商標登録制度編 - 中川特許事務所

お 客 様 用 資 料
( 商 標 登 録 制 度 編 )
~ 商 標 登 録 を お 考 え の お 客 様 へ ~
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目
次
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Ⅰ.商標権の保護の対象・・・・・・・・・・1
Ⅱ.商標登録のメリット・・・・・・・・・・6
Ⅲ.商標登録までの手続・・・・・・・・・・8
Ⅳ.商標登録の費用料金・・・・・・・・・・11
Ⅴ.商標登録の出願様式・・・・・・・・・・15
Ⅵ.商標登録の質問相談・・・・・・・・・・19
中川特許事務所<お客様用資料>特許制度編
Ⅰ .商 標 権 の 保 護 の 対 象
1.商標の3つの要件
「商標権」とはブランドを保護する権利です。そうすると特許庁で商標登録
を受けるには「商標」でなければなりません。商標法の定める商標に該当する
には以下の4つの要件を満たしている必要があります。
商標の1つ目の要件は「標章」であることです。標章とは、人間の知覚によ
って認識できるものであり、文字、図形や記号、立体的形状もしくは色彩又は
これらの結合、音、その他のものと定義されています。
商標法はこのように標章(マーク)を定義していますので、以下の10種類
のマークが商標として取り扱われることになります。一方、匂い、味、触感は
日本の商標法では商標登録を受けることができません。
[1.文字商標]例)TOYOTA・東芝・Google
[2.図形商標]例)クロネコヤマトのクロネコのマーク
[3.記号商標]例)三菱グループの用いるスリーダイヤ
[4.立体商標]例)不二家の店頭にあるペコちゃん人形
[5.色彩商標]例)トンボ鉛筆の消しゴムの青・白・黒
[6.結合商標]例)文字と図形からなるNTTのマーク
[7.音声商標]例)久光製薬のコマーシャルのジングル
[8.動きのある商標]例)20世紀フォックス映画のオープニング映像
[9.ホログラム商標]例)アメリカンエクスプレスカードのホログラム
[10.位置の商標]例)プラダの靴底に描かれた赤い線
商標の2つ目の要件は「業として」使用することです。商標法上の商標とい
うためには、会社の商号やブランドのように、一定の事業目的をもって継続的
に使用するマークでなければならないということです。
例 え ば 、フ リ ー マ ー ケ ッ ト や お 祭 り に 出 店 す る 屋 台 に 用 い る 屋 号 な ど の よ う
に極めて短期間しか使用されないようなマークは、商標法上の商標に該当しな
いので、特許庁で商標登録を受けることができません。
商標の3つ目の要件は、商品の生産・証明・譲渡を行う者が使用する「商品
商標」であるか、役務(サービス)の提供・証明を行う者が使用している「役
務 商 標 」( サ ー ビ ス ・ マ ー ク ) で な け れ ば な り ま せ ん 。
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中川特許事務所<お客様用資料>特許制度編
例えば、商品「ジャム」の商標である「アヲハタ」
(商標登録第91915号)は商品商標です。また、
役務「飲食物の提供」の商標である「DOUTOR」
は役務商標(商標登録第4871217号)です。
2.特殊な商標の制度
「商標法」は特殊な商標に適切な商標権を与えて保護するために、特別なか
たちで商標登録を認める制度を設けています。商標登録を受けたいブランドに
あわせて、商標法における適切な制度をご利用下さい。
[1.団体商標]
農家等の事業者を構成員に有する農協等の団体がその構成員に使用させる商
標 で あ っ て 、「 団 体 商 標 」 を 付 け た 商 品 又 は 役 務 は そ の 団 体 の 構 成 員 が 提 供 し
ていることを示すための商標のことです。
例えば、長野県では長野県味噌工業協同組合が商品「みそ」について商標権
を 保 有 す る「 信 州 み そ 」
( 商 標 登 録 第 1 5 0 9 3 6 6 号 )は 、特 許 庁 に お い て 団
体商標として商標登録を受けています。
[2.地域団体商標]
これまで商標登録を受けることが困難であった地域ブランドについて、商標
法の保護を図るために、農協や漁協等の団体が申請すれば「地域ブランド」の
商標登録を行い易くした商標の制度です。
例えば、神奈川県では小田原蒲鉾協同組合が商品「小田原産のかまぼこ」に
つ き 商 標 権 を 有 す る「 小 田 原 蒲 鉾 」
