年度版(PDF:4566.539KB) - しいの実シアター・八雲国際演劇祭・あしぶえ

特定非営利活動法人あしぶえ
事業報告書
2011(平成23)年度
R
目
<目 次>
次
ごあいさつ
............................................................................................................ 3
あしぶえの目指すもの
ロゴマーク
..................................................................................... 4
............................................................................................................ 5
演劇を人々の暮らしの中へ
組織図
........................................................................... 6
.................................................................................................................. 7
2011(平成23)年度事業報告
① 演劇公演の制作と上演
....................................................................... 8
② 表現・コミュニケーション能力育成のための事業
③ しいの実シアターの管理・運営事業
④八雲国際演劇祭の運営に関わる事業
........................... 16
................................................ 20
............................................. 24
サポート会の活動
....................................................................................... 26
法人全体の運営
........................................................................................ 28
新聞記事
........................................................................................................... 57
2
あしぶえ創立 45 周年から
新 たな出発を
正会員の皆さまには、あしぶえの活動につきまして、いつも並々ならぬご支援とご
協力を賜りまして誠にありがとうございます。心より厚くお礼申し上げます。
2011(平成23)年の12月4日、あしぶえは創立45周年を迎えました。
思えば実に様々な出来事があり、泣いたり笑ったり、悔しがったりの45年でした。
「演劇」の幅広い可能性が、なかなか理解されず、一体どうすれば「演劇」が広まっ
ていくのかを、寝ても覚めても考え続けた日々でもありました。
そんなあしぶえを、多くの方にご支援いただき、お蔭さまで7年前にはNPO法人とな
り順調に進んでおります。そして、2011年度から2012年度にかけては、過去に例を見
ないほどのビッグニュースが4つありました。
①「新寄付税制」が2011(平成23)年6月に施行されました。
②改正NPO法が2012(平成24)年4月から施行されました。
③「島根県文化振興条例」が2011(平成23)年11月に制定されました。
④「劇場、音楽堂等の活性化に関する法律(仮称)」が2012(平成24)年6月ごろ制定さ
れる予定です。
NPOであり、劇団であり、しいの実シアターの指定管理者でもあるあしぶえにとって
は、どの法律・条例とも、これからの活動を大きく支えてくれる基になるものです。
一方で、演劇の可能性が少しずつ広まり、
①島根県立古代出雲歴史博物館とTSKエンタープライズとの協働で行った「神話シ
アター」で上映される新しい解釈の「ヤマタノオロチ神話」の制作。(15ページ掲載)
②島根県立大学短期大学部と松江市子育て課との協働で行った保育関係者のコミ
ュニケーション不足を補うプログラム開発。(19ページ掲載)
③ふるさと島根定住財団「ジョブカフェしまね」で、就活支援のコミュニケーションワー
クショップ講座の開設。(41ページ掲載)
これら三つの事業は、今後、なんらかの形でさらに連携・発展する要素をもっており、
あしぶえが演劇で培ってきた様々なスキルが活用され始めてきたことを意味します。
創立から45年。あしぶえが一歩一歩の精神で歩んできたことが、やっと花開こうとし
ています。これからのあしぶえは、大切に育ててきた「夢」の実現に向かって、大きく歩
んで参ります。皆様のますますのご支援ご協力を切にお願い申し上げます。
2012年5月13日
特定非営利活動法人 あしぶえ
理事長 園山 土筆
3
ご
あ
い
さ
つ
あ
し
ぶ
え
の
目
指
す
も
の
<あしぶえの目指すもの>
私たちは、
あらゆる人々を対象として、
演劇等の公演や演劇教育に関わる事業を行います。
また、地域と連携して、
国内外の人々との交流を促進することによって、
演劇による創造的な市民社会の形成に努力し、
これらの活動を通して
芸術文化による心豊かな社会を創ります。
4
<ロゴマーク>
ロ
ゴ
マ
ー
ク
R
国際的にも通用するように、団体名を筆文字のアルファベットで表現しました。
アクティブな「葦の妖精」が、背中を出し、力いっぱい頬をふくらませて、
広い世界に向って草笛を吹きならしているさまを描いています。
エンブレム(紋章)
ご存知ですか
他にも、こんな楽しい妖精くんたちがいることを・・・
走る妖精くん
「やぁ!」
「見て!」
しいの実シアターの入口では
石像の妖精くんがお出迎え。
お尻をなでると願いが叶うとか・・・
5
「ようこそ!」
演
劇
を
人
々
の
暮
ら
し
の
中
へ
<演劇を人々の暮らしの中へ>
「演劇」は、
人間の生きる姿を、生で表現し、
笑いと涙と感動を誘い、人々に生きる活力を与えます。
また、「演劇」は、
「感性・想像力・創造性」を涵養(かんよう)し、
劇づくりやワークショップを通して、
「表現力」や「コミュニケーション力」を向上させ、
これらの活動から生まれるクリエイティヴな「発想力」や「洞察力」は、
社会のあらゆる分野で役立っていきます。
3年に1度開催している「八雲国際演劇祭」は、
多様な文化に接する貴重な体験であり、
国際的に通用するやり方で、「企画」「準備」「運営」「振り返り」を継続すれば、
