすスギ林業さえもが,すでに外材の圧迫を受けつつある昨今,日本林業
は,まさにきびしい試練の場にあるものと感ぜざるをえない。
このときにあたり,もとより国土に限りある,わが国において,林業の後進性を打開しながら,近代
社会の要求する多目的需要に応えるためには,より高度な近代的林業技術にこそ大きな期待が寄せられ
るo
それは物理的空間の狭小なわが国にとって,科学的知識と革新的技術にもとずく創造力こそ,無限に
発展する可能をもつ,貴重な資源であるからである。
この意味において,林業技術関係者は強固な団結のもとに,技術を研さんし,日本林業の無窮の繁栄
と日本国民の永遠の幸福のために,染ずからの持てる専門技術をフルに発揮し,もって合目的を技術体
系の確立と新技術の開発に総力を結集しなければならないものと思われる。
林業技術関係者の団結のために,本会はその紐帯としての責務を痛感するものである。よって,本会
の昭和45年度事業としては,会員の増加,支部活動の活発化を期待し,組織の強化をはかるとともに,
本会の目的達成上必要な諸事業をひきつづき実施するものであるがとくに,つぎの事項に重点を指向す
@
一
るものとする。
(1)あらゆる機会を利用し,林業関係者に本会趣旨の徹底をはかるとともに,会員への還元活動を周
知せしめ,もって,組織の強化,本会灸員たるの自覚の高揚をはかるものとする。
(2)公益事業の拡充,なかんずく林業経営全般にわたるコンサルティングの推進をはじめ,技術向上
の基礎となる調査研究の充実ならびに機関誌などの刊行物,映画等を通じての実用技術の普及に積
極的活動を展開するものとする。
(3)航測事業における新技術の開発と応用分野の開拓を推進し,あわせて,実務の指導研修を強化し,
空中写真利用技術の普及につとめ,もって官民林業界における森林調査部門の要員不足対策に資す
るものとする。
(4)わが国経済の国際化にかんが承,広く海外の森林事情ならびに林業技術に関する情報活動を強化
し,国内林業および関連産業の発展に資するとともに,すすんで本会のもてる技術を開発途上国の
森林開発に提供し,国際協力に寄与せんとするものである。
また,昭和46年度は本会創立50周年にあたるので,その輝かしい歩みをふり返り,さらに今後の発
展を期する意味において,本会行事にふさわしい簡素にして,意義深い50周年式典を行なうために必要
な諸準備を進める。
− 3 8 −
ご
昭和45年度予算
収
究 指 導 収
測 検 査 収
航事
凸
般 事 業 収
測 事 業 収
入入入入入入
会研航
賛 収
|支
入
出
千円
13,895
還 元 饗
千円
19,072
6,405
研 究 指 導 費
12,167
16,500
航 測 検 査 蟹
14,438
87j295
一 般 事 業 饗
82,849
249,746
航 測 事 業 費
240,301
1,286
50周年記念事業磯
3,000
部 分 林 我
300
固 定 資 産 蛮
1,500
予 備 我
1,500
業 外 収
弓
垂
合
計
合
375,127
計
375,127
役員の改選
新役員は下記のように決定した。
役員名簿(50音順)
事小滝
専務理事小田精
小畠
常務理事伊藤清三全国特殊林産連合会
鈴木
入 交 保 雄 東 京 都
扇田
飯島富五郎教育大学
谷井
浦井春雄日本林業土木K.K.
遠 藤 嘉 数 林 総 協
田ノ本
名
D L −
,成松
神 足 勝 浩 大 一 商 店
中曽根
後藤鈴男王子製紙K.K.
