溶接による組立変形・残留応力の予測に強み 施工条件

溶接組立・加工プロセスシミュレーションシステム
溶接による組立変形・残留応力の予測に強み
施工条件の検討に最適な統合シミュレーションシステム
溶融溶接における施工条件の検討
溶接組立順序の影響による構造体の変形評価
残留応力の評価、き裂進展予測
摩擦撹拌接合 (FSW) シミュレーション
切削・熱処理などの機械加工解析機能
溶接による組立変形・残留応力の予測に強み
施工条件の検討に最適な統合シミュレーションシステム
特長
工法・工程設計に革新をもたらす溶接シミュレーションシステム
VIRFACは、溶融溶接、摩擦撹拌接合(FSW)、機械加工など、幅広い製造プロセ
スに対応しています。溶接工程における部材変形の最小化、組み立て順序を
変えたときの構造変形への影響の評価、残留応力を高精度に計算することに
よる溶接品質やき裂進展の予測など、実際の生産現場の課題解決に役立つシ
ミュレーションを、
ひとつのプラットフォーム上で提供します。
VIRFACでは、計算に必要な設定をCADモデルベースで視覚的・直感的に行
えるため、ユーザーは本質的な課題の解決に注力することができます。設計
者の視点で開発された先進的GUIが、
工程設計におけるシミュレーションの活
用をサポートします。
コンセプト
VIRFAC(VIRtual FACtory)は、
溶接による組立変形・残留応力を高精度に予測できる、
溶接
組立・加工プロセスシミュレーションシステムです。溶接変形、溶接組み立て工程、さらには
溶接部の残留応力に影響を受ける構造体の疲労強度評価にいたるまで、さまざまな課題
を一貫して扱うことができ、
溶接加工の施工条件の検討に最適です。
また、VIRFACはその高度なデータ処理技術に特長があり、大規模かつ複雑な構造体の
シミュレーションが可能です。
生産現場で起きる課題をリアルにシミュレーションできます。
適用範囲
VIRFACは、次のような予測や評価に用いられ
ています。
・溶接変形の予測
・溶接順序の最適化
・溶接による残留応力の予測
・溶接による相変態の予測
・切削による変形予測
並列化効率
VIRFACは、
高度なオブジェクト指向プ
ログラミング技術により開発されてい
ます。
高度なデータ処理技術により、
大
規模かつ複雑な構造体の計算でも、実
用的な時間内で結果を得ることができ
ます。
そのため、
実際の生産現場で起こ
計算速度
・FSWにおける母材の塑性流動の計算
大規模シミュレーションを可能にする
高度なデータ処理技術
る事象に限りなく近いシミュレーショ
ンを、
実務に活用することが可能です。
・機械加工の手順最適化
・溶接構造体の寸法精度解析
・溶接条件とき裂伸展経路予測
・運用条件と疲労強度の解析
2
4
8
16
32
64
128 コア数
VIRFACの開発元であるGeonX社(ジオネックス社、ベルギー)は、Cenaero研究所での10年間にわたる研究開発の成果である熱粘弾塑性FEMソルバー MORFEO(Manufacturing ORiented Finite
Element tOol)
をVIRFACに統合し、
生産技術の課題に役立つソフトウェアへと昇華させました。
欧州の航空・宇宙・自動車・軍事を中心に、
多数の技術コンサルティング実績を持ち、
高い精度と信頼性のある
プログラムを開発し続けています。
主な機 能
簡単な操作で、
溶接による組立変形/残留応力をすばやく高精度に予測
VIRFACでは、最小限の操作で、溶接プロセスにおける溶接ひずみや残留応力を、高速・高精度に予測することができます。
溶接工程における部材変形の最小化、組み立て順序を変えたときの構造変形への影響の評価、残留応力を高精度に計算する
ことによる溶接品質やき裂進展の予測などを、簡単な操作で実行しています。現場の設計者向けに開発されたGUI(グラフィ