その経験は必ずや家庭や学校、職場、地域などに活かされていきます。
また、あしぶえが指定管理者となっている
「しいの実シアター」では、
地元はもとより、全国から幅広い年齢層のお客さまをお迎えして、
心に響く作品を提供します。
そして、公演のないときは、
訪れる人たちの「交流の場」となるよう育ててまいります。
これらの活動を推し進めることで、
演劇が持つさまざまな力が、人々の暮らしの中に拡がり、
創造的な市民社会の形成に役立っていくものと確信しています。
このように考えて、
1966(昭和41)年12月に創立した「劇団あしぶえ」は、
2005(平成17)年12月に「特定非営利活動法人あしぶえ」となり、
次の4つの柱を立てて、活動を進めています。
① 演劇公演の制作と上演
② 表現・コミュニケーション能力育成のための事業
③ しいの実シアターの管理・運営事業
④ 八雲国際演劇祭の運営に関わる事業
以上の「4つの柱」を支えるための活動もあります。
サポート会の活動
法人全体の運営
これら、6つの活動について、ご報告いたします。
6
<組織図>
2012年3月31日現在
NPO法人あしぶえ
総
会
正会員(個人82名、9団体)
監事(2名)
理事会 (理事11名)
外部監査
理事長
事務局長
職員
①演劇公演の
制作と上演
創造活動部門(16名)
演劇の企画・制作
演劇の上演
・シアター公演
・国内公演
・海外公演
・プロデュース公演
人材派遣
・外部出演
・外部スタッフ
・派遣コーディ
ネーター
講演
② 表現・コミュニ
ケーション能力
育成事業
表現授業
・幼稚園
・保育園
・小学校
・中学校
・大学、短大
ワークショップ
・PTA 研修
・教職員研修
・企業研修
・団体研修
講演
③ しいの実
シアターの
管理・運営事業
シアター事業
・人形劇公演
・ワークショップ
・文化講演会
・プロデュース公演
自主事業
・あしぶえ公演
・ワークショップ
貸館事業
・利用受付
・貸館対応
・見学者対応
広報活動
劇場保守管理
樹木・庭園管理
④八雲国際
演劇祭の
運営事業
運営本部業務
・事務全般
・ファンドレイジング
・補助金助成金申請
・国内外情報収集
・国内外演劇祭視察
・情報発信
・演劇祭PR活動
・記録誌作成配付
・演劇祭開催告知
・参加劇団募集
・会議開催
・講演会開催
・研修会参加
・ボランティア育成
サポート会事務局 (12名)
サポート会員 (個人242名、9団体)
寄附者 (個人15名)
7
八雲国際演劇祭
実行委員会
大会長
松浦 正敬
(松江市長)
委員長
園山 土筆
・企画委員会
・運営委員会
・16委員会運営
組
織
図
2
0
1
1
年
度
事
業
報
告
① 演劇公演の制作と上演
この事業の目標
心に響く演劇を多くの人に
社会の現状
「演劇」は、観客の心をゆさぶり、生きる希望を与えてくれます。また、疲れ
た心を癒し、明日への活力を生み出します。そして、度重なる観劇体験は、
感性や想像力、創造性を育み、物事の本質を見抜く洞察力が涵養される
貴重な機会でもあります。
しかし、近年、経済の悪化によって、日々の暮らしに追われることが多くなり、
その結果、文化的な催事に出かけにくくなっています。
また、「演劇」に対する敷居が高いと感じる人も多く見受けられます。
取組み
「演劇」に対する壁を低くし、観劇しやすい状況をつくるため、次のような取
り組みを行いました。また、「観劇」の感動が深まるように作品解説なども行
いました。
取組み
1.観劇料金を半額にした公演を行う。
取り組み 2.「演劇」の上演の前後に、演出家による作品解説を行う。
取り組み 3.夜の公演を実施する。
取り組み 4.字幕付き公演を行う。
取り組み 5.交通の便のよい場所でのアウトリーチ公演を行う。
取り組み 6.音楽家との共演を行う。
取り組み 7.子供会や老人会などの団体観劇を推進する。
8
2011(平成23)年度の活動は次のとおりです。
詳が付いている活動については、次ページ以降に詳記しています。
実施日時
実施場所
従事者
の人数
受益者
の人数
①あしぶえの公演ほか
上演
詳
あしぶえ創立45周年記念特別公演
しいの実シアター開館15周年記念公演
「セロ弾きのゴーシュ」
H23/
6/12、25、26、
7/9、10
松江市
しいの実シアター
延べ
256名
959名
上演
松江市子ども会創立35周年記念公演
「セロ弾きのゴーシュ」
H23/7/24
松江市
島根県民会館
51名
403名
上演
詳
あしぶえ創立45周年記念特別公演
しいの実シアターからのアウトリーチ公演
「セロ弾きのゴーシュ」
H23/7/24
松江市
島根県民会館
49名
516名
公演
海外秀作鑑賞事業
カナダCorpus
「ひつじ」
H23/11/6、8、9
松江市
しいの実シアター
芝生の広場
延べ
63名
834名
上演
東出雲地区青少年育成協議会貸切公演
「セロ弾きのゴーシュ」
H23/11/20
松江市
しいの実シアター
33名
105名
上演
ゴーシュ上演150回記念招待公演
「セロ弾きのゴーシュ」
H23/11/20
松江市
しいの実シアター
34名
132名
稽古
公開
「セロ弾きのゴーシュ」 稽古公開
H23/5~11
松江市
しいの実シアター
-
約80名
稽古
公開
きてみてやくも収穫祭
「セロ弾きのゴーシュ」 稽古公開
H23/11/13
松江市
しいの実シアター
17名
357名
②スタッフ活動
スタッフ
業務
ホーランエンヤ馬潟地区化粧
H23/4/29
松江市
馬潟地区
3名
不特定
多数
スタッフ
業務
ハンバートハンバートコンサート
「シイノミ・オデオン」
H23/10/8、10
松江市
しいの実シアター
延べ
2名
260名
スタッフ
業務
松江地区高校演劇部合同公演
「リービング・スクール」
H24/3/17~18
松江市
しいの実シアター
延べ
2名
約100名
スタッフ
業務
演劇集団きらめき弾
「サイユウキ」 ~一夜物語~
H24/3/17~18
松江市
しいの実シアター
延べ
2名
約80名
H23/8/30
松江市
田部モデルハウス
1名
不特定
多数
H23/12/15
H24/3/11、19、
20、21、22、24
雲南市各地、
松江市
しいの実シアター他
延べ
44名
不特定
多数
H23/4~H24/3
(11回)
NHK広島放送局
延べ
11名
不特定
多数
③外部の仕事
CM
出演
株式会社田部
次世代冷暖システム「光冷暖ハウス」CM
出演
TSKエンタープライズ
コーディ
島根県立古代出雲歴史博物館
ネート
「ヤマタノオロチ神話への旅」
詳
ラジオ
出演
詳
NHKラジオ 「おはよう中国」
文化情報 (演劇)
9
①
演
劇
公
演
の
制
作
と
上
演
2
0
1
1
年
度
事
業
報
告
文化庁 平成23年度優れた劇場・音楽堂からの創造発信事業
しいの実シアター開館15周年記念・あしぶえ創立45周年記念公演
「セロ弾きのゴーシュ」
概 要
日時:2011(平成23)年