( 商 標 登 録 第 5 4 3 7 5 7 4 号 )は 、地 域 団
体商標として商標登録を受けています。
[3.防護標章]
商標権の効力は本来ならば登録商標と同一又は類似の範囲にしか及びません。
しかし、登録商標とは非類似の商品・役務であっても、登録商標の使用を禁止
することにより「著名商標」の保護を図る制度です。
例えば、化粧品の著名商標である「花王」について
商標登録(商標第2117492号)を取得している
株 式 会 社 花 王 は 、化 粧 品 と は 関 係 の な い ド ミ ノ 用 具( 防
護第42号)につき防護標章登録を得ています。
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3.商標権取得の要件
このような商標法の規定する商標に当たるというだけでは、特許庁に出願を
行っても商標権を取得することはできません。商標法は以下の「5つの商標」
には商標権を与えることができないと規定しています。
[1.自ら使用する意思のない商標]
商標権を取得するための1つ目の条件は、商標を使用する意思のあることで
す。従って、現在自社が使用している商標はもちろん、将来自社が使用する予
定のある商標であれば特許庁で商標権を取得できます。
反対に、将来も使用する意思のない商標あるいは他社に使用させるだけの商
標 は 、自 社 で 使 用 す る 意 思 す ら も な い 商 標 で す か ら 商 標 登 録 を 受 け ら れ ま せ ん 。
[2.自他商品役務識別力のない商標]
商標権を取得するための2つ目の条件は、自社の提供する商品・役務と他社
の提供する商品・役務を区別できることです。以下の6つの商標は、自他商品
役務識別力を備えないため商標登録を受けられません。
(1.普通名称)
例)商品「牛乳」に商標「牛乳」
(2.慣用商標)
例)商品「清酒」に商標「正宗」
(3.記述的商標)
例 ) 商 品 「 洋 菓 子 」 に 商 標 「 フ ラ ン ス 産 」( 原 産 地 の 表 示 )
(4.ありふれた氏又は名称)
例 )「 中 川 」「 株 式 会 社 中 川 」「 n a k a g a w a . c o 」
(5.簡単かつありふれた商標)
例 )「 ○ 」「 △ 」「 × 」「 A B 」「 イ 」「 1 」
(6.その他識別力のない商標)
例 )「 平 成 」「 5 0 0 m l 」「 1 0 0 0 m g 」
[3.公益的な不登録事由のある商標]
商標権を取得するための3つ目の条件は、公益的な理由から商標登録できな
い事情のないことです。以下の11の商標は、商標登録を行うと社会全体に対
して不利益を与えるために商標登録を受けられません。
(1.国旗・菊花紋章・勲章・褒賞)
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例)日の丸、星条旗
(2.外国の紋章)
例)イギリス王室等の各国王室の紋章
(3.国際機関の標章)
例)United
Nations、国際保健機関、WHO
(4.赤十字社の商標)
例)赤十字社の名称、赤十字のマーク
(5.監督証明用に用いる印章)
例)各国が自国の産品であることを証明するのに用いる標章
(6.公共機関の使用する商標)
例)神奈川県の県章、横浜市の市章、公共交通機関、NHK
(7.公序良俗に違反する商標)
例 ) 差 別 的 な 言 葉 「 ク ロ ン ボ 」、 侮 辱 的 な 言 葉 「 ヤ ン キ ー 」
(8.博覧会の賞)
例)さくらワイン国際博覧会金賞受賞
(9.種苗法における登録品種の名称)
例)栃木県が品種登録を得ているイチゴの名称「とちひめ」
(10.品質を誤認させる商標)
例)商品が「ウイスキー」であるのに商標「さくらワイン」
(11.機能的形状からなる立体商標)
例)商品「ゲーム用ボール」について丸いボールの立体商標
[4.私益的な不登録事由のある商標]
商標権を取得するための4つ目の条件は、私益的な
理由から商標登録できない事情のないことです。以下
の7つの商標は、商標登録を行うと特定の私人に対し
て不利益を与えるために商標登録を受けられません。
(1.他人の肖像・氏名・名称)
例)芸能人・スポーツ選手・有名人・著名人の氏名・肖像等
(2.周知性のある他社の商標)
例)関東地方等の一地方で広く知られている他社のブランド
(3.他社の先願先登録の商標)
例)他社が先に出願しており先に商標登録まで得ている商標
(4.他社の登録防護標章)
例)ドミノ用具について防護標章登録を受けている「花王」を商標登録出願