波木井
園井明正林野弘済会
高見寛水利科学研究所
福原
藤本
徳本孝彦合板検査会
孕 石 正 久 林 道 協 会
松島
堀 正 之 日 林 協
蓑田
理事飯田四三九住友林業
金子正夫三井物産林業
川 名 明 農 工 大 学
森田
丸山
吉岡
監
− 3 9 −
事五十嵐英
筧 正
現 職
秋田県製材協会
栃木.県林務部
名古屋大学
東 京 大 学
薬 剤 協 会
日 林 協
日 林 協
日 林 協
岩手県農地林務部
北海道林務部
長野県林務部
高 知 大 学
日 林 協
日 本 大 学
国策パルプK.K.
日 林 協
以上35名
一一一
栗田憲二静岡県農林水産部
熊谷三郎宮崎県林務部
俊武富五公鉄
●
夫吉七二男栄男夫蔵郎雄也正茂進燕
氏
理
英俊太正俊
氏 名 現 職
理事長蓑輪満夫
林業土木施設研究所
日本海貿易K.K.
、
第16回林業技術賞
第3回林業技術奨励賞
5月14日辮査会を開催し,10名の候補者のうちから,
下記のとおり受覚者を決定し,表彰式は5月26日,本会
第25回総会の席上で行なわれた。
第16回林業技術賞
「製材工場における機械診断技術の確立」
〆
栃木県林業専門技術員安藤実
「炭化炉の考案による工業用木炭の製造技術の開発」
新潟県岩船林業事務所磯部博
第3回林業技術奨励賞
北海道林務部技師古木忠
発送は6月初旬から各支部,分会宛会員数に応じて行
なっております。未着の分は近日中にお手許に届くこと
と思いますので,暫時お待ち下さるようお願いいたしま
すとともに,送付部数の不足等につきましては本会総務
課あてお知らせ下さるようお願いいたします。
ざ
Q
、バッジの配布について
本会会員の証である林のバッジをご希望により,無償
配布いたします。これも上記の図譜配布と同じ趣旨によ
るものであり,6月初旬から順次発送いたしておりま
す。残りが出た場合は返送せず会員盤得などにご利用下
4
︽︶
「道有林施薬計画のための立地条件の解析」
元,サービスの強化の一つとして,図書「森林の生態的見
方」を全会員に無償で配布することにいたしました。本
書は,林業試験場造林部造林第2研究室長蜂屋欣二氏に
特にお願いして書き下していただいたものであります。
さい。
第16回林業技術コンテスト
5月25日東京営林局会議室で20名の参加者を得て開
催,同日発表終了後審査を行ない下記の入選者を選んだ。
なお,表彰式は第25回総会の席上で行なわれた。
林野庁長官識
「索張方法の改良による素材の早期生産について」
旭川営林局支部斉藤吉治
「スギさし木の省力技術について」
京都府支部神社虎男
、「林業技細用ファイルの配布
前年度に引き続き,会誌12冊(1年分)がとじられる
ファイルを45年度用として全会員にお配りいたします。
なるべく近いうちにお手許に届くよう努力中ですが前述
しました他の物件も合わせ発送件数が大変多いので,し
ばらくご猶予をいただきたいと思います。これも-上記と
同じく残部は保留していただき新会員への配布会員外
への実費頒布(35円)にご利用いただき収入は支部経費
にくり入れていただきますb
「スギ,ポット造林技術開発試験」(第1報)
南 … … 声 一 … … 少 … … 峰 、
名古屋営林局支部谷口治夫
協会のうごき
ひ¥、〆●喝∼……、〆、…Q〃6
天野正幸
飯錨侭利
戸林業技術編集委員会q
安江康夫
5月12日(火)第2回編集委員会を本会会議室で開催,
出席者:浅川,西口,中野,伊藤の各委員と本会から小
日本朴業技術協会賞
「保全帯(防災樹帯)等に損傷を与えない横取り集
材方式について」
長野営林局支部脇田正一
西尾芳和
「除草剤作業の体系化試験」
前橘営林局支部近藤正善
、
田,小幡,八木沢,石橋,高橋。
し森林航測編集委員会q
5月8日(金)第1回編集委員会を本会会議室で開催,
出席者:中島,依田,前田,日置,浦田,正木,北川の
各委員と本会から成松,中曽根,丸山,八木沢,石橋,
寺崎。
佐藤幸夫
昭和45年6月10日発行
「機械集材用器具の改良について」
林業技術第339号
秋田営林局支部山田信逸
編集発行人蓑輪満夫
ロリムヂ◆設句・・・心.●■むぷ・ぁら吋令ダ、eやむ。●■
お知らせ
印刷所合同印刷株式会社
◆へ吠今ぷむ、歩P …Gの穴訳b■ヂG・
発行所社団法人日本林業技術協会
◎図書の無償配布について
第25回総会の際ご披露いたしましたが,会員である
ことによって受ける特典といったものを,もっと明確な
形で表わすことも必要であろうとの考えから,会磯の還
− 4 0 −
東京都千代田区六番町7(郵便番号102)
遮話(261)5281(代)∼5