6月12日(日) 11:00~12:10、14:30~15:40
6月25日(土) 20:00~21:10
6月26日(日) 11:00~12:10、14:30~15:40
7月09日(土) 20:00~21:10
7月10日(日) 11:00~12:10、14:30~15:40
合計8回
会場:しいの実シアター
入場者数:959名(大人647名、子ども312名)
取組み①⑦
成 果
「しいの実シアター」が開館 15周
19歳以上の観劇料を半額の 1,000円にしたこと
年、指定管理者である演劇創造
や、子供会、老人会などの団体観劇を誘客した結
団体「あしぶえ」が創立45周年と
果、「初めてしいの実シアターを訪れた」という観客
なり、これらを記念して観劇料(大
や、「ゴーシュを観たいと思いながら機会がなかっ
人)を半額にして提供する。若い
た」という観客が多かった。また、子育て中の保護
人や子育て中の人たちの来場を
者と子どもたちによる親子観劇など、新しい客層の
促し、今後の観客増へとつなげて
開拓にもつながった。
いく。
アンケートでも、次回公演の観劇を希望する観客
が9割を超え、今後のリピーターとして期待される。
・中学以来、大人になって初めて劇を見ましたが、おもしろかったです。(20代女性)
・劇を見るのは大人になってからは未経験でしたが、劇の世界にひきこまれ、新鮮で楽しい時間で
した。(30代男性)
・おととし初めて見て、7歳の子どもがまた見たいと言っていたので(今回の観劇が)実現しまし
た。今回は鹿児島から母も呼んで家族で観劇しました。(40代女性)
・何度か聞いていたが、初めて観劇した。我が子と楽しい時が過ごせ、うれしかった。
(40代女性)
・以前から機会があれば見たいと思っていました。楽しく拝見しました。(50代女性)
取組み②
成 果
開演前と終演後に演出家による
公演の前後に解説を行うことで、作品に対する理
作品解説を入れて、作品の深さ
解度がより深まり、喜ばれた。アンケートでも、8割
を伝え、演劇への親しみを拡げて
以上の観客がよかったと回答した。
いく。
・ゴーシュや動物の気持ちがよくわかった。(小学生男子)
・奥が深い。話の中の本当の理由などが知れてよかったです。(中学生男子)
・アフタースピーチは、聞きたい人もいれば、終わって自分なりに解釈したい人もいると思います
が、私は演出の方の思いが聞けてうれしかったです。(20代女性)
・宮沢賢治の難しさを、解説があることで、少しわかった気がします。アフタースピーチを聞くこ
とで、また見てみたいという気持ちになりました。(40代女性)
・アフタースピーチがあり、よりよく判って、必要なことだと思った。(70代女性)
10
取組み③④
成 果
土曜日の夜公演や、字幕付きの
土曜20時からの公演では、日中と夜では劇場周
公演など、工夫することで観客の
辺の雰囲気なども異なり、観客の観劇気分を盛り
幅や層を拡げる。
上げるなどの相乗効果が見られた。
公演最終日には、舞台装置の中に日本語字幕を
投影して2ステージ上演した。聴覚障がいの方や音
が聞きづらくなっている高齢者に好評であった。
・
(夜公演だったので)遠くからオレンジ色の建物を照らす明かりが見えてきてわくわくした。
(20
代男性)
・夜の公演があるのはいい。(20代女性)
・耳の悪い方にもわかりやすいよう字幕もあり、誰にでもわかりやすく楽しめることができて、よ
かった。(30代女性)
・障がい者の方もいらしたので、字幕が出ているのはよかった。大変わかりやすく、意味が通じた
と思う。(50代女性)
アンケート回収結果
回収 685枚
回収率 71.1%
性別
年代層
男性
29%
リピート率
無記入
70 代以上 5% 10 代以下
14%
7%
20 代
60 代
7%
12%
無記入
50%
30 代
19%
50 代
18%
女性
71%
初めて
33%
40 代
18%
公演の感想
リピーター
17%
アフタースピーチ
無記入
5%
次回の公演を
無記入
8%
無記入
13%
ふつう
4%
よかった
20%
とても
よかった
75%
とても
よかった
55%
よかった
28%
観たい
37%
ぜひ
観たい
55%
すぐ眼の前で繰り広げられる舞台に
どの子どもたちも釘付けになるしいの実シアター
「セロ弾きのゴーシュ」しいの実シアター公演
11
①
演
劇
公
演
の
制
作
と
上
演
2
0
1
1
年
度
事
業
報
告
文化庁 平成23年度優れた劇場・音楽堂からの創造発信事業
しいの実シアターからのアウトリーチ公演
「セロ弾きのゴーシュ」とあしぶえ★金星音楽団の演奏会
概 要
実施日時:2011(平成23)年7月24日(日)
第一部 「あしぶえ★金星音楽団」の演奏会:14:30~15:00
第二部 「セロ弾きのゴーシュ」上演:15:15~15:45
実施会場:島根県民会館 中ホール
入場者数:516名(大人426名、子ども90名)
取組み⑤⑥
成 果
2010(平成22)年度「セロ弾きの
ユニバーサルバージョン製作にあたり、作曲を依頼
ゴーシュ」を新しく創り直した際、
した松江市在住の斉藤浩氏に第一部の構成と進
楽手役の演奏を「録音」という形
行を依頼した。短い時間の中で、「ゴーシュ」の劇中
で協力したチェリストの林裕氏ら
で使用される曲の解説や楽器を紹介してもらい、
関西等の演奏家(名付けて「あし
質の高い生の演奏に触れる機会の少ない地方に
ぶえ★金星音楽団」)を招き、ゴー
あっては、観客にとても喜ばれた。また、演奏内容
シュ上演の前に「第一部」として
も「ゴーシュ」に連動していたため、観客の観劇導入
作品中の音楽を演奏し、多様な
として、よい効果をもたらした。
観客を集客する。
・とにかくすごかった。初めてオーケストラを見たけど、初めてがこれでよかった。他のオーケス
トラも見たくなった。(高校生男子)
・ゴーシュの音楽を生で演奏してもらえるとてもぜいたくな時間でした。音楽を聞いて劇を見たの
で、ゴーシュの世界がより身近になりました。(20代女性)
・田園は、8人で弾いているとは思えないほどの迫力がありました。なかなか聴く機会が無いので、
よい経験になりました。それとともに、いやされました。すてきな音色でした。(20代女性)
・解説もとてもわかりやすくよかったです。(40代男性)
・音楽と劇の関係をわかりやすく紹介してもらい、劇に入りやすかった。(50代女性)
取組み⑦
成 果
第二部として、「セロ弾きのゴ
交通の便がよく、地域住民が観劇しやすい環境を提供
ーシュ」を上演する。開演前と
するため、2003(平成15)年以来8年ぶりに島根県民
終演後に、大きな劇場と小さ
会館での公演を行った。開場して10分ほどで会場は
な劇場の魅力を語り、小さな
満席となった。
劇場であるしいの実シアター
本番では、小劇場のしいの実シアターとは異なる照明
での観劇の楽しさを伝え、今
の効果の美しさや、公演前後にスピーチで県民会館公
後の集客につなげていくアウ