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する場合
(5.混同を引き起こす商標)
例)腕時計の著名商標「オメガ」を腕時計とは無関係のライターにつき出願
する場合
(6.ぶどう酒の産地を表示する商標)
例)シャンパン、ポルトー、シャンパーニュの夜、薩摩の春
(7.不正目的での他社の商標の出願)
例)他社に買い取らせることを目的として外国の著名商標を日本で先に出願
する場合
「5.最も先の出願であること」
商標権を取得するための5つ目の条件は、もし同一又は類似の商標に関する
2件以上の出願が特許庁に行われた場合には、最も先にその商標を出願した者
だけが商標権を取得することができるという条件です。
例えばX社とY社がそれぞれ同じ商標Aを特許庁に
出願した場合に、X社が出願した翌日にY社が出願し
たとき、商標AにつきX社が商標権を取得することが
でき、Y社は商標権を取得することができません。
4.弁理士へのご相談
「弁理士」はこのような商標について特許庁における商標権を取得するため
の商標法上の手続を専門業務とする国家資格者です。当特許事務所は出願申請
から商標登録までの特許庁に対する手続を代行します。
当特許事務所の弁理士は、特許庁で商標登録を受けた後の商標に関する紛争
解 決・侵 害 鑑 定・契 約 仲 介・権 利 管 理・輸 入 差 止・無 料 相 談 も 実 施 し て い ま す 。
以下のような商標に関する問題でお悩みのお客様は、商標法の専門家である
当特許事務所の弁理士までお気軽にご相談下さい。
Q1.自社の使用する商標は商標権を取得できる商標なのか?
Q2.商標法・商標権・商標登録とはどのような制度なのか?
Q3.商標権を取得するには、どのような手続が必要なのか?
Q4.商標権の登録までには、どれぐらい時間がかかるのか?
Q5.商標権を取得するには、どれぐらい費用がかかるのか?
Q6.自社の商標権を侵害する他社にはどう対応するべきか?
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中川特許事務所<お客様用資料>特許制度編
Ⅱ .商 標 登 録 の メ リ ッ ト
1.商標独占のメリット
「商標権」とは特許庁に対し手続を行い取得する権利です。商標権者しか商
標登録を取得したブランドを企業活動で使用できない強力な「独占的な権利」
です。
従って、自社の商標について商標権を取得しておけば、同じ様なブランドを
事業活動で使用する他社に対して、自社の商標権の侵害を主張することができ
ます。
商標権の侵害が行われた場合、ブランドの使用中止
等を求める差止請求及び商標権の侵害によって自社に
生じた損害の賠償を求める損害賠償請求等が可能です。
2.商標防衛のメリット
「商標権」とは商標登録を受けたブランドを独占的に事業活動で使用できる
権利です。特定の商品・役務について一件の商標権しかすることが存在できま
せん。
従って、自社が先に商標権を取得しておけば、他社が類似のブランドについ
て商標登録を取得してしまい、自社が商標を使用できなくなる事態を防止でき
ます。
商標権は、特許庁で商標登録を受けた登録商標のほ
か 、登 録 商 標 に 類 似 す る 商 標 に ま で 及 ぶ 権 利 で す か ら 、
幅広く自社の商標の「防衛」を図ることができます。
3.信用確保のメリット
「商標権」を特許庁で取得することによって、他社が自社のブランドに類似
するブランドを使用して自社の登録商標を侵害することを防止することができ
ます。
他社が自社の商標を勝手に使用して品質の劣悪な商品を提供したり、質の悪
いサービスを提供したりすることを防止してブランドの「信用の確保」を図れ
ます。
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中川特許事務所<お客様用資料>特許制度編
商標登録を受けることにより、これまでに築き上げ
てきたブランドの信用を守ることができ、今後立ち上
げるブランドの信用を築き上げていくこともできます。
4.利益確保のメリット
「商標権」を特許庁で取得することにより、他社に摸倣されやすいブランド
について、特許庁から商標権という明確な権利を与えられ法的保護を受けられ
ます。
従って、商標登録を受けておくことで、自社で登録したブランドを他社に譲
渡又はライセンスする場合に、商標法に基づいて安心してスムーズに行えるの
です。
そうすると自社で商標権を取得したブランドを商品化するだけでなく、他社
にブランドの譲渡やライセンスを行うことによる「利益の確保」も可能となり
ます。
