寄与率についての 一考察 - 立命館大学経済学部 論文検索

寄与率につ
ての一考察
い
はじめに
一 寄与率の意義
二 絶対値の寄与率
三 物価指数の寄与率
四 寄与率の問題点
は じ め に
関 弥
三 郎
GNPや国氏所得の総額とその項目別構成、工業生産の総額とその産業別構成、輸出︵入︶の総額と品目別、
地域別構成、家計の平均消費支出額とその費目別構成および物価指数や生産指数の総合指数と類別指数等、一般
的にいえば全体と部分の関係を表わす経済統計資料を取り扱う場合、増加率と構成比率によって分析を行うのが
普通であるが、最近はそれらを補足する測度として寄与率が用いられるようにたってきた。寄与率の使用例は経
済白書に多く見られるのであるが、寄与率が始めて使われたのは昭和31年度の経済白書であって、37年度から急
に利用度が高まっており、また寄与率の使われている分野は貿易が最も多く、次いで鉱工業生産、GNP、物価
寄与率についての一考察︵関︶ 一︵四一五︶
︵1︶
立命館経済学︵第二十六巻・第三号︶ 二︵四一六︶
等であるとされている。総理府統計局の﹁消費者物価指数﹂︵12月分︶には昭和38年から上昇寄与率が掲載されて
いたが、経済企画庁の﹁国民所得統計年報﹂にも昭和50年版から従来の実数、対前年度増加率、構成比に加えて
︵2︶
増加寄与率が掲載されるようにたったことは、経済の統計的分析におげる寄与率の有効さがより広く一般に認め
られるようになったことの一っの現われと見ることができるであろう。
寄与率は周知のように全体の増分の中に占める部分の増分の割合である。例えほ、昭和49年度に国民所得は
§o兆円増加したのであるが、そのうち雇用者所得の増分はH卜o兆円であり、その割合べH﹄“は国民所得の増加
に雇用者所得の増加が寄与した程度を表わすと見ることができるから寄与率といわれ、国民所得の増加をもたら
した要因を知るのに役立っのである。このような寄与率が必要になる理由は次のようである。すなわち、49年度
の国民所得は鼻o・“増加したのであるが、そのようた増加が主にどの項目によってもたらされたかを知るために
項目別の増加率や構成比率を見るのである。すると雇用者所得の増加率は軍o“であって国民所得の増加率より
も高く、Lたがって雇用者所得の構成比率は上昇し48年度の賢o“から49年度は竃o。“になったのであって、雇
用者所得は国民所得の増加の主な要因であったことがわかる。しかし、増加率の大きいものが直ちに国民所得の
増加に寄与した程度が大きいとはいえないのである。49年度の法人税および税外負担の増加率はらo“であって
非常に高いのであるが、基準となる48年度の金額が小さいのでそれの増分は心﹂兆円にすぎず、国民所得の増分
に占める割合︵寄与率︶はHH﹂劣であって雇用者所得よりもずっと小さい。故に、増加率や構成比率だげでは国
民所得の変動の特徴を十分測定することはできないのであって、寄与率が補足的な測度として必要になるのであ
る。以上国民所得にっいて述べたことは絶対値のデータ一般にー妥当するのであるが、更に物価指数や生産指数の
場合にも同様のことがいえる。例えば、昭和50年に消費者物価はHH.。・“騰貴したのであるが、それがどのような
類の騰貴によるものであるかを知るために類別指数の上昇率を調べるのであり︵絶対値と違って指数の場合は構成
比率は用いられない︶、しかし上昇率が高いだげではその類がH−.。。“の騰貴の主因であるとは必ずしもいえないか
ら、総合指数の上昇率に類別指数の上昇率が寄与した程度を表わす寄与率が物価騰貴の要因分析に必要になるの
である。
先の49年度雇用者所得の例からわかるように、増加率が全体よりも大きい場合は構成比率が増大し、寄与率は
構成比率よりも大きくなるのである。したがって、逆に増加率が全体よりも小さい時は構成比率が減少し、寄与
率は構成比率よりも小さくなると予想される。このような増加率、構成比率と寄与率との問に成立する関係や、
寄与率はどのような性質のものでありどのように利用すれぼよいか、またどのような欠点、限界をもっているか