(坂替東京60448")
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拝啓益たご清祥のこととおよろこび申し上げます。協会業務運営につきましては平素からご指
導ご鞭縫を賜わりまことにありがたくあつく御礼申し上げます。
さて例年ご愛顧いただいております,当協会考案の「山火事予知ポスター」をよりよいものにい
たしたき念願から昨年に引続き「下記要領」通り皆を様のご協力を仰ぎたく,ご多忙中恐縮と嫁
存じますが,多数ご応募いただきたくお願い申し上げます。敬具
昭和45年3月社団法人日本林業技術協会理事長蓑輪満夫
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募資格
何の制限もありません。ご家族でも,学
入髄者には,賞状および記念品を贈呈
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1等2名日本林業技術協会理事長賞
副賞として10,000円程度の
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副賞として5,000円程度の
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1.、錘硬郵…坐麺睡』解き里.鼻嘩:……酌唾…麹、‘
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石 崎 厚 美 = 著 ▽ 寧 壷 ≦
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園木の速成栽培,薑
A5判/P230/¥1,100/〒90
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第4章造園木の速成栽培法
おまたせしました須藤彰司の….
A5/P450/¥2,800/〒110
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南洋
いよいよ6月配本です
小杉清一編
物
A5/P412
¥1,600/〒90
章1花木栽培のアウトライン/章2
壁2種類別
花木栽培/章3花木の経営と収支
東京都港区赤坂4丁目3番5号/振替東京195298番/電話東京03(585)0087番(代表)
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ロ
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スギノハダニの生態と防除170円
付カイガラムシ類
=No.39橋本与良著
冒
林地生産力の維持,増進170円
=No.40前田禎二著
冒
林床植生により造林適地の判定230円
=
gNo.41松井光瑞著造林地の雪の害170R
=
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言只木良也著林分密度管理の基礎と応用350円
8日林協編航空写真測赴テキスト450円
言日林協編和英・英和林業語蕊21200円
言林野庁計画課編森林施業計画の解説300円
!!依田和夫著現場林業技術者のための空中写真
ヨ 簡 易 測 量 法 3 5 0 円
三
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発行所千代田区六番町7
社団法人日本林業技術協会
TEL261-5281
振替東京60448
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:NQ38山田房雄.萩原実共著
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冒構造材料としての木材
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林野庁監修価二、○○○円副
土地利用と地域林業170円
●森林航測ハンドブック︵発売中︶州
■
:No.37山井良三郎著
■
刊 昌
本会創立五○周年記念事業として刊行。わが国林業における空中写真利飼
用の重要性は多言を要しません。本書は、これを専門技術者のみならず、Ⅷ
広く林業にたずさわる人倉の日常業務の処理にまでこの技術を利用される叩
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よう編集されています。に