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Ⅲ. 商標登録までの手続
1.商標登録出願前の手続
自社のブランドについて商標登録を検討したならば、まずは商標制度が保護
している「商標」に該当するか否かを検討します。
自社のブランドが商標に該当するならば、すでに同様のブランドが商標権を
取得していないか、または他社の使用するブランドと紛らわしい商標ではない
かについて「他社商標調査」を行います。
このような他社のブランドを検討した結果、自社の商標について他社がまだ
商標登録を行っておらず、その他商標法の定める商標登録の要件を満たせば、
自社が商標権を取得することができます。
次に「商標登録出願」の手続を行い商標登録を受け
たい商標やその商標を使用する商品又は役務等を記載
した願書を特許庁に提出します。商標登録の申請に際
しては、特許庁に対して出願料を特許印紙によって納
めなければなりません。
2.商標登録出願後の手続
商標登録の出願を行うと、まず特許庁は出願人の提出した出願書類が商標法
の定める様式に従っているかといった方式要件に関する審査を行います。従っ
て商標法におけるこの審査を「方式審査」と呼びます。
商標登録の申請から約1ヶ月を経過すると、その出願についての審査の進み
具合等とは関係なく、特許庁は商標登録出願の内容を商標公報に掲載して公開
してしまいます。この制度を「出願公開」といいます。
次に、特許庁の審査官によりその商標登録出願が他社の登録商標に類似する
商標でないか等の商標法の定める商標登録要件を満たしているか否かについて
「実体審査」が行われることになります。
商標法は、特許法における出願審査請求のような制度を採用しておりません
ので、審査の順番が来れば自動的に審査が行われることになります。商標の出
願から審査まで約4ヵ月かかっています。
審査官が商標登録の要件を満たす商標であると判断した場合「登録査定」が
行われます。登録査定から30日以内に登録料を納めなければなりません。特
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中川特許事務所<お客様用資料>特許制度編
許庁が商標権の設定登録を行うと商標権が発生します。
最後に特許庁が商標権の設定登録を受けたブランド
を商標公報に掲載することによって、特許庁において
商標登録を受けるための一連の手続は終了します。
3.商標登録審査後の流れ
一方で、審査官がその商標登録出願は商標登録の要件を満たしていないと判
断した場合は、出願人に対してこのままでは商標権を認めることができない具
体的な理由を事前に知らせる拒絶理由通知を行います。
出願人は拒絶理由通知に反論を行う意見書や出願書類の誤りを修正する補正
書を提出して対応することができます。審査官が商標の登録要件を満たしてい
ると判断すれば、商標登録を取得することができます。
出願人がこのような意見書や補正書を提出しても、審査官がその商標の出願
は商標登録の要件を満たしていないとの判断を変えなければ、商標登録出願に
「拒絶査定」が行われることになります。
出願人がこの拒絶査定に不服があるならば、この拒絶査定を受けた日から3
ヶ月以内に「拒絶査定不服審判」を請求することにより、特許庁の審判官に対
し更に不服を申し立てることができます。
審判官が商標登録の要件を満たしていると判断を変えれば、商標権を取得す
ることができます。しかし、審判官もその出願は要件を満たしていないとの判
断を変えなければ拒絶審決が行われることになります。
出願人がこの拒絶審決に不服があるならば、この拒絶審決を受けた日から3
0日以内に東京高等裁判所に「審決取消訴訟」を提起することによって、今度
は裁判所に審決への不服を申し立てることができます。
審決取消訴訟により拒絶審決が取り消されると、特許庁の審判において再度
審 理 を 行 う こ と に な り ま す 。一 方 、審 決 取 消 訴 訟 で も 拒 絶 審 決 が 維 持 さ れ る と 、
最終的に商標登録を受けることができなくなります。
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4.商標のフローチャート
特許庁における商標登録出願から商標権の取得までの商標法が規定する手続
の流れをフローチャートにまとめると次のような図にまとめることができます。
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Ⅳ .商 標 登 録 の 費 用 料 金
1.商標登録出願の印紙代
商標権を取得するに際しては、特許庁に支払う「印
