飼料用稲わらのヒ素問題について

飼料用稲わらのヒ素問題について
飼料中のヒ素については、配合飼料及び乾牧草(稲わらを除く)の場合、
2ppmに基準が設定されています。稲わらは7ppmに設定されています。
指導基準設定の考え方
重金属等の飼料安全法上の基準
1 豚及び牛の飼養試験において
(15~16週間連続給与)
① 2ppmのヒ素を含む飼料で牛の肝臓
のみから微量にヒ素が検出された。
②10ppmのヒ素を含む飼料を継続的
に給与してもコーデックス委員会の食用
脂肪中の残留基準(0.1ppm)を満
たす。
等を考慮して、配合飼料等(稲わらを除く)
の基準として2ppmと設定した。
(稲わらは7ppm)
2 魚粉等については、配合飼料中における
配合割合が通常10%程度であることを
考慮して7ppmに設定した
配合飼料、乾牧草等
稲わら、魚粉、
(稲わらを除く)
肉粉、肉骨粉等
・鉛
3.0ppm ・鉛
7.5ppm
・カドミウム1.0ppm ・カドミウム2.5ppm
・水銀
0.4ppm ・水銀
1.0ppm
・ヒ素
2.0ppm ・ヒ素
7.0ppm
飼料の有害物質の指導基準制定について
昭和63年10月14日 63畜B2050号
改正平成20年1月31日 19消安第12604号
ただし、「飼料分析基準」(平成7年11月15日付け畜B第16
60号)により分析すること。
稲ワラ中のヒ素含有量(ppm)
平均 2 .1 ppm
7
6
5
平均 2 .8 ppm
国産
中国産
≦2.0 :7/10
≦2.0 :10/37
平 成 1 5 年 3 月 中 旬 以 降 、稲 わ ら に ヒ 素 が 含 ま
れ て い る と い う 情 報 が 流 れ 、中 国 産 及 び 国 産 を
併せて約50点についてその実態を肥飼料検
査所が分析したところ、左図に示したように、
0 .6 ~ 6 .8 p p m の ヒ 素 が 検 出 さ れ ま し た 。
4
3
2
1
0
(2003年 肥飼料検査所の調査による)
(参考)
○ ヒ素は自然環境中に広く分布し、通常、土壌中にも含まれており、特に水田土壌に
おいて水を張った状態(還元状態)にすると稲わらに吸収されやすい。
○ 我が国で生産される畜産物のヒ素の検査については
① 食肉に関する厚生労働省の検査(米国に輸出される和牛についての肝臓及び
腎臓の検査)
② 牛乳・乳製品に関する乳業メーカーによる分析(公的検査機関に分析依頼)
の結果からは、いずれも検出限界値を超えるヒ素は検出されていない。
○ 日本人の平均のヒ素摂取量は総ヒ素量として157μg/日であるが、このうち
畜産物に由来する部分は2μg/日(摂取量全体の約1%)となっている。
なお、畜産物についての食品中のヒ素の残留基準は設定されていない。
兵庫県姫路家畜保健衛生所
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