等を知ることは、寄与率の有効な利用のために必要な事柄である。ところが、統計的測度としての寄与率の理論
的研究は今までになされたものは非常に少く、その性質、限界、他の統計的測度との関係等は不明確な点が多い
のであって、経済統計学におげる未開拓の問題であるといえる。また、ほとんどの経済統計学のテキスト、参考
書には寄与率の説明はなく、寄与率の算式は、絶対値のデータの場合は常識的にわかるので問題はたいが、特別
の工夫が必要な物価指数や生産指数の場合は専門家以外は容易に1知り得ない状態である。本稿は統計的測度とし
ての寄与率の性質、算式、寄与率と増加率や構成比率との関係および寄与率がもつ限界を明らかにして、寄与率
の利用者の便に供しようとするものである。本論に入るに先立って寄与率の意義を明らかにしておくことが必要
である。げだし、寄与率の何たるかは絶対値のデータの場合は疑問の余地はないのであるが、総合指数の場合に
寄与率についての一考察︵関︶ 三︵四一七︶
立命館経済学︵第二十六巻・第三号︶ 四︵四一八︶
は必ずしも明確ではないからである。
︵1︶ 米沢治文﹁寄与率への一試論﹂﹃統計学﹄第二二号︵一九七〇年︶、ニページ。
︵2︶ 総理府統計局の消費者物価指数の上昇寄与率は、下落した類別指数は除いて上昇した類別指数のみについて寄与率
わさないことにたり、消費者物価の変動の要因分析にはそのままでは使えたかったのであるが、昭和51年の﹁消費者
を計算したものであって、したがって、下落した類別指数がある時は上昇寄与率の値は小さくなって実態を正しく表
物価指数年報﹂から下落した類別指数も含めて寄与率を計算するように改められた。
寄与率の意義
寄与率に関する理論的な考察は極めて少なく、筆者の知る限りでは僅かに野村良樹氏と米沢治文氏によって与
︵1︶ ︵2︶
増加率︶
えられているのみである。まず野村氏は寄与率を統計比率全体の中で次のように位置づげている。
構成比率
静態比率賓膏
統計比率一動態比率∴雛︵変化雫
﹁統計値の時問的変化が、 全体的変化と部分的変化の関係において示されるとき、前者にた
一寄与二雛箒
そして、寄与率を
いする各部分的変化の貢献ないし寄与の程度を測る比率﹂であると規定し、統計値が絶対値であるか指数である
かによって、絶対的寄与率と相対的寄与率とに分ける。絶対的寄与率は﹁時問的にへだたる構成的統計表の各部
分の変化分を、全体的変化の構成比率、っまり総変化におげる部分の比重で示したもの﹂であり、、簡単にいえぼ
絶対値の増分の構成比率である。これに対して、相対的寄与率は﹁総合指数の変化に、たいする個別指数の変化の
貢献の程度を示す比率﹂であって、 ﹁個別指数にそれぞれの相対ウェィトをかげたものを総合指数の構成比で表
わした比率である。﹂しかし、このようた総合指数の構成比率という相対的寄与率の観定は、絶対値の増分の構
成比率として与えられた絶対的寄与率の規定とは整合しないのであみ。なぜならば、物価がHH﹄“上昇したとい
う場合、物価指数︵総合指数︶はH◎○.OからHHH.O。になったのであり、物価指数の増分はHH.O。であるが、野村氏の
規定によれぼ寄与率はHHH.・。の構成比率であるから、相対的寄与率は増分の構成比率でないことになるからであ
る。そして、一般に物価指数の寄与率という時はHH﹄の構成比率であるから、そのような相対的寄与率の規定は
正しくないといえるであろう。
次に米沢氏は寄与率をより広い範囲の比率分析の一環として取り上げ、寄与率の性質の研究を進めておられる
のであるが、寄与率の定義に関しては野村氏の観定を踏襲し、したがって、野村氏と同様の欠点が見られるのであ
︵3︶
る。すなわち、米沢氏は絶対的寄与率と相対的寄与率を算式で表わし、相対的寄与率が絶対的寄与率と一致する
ことを明らかにした後、常にそれがいえるのは絶対量の増加率の場合であって、総合指数の場合には相対的寄与
︵4︶
率が絶対的寄与率に等しくたる場合と等しくならない場合とがあるとする。Lかし、それは米沢氏が物価上昇を
HH・。◎で表わした場合の構成比率と、−HH.o◎で表わした場合の構成比率の両者を共に,寄与率としてとらえているため