紙代」と特許事務所に商標登録の手続を依頼した場合
に弁理士に支払う「手数料」の2種類の「費用」が必
要となります。まず印紙代についてご説明します。
商標登録を受けるには「出願料」と「登録料」の2種類の印紙代を納めるこ
と が 必 要 で す 。出 願 料 も 登 録 料 も 、特 許 庁 に 対 し て 特 許 印 紙 に よ り 支 払 い ま す 。
「 出 願 料 」 は 3 , 4 0 0 円 + ( 商 品 ・ 役 務 の 区 分 の 数 ×8 , 6 0 0 円 ) の 金
額になり、商標登録出願の際に納付します。区分とは特許庁が定める商品又は
役務(サービス)のグループのことです。
例えば「パン」の商標を出願するならば「パン」は「第30類」の区分に含
ま れ て い ま す 。区 分 の 数 は 1 つ な の で 、出 願 料 は 3 ,4 0 0 円 +( 1 区 分 × 8 ,
600円)=12,000円になります。
複数の商品又は役務の商標を出願する場合であっても、同じ区分に含まれる
商品又は役務であるなら印紙代は同額になります。
例 え ば「 パ ン 」と「 お 茶 」の 商 標 を 出 願 す る な ら ば「 パ ン 」も「 お 茶 」も「 第
3 0 類 」 の 一 区 分 に 含 ま れ ま す か ら 、 出 願 料 は 3 , 4 0 0 円 + ( 1 区 分 ×8 ,
600円)=12,000円になります。
一方で、複数の商品又は役務の商標を出願する場合に、2つ以上の異なる区
分に含まれる商品又は役務になると印紙代は増額になるので注意してください。
例 え ば 「 パ ン 」 と 「 缶 詰 」 の 商 標 を 出 願 す る 場 合 、「 パ ン 」 は 「 第 3 0 類 」 で
すが「缶詰」は「第29類」です。そうすると、出願料は3,400円+(2
区 分 ×8 , 6 0 0 円 ) = 2 0 , 6 0 0 円 に な り ま す 。
「 登 録 料 」は 、商 品 ・ 役 務 の 区 分 の 数 × 2 8 ,2 0 0 円( 1 0 年 分 の 登 録 料 )
の金額になります。特許庁の審査官から商標登録を認める旨の登録査定が送ら
れてきてから30日以内に納めなければなりません。
但し、商標法は「分納制度」を採用しているため、10年分の登録料ではな
く 商 品・役 務 の 区 分 の 数 × 1 6 ,4 0 0 円( 5 年 分 )を 納 め る こ と も で き ま す 。
以上のことから、1つの区分に含まれる商品・役務に関する商標を10年間
維持する場合には、商標登録に必要な印紙代は12,000円(出願料)+2
8,200円(登録料)=40,200円になります。
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中川特許事務所<お客様用資料>特許制度編
また、商標権は特許庁が商標登録を行った日から1
0年間維持できますが、
「 更 新 登 録 」も で き ま す 。但 し 、
商標権の更新の申請にあたって、10年分又は5年分
の登録料を特許庁に納めなければなりません。
2.商標登録出願の手数料
次に、特許事務所に商標登録の手続を依頼した場合に弁理士に支払う手数料
についてご説明します。一般的には手数料は出願時に支払う「出願手数料」と
登録時に支払う「成功報酬」の二段階で支払われます。
日本弁理士会が調査した特許事務報酬(弁理士手数料)に関するアンケート
で は 、弁 理 士 に 支 払 う 出 願 手 数 料 と 成 功 報 酬 を あ わ せ た 手 数 料 の 金 額 に つ い て 、
次のような回収結果が得られています。
他の特許事務所にご依頼をされた場合の出願手数料及び成功報酬を合計した
手数料の平均金額は、出願手数料66,989円+成功報酬45,409円=
112,398円[他特許事務所]です。
当特許事務所にご依頼された場合の出願手数料及び成功報酬を合計した手数
料 の 平 均 金 額 は 、出 願 手 数 料 3 0 ,0 0 0 円 + 成 功 報 酬 3 0 ,0 0 0 円 = 6 0 ,
000円[当特許事務所]になります。
1つの区分の商品・役務の商標について特許庁に支払う印紙代と弁理士に支
払 う 手 数 料 を 合 計 し た 商 標 権 の 取 得 に 必 要 な 費 用 の 合 計 額 は 、以 下 の 通 り で す 。
ご料金比較
印紙代
手数料
合計
他特許事務所
40,200 円
112,398 円
152,598 円
当特許事務所
40,200 円
60,000 円