カルユーザーインターフェイス)は、直感的な操作性で、特別なトレーニングを必要としません。導入してすぐにシミュレーシ
ョンを始めることができます。
すぐに使えるユーザーインターフェイス
VIRFACには、現場の設計者がすぐに使い始めることができる、使いやすいインターフェイスが備わっています。
解析条件はCADデータそのものに設定し、解析に必要なメッシュの生成はソフトウェアが自動的に行います。
解析条件をCADデータに設定
解析条件はCADデータそのものに設定します。普段ご利用のCADデータに、メッシュを意識せずに
設定できます。
オートメッシャー
解析に必要なメッシュ生成は、ソフトウェアが自動的に行うため、ユーザーが意識する必要があり
ません。メッシュ生成は非常にすばやく行われるので、業務の進行を妨げません。必要に応じて、
指定した領域のメッシュの粗密をコントロールすることもできます。
操作をリードする画面設計
直感的に操作できるユーザーインターフェイスを備えており、導入してすぐにシミュレーションを始める
ことができます。複雑な溶接線の形状や条件を容易に行えるため、各種条件設定にかける時間を大き
く削減します。
溶融溶接解析
VIRFACの溶融溶接解析機能には、固有ひずみ法を用いた非常に高速な計算手法と、熱弾塑性FEMによる過渡計算で詳細に
解析する手法の2つがあります。固有ひずみ法では、数十本の溶接線がある構造物の溶接変形を数分で計算できるため、溶
接順序の検討や、構造物を組み立てる施工順を検討するシミュレーションに最適です。一方、熱履歴や詳細な溶接条件を考
慮したい場合には、熱弾塑性FEMを用いることにより、高い精度で溶接ひずみや残留応力を予測することができます。こう
した溶接シミュレーションを、治具拘束の箇所や方法、溶接順序の最適化などに活用すれば、実験・試作による検討の前に、
設計の完成度を高めることができます。これにより、設計品質の向上や設計コストの削減、納期の短縮が期待できます。
熱弾塑性 FEM による過渡解析
溶接によるワークの変形を、高精度に予測します。この手法では非定
常解析を行うため、溶接過程での温度分布や応力分布の変化、変形の
状態を時間を追って確認することができます。
固有ひずみ法による高速解析
固有ひずみ法による解析では、数十本の溶接線がある構造物の溶接変形を、数分で計算します。
構造を組み立てるまでの施工の条件と順序の影響を、すぐに確認することができます。
残留応力の予測
溶接後の残留応力を、すばやく高精度に予測します。
その他 機 能
摩擦撹拌接合解析
摩擦撹拌接合(FSW)プロセスを、熱流体モデルと熱構造モデルの連成により解析します。
さらに相変態計算との連成により、接合部の強度分布の評価も可能です。
塑性流動の計算
摩擦撹拌接合(FSW)プロセスを、局所的な熱流体モデルとコンポーネントスケールの熱構造モデルとを
連成して解析します。
塑性流動による熱の計算
熱流体計算により算出された物理量を熱源として利用することが可能です。これを全体モデル
に利用することで、FSWにおける変形および残留応力を予測します。
接合部分の強度推算
温度分布と熱履歴から、接合部分の強度を推算できます。熱流体計算の結果を相変態計算の入力に利用する
ことで、接合部における強度分布の予測を可能としています。
事 例
摩擦攪拌接合(FSW)の材料の流動性評価
[ 材料の撹拌状態を正確に再現 ]
温度分布
塑性流動の様子
母材の塑性流動の様子をシミュレーションしています。
圧力場と速度場の計
算もできるため、材料の攪拌状態を正確に再現でき、
FSWの接合条件の評価
ができます。
相変態機能とあわせ、
接合条件と強度の関連についても評価でき
ます。
白線:実験結果
黄線:シミュレーション結果
実験との比較
機械加工解析
切削に代表される、機械加工により生じる変形を予測します。複数のパスで機械加工するようなモデルも解析できます。
