相模川左岸幹線用水路「大蔵地区」事業完了

相模川左岸幹線用水路「大蔵地区」事業完了
[湘南支部]
湘南地域県政総合センター 農地課
平成 21 年に開始した農業用排水路整備事業「大蔵地区」が平成 26 年 3 月に事業完了しまし
た。サイホン入口部にある本地区は、除塵機と余水吐水門の電動化・遠隔操作化を図ったもの
です。
【事業内容】
相模原市の磯部頭首工で相模川から取水する相模川左岸幹線用水路は、茅ヶ崎市室田に至る
延長約 20km の幹線用水路です。施設は昭和 6 年から 15 年にかけ造築されたもので、現在も約
700ha の農地に水を引いています。
南下する左岸用水路の下流部、寒川町から茅ヶ崎市にさしかかる付近、左岸用水路は小出川
を越える必要があります。そのため、川の下を越す逆サイホンの構造となっており、大蔵サイ
ホンと呼ばれています。
サイホン入口部に、ゴミ流入を防ぐスクリーンが設置されていますが、スクリーンに引っか
かるゴミは土地改良区が人力で掻き上げ、その量も大量であることから、電動化と遠隔操作化
を行い、施設の安全管理、省力化を図ることとしました。
また、施設は小出川への余水吐の機能も持っていますが放水門の開閉は手動でした。台風時
など手動で開閉するのは危険であり、下流の洪水防止のため確実な開閉が必要です。除塵機と
同様に電動化、遠隔操作化を合わせて行うこととしました。
【事業経過】
平成 21 年から 25 年度にかけ 5 年間で総事業費は 9 千万円ほど、県単独事業であり年度予算
も限られている中、次のとおり工事を行いました。
平成 21 年度 実施設計
平成 22 年度 除塵機下部水路改修工事
平成 23 年度 除塵機設置工事(除塵機製作・据付、遠隔操作システム導入)
平成 24 年度 余水吐水門製作工事
平成 25 年度 水門下部水路工事、水門据付工事、遠隔操作システム改良工事
平成 15 年度にサイホン内を調査したところ、大量のゴミが溜まっており、除去した経緯があ
ります。本事業実施後はスクリーンの目幅も狭くなり、電動でゴミを除去することから、今後
は安全でまた省力化された施設管理が可能になると考えています。
[完成した除塵機と放水門]
[水路掘削時:戦前からの松杭が残存していた状況]