会員さんの ち ょ こ っ ト ー ク 難事に対し 自分流にチャレンジ 有限会社 美津満留 代表取締役 髙藤 吉信 氏 昨年の極月5 日、車椅子にのり凛とした表情の 何とも虚しさを感じ「このままでいいのだろう 80代後半と思われる男性が、奥様と息子さんに案 か?」と畏怖しています。 内されながら仏壇の見学に来店された。 そこで仕事柄覚えた拙い仏教学を利用して『仮 聞けば自分が入る為と屈託のない笑顔でお答え 称、天子ロミルの一日修行』と題して原稿用紙414 になられた。 枚の物語を構想致しました。 小生はその声でこの人は人生の教師だ!と思い 内容は、神仏の1 日は人間界の1 00年に値すると ました。 いう世界に存在する天子が、人間界に降臨して人 そしてその方はさまざまな話の中で「今、世界 間としての一生を修行する物語です。 の先進国といわれている国々は、皆こぞって先詰 物語を通じて因果の道理や人間苦及び人生苦等 まっている。日本もその一国である。なぜなの の真理、そこに先祖に対する敬恭の誠を尽くす意 か?振り返ってみればその要因は山ほどある。そ 味などを問いかけたい、そんな思いを主願にした の一つは何でもあり的な考え方ではなかろうか? ものです。 昭和20年に戦争に負けた日本は、築き上げてきた 愚にも付かない内容ですが、広く世に出すこと 物質のほとんどを失ったが、国民は皆真っ黒に が出来ればもしかして多少の役に立つかもしれな なって働き見事に物に対しての復興を成し遂げた。 いなどと大それた思いで今、出版社を模索してい しかし同時に深い落とし穴も造り、秩序正しい日 ます。 本の心を落としてしまった。奈落の底まで落ちた 小生も天子の1人、これも修行と思い、行きつ戻 人心は今後、はたして這い上がることが出来るだ りつ挑戦したく思っております。 ろうか?」と。 そして「それは自分達が残念ながら造ってきた 大きな悪因である」と話されていた。 小生は仕事柄お客さまの生業や生い立ちなどを 図らずも察してしまう事がしばしばあります。 時代の変化と共に生死に対する受け止め方を逸 早く知る時もある。 そこに人の考え方や『業』なるものまで見て取 れるような気が致し、無知な小生にとって得難い 勉強になります。 どんどん変化していく社会の構造に吸収される ように人の『情』の根幹を思う時、その希薄さに CH I BAke i kyo・No362 19
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