鍛造や焼きなまし、切削経路とその順序などは、ワークの前工程における応力状態を考慮して計算します。
機械加工のモデル化
ワークの残留応力が機械加工により解放され、変形する様子などを予測できます。
多工程の切削パスを連続解析
切削における、ある工程における変形を考慮して、次の切削パスの経路定義を行います。このため、多工程の
切削パスをあらかじめ設定しておけば、工程ごとに変形する様子を連続的に解析することが可能になりました。
メッシュの再分割不要
切削面ごとにメッシュを生成し、すべての切削パスをレベルセット法によりモデル化します。工程ごと
にメッシュを再分割する必要がないため、従来の有限要素法に比べ大幅に条件設定の作業負担を軽減し
ます。
き裂伸展
3次元でモデル化されたアセンブリ部品の疲労き裂進展経路を予測します。
レベルセット法を採用しており、複雑な形状のモデルにも適用可能です。
き裂の自由伝播を計算
正確な応力拡大係数を算出しながら、部品の構造強度計算を行います。自動的に位相変化を計算しつ
つ最適なレベルセットを行う機能があり、進展則とあわせることで、メッシュラインにとらわれない
き裂の自由伝播を計算します。
事例
固有ひずみ法による高速な溶接解析事例
サイドインパクトビーム (自動車)の溶接変形
[ 治具拘束の開放によるスプリングバックを考慮 ]
拘束状態
解放状態
解放前の溶接変形
解放後の変形
自動車のサイドインパクトビームの溶接変形を解析します。
鉄道車両の組立溶接後の残留変形
[ 大規模モデルも短時間で計算可能 ]
大規模かつ多工程の溶接でも、
現実的な時間内で計算可能です。
鉄道車両の組立溶接
大規模な溶接組み立ての
シミュレーション
船体パネルの組立溶接変形
[ 短時間の計算で、
組立順序を検討できます ]
計算が非常に速いため、
組立順序を変えながら繰返し計算を
行って検討することができます。
組み立てながら
変形を計算
船体パネルの組立溶接
熱弾塑性FEMによる溶接の過渡解析事例
パイプのアーク溶接における溶接変形の時間変化
[ アーク溶接の変形を時間を追って確認 ]
パイプのアーク溶接における溶接変形を過渡解析で求め、時間を追った変形状態
を確認することができます。
部品概観
突き合わせ溶接の温度および熱応力の時間変化
[ 突き合わせ溶接の温度と熱応力の時間変化をシミュレーションで確認 ]
突き合わせ溶接を過渡解析で計算し、
入熱から冷却までの温度と熱応力の
時間変化を、
アニメーションやグラフで確認できます。
左:温度変化 右:熱応力変化(黒 X方向、赤 Z方向)
自動車部品のアーク溶接
[ アーク溶接の過渡的シミュレーション ]
アーク溶接の溶接開始から溶接終了時までを、
過渡的にシミュレーション
しています。
熱源の移動に伴い、
溶接部位の応力値(熱応力)が変化してい
く様子がわかります。
温度分布
部品概観
応力分布
温度および熱応力の時間変化
溶接箇所
油圧部品の溶接品質評価
[ レーザ溶接のシミュレーションと、
振動によるき裂伸展の予測 ]
拘束部位
部品概観
残留応力
入力した振動条件
き裂伸展の様子
レーザ溶接による油圧部品の溶接をシミュレーションしています。
さらに、
溶接に
よる残留応力の分布を考慮した上で、外力(振動)を与えた場合のクラック発生部
位と進展経路をシミュレーションしています。
溶接箇所の有無により、
断面形状や
部材の残留応力の違いが的確に表現されています。
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※記載されている製品およびサービスの名称は、それぞれ所有者の商標または登録商品です。
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VIR主2J-201506