八千代地区 - JAみのり

山 田 錦 情 報
平 成 27 年 7 月 22 日
加西農業改良普及センター
八 千 代 山 田 錦 部 会
(平成27年度 第3号)
1.生育状況と病害虫の発生
今年の梅雨は6月に降水量がやや多かったものの、7月 15 日ま
での総降水量は平年並みです。気温は6月上旬と7月上旬にやや
肌寒い日があり、日照時間は平年より長いものの、日射量が少な
い期間がありました。梅雨明けは平年並みの 7 月 20 日でした。
山田錦の生育状況は、
酒米試験地の7月 21 日の調査(表 1)では、
草丈は、ほぼ平年並み、茎数は平年よりやや少なく、葉中の窒素
濃度はやや低くなっています。病害虫はツマグロヨコバイが少し
みられます。
西脇市、多可町の主な地点の出穂日の予測は表2のとおりです。
表1 酒米試験地気象感応調査(7月 21 日調査)
稚 苗(6/5田植え)
中 苗(6/5田植え)
6月1日
6月8日
6月 15 日
2..穂 肥
西脇市
落方町
8月24日
8月27日
9月1日
西脇市
上比延
8月24日
8月27日
9月1日
西脇市
黒田庄町西沢
8月24日
8月27日
9月1日
茎数
本/㎡
葉中窒素
濃度%
草丈
cm
茎数
本/㎡
葉中窒素
濃度%
今年
平年
71
548
3.7
72
424
3.6
71
568
3.9
71
435
4.1
比(%)
100
96
95
101
97
88
☆インターネットで水稲生育予測ができます。
http://pc25.cgk.affrc.go.jp/rgp/
ml
QR コード
多可町
多可町
多可町
表 2 山田錦出穂予測(苗葉令 4.0 葉、7 月 21 日現在)
田植日
草丈
cm
中区坂本
8月25日
8月28日
9月2日
加美区寺内
8月25日
8月28日
9月2日
八千代区俵田
8月25日
8月29日
9月2日
スマートフォン版
~ 穂肥診断を行って、穂肥の時期と量を把握しよう ~
=穂肥の役割=籾の退化を防ぎ、登熟歩合を高めます。
穂肥は、出穂 20 日前(籾の退化を防ぐため)と出穂 10 日前(登熟歩合を高めるため)の2回に分けて施用するのが効果的です。
山田錦は草丈の長い品種ですので、穂肥が早すぎたり、施用量多くなると下位の節間が伸びて倒伏しやすくなります。的確な時期に
適切な量を施用することが重要です。
=穂肥診断=
(2)葉鞘の染色率(ヨード反応)で施肥量を決める
(1)幼穂長を見て出穂時期を知る
出穂前日数を知るのに一番確実
な方法は幼穂を直接確認する方法
です。診断時期は 8 月上旬です。
(方法) ほ場の中で平均的な株を
選び右図のように幼穂長を見ます。
表3
幼穂長と出穂前日数の目安
幼穂長
1 mm
1.5
2~5
8~15
80
出穂前日数
26 日前
24
20
18
12
葉鞘の染色率により、穂肥量を判
断することができます。診断時期は
7 月末~8 月上旬(出穂30日前)
(方法) 上から数えて 3 枚目の
葉を葉鞘ごと外し、右図のよう
に染色程度を観察します。
表4 ヨード反応による穂肥施肥量
の目安
葉鞘の 穂肥施肥量 2 回分合計
染色率 (窒素成分/10a)
40%
50%
60%
以上
(3)穂肥診断に基づく施肥の注意
次のような場合は、穂肥の時期を遅らせるか、施肥量を控えます。
① 葉色が濃く、葉鞘染色割合が低い場合(デンプン蓄積が少ない)
② 草丈が 85cm 以上の場合 (生育が過剰傾向である)
③ 葉いもち病が多発しているほ場(茎葉の過繁茂になって、蔓延することがある)
1.0~1.5 kg(減肥)
1.5~2.0 kg(標準)
2.0~2.5 kg
(標準~やや多め)
※ヨード液
「ヨードチンキ」を水で
10 倍に薄めたもの
3.水管理 ~ 中干し後から出穂期にかけての水管理 ~
・中干し後は足跡に水がたまっている程度の「飽水管理」とします。
・出穂期以降も足跡に水がなくなったら入れる「間断灌水」を行い、「飽水状態」を保ちます。健全な根を維持し最後まで登熟さ
せるため、早期落水は避けましょう。出穂後35日以降も籾が太りますので、水不足は減収の要因になります。
・出穂以降の入水は夕刻から行い、夜間のほ場水温や地温の引き下げに努めましょう。
4.病害虫防除 ~ 出穂前後の基幹防除は必須です ~
・穂いもち病、ウンカ類の防除は出穂前、カメムシ類の防除は出穂後に必ず実施しましょう。
・カメムシ対策として、イネ科雑草を除去し、「カメムシのすみか=イネ科雑草の穂」を作らないことが大切です。
出穂の2週間前までに畦畔等の草刈りを実施し、本田のヒエは早めに引き抜きましょう。
次回第4号(後期防除・適期刈取り)は、8月下旬に発行予定です。
連絡先
JA みのり八千代営農経済センター ℡37-0352
JAみのり営農情報
穂肥は山田錦の収量と品質向上を手助けできる最後の肥料です。しかし、量や時期を間違えると下位節間が伸び倒伏の原因と
なったりしますので、生育に応じて行うことが大切です。そのためにも穂肥診断を積極的にご活用ください。今後も天候不順が心配
されますが、基本の管理をしっかり行った上で、台風やトビイロウンカの飛来など様々な環境変化に対しては臨機応変に対応しま
しょう。
山田錦穂肥診断日のお知らせ
【平成27年産山田錦穂肥診断日程】
穂肥診断日
8月 11日 【火】
時 間
場 所
9:30~10:00
中村住民センター
10:15~11:00
11:15~12:00
八千代営農経済センター
仕出原住民センター
13:30~14:15
八千代ライスセンター
14:30~15:15
下三原公民館
15:30~16:00
柳山寺住民センター
上記の時間、ところで診断を行っていますので地区にこだわらず
都合の良いところへご持参ください。
また、稲は圃場の平均的な1株で、畦際の株は診断出来かねま
すのでご了承願います。
穂肥にはJAみのり専用穂肥 穂の香(12-6-12)
・JAみのり専用穂肥「穂の香」は、有機質を50%含むJAみのり専用穂肥です。
・3種類の窒素成分(尿素態・りん酸・カリ)で安定した効果が得られます。
・有機成分中にアミノ酸類が多く含まれていますので、稲穂への養分吸収が高まり、米の品質向上に繋がります。
トビイロウンカの発生にご注意
2年前にトビイロウンカによる被害が確認されてから、警戒レベルが高
まっています。梅雨時期に大陸から飛来した世代が卵を産み、ちょうど
山田錦が成熟期を迎える第3世代が
被害をもたらします。株元に生息して
いるので、確認し発生が見られたら
早めの防除をお願いします。