gNo.36高木唯夫著
’新
林野庁織居塞鍾共著価四○○円
=
●森林法解説︵八月上旬発刊︶
木材需給の動向と問題点’80円
=No.35中村英碩著
■
■
機械作業と盲点発掘170円
われわれの日常の業務は、どこかで、必ず森林法に連りがあります。い
つでも即座に森林法にはどう書いてあるか、どのような意味をもつものか
と知ることができれば仕事も楽に運びます。本番は小型で、内譜も挫富。
林業用架空索の設計法’60円〒実我
林業試験場媚獅鉦趣共著
=
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§No.32野村勇著
三
けます。
=
コンピューターを学ぶたあに、どうしたらよいか、とまどっておられる
方交にぜひおすすめいたします。これ一冊よめばあとはおのずと道はひら
gNo.24上田実著
l 近 刊
●林業技術者のためのコンピューター知識︵六月中旬発刊︶
言【新刊】わかりやすい林業研究解説シリーズ
■
森林経理学論争が華鞄しく展開されたこ
ろ,当時東大教授の嶺一三氏は,森林経
理学が実践的価値を失ったことを認め,
衣替えして再出発する森林経理学の椛築
を提唱された。爾来10余年,ここに新進
気鋭の学徒で経営計画の編成に豊富な経
験をもつ著者によって,はじめてその意
図が達成された。本藩がそれである。
I
リ
林野庁計画課編B5判各編340頁価各編900円
立木幹材積表箸目蕊二
議篝蕊篝蕊議謹
国最高権威の立木幹材積表漸く刊行b
灘鯉赤羽武箸〔限定出版〕
山村経済の解体と再編
一木炭生産の柵造とその展開過程から−
A5判P260価1,200円
林野庁計画課監修新書判P.320価570円
森林計画業務必携
本書は改正された森林法の関連諸法規
通達,実務上必要な取扱い様式等あ童す
ところなく収録した書。
農博野村勇編著A5P.370¥1,000
大山林地主の成立
農博阿部正昭著A5P、370¥750
林業基本法の理解
東大敬授農博倉沢博編著新書判P.400¥480
北海道林業の諸問題
三島教授退職記念会編A5P.410¥1,700
製品生産事業の帳票管理
スリーエム研究会A5P.200¥500
営林署における労務関係事務の解説
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帯
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局
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議
共
著
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造林技術編纂会編A五判函入四一○頁価一千四百円
林 業 経 営 論
造林技術の実行と成果
#鞠墓大金永治箸A5判P.300価1,500円
資本主義的林業経営の成立過程
噸砿幟趣編著B六版三九七頁価八○○円
国
入会林野近代化法の解説
一 一 ・ ・ ・ … 軸 ∼ r − .
林業機械ハンドブック
スリーエム研究会A5P.500¥1,700
林野庁監修B5判カード・ファイルつき
集材機作業テキスト¥350
伐木造材作業テキスト¥200
レイノウ対策最適の現場テキスト…・
製品生産事業改善の考え方と具体例
林業技術研究会編新書判P.220¥450
東京都新宿区
市谷本村町28
ホワイトビル
日本林業調査会
電話(269)3911番
振替東京98120番
I
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学
業
林業経営計算
鳥取大学助教授A5上製400H・図30版新刊
栗村哲象著定価1500円・送料90円(製本1M衆)
新しく確立された林価算法較利学の画期的力作書
〔章目〕第1編総論1(この数字は章目)林業経営計算学,
2林業会計学,3林業管理会計論,4林業管理会計の会
計学的基礎概念,5林業管理会計の計算的基礎,その他
第Ⅲ編林業個別管理会計(林業経営の個別問題の計画と
統制の会計)第1部林業資産評価論,1林地の評価,2
林木の評価3森林の評価,第2部林業投資決定論,1
林業投資決定の諸方法,3現価法,3利益率法,4現価
法対利益率法,5造林投資の有利性危険性および不確
定性とその処理方法6伐期の有利性比較とその決定
第Ⅲ編林業総合管理会計(林業経営の全体的計画と統制
の会計)1林業総合管理会計の意義と必要性,2林業原価