演での魅力と、しいの実シアターでの違いを解説した。
トリーチ公演とする。
その結果、同じ作品でも両劇場で観劇したという観客
も多数見受けられた。アンケートでも、しいの実シアター
に来場経験のない観客のほとんどが「行ってみたい」と
いう結果で、アウトリーチの効果が期待できる。
12
・しいの実シアターとはちがった大きなステージでした。非常に豊かな演出、音楽で、素晴らしか
ったと思いました。(高校生男子)
・小学生のころ、あしぶえのゴーシュを見ました。その時は小さな劇場で、役者の方々の激しい息
づかいを感じ、とても衝撃を受けました。演劇の楽しさを知ったのがこの作品でした。今回、数
年ぶりにまた観ることができ、とてもうれしく思いました。(20代女性)
・しいの実シアターと比べて広い会場でどうかとも思いましたが、それなりの距離間で、あわせて
多くの人が楽しめることの意味もあると思いました。(40代女性)
・かつて藤岡大拙さんが「あしぶえのセロ弾きのゴーシュ」は常に進化(深化)しているという言
葉を思い出して、まさにその通りだと思いました。(60代男性)
アンケート回収結果
回収 328枚
回収率 63.3%
性別
演奏会の感想(大人)
公演の感想(大人)
ふつう 無記入
4%
1%
ふつう 無記入
6%
2%
よかった
14%
男性
27%
よかった
25%
とても
よかった
70%
女性
73%
年齢層
演奏会の感想(子ども)
無記入
小学生以下
70代以上 2%
14%
13%
中学生~19歳
6%
60代
20代
17%
8%
30代
50代
11%
15%
40代
14%
とても
よかった
78%
あまり
よくない
7%
公演の感想(子ども)
無記入
9%
無記入
9%
とても
よかった
43%
よかった
41%
よかった
25%
とても
よかった
66%
とても
わかりやすいと
好評だった
「アフタースピーチ」
「あしぶえ★金星音楽団」と劇団員
「セロ弾きのゴーシュ」島根県民会館公演
開場 10 分で
満席になった客席
13
①
演
劇
公
演
の
制
作
と
上
演
2
0
1
1
年
度
事
業
報
告
園山土筆 3年間のNHKラジオ出演 終了
「演劇や表現・コミュニケーションなどについて、自由に話してください」との依頼で始
めたNHKラジオの「おはよう中国」出演。
「通勤の車の中で聞いています」という反応に
励まされて33回続きました。聞いてくださった皆さん、3年間ありがとうございました。
放送年月日
2009年
放送内容
4月 27日
山口県・下関少年少女合唱隊〔地震のため中断〕
5月 25日
まつえ市民大学コミュニケーションワークショップ
6月 22日
広島市・劇団月曜会「ブレーメンの音楽隊」
7月 27日
島根県・むらくも座ほか伝統芸能隠岐公演
8月 24日
鳥取市・鳥の劇場の「鳥の演劇祭」
9月 28日
松江市・あしぶえの「おこんの初恋」
10月 26日
米子市・演劇 Project Bee「頭の中の千匹の蜂」
11月 23日 「人前で上がらないようにするためには」
12月 28日 「観客が役者を育てる」
2010年
1月 25日
松江市・「セロ弾きのゴーシュ」のユニバーサルバージョン
2月 22日 「暮らしの中で当たり前のように使われている演劇専門用語」
3月 22日 「誰でも何気なく使っている演劇専門用語」
4月 26日
広島市・五日市中学校コミュニケーション授業
5月 24日 「心打たれたお葬式の話」
6月 28日
鳥取市・鳥の劇場
べセト演劇祭
7月 26日
沖縄県・キジムナーフェスタ
8月 23日
松江市・「セロ弾きのゴーシュ」無料公演
9月 27日 「今話題の劇場法と優れた劇場」
10月 25日 「八雲国際演劇祭」
11月 22日 「ファンドレイジング(資金調達)とは」
12月 27日 「出雲阿国の顕彰碑」
2011年
1月 31日
松江市・新感覚紙芝居
2月 28日
技術トラブルのため、放送できず
3月 28日
東日本大震災の余震のため中止
4月 25日
選挙のため中止
5月
よしととひうた
9日 「演劇は心の食べ物」
6月 13日
松江市・「セロ弾きのゴーシュ」完成版
7月 11日 「演劇の鑑賞の仕方について」
8月
8日
9月 12日
2012年
鳥取市・鳥の劇場の「鳥の演劇祭」
岡山市・移動演劇「宮本常一への旅」
10月 10日
松江市・高知市・カナダからやってきた「ひつじ」公演
11月 14日
広島市・二人芝居「バラック」
12月 12日
松江市・Yプロジェクト「ケータイ・クローン」
1月 23日 「劇場の緞帳について」
2月 20日 「役者はお客様によって育てられる」
3月 19日
出雲市・古事記1300年「ヤマタノオロチ」
14
島根県立古代出雲歴史博物館製作 神話シアター上映作品に出演
ヤマタノオロチ神話への旅 ーある僧の眼に映った出雲ー
現存する日本最古の歴史書である古事記が編纂されて1300年になります。古事記の上巻
の約3分の1は、出雲地方にまつわる神話で占められているため、島根県では、
「神々の国
しまね」として、様々な催事を企画されました。
その中で、島根県立古代出雲歴史博物館の中にある「神話シアター」で、新しい解釈の「ヤ
マタノオロチ神話」が放映されることになり、これに伴って、TSKエンタープライズ株式
会社から、「俳優手配」と「演技監修」に協力してほしい旨の依頼がありました。
「今までの映像は東京で作っていたが、今回島根で初めてつくる映像なので、ぜひとも上
質な作品にしたい」という言葉に突き動かされて、古代出雲歴史博物館、TSKエンタープ
ライズとの協働作業に関わり、このほど、完成しました。
2012(平成24)年7月21日からはじまる「神話博しまね」にお出かけの際は、館内の神話
シアターもご覧ください。(上映時間20分)
スサノヲノミコト役 中井敏哉
イナダヒメ役 小川寛子
テナヅチ役
津田恵一郎、アシナヅチ役
有田美由樹
演技監修の園山土筆も
衣裳をつけてみました
李庵光通役
京極政経役
小岩崎里瑠
15
岩崎徹、住人役
柏木直人
①
演
劇
公
演
の
制
作
と
上
演
2
0
1
1
年
度
事
業
報
告
② 表現・コミュニケーション能力育成のための事業
この事業の目標
コミュニケーション力の向上
社会の現状
「コミュニケーション」は、人と人とが向き合って交流することで生まれます。
しかし、近年、パソコン、テレビゲーム、携帯電話やスマートフォンなどIT機
器のめざましい普及によって、人と向き合う機会がどんどん減っています。
核家族化も起因のひとつです。
その結果、「中学校に入学しても友達ができない」「職場で悩みがあっても
人に相談することができない」「毎日パソコンに向かって仕事をしているだ
け」といった声を多く耳にします。
取組み
こういった声に対応するため、コミュニケーションワークショップの講師とし
て、学校、企業、地域へ出かけて行き、2011(平成23)年度は、55回、のべ
2,200人の方にワークショップを提供しました。
16