寄与率についての一考察︵関︶ 五︵四一九︶
立命館経済学︵第二十六巻・第三号︶ 六︵四二〇︶
であって、前者は絶対的寄与率に一致するが、後者は一致しないのである。このことは次のようにすると明らか
にたる。今HH.o・とHHH.。・の違いを明確にするために、前者をG、後者︵物価指数︶を箏−11H+Oで表わし、同様
︼序ぎ
に個別価格指数を→・二する。ラス一イレス式による物価指数隻山w一叩崇で貢⋮
で§1−、。Q。、ただし︼§11Hと置くと、ラスバイレス式はH+01−︼︵H+灼︶§となり、これから01−︼灼§
︼ぎ§
が得られる。さて、以上のことから米沢氏の相対的寄与率が絶対的寄与率と一致する場合の式は
、一釧、。緊﹁干、一ミ・1§
︼吋§
︼ぎ﹁︼書。1 箏﹁H IO
となり、物価指数の増分の構成比率であるのに対して、絶対的寄与率と一致しない場合の式は
︼享§ 1︵H+灼︶§
>
1享§
寧
紫一
︼トぎ.一吉
となって、物価指数そのものの構成比率である。要するに、米沢氏は相対的寄与率を総合指数の増分の構成比率
としてとらえる点で正しい定義を導きながら、今一歩総合指数そのものの構成比率とする誤りを脱却するまでに
は到らなかったのであり、寄与率の定義にあいまいさを残す結果となったのである。
以上2人の統計学者の寄与率の定義の吟味から、寄与率の定義がもつ問題点とわれわれがとるべき方向とが明
らかになった。われわれは統計比率におげる寄与率の位置付げにっいては野村氏の規定に従うのであるが、寄与
率の定義に関しては﹁寄与率は増分の構成比率である﹂と規定し、このことは絶対的寄与率にも相対的寄与率に
も妥当すると考える。するとここで問題になるのは、第一に、総合指数は変化率H+○を表わすのであるから
相対的寄与率は総合指数の増分Gの構成比率であり、絶対的寄与率の場合の絶対値の増分〃の構成比率と質的に
異なるのではないかということである。ところが、次節で証明するように−〃の構成比率はGの構成比率に変換し
得る︵︵H﹄︶参照︶のであるから、両者は異質のものではなく計算手続き上の違いにすぎず、したがって、絶対的
寄与率も相対的嵜与率も増分の構成比率と観定してよいと考えるのである。そして、次の問題は、増分の構成比
率であることから生ずる諸特質は絶対的寄与率の場合も相対的寄与率の場合も同じであヅ、特に両者を区別する
必要はないことにたる点であるが、それにもかかわらず両者を区別するのは、総合指数が固定基準指数であるこ
とから特別の間題が生ずるためである。したがって、われわれのいう相対的寄与率は変化率一般ではなく、その
うちの固定基準による総合指数の場合の寄与率に限定されるのである。
︵1︶寄与率に関連のある研究として、高橋史朗氏の﹁増加率の分析への一工夫﹂総理府統計局﹃統計局研究彙報﹄第十二
号︵一九六一二年︶があるが、これは今目では寄与度といわれる統計的測度を偏増加率と名付けて、その有用なために採
用することを提案したものであって、その中で寄与率にっいては﹁構成比が指標として意味をもっには、その分母が
︵2︶大阪市大経済研究所編﹃径済学辞典﹄一九六五年、八三七べージ。
安定した大きさで在げれぽたらないが、この場合には、その条件が満されていないから﹂という理由で否定している。
ージ。 ﹃経済統計計量分析﹄目本評論杜、一九七二年、二二四−八べ−ジ。
︵3︶米沢治文、前掲論文。﹁比率分析における比率化局面﹂東北大学研究年報﹃経済学﹄第三二巻第四号、二一!四べ
︵4︶米沢治文、﹁寄与率への一試論﹂四−七ぺージ。
寄与率についての一考察︵関︶ 七︵四二一︶
立命館経済学︵第二十六巻・第三号︶ 八︵四二二︶
二 絶対値の寄与率
寄与率は絶対値にっいて計算す1る場合と、固定基準の総合指数にっいて計算する場合とに分げて考えなげれば
ならないのであるが、まず絶対値の寄与率から考察する。
L 今全体量をy、部分量︵尾個あるものとする︶をヅ、ヅ、−⋮−、パで表わし’
“
、1−︼、§ ︵H.H︶
とする。Lかし、記号が煩雑になるのを避げるために、以後は特に必要でない限り部分を表わす記号いは省略す
る。そして、構成比率を
、 沖