100,200 円
3.商標登録出願の料金表
当特許事務所の弁理士に商標登録の手続をご依頼頂
いた場合の「ご料金表」は以下の通りです。
1.他社商標調査
弁理士が他社の商標を調査して商標権の取得可能性についてご報告します。
2.商標登録出願
弁理士が商標登録の出願に必要となる書類を作成して特許庁に提出します。
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3.補正書の提出
商標登録出願書類をはじめ特許庁に提出した書類について修正を行います。
4.意見書の提出
特許庁の審査官から拒絶理由通知が行われた際に審査官に反論を行います。
5.出願の分割
複数の商品・役務が含まれている商標登録出願を分割することができます。
6.出願の変更
通常の商標・団体商標・地域団体商標・防護標章と出願形態を変更します。
7.拒絶査定不服審判の請求
審査官から拒絶査定が行われた際に特許庁の審判官に不服を申し立てます。
8.商標登録
商標登録の手続が完了し商標権が発生したことをお客様へとご連絡します。
9.商標権の契約締結
他社との間での商標権のライセンスや移転譲渡の契約書の作成を行います。
10. 商 標 権 の 調 査 鑑 定
お客様の製品が他社の商標権や各種知的財産権に抵触しないか調査します。
12. 商 標 権 の 紛 争 解 決 手 続
日本知的財産仲裁センター等での商標に関する紛争解決手続を代行します。
お手続きの内容
基本手数料額(消費税別)
ご相談
無料
他社商標調査
15,000 円
商標登録出願
30,000 円 ( 他 社 商 標 調 査 料 含 む )
補正書の提出
30,000 円
意見書の提出
40,000 円
出願の分割
30,000 円
出願の変更
40,000 円
拒絶査定不服審判の請求
150,000 円
商標登録(成功報酬)
30,000 円
契約書の作成
50,000 円
意匠権の調査鑑定
150,000 円
意匠権の紛争解決手続
150,000 円
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4.弁理士費用の割引制度
当特許事務所では、複数件の商標登録をご依頼頂いたお客様、又はご自身で
願書等の書類を準備して頂いたお客様を対象として、商標登録出願及び成功報
酬にかかる当特許事務所のご料金を割引しております。
1.複数出願割引
当特許事務所に複数件ご依頼頂いたお客様には、2件目以降の商標登録の出
願について、商標出願料金(約3万円)と成功報酬(約3万円)から最大で2
0%(約1万2千円)までお値引きします。
2.書類作成割引
商標登録の出願に当たり必要となる願書等の書類を
ご 自 身 で 準 備 し て 頂 い た お 客 様 に は 、商 標 出 願 料 金( 約
3 万 円 )と 成 功 報 酬( 約 3 万 円 )か ら 最 大 で 2 0 %( 約
1万2千円)までお値引きします。
5.費用・料金のお問合せ
当 特 許 事 務 所 で は 、商 標 登 録 の 手 続 に 関 し て の ご 費 用・ご 料 金 に 関 す る 弁 理
士 へ の ご 相 談・お 問 合 せ・お 見 積 り に つ き ま し て は ご 料 金 を 頂 い て お り ま せ ん 。
当特許事務所での商標登録出願に必要なご費用・ご料金に関するご相談・お
問合せの他、商標権の取得の手続に関するご料金のお見積りにつきましてはお
気軽にお問い合わせ下さい。
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Ⅴ. 商標登録の出願様式
1.商標出願書類の様式
自社のブランドについて商標登録出願を行う際に商標法によって特許庁に提
出することが求められる願書及び願書に記載するべき事項等の「書類」と「書
式」についてご説明します。
1.用紙の大きさ
商標出願の用紙は、A4用紙(横21cm・縦29.7cm)を用います。
2.文章の書き方
文章は、左横書き、1行は36文字、1頁につき29行以内で記載します。
3.文字の大きさ
文字は、全角文字、黒色、10~12ポイントの大きさにより記載します。
4.ページ数記入
複数頁ある場合には、各ページのヘッダーの右端にページ数を記入します。
5.見出しの括弧
願書及び添付書面の各見出しには【書類名】願書のように【】を付けます。
2.商標登録願書の記載
商標登録の出願に当たっては、特許庁に対して願書
及び他の必要な物件を提出する必要があります。
「願書」
の形式的記載事項は以下の9項目になります。
1.書類名