2011(平成23)年度の活動は次のとおりです。詳が付いている活動は、次ページ以降に詳記しています。
実施日時
実施場所
従事者
の人数
受益者
の人数
①学校
講師
詳
松江市立八雲小学校
(3年生2クラス×12回/年間48時間)
H23/6~12
松江市立
八雲小学校
延べ
24名
延べ
960名
講師
安来市立荒島小学校
(4年生2クラス×3回)
H23/6/15、
7/7、10/19
安来市立
荒島小学校
延べ
3名
延べ
135名
講師
詳
松江市立鹿島中学校(2年生2クラス×3回)
文化庁委託
(次代を担う子どもの文化芸術体験事業)
H23/6/29、
7/13、9/14
松江市立
鹿島中学校
延べ
6名
延べ
180名
講師
広島市立五日市中学校
(1年生9クラス)
H23/4/14、15
広島市立
五日市中学校
延べ
9名
330名
講師
2011夏期演劇講習会
(島根県内高校演劇部対象)
H23/8/10
島根県立
松江商業高校
2名
78名
講師
詳
「松江発-『表現・コミュニケーション』ワーク
ショップ・プログラムの開発」(平成23年度島
根県立大学地域貢献プロジェクト)
H23/7/27、
8/18、10/21
松江市
しいの実シアター
延べ
6名
延べ
41名
講師
島根県消防学校
消防職員専科救急科 13期生
H23/11/16
松江市
島根県消防学校
2名
50名
②地域、PTA、企業、その他
講師
北九州市立大学 島根支部同窓会
「コミュニケーションワークショップ」
H23/4/23
松江市
松江東急イン
1名
21名
講師
まつえ市民大学シニアコース
「コミュニケーションワークショップ」
H23/5/20
松江市
市民活動センター
2名
60名
講師
まつえ市民大学ふるさと発見コース
「コミュニケーションワークショップ」
H23/5/31
松江市
市民活動センター
2名
60名
講師
八雲児童センター どんぐり館 星きらクラブ
H23/6/7、9/6
親子表現ワークショップ
松江市
どんぐり館
延べ
2名
延べ
61名
講師
松江市上乃木宇賀1区自治会
なごやか会
H23/6/25
松江市
乃木公民館
1名
23名
講師
社団法人日本介護福祉養成施設協会
平成23年度中国四国ブロック研修会
H23/9/15
松江市
松江東急イン
3名
80名
講師
島根県看護協会助産師職能委員会
「新人助産師卒後教育研修」
H23/9/19
出雲市
島根県立中央病院
1名
20名
講師
ITC米子クラブ 第27期10月例会
講演およびワークショップ
H23/10/12
鳥取県米子市
米子全日空ホテル
1名
15名
講師
山陰合同銀行 津田支店
コミュニケーションワークショップ
(八雲国際演劇祭事業と連動)
H23/11/29
松江市
山陰合同銀行
津田支店
1名
18名
講師
株式会社さんびる 教育合同研修
「コミュニケーションワークショップ」
(八雲国際演劇祭事業と連動)
H24/1/31
松江市
島根県民会館
1名
32名
講師
大田市立仁摩小学校中学校
PTA合同研修会
H24/2/12
大田市
仁摩中学校
3名
71名
講演
島根県PTA連合会 母親委員会研修会
「家庭・学校・地域の連携づくりについて」
H23/10/1
大田市
男女共同参画センター
1名
15名
17
②
2
0
1
1
年
度
事
業
報
告
松江市立八雲小学校
「あしぶえタイム」
概 要
対象:3年生 80名
期間:2011(平成23)年6月~12月
1回2時間×2クラス×11回、およびしいの実シアターでの発表会
取組み
成 果
3年生の総合的な学習。前半はコ
10年目の事業。
ミュニケーション力や表現力を図
毎年、なかなか自分を表現できなかったり、特定の
るゲーム、後半は劇づくりを行い、
児童としか交流が取れなかった児童が、他の授業
最後にしいの実シアターで保護者
でも積極的に発表するようになったり、多くの友達
や地域の人たちを招いて劇を発
と交流できたりするようになったと、担任の先生か
表している。その過程を通して、子
ら報告がある。また、高学年での行事では寸劇を
どもたちは「羞恥心」や「緊張」な
行うなど、3年生での劇づくりの経験が学校生活に
どのさまざまなコミュニケーション
活かされている。
の壁を乗り越えていく。
文化庁委託
平成23年度次代を担う子どもの文化芸術体験事業
松江市立鹿島中学校
「総合的な学習の時間・ピ鹿中タイム」
概 要
実施対象:2年生 60名
実施期間:2011(平成23)年6、7、9月、1回2時間×2クラス×3回
取組み
成 果
2年生が修学旅行先の街中で、
6年目の事業。
松江のPRをする課題を行ってい
中学2年生は、ちょうど思春期とも重なり、性差や
るが、見知らぬ人たちに声を掛け
羞恥心なども強く感じる年代であり導入には時間
たり、コミュニケーションをとること
がかかるが、次第にコミュニケーションが取れるよう
が難しくなっていることから、修学
になっていった。修学旅行先でも、全員がインタビ
旅行前にワークショップで、コミュ
ューを行い、それぞれに成果を得たようである。ま
ニケーション力やインタビュー力を
た、自分たちの暮らす松江や鹿島町のことを見直
育成する。
すためのきっかけにもなっている。
18
2011(平成23)年度島根県立大学地域貢献プロジェクト
「松江発-『表現とコミュニケーション』ワークショップ・プログラムの開発」
概 要
プロジェクトメンバー:島根県立大学短期大学部、松江市健康福祉部子育て課、あしぶえ
2011(平成23)年7月 事前のプログラム打ち合わせ
2011(平成23)年8月、10月 2回ワークショップを行い、プログラム内容についての検討
取組み
成 果
松江市内で働く、経験年数3年未
保育所や幼稚園では、多くの保育専門職員が勤
満の保育者の離職者が少なくな
務しているが、全国的に初任者の離職者が多いこ
いことから、島根県立大学短期大
とが懸念されている。松江でも、アンケートの結果
学部、松江市子育て課とあしぶえ
から、初任者の2割弱が不安や悩みを抱えているこ
が力を合わせ若い保育者の卒後
とが明らかになった。
養成に焦点を当てた研修プログ
経験年数3年未満の保育士を対象に、「表現力」や
ラムを開発する。
「コミュニケーション力」を高め、専門職としての資
質向上を図る目的でプログラムを考案し、実施・検
討を行った。最初は緊張していた参加者も、プログ
ラムが進むにつれ、また1回目よりも2回目の方が、
心も体も自由に解放され笑顔になり、他の参加者
と打ち解けていた。
3月には、実施した内容をまとめた冊子が発行され
た。
感想(冊子より抜粋)
・仲良くなれたことや共有できる仲間ができたことがうれしいと感じました。自分の素を出すこと
や、恥を捨てることで仲が深まることを改めて感じた。話をしたり、自分の意見を伝えることが
でき、より自信がついたように思います。(20歳)
・失敗しても大丈夫というか、知らないことに関しても恥ずかしがらずに聞けると思った。人に受