ミー11洋冷r︼§1−H ︵二︶
で表わすことにする。次に基準となる時点をO、比較される時点を1とし、0時点に対する1時点の増分を﹂5一
11■1ぎ一壱旨11岸ーまで表わすと
沖
﹂5−11︼壱。−.︸ ︵H﹄︶
である。そして、
ぎ
と置くと
ま
である。rの変動率という場合、H+Oで表わしてもGで表わしてもよいのであるが、実際にはGで表わす場
合が多い。H+OとGの違いを明瞭にすることは以下の考察において大切であり、両者を区別する名称が必要で
あるが、それは一般にはないようである。しかし、H+Oを変化率といい、Gを増加率と呼ぶ場合があるので、
ここではそれに従うことにする。なお、寄与率を0で表わすと、それは増分〃の構成比率であるから
︵1︶
与; ∼
、昌−■メ、汀汀﹁ヒ、。・11H ︵H・3
である。
2・さて、全体は部分の和であるから、全体の変動率と部分の変動率との問には一定の関係があることが予想
される。次にそれを調べてみょう。まず変化率H+Oは次のように変形することができる。
沖. 沖
一十干︼斗ヰ、暮十邑§ 一;
そして、増加率Gは次のようになる。
“与〇一ま 沖
○昌u︼ま一”旨き 一−・一一
寄与率についての一考察︵関︶ 九︵四二三︶
1 一 一
a’Lふひ9⋮ひn⋮ひひ
%266063531
2一7一3一〇・7・〇一
%815230
︵0 1.一 1←
1
1
2
0一
9
1
8一
4
0
0.
9
7
■
O
4 8 1 0 3 0
9 1 8 3 2 0
L 0一 5一 0・ 1一 1一
1
0一
3
4
0一
3
5
〃HH
%940233315
5一
2
2
’U 1← 11一
9
2
1
9一
5
8
7一
1
1
3
L
0一9一3一〇一6一〇一LL〇一
円4
兆8
7
0一
5一
円5
兆9
5
転
得得得移担保得子子
の負 所利利
所 所産
所人
一税外
留産
財債
負債
負
主 個び ,府者
一〇︵四二四︶
︵−・べ︶と︵H・。◎︶より、全体の変動率は部分の変動率を基準時点の構
成比率吻を用いて加重平均したものであることがわかる。そして、
和
昭
﹂
﹁
報
年
計
統
得
所
民
国
●●
編
庁
画
企
済
経
一1−︼H+O旨§ ︵二︶
“H+内旨
れる。今︵H.べ︶の両辺をH+○で除すと
灼︶ミを相対化することによってこの難点を回避することが考えら
るならばそれによっては正確な比較は困難である。そこで、︵H+
寄与の程度の変化を正しく知ることができるが、H+○の値が異な
同じであるかまたはほほ等しいならば、︵H+灼︶ミの比較によって
H+灼の寄与の大きさの時問的変化を比較する時は、H+oの値が
しかし、全体の変化率H+o に対するある特定の部分の変化率
とおりである。
“であるが、それに対する項目別の寄与度を計算すると表口○っ欄の
﹁寄与度﹂というのである。昭和49年度の国民所得の増加率は§o。
したかを知ることができ、特に︵H.・。︶の増加率Gを構成する紗を
その各項により部分の変動率が全体の変動率の移成にどの程度寄与
2
0一
0
1
8
2
2一
0
0一
0
1
0
0・
0
1
6
7
u
2一
4
8
1一
9
得
所
民
51
全体の変動率が部分の変動率と吻との積の和に分解されることから、
版
年
0
2・
8
立命館経済学︵第二十六巻・第三号︶
度伺10
X0
与一÷
寄m倒
%615294604
率副 %297142155
L6一 5 一 〇 一 L 1 一 2 一 − 一 〇 一
与−
7 1 1一 一
寄。
度
48”
度副
年一
49
年凹
度 率引
a&7⋮aぴ7⋮ユLZ
2
2148332
与 加−
寄 増厚 一 一
,
率
与
寄
の
得
所
民
国
度
度 年四
49
年
49
48
和 年度
m
昭
表
1
﹂
第
簑一窃
料
資
、 一十灼
となり したがって、−十〇§によって全体の変化率に・対する部分の変化率の相対的な寄与の程度を知ることが
できるのである。ところが、それは1時点構成比率にほかならない。なぜならば、
ド ぎ
H+内旨 まさ ド
メ
H吉昌ミ。H 5 11一Hき ︵二〇︶