「願書」のタイトルの部分には「商標登録願」と記載します。
2.整理番号
ローマ字、算用数字、ハイフン等を用いた10字以下の記号を記載します。
3.提出日
特許庁に対し商標登録出願に関する書類一式を提出する日付を記載します。
4.あて先
「特許庁長官殿」と記載して下さい。
5.商標登録出願人
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商標権を取得する出願人の住所又は居所並びに氏名又は名称を記載します。
6.提出物件の目録
指定商品の説明等の特許庁に提出する物件があればその名称を記載します。
7.商標登録を受けようとする商標
自社が商標登録を希望する商標を記載します。ブランドの種類によって商標
登録を受けようとする商標の記載の方法が異なります。記載の詳細につきまし
ては以下の願書への商標の記載もあわせてご覧下さい。
8.指定商品又は指定役務並びに商品及び役務の区分
自社が商標登録を希望するブランドを使用する商品又は役務(サービス)の
内 容 を 記 載 し ま す 。詳 細 は 以 下 の 願 書 の 商 品 役 務 の 記 載 も あ わ せ て ご 覧 下 さ い 。
9.商標の詳細な説明
音商標、動き商標、ホログラム商標、色彩のみからなる商標、位置商標等の
特殊な商標について商標登録出願を行う場合には、これらの商標を具体的に特
定できるように詳細に内容を説明する必要があります。
3.願書への商標の記載
1.平面商標の商標登録出願
商標登録出願を行う商標が文字・図形・記号等の平
面的な要素から構成される「平面商標」の場合、願書
に設けた商標記載欄(原則として8cm平方・必要が
あれば15cmまで可)に商標を記載して下さい。
商標を願書に直接記載する場合には枠線によって囲んだ商標記載欄に商標
を記載します。あるいは商標を記載した商標記載欄と同じ大きさの用紙を願書
に貼り付けることもできます。このとき枠線は不要です。
商標記載欄には鮮明かつ簡単に変色や消失しないように商標を記載します。
活字で商標を表示する場合は20~42ポイントの大きさの活字を用います。
商標以外の文字等余計な事項を記入してはなりません。
2.標準文字の商標登録出願
標準文字とは特許庁長官が指定する文字であり、書体に特徴がない商標を出
願する制度です。標準文字で出願を行う場合、商標登録を受けようとする商標
の欄の下に「標準文字」の欄を設けます。
商標登録を受けようとする商標の欄には、黒色で表した大きさ及び書体が同
じ10ポイント以上の活字により一行に横書きで出願する商標を記載します。
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中川特許事務所<お客様用資料>特許制度編
3.立体商標の商標登録出願
商標登録出願を行う商標が立体商標である場合、そ
の立体商標を1つ又は異なる2つ以上の方向から表示
した図又は写真を作成して登録商標を特定します。
ペコちゃん人形やカーネルサンダースおじさんのよ
うな立体商標を出願する場合、商標登録を受けようと
する商標の欄の下に「立体商標」の欄を設けます。
4.色彩商標の商標登録出願
商標登録出願を行う商標が色彩商標である場合、その色を表示した図又は写
真を作成して商標を記載します。商標登録を受けようとする色彩が全体にわた
って表示された図又は写真を使用します。
トンボ鉛筆の消しゴムの青白黒のような色彩商標を出願する場合、商標登録
を受けようとする商標の欄の下に「色彩のみからなる商標」の欄を設けます。
5.音声商標の商標登録出願
商標登録出願を行う商標が音声商標である場合、文字や五線譜等によって商
標登録を受けようとする音を特定します。具体的には音符、休符、音部記号、
テンポ、拍子記号、歌詞等で申請する音を記載します。
久光製薬のコマーシャルのジングルのような音声商標を出願する場合、商標
登 録 を 受 け よ う と す る 商 標 の 欄 の 下 に「 音 商 標 」の 欄 を 設 け る 必 要 が あ り ま す 。
6.動き商標の商標登録出願
商標登録出願を行う商標が動き商標の場合、時間の経過による商標の変化の
状態を説明する図又は写真を提出します。あわせて商標が変化する状態を説明
する指示線や符号又は文字を記載します。
20世紀フォックス映画のオープニング映像のような動き商標の出願を行う
場合、商標登録を受けようとする商標の下に「動き商標」の欄を記載します。
7.ホログラムの商標の出願
商標登録出願を行う商標がホログラム商標の場合、ホログラフィー等で商標
が変化する前後の状態を説明する図や写真を提出します。あわせて変化の前後