け入れてもらえたことで、より感じることができた。人前に出ることの気持ちよさに、私を見て、
と前に出ることが楽しいと感じられた。(21歳)
・1回目は、不安と緊張が心の大部分を埋めていましたが、2回目は「楽しみ!」という気持ちが
大きかったです。1回目は、表現するゲームは「恥ずかしい・・・」と思ってあまりしたくあり
ませんでした。しかし、2回目は恥ずかしさが無くなって、思いっきり自分らしさを出してゲー
ムに参加することができ、「表現って楽しいな」と思えました。(24歳)
この事業の報告書が完成しました(カラー版、A4、20 ページ)。
ご希望の方は、あしぶえまでお申し出ください。
19
②
2
0
1
1
年
事
業
報
告
③ しいの実シアターの管理・運営事業
この事業の目標
しいの実シアターを市民が親しむ劇場に
社会の現状
松江市立劇場である「しいの実シアター」の設置目的は、「恵まれた自然環
境の中で、演劇を通じて市民の文化の向上と情操の涵養を図り、かつ、八
雲町の演劇文化の拠点となる」ことです。
これにより、シアターが完成した1995(平成7)年から演劇公演を続けていま
すが、これからは、八雲町はもとより松江市内全域、また県内、国内からの
誘客を図っていくことが求められています。
取組み
あしぶえでは、指定管理者として「しいの実シアター」の設置目的に沿って、
演劇公演の制作と上演、表現・コミュニケーション能力育成のための事業、
八雲国際演劇祭の運営に関わる事業を有機的に展開させています。
特に、少子高齢化に伴って、子どもと高齢者を対象に、国内外の良質の作
品を提供していきます。
20
2011(平成23)年度の活動は次のとおりです。
詳が付いている活動については、次ページ以降に詳記しています。
実施日時
実施場所
従事者
の人数
受益者
の人数
事業
東北大震災復興のための
ヴァイオリンとツィンバロンによる
チャリティコンサート
H23/4/12
松江市
しいの実シアター
14名
86名
事業
あしぶえ創立45周年記念特別公演
しいの実シアター開館15周年記念公演
「セロ弾きのゴーシュ」
H23/
6/12、25、26、
7/9、10
松江市
しいの実シアター
延べ
256名
959名
事業
詳
永野むつみ講演会
「感動すること・育つこと」
H23/8/5
松江市
しいの実シアター
7名
77名
事業
詳
永野むつみワークショップ
「片手人形の操作の可能性を探る」
H23/8/6
松江市
しいの実シアター
6名
16名
事業
詳
海外秀作鑑賞事業
カナダCorpus 「ひつじ」
H23/11/6、8、9
松江市
しいの実シアター
芝生の広場
延べ
63名
821名
事業
海外秀作鑑賞事業
カナダCorpus 「ひつじ」 プロデュース
H23/11/3
高知市
高知県立美術館
-
-
事業
海外秀作鑑賞事業
カナダCorpus 「ひつじ」 プロデュース
H23/11/5
松江市
メテオホール
-
-
事業
ゴーシュ上演150回記念招待公演
「セロ弾きのゴーシュ」
H23/11/20
松江市
しいの実シアター
34名
132名
事業
アートマネージメント育成研修会
清水愼一氏 「しいの実シアターの活動を集 H24/4/6
客(観光)とつなげるには」
松江市
しいの実シアター
-
7名
事業
松江市立八雲中学校 1年生
「地域を知る学習」 シアター見学
H23/7/5
松江市
しいの実シアター
1名
4名
事業
広島市立安佐中学校 3年生
「職場体験学習」
H23/6/25~29
松江市
しいの実シアター
8名
1名
事業
八雲子育て支援センター シアター見学
H23/4/27
松江市
しいの実シアター
5名
29名
事業
八雲児童クラブ シアター見学
H23/7/28
松江市
しいの実シアター
5名
45名
貸館
事業
ハンバートハンバートコンサート
「シイノミ・オデオン」
H23/10/8、10
松江市
しいの実シアター
延べ
2名
延べ
260名
貸館
事業
松江地区高校演劇部合同公演
「リービング・スクール」
H24/3/17~18
松江市
しいの実シアター
延べ
2名
120名
貸館
事業
演劇集団きらめき弾
「サイユウキ」 ~一夜物語~
H24/3/17~18
松江市
しいの実シアター
延べ
2名
110名
管理
ボランティアによるシアター草刈り
H23/6/18
松江市
しいの実シアター
22名
不特定
多数
管理
平原あしぶえ会による草刈りボランティア
H23/11/3
松江市
しいの実シアター
56名
不特定
多数
管理
ボランティアによるシアター落ち葉集め
H23/12/11
松江市
しいの実シアター
26名
不特定
多数
21
③
し
い
の
実
シ
ア
タ
ー
の
管
理
・
運
営
2
0
1
1
年
度
事
業
報
告
文化庁 平成23年度優れた劇場・音楽堂からの創造発信事業
中海カナダ協会助成事業
ひつじ (カナダ・コーパス)
概 要
日時:2011(平成23)年 11月6日(日)①11:00~11:30、②14:00~14:30
11月8日(火)③11:00~11:30、④14:00~14:30
11月9日(水)⑤11:00~11:30、⑥14:00~14:30
合計6回
会場: ①②③は雨天のため、しいの実シアター(劇場内公演)
④⑤⑥は、しいの実シアター 芝生の広場(野外公演)
入場者数:821名(大人341名、子ども480名)
取組み①
成果①
「ひつじ」は、0歳から高齢者まで、観る
団体観劇も積極的に募集し、普段「演劇」に
だけで楽しいという作品。自然豊かな
関心のない人たちの観劇も多かった。上演中
「しいの実シアター」屋外の広場に、ひ
の反応も大変よく、観客の感想の95%が「と
つじ牧場を作って上演する。自然の中
てもよかった」「よかった」であった。
での観劇を味わうと同時に、子どもた
海外劇団の上演は、2013(平成25)年開催
ちがひつじと触れ合い、大人はその様
の「第5回八雲国際演劇祭」への創客・誘客
子を見て楽しむという二重の楽しさを
にもつながった。しいの実シアター初の野外公
提供する。0歳からの「アートスタート」
演だったが、今後の上演方法の多様性に大き
にふさわしい作品である。
な可能性を得た。
取組み②
成果②
高知県立美術館との連携事業とし、
海外の優秀劇団を招聘することができ、地域
経費を按分することにより、海外の優
住民に質の高い作品を提供することができ
秀な劇団を効率よく招聘する他、松江
た。また、他施設との連携事業とすることで、
市の施設間連携として美保関のメテ
海外劇団招聘の効率を高めることができた。
オホールにも協力を依頼し、より多くの
地方での海外劇団招聘を単独で行うことは
松江市民に観劇の機会を提供する。
容易ではないため、八雲国際演劇祭開催の
参考にもできる事例となった。
公演の感想
よかった
11%
ふつう
4%
とても
よかった
85%
22
文化庁 平成23年度優れた劇場・音楽堂からの創造発信事業
③
し
い
の
実
シ
ア
