課題番号:25-6 研究課題名:発達障害の包括的診断・治療プログラム開発に関する研究 主任研究者:稲垣真澄 分担研究者:相原正男、軍司敦子、宮島 祐、山下裕史朗、中川栄二、小池敏英、小枝達也 1 平成26年度の研究成果 の MEG データ収集を開始した。 LD に つ い て 発 達 性 読 み 書 き 障 害 (dyslexia)の音韻操作能力障害を初年度 2 平成27年度の研究計画と期待される BRAIN に発表し、NCNP からプレスリリ 研究成果 ースした。本成果は脳病態統合イメージン LD 診断治療プログラム開発として小学 グセンター(IBIC)との共同研究から生ま 生 dyslexia 児への早期発見と早期介入を継 れ た 本 邦 初 の 知 見 で 、 NCNP Annual 続する。早期介入はインターネット上で簡 Report2013-2014 に掲載された。 便にできる音読指導プログラムを構築し、 LD の系統的診断・治療基準確定のため、 効果判定を検証する。また大規模調査を継 学年別平仮名、漢字評価法を明らかとした。 続し漢字 LD と英語 LD の診断法を確定す すなわち小学 1~2 年生の平仮名直音検査 ることを目指す。IBIC との共同研究により、 結果に基づいた、解読・語彙指導法を提案し 介入前後の大脳の形態的連結を MRI(DTI 指導メディアはデジタル媒体での提供をス 法)により検討し、エビデンスのある治療法 タートした。語彙指導は dyslexia 児童への を提案したい。ADHD 客観的診断法として 有用な介入法と予想され、3 年度に向けて 光トポグラフィー(NIRS)データを患者群 IBIC との共同研究を発展させ、神経科学的 で継続収集し、診断法の確定を行う。 な検証を継続する必要がある。 ADHD の干渉抑制機能を行動学的、脳血 流の点から評価し、逆ストループ課題(RST) 3 行政施策への貢献度 LD の医療均てん化に貢献する知見が集 中の脳活動変化において、ADHD 児が定型 積されつつある。また、簡便で精度の高い 発達児よりも右前頭前野が低賦活であるこ ADHD 診断システム開発が進み、臨床活用 とを発見し論文発表した。本知見は日本お への道筋が得られた。 よび米国に特許出願中である。研究分担者 の協力を得て、合計 399 名の定型発達児・ 4 研究発表 ADHD 児のデータを収集できた。また、AD Yasumura A, Inagaki M et al: Brain & 非薬物治療法として Neurofeedback 介入の Development 36: 97-106, 2014 神経生理学的有用性を見出し発表し、HP Takahashi J, et al: NeuroReport 25: 618- ( http://www.ncnp.go.jp/news/news_1404 624, 2014 25.html)で広報された。なお、注意障害の Kanemura H, et al: J Pediatr Neurol 12: 病態生理の解明のために、視覚と聴覚情報 75-81, 2014 が相互に干渉する条件を設定して、健常者
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