瞥理,3林業経営分析.4林業損益分岐点分析.5林業直
接原価計算,6林業長期利益計画,附録終価係数表その他
一
一
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一 一 一 . ■ 凸 ▲
京大教授赤井噸恭憾士著(林木=木材の病防新著)
樹病学総論新刊織駕淵駕篭
章を序論(樹病学と森林病害その他),樹木疾病の原因(病
徴と病相その他),伝染病の発生機織(病原菌,病原体,他)
樹木(林木)の保謹対簸(予防,治療法),材質腐柄と防腐その
他にわたり,著者独自の新しい編成で,最進歩した樹木病
害と木材腐朽に関する学理と防除の基礎知識を簡明適確
に記述した林業の学生.技術家,木材関係者の必読箸。
ン
ク
ハン
ドフミック
|
造林│新しい学修と実際技術
前林業試験場長坂口勝美・前災野営体局長伊藤清三両氏艦修
東大教授佐藤大七郎隊士他,各専攻家55名共著
A5布装上製960頁・図400版定価2500円送料170円
造林の学修と実際増益技術に役立つ活用新事典
わが国における主要造林樹種のスギ・ヒノキ・アカマツ
・クロマツ・エゾマツ・カラマツ・トドマツを主として
タネから収穫までの一貫した林業生産技術と経営上のす
べてにわたり.各専攻権威が多年の研究に内外の新しい
研究成果を識り込騏,これを基礎知識編と実際編とを関
連的に明記してありますから.造林家はも・らろん,林業
の技術家,指導家,教育家.学修家の必術大事典。
発行駕篭溌辮縄匿濁]蕊養寳堂
一 = 一 一 一 ● ロ ー ■ ■ ー ■ 句 − 1 − − − − −
ー ■ ■ = 一 一
第4版
11
本譜の序に「従来の林mli算法較利学の再建には近年急速
に発展しつつある会計学,特に管理会計論を参考とし,そ
の現代的意義を明確にすべきであると思う」と。本幽はこ
の理念に基き,従来の林価算法絞利学を徹底的に批判し,
新しく林業管理会計論を体系化した新著で,殊に演譜に
ない林価算法と一般の不動産評価法との関係を明かにす
ると共に.一々問題と解答を掲げて詳述してありますか
ら林業家,学生,技術家は勿論,農業経営研究家の必読苫
弓
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■
め
ぐれ
使って安全。すぐれた効き
可
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ススキ防除の特効薬
⑬フ
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涜青1130
粒胃1110
☆イネ科、カヤツリグサ科雑草に選択的に効果があります。
☆ススキには特に有効で僅かの薬量でもよく効きま・す。
☆仕事の暇な時に使用できず一度の処理で2年以上も有効でする
☆人畜、魚貝類などに毒性はほとんどなく、安心して使用
でき、目や皮フを刺激したり、悪臭を出したり、爆発、
火災などの危険性も全くありませんざ
農薬部
支店営業所
⑳
東京都中央区銀座3-IO-17
仙台・名古屋・大阪・広島・高松
寺
一
北海三共株式会社
力"州三共株式会社
=
一
C
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必
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林業技術第三三九号
三共株式書誠
昭和四十五年六月十日発
昭和二十六年九月四日第三種郵便物認砺︵毎月一回十日発行︶
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ポケッI,コン"ざスなら
・・・評半リの面積計…
..、輪尺を見直そう
万一ノ”句L
ワイガご牽尺
吊零式泣進型プラニメーター
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刀59毎ヅトコンノ趣
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S-巳ら
峠ラコン
<牛方式5分読帰零式>…(オーバック装澄〉
ノハ、篭罵顯鰐;葛荊制蝋
●望遠銭12>く,明るさ抜群
●トラコンの水平分度は帰零式
●操作'│生と信頼度の高い牛方式
●S・25¥24,500S・27¥21、500S-28¥19,MOS・32¥14,000
定価百三十円送料六円
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