タ
ー
の
管
理
・
運
営
永野むつみの講演と人形劇ワークショップ
概 要
永野むつみ講演会
日時:2011(平成23)年8月5日(金)15:00~16:30
会場:しいの実シアター
入場者数:77名
人形劇ワークショップ
日時:2011(平成23)年8月6日(土)14:00~16:00
会場:しいの実シアター
入場者数:16名
取組み
成 果
人形劇の登場人物の心情を実に細や
一般の市民への事業周知の他、松江市子育
かに演じる「人形劇団ひぽぽたあむ」。
て課との連携により、市内の保育園・幼稚園
この劇団の代表で、主演女優の永野
職員にも参加を呼びかけることにより、幅広い
むつみ氏の講演は、独特の話術で語
聴衆の参加があった。
られ多くの人の心を捉えて離さない。
また、人形劇ワークショップでは、講師の永野
「小さいときから感動することの大切
氏によるじっくりと時間をかけた人形操作の
さ」を伝え、そこから「本当の育ちが始
指導により、「保育現場に戻ってすぐに役立
まる」ことを伝えていく。
つ」と顧客ニーズに応えることができた。
・大変感動しました。永野さんのお話、とっても笑いあり、涙ありの舞台を見ているような講演会
でした。(20代女性)
・お話に引き込まれて、心から感動しました。子どものころ、自然の中で遅くまで外で遊んでいた
ことを思い出します。そうだったんだと改めて思うこと、自分の親とのかかわり、そして今、子
どもを育てる親になって、この子たちと一緒に感動したり、泣いたり、怒ったりできることを、
楽しみながら過ごしていきたいと思います。(40代女性)
講演の感想
よかった
41%
とても
よかった
58%
23
2
0
1
1
年
度
事
業
報
告
④ 八雲国際演劇祭の運営に関わる事業
この事業の目標
「八雲国際演劇祭」で人づくり・まちづくりを
社会の現状
「国際化」の時代がやってくるといわれて久しくなりますが、私たちが暮らす
地域では「国際化」を実感として感じることはあまりありません。
しかし、今後はまぎれもなく国際化の波が押し寄せてくるでしょう。島根でも、
学校、職場、地域でさまざまな国の人たちと共に学び、共に働き、共に暮ら
していくことになります。
けれども、言葉が違い、文化や習慣が違うということは、共に暮らす上で大
きな障害になり、誤解や不信感が生まれたりします。
取組み
「八雲国際演劇祭」は、演劇のフェスティバルですが、実は、「開催目的」
やボランティスタッフ用の「活動の指針」はもちろんのこと、運営の進め方は
あらかじめ国際化時代に通用する内容に作成されています。
ですから地域の人々がボランティアスタッフとなって演劇祭の準備・開催・
振り返りを丁寧に行っていけば、言語の違いや文化の違いを受け入れて
共に暮らしていけるようなまちづくりができると考えています。
2011(平成23)年度は、「第4回」の開催後年であり、「ふりかえり」と「第5回
のPR」を中心に行いました。
24
④
2011(平成23)年度の活動は次のとおりです。
実施日時
実施場所
従事者
の人数
受益者
の人数
事業
異業種交流会
「『八雲国際演劇祭』を通して
新しいつながりができる集い」
H23/9/7
松江市
まつえテルサ
11名
49名
事業
株式会社山陰合同銀行 津田支店
コミュニケーションワークショップ
H23/11/29
山陰合同銀行
津田支店
1名
18名
事業
株式会社さんびる 教育合同研修
「コミュニケーションワークショップ」
H24/1/31
松江市
島根県民会館
1名
32名
事業
Jeff Lippold 氏 講演会
「通訳・・・?する人、される人、聞く人の
こまった話、おもしろ話」
H24/3/10
松江市
しいの実シアター
3名
24名
事業
Jeff Lippold 氏 講演会
「ジェフの見た出雲人」
H24/3/11
松江市
かやぶき交流館
3名
延べ
28名
活動
「ふりかえり会」の実施
H23/4~H24/3
松江市
しいの実シアター他
2~4名
-
活動PR
「第4回八雲国際演劇祭」の記録誌配付
およびPR活動
H23/4~H24/3
国内
6名
不特定
多数
活動PR
山陰中央新報社
プレスミーティング
H23/11/4
松江市
八雲社会福祉センター
1名
10名
活動PR
中海カナダ協会懇親会
カナダ大使館
ローリー・ピーターズ参事官(広報部長)
H24/2/1
鳥取県米子市
米子全日空ホテル
1名
約80名
活動PR
ブルガリアの夕べ
ブルガリア大使館
ダニエラ・ニコラヴァ三等書記官
H24/3/6
松江市
ホテル一畑
2名
約250名
原稿
「地域づくり」 7月号
国際演劇祭による「地域力」の涵養 ボラン
ティアスタッフが創る「八雲国際演劇祭」
H23/7/1
東京
地域活性化センター
1名
不特定
多数
講演
文化庁 全国公立文化施設協会
「新しい公共を支える文化パートナーシップ
の形成へ」
H24/2/16
東京
オリンピックセンター
1名
130名
講演
宍道湖ロータリークラブ
卓話「演劇による人づくり・まちづくり」
H24/2/28
松江市
すいてんかく
1名
64名
講演
広島未来都市創造財団
「八雲国際演劇祭のボランティアスタイル」
H24/3/14
広島市
アステールプラザ
1名
41名
研修
日本ファンドレイジング協会
ファンドレイジング日本2011
H24/2/5~6
東京
日本財団ビル
2名
-
会議
企画委員会
H23/8/30
松江市
松江市役所
17名
-
25
サポート会の活動
2011(H23)年度のサポート会員は個人・団体合わせて251名/団体でした。
その中のメンバーでつくる「サポート会事務局」で、毎月話し合いを行い、さまざまな活動を
展開しています。
▼
日時 毎月第1月曜日 19:30から2時間程度
▼
サポート月例会
会場 しいの実シアター
▼
メンバー 会社員、公務員、主婦など20代から70代まで
年齢、職種ともさまざまな女性11名、男性2名の合計13名。
▼
2
0
1
1
年
度
事
業
報
告
内容 サポート活動についての話し合いが、和気あいあいと賑やかに行われています。
公演当日のサポート
 2011(平成23)年6月~7月
「セロ弾きのゴーシュ」しいの実シアター公演
 2011(平成23)年7月24日
「セロ弾きのゴーシュ」島根県民会館公演
 2011(平成23)年11月6~9日 「ひつじ」しいの実シアター公演
 2011(平成23)年11月20日
「セロ弾きのゴーシュ」150回記念招待公演
2011(平成23)年度は、上記公演の表方や駐車場などのサポート活動を行いました。
新しくボランティアサポートメンバーとして参加される方も増えてきました。また、小
中学生のボランティアメンバーもアンケート配りやグッズ販売などで活躍しています。
お客さまに対応する受付担当
アンケート配りをする小中学生のボランティア
26
サ
ポ
ー
ト
会
の
活
動
駐車の苦手な人には、駐車場係は頼もしい限り
短い時間で手際よく
アンケートを準備していきます