であるから◎かくて、静態的な1時点におげる全体の構成状態を表わす構成比率は、同時にまた、動態的な全体
の変化率に対する部分の変化率の相対的た寄与の程度を表わすものであることがわかる。
以上H+Oに対するH+内の寄与の程度の時問的比較について述べたことは、またGに対する9の寄与の程
度の時問的比較にっいても妥当する。そこで、︵H.o。︶の両辺をGで除すと
丁篤一一§ 一;一
とたり ー§によって全体の増加率に対する部分の増加率の相対的な寄与の程度を表わすことができる。そL
、 内
o i
て、これは次のように変形することができる。
壱旨ま 、
撃− ぎ5 与昌
さ
○旨ミ。H皇一Hき﹁。昌 一H・§
すなわち、寄与率にほかたらないのであり、これから寄与率は増加率Gの構成比率であるといえることがわかる。
かくて、寄与率の本来の意義は絶対値の増分の構成比率であって、全体量の増分〃に対する部分量の増分〃の寄
寄与率についての一考察︵関︶ 一一︵四二五︶
立命館経済学︵第二十六巻・第三号︶ 一二︵四二六︶
与の程度を表わすのであるが、それはまた、変化率H+Oの増分に相当するGの構成比率であって、全体量の
増加率Gに対する部分量の増加率9の相対的た寄与の程度を表わすといえるのである。
以上の考察から、同じく全体の変動率に対する部分の変動率の相対的な寄与の程度を表わすものであるが、変
動率をH+Oでとらえた時はそれは1時点構成比率であり、変動率をGでとらえた時はそれは増分の構成比率
すなわち寄与率であることがわかった。
3・次に寄与率の符号について注意しておこう。構成比率はプラスの値であるが、寄与率はプラスの値の場合
とマイナスの値の場合とがある。 ︵H・S︶より明らかたように、寄与率6の符号はGと9の符号によって決定さ
れる。全体量が増加し故にGがプラスの時は、増狙した部分は9がブラスであるからoもプラスになり、減少し
た部分は8がマイナスであるから6もマイナスにたり、部分の増加率gの符号と寄与率の符号が同じである。と
ころが、全体量が減少し故にGがマイナスになる場合は、9がブラスの部分の寄与率はマイナスになり、9がマ
イナスの部分の寄与率はプラスになって、部分の増加率9の符号と寄与率の符号が逆になるのである。したがっ
て、プラスの寄与率は全体の増加率Gと同じ方向の寄与を意味し、マイナスの寄与率はGと逆の方向の寄与を表
わすのである。
そして、寄与率と寄与度の算式にっいて補足しておくと、寄与率は一;より絶対値の増分を用いて*に
よつて計算してもよいし、また一;一より増加率を用いふ二よつて求めてもよいのであるが、蓬後で
説明する﹄︵H.富︶を︵H.冨︶で除し、それを6にっいて解いて得られる
○旨
ぎ11き十§﹁§。 ︵H.5
によって、構成比率とGとから求めることもできる。そして、寄与度は︵H.・。︶より紗によって計算するのであ
るが、︵一.旨︶から
筆§1−〇一も昌 ︵H.崖︶
とたるから、寄与率が与えられている時は、それにGを乗ずることに。よって求めることができる。
4・寄与率を絶対値の増分の構成比率とする場合は、寄与率と他の統計的測度との関係は容易に知り得仁いの
であるが、寄与率を増加率Gの構成比率とする時は、︵H.旨︶よりoは9,G、物によって規定されるから、寄
与率と増加率、構成比率との関連を調べることができるのである。以下それを見ていこう。
説明の便宜上先に構成比率の時問的変化を調べておこう。今−時点とO時点の構成比率の差をとると、︵H.昌︶
より
ミ﹁示粛→テ柵汗§ p,3
であり、これから
り一ギド“一∴一∴い一 一一;
○昌
がいえる。したがって、全体の増加率を基準として表わした部分の増加率すなわち相対的増加率星Gが、1に
等しい時は構成比率〃は不変であるが、互Gが1でない場合は〃は増減するのであって、Gがプラスの場合は、
星Gが1よりも大きい時は〃が増加し、星Gが1よりも小さい時は〃は減少する。故に、構成比率が増加を続
寄与率についての一考察︵関︶ 二二︵四二七︶
立命館経済学︵第二十六巻・第三号︶ 一四︵四二八︶
げる時は星Gが引き続き1以上であることを意味し、構成比率が減少を続げる場合は星Gが相変らず1以下