の状態を説明する指示線や符号又は文字を記載します。
クレジットカードのホログラムのようなホログラム商標の出願を行う場合、
商 標 登 録 を 受 け よ う と す る 商 標 の 欄 の 下 に「 ホ ロ グ ラ ム 商 標 」の 欄 を 設 け ま す 。
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8.位置商標の商標登録出願
商標登録出願を行う商標が位置商標の場合には、商標及びその商標を付ける
位置を特定した図や写真を提出します。具体的には、商標は実線で描いて、そ
の他の部分は破線で描く等して位置商標を特定します。
プラダの靴底に描かれた赤い直線のような位置商標の出願を行う場合には、
願 書 の 商 標 登 録 を 受 け よ う と す る 商 標 の 欄 の 下 に「 位 置 商 標 」の 欄 を 設 け ま す 。
4.願書の商品役務の記載
指定商品又は指定役務並びに商品及び役務の区分の欄には、まずは登録商標
を使用する商品や役務が含まれる区分を「第○○類」等と記載します。商標法
施行令第1条所定の第1類から第45類を記載します。
次 に 「 指 定 商 品 (指 定 役 務 )」 の 欄 を 設 け て 、 出 願 を 行 う 商 標 を 使 用 す る 商 品
又は役務について、その内容及び範囲が明確に理解できるように記載します。
その商品又は役務が商標法施行規則第6条別表に記載のある商品等であれば、
別表に記載されている通りに指定商品又は指定役務を記載すれば十分です。
一方、別表に記載がない商品や役務である場合は、例えば「特許情報プラッ
トフォーム」が提供する商品・役務名検索において検索を行い、検索された商
品や役務の名称を参考にして記載します。
また、従来市場に存在しなかった新商品や新サービスの場合には、商品なら
そ の 生 産 方 法 等 、役 務 な ら そ の 内 容 等 を 説 明 し た「 指 定 商 品 ( 指 定 役 務 ) の 説 明 」
の書面を作成して願書と一緒に特許庁に提出します。
1件の商標登録出願において複数の商品や役務に使用する登録商標として
出 願 す る こ と も 可 能 で す 。複 数 の 商 品 や 役 務 を 指 定 す る 場 合 に は「 パ ン ,菓 子 」
のように指定商品や指定役務の間にコンマを付けます。
複数の区分にまたがる商品や役務に使用する商標
を 1 件 で 出 願 す る こ と も 可 能 で す 。例 え ば【 第 2 9 類 】
ジャム【第30類】パンのように区分順に区分とその
区分に含まれる商品や役務を繰り返し記載します。
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Ⅵ .商 標 登 録 の 質 問 相 談
Q1.特許庁への商標登録出願は毎年どれぐらいの件数が行われていますか?
A1.日本国内の商標の出願は1年間に約12万5千件行われています(20
1 4 年 )。
Q2.申請された商標の内どれぐらいの件数が商標登録を取得していますか?
A2.日本国内では毎年約10万件の出願が商標権を取得しております(20
1 4 年 )。
Q3.出願を行ってからどれぐらいの期間で商標登録を取得できるのですか?
A3.特許庁の審査官が出願人に商標登録の可否について最初の判断を示すま
で 、商 標 登 録 の 出 願 を 行 っ て か ら 約 4 .3 ヶ 月 か か っ て い ま す( 2 0 1 4 年 )。
Q4.個人で商標の出願を行い商標権を取得することは商標法上できますか?
A4.個人の方が商標の出願を行って商標権を取得することはもちろん可能で
す 。個 人 の 方 も 毎 年 約 1 万 9 千 件 の 商 標 の 申 請 を 行 っ て い ま す( 2 0 1 4 年 )。
Q5.特許庁に対し商標を申請する際にどのような書類を提出するのですか?
A5.商標登録出願は原則として願書のみを特許庁に提出すれば十分です。但
し、音声などの特殊な商標を出願する際はCD-ROMなどの提出が必要で
す。
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中
川
特許事務所
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弁理士
中川 淨宗
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無 断 で の複 製 ・配 布 ・ア ップ ロ ー ド 等 は ご 遠 慮 願 い ま す 。