開場前に打ち合わせをするフロントメンバー
県民会館では、グッズ売り場も手づくりです
シアター草刈り
 ボランティアによる草刈り:2011(平成23)年6月18日(日)
 平原あしぶえ会とボランティアによる草刈り:2011(平成23)年11月3日(木)
多くの新しいボランティアのみなさんにもご協力いただき、初夏と秋にシアターの草
刈りを行いました。ご協力、ありがとうございました。
11 月の草刈りボランティアメンバー(八雲町平原地区、市内外から参加)
6 月の草刈りボランティアメンバー(市内から参加)
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法人全体の運営
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年
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業
報
告
2011(平成23)年3月31日現在、
あしぶえの正会員は個人82名、団体9件、創造活動会員16名、
そして、あしぶえを応援してくださるサポート会員は個人242名、団体9件です。
今回の事業報告書では、会員のみなさまのお名前を掲載させていただくことにしました
(63ページ)。北海道から九州まで、日本全国の方に支えられ、応援していただいている
ことに、改めて厚くお礼申し上げます。誠にありがとうございます。
● 「第6回通常社員総会」を開催しました
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2011(平成23)年5月15日(日)13:00~15:00
しいの実シアターで開催。2010(平成22)年度の事業報告、決算報告、会費報告、
2011(平成23)年度の事業計画、収支予算等についての承認を行いました。
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● 理事会を開催しました
第49回 2011(平成23)/5/6(金)、第50回 2011(平成23)/5/13(金)、
第51回 2011(平成23)/5/24(火)、第52回 2011(平成23)/7/27(水)、
第53回 2012(平成24)/3/8(木)
理事11名で、計5回の理事会を開催しました。
NPO運営について、さまざまな話し合いを行いました。
東日本大震災チャリティコンサートを開催しました
【日時】2011(平成23)年4月12日(火)
【会場】しいの実シアター
【主催】ツィンバロン・アートジャパン、NPO法人あしぶえ
東日本大震災の復興のため、松江市在住のツィンバロン奏者 斉藤浩氏と大阪在住の
ヴァイオリン奏者 中島慎子氏の演奏によるチャリティコンサートを開催しました。
当日は入場無料とし、ご来場いただいたみなさんからの義援金154,310円を、日本
赤十字社島根支部を通して被災地に送金しました。ご協力、ありがとうございました。
中島慎子さん(左)と斉藤浩さん(右)
たくさんの聴衆で客席はいっぱいになりました
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アートマネージメント人材育成講座を開催しました
2011(平成23)年度は、2回のアートマネージメント人材育成講座を開催し、ファン
ドレイジング(資金調達)などについての研修を行いました。
「PRについて」
【日時】2011(平成23)年8月4日(木)
【会場】しいの実シアター
【講師】松浦眞司氏、佐々木真悟氏
「ファンドレイジング研修会」
【日時】2012(平成24)年2月6日(月)
【会場】しいの実シアター
【講師】川北秀人氏
「異業種交流会」を開催しました
【日時】2011(平成23)年9月7日(水)
【会場】まつえテルサ
「『八雲国際演劇祭』を通して新しいつながりができる集い」と称し、演劇祭を応援
してくださっている方々に、「新しい出会いの場」をつくっていただくための異業種
交流会を開催しました。
当日は、定員50名に対し49名の方にお越しいただき、前半にあしぶえで行っている
コミュニケーションワークショップのゲーム、「名刺交換術」と名刺交換ゲームを行
いました。後半、ゲームで緊張が解けた後の立食パーティは大変盛り上がり、「時間
が足りなくて残念だった」という声が多く聞かれました。あしぶえでは初めての試み
でしたが、今後も改善を重ねながら開催します。
立食パーティはもっと時間がほしいと言われるほど
ゲームで見ず知らずの人とも打ち解けました
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体
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報
告
「やくもネット」の事務局を引き受けました
「八雲町内で地域振興に力を入れて活動している団体等が集い、お互いの活動を理解
し、情報を共有し、連携して、八雲町をさらに発展させること」を目的として、八雲
町の29団体がひとつになり、2012(平成24)年3月「八雲町地域振興活動団体交流
会」が結成されました。通称名は「やくもネット」に決まり、あしぶえが事務局を引
き受けることになりました。
「やくもネット」のポータルサイトを運営しています
上記「やくもネット」の情報発信ツールとしてのポータルサイト「ようこそ八雲へ」
を、2011(平成23)年10月より運営しています。
やくもネット加盟団体の活動情報や、八雲でのイベントやトピックなどの情報を発信
し、「おもてなしの里・八雲の魅力」を紹介していきます。
【URL】http://www.yakumo-net.com/
「ようこそ八雲へ」で検索してください。
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新
聞
記
事
山陰中央新報 2011年6月10日付
31
新
聞
記
事
山陰中央新報 2011年8月4日付
32
新
聞
記
事
山陰中央新報 2011年10月31日付
山陰中央新報 2011年8月24日付
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新
聞
記
事
山陰中央新報 2011年9月9日付
34
新
聞
記
事
山陰中央新報 2012年1月18日付
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特定非営利活動法人あしぶえ
事業報告書
〒690-2105 島根県松江市八雲町平原 481-1
TEL(0852)54-2400 FAX(0852)54-2411
ashibue@yitf.org http://www.yitf.org
ashibue©2012
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