であることを表わすのである。ところがパGがマイナスの場合は、 星Gと〃の増減との関係はこれと逆になる
のであって、 亙Gが1より大きい︵小さい︶時は〃は減少︵増加︶する。故に、構成比率が増加を続げみ時は
互Gが引き続き1よりも小さいことを表わし、構成比率が低下して行く時は星Gが相変らず1以上であるこ
とを示すのである 。
5.今度は寄与率と構成比率との関係を調べよう。吏ず寄与率とO時点構成比率との差をとると、︵H・冨︶より
千ミエ錐−一一§ 一;一
であり、次に寄与率と1時点構成比率との差を求めると、︵H・冨︶と︵H・H◎︶とから
千・工雅←韮旨 9一。。一
となり、これらから
○旨
箏、⋮一H 洋£艸 ぎw§斜汁芦き ︵H.Ho︶
がいえ、相対的増加率星Gが1に等しい時は寄与率は構成比率吻吻と一致すゐのであるが、互Gが1より大
︵2︶
きい時は寄与率は吻吻よりも大きく、且Gが1より小さい時は寄与率は仙吻よりも小さいのである。したがっ
て、寄与率が引き続き構成比率よりも大きい時は亙Gが1以上のままであることを表わし、寄与率が構成比率
よりも低くなった時は互Gが1以下にさがったことを示し、寄与率が構成比率よりも低いままである時は星G
が引き続き1以下であることを意味するのである。
相対的増加率は、Gが9の加重平均であることから、部分の増加率が平均以上であるか否かを示し、Gの大き
さが異なる時点におげる部分の増加率の相互比較を可能にする統計的測度であるが、同じ値の寄与率をもっ部分
であっても、相対的増加率が1よりも大きい部分と1以下の部分とでは全体における役割が違うから、相対的増
加率は寄与率と並んで必要な知識といえる。相対的増加率がユより大きいか否かは、寄与率によらなくとも、
︵H・冨︶より構成比率そのものの増減によって知り得るのであるが、構成比率による時は構成比率の増減と星G
と1との関係がGの正負によって逆になるという煩雑さがあるため、Gの符号に無関係な寄与率と構成比率との
なお、︵H・ミ︶および︵H・H。◎︶から明らかなように、寄与率と構成比率との差。1§はdIHに比例するから、
比較から星Gと1との関係を知る方が便利である。
内
。1§の比較にょってdIHの大小を知ることができるのであるが 。−ミはまた〃およびH+oによっても
灼 、、 、 、 ・ 、 一
規定され、それらは時問の経過と共に変化するから、;は恥−;正確に比例しない場合があることに注意
すべきである。︵︵H.冨︶よりわかるように、これと同じことが構成比率の差§﹁§についてもいえるのであるが、§﹁§
と︷IHとの対応は→ミの場合よりも悪いので、実用に適さないと思われる。︶そして、寄与率と構成比率との差を同
○
じ時点の雰問で比較する時は、都分によ一て崇大きく違うことが多いから、;ふ上の大小を全然表
わし得ず、したが一て、寄与率と構成比率との差から叩一の違いを判断することは不可能である。
。 、 内旨
6.次に寄与率の時間的変化を調べよう まずO時点に対する1時点の寄与率は︵H・畠︶より 。o.119。§。
であり、次に1時点に対する2時点の寄与率はサフィックスO,1をユ、2と書き換えて、それに︵H.Ho︶を代
寄与率についての一考察︵関︶ 一五︵四二九︶
立命館経済学︵第二十六巻・第三号︶
入することにより
灼量 灼畠︵H+灼oH︶
である。両者の差をとると
撃−
○昌
洋ヴ耗 o畠州8−
、、”1IO富ミ、1lPも十〇旨︶§。
であり、 故に
灼SlV
○畠州 H+灼〇一
H+o旨
一六︵四三〇︶
︵H.8︶
︵H.曽︶
︵H.s︶
が.いえ、相対的増加率が大きく︵小さく︶なると寄与率は増加︵減少︶し、相対的増加率が変らない時は寄与率は
不変である。したがって、寄与率が増加を続げる場合は相対的増加率が次篤に大きくなっていったことを意味し、
寄与率が引き続き減少する時は相対的増加率が次第に小さくなってきたことを示すのであり、寄与率の推移をた
どることによって相対的増加率の変化を知ることができる。
しかし、︵H.S︶においてOぞ1時点間の相対的増加率は互Gではなく、それをH+灼で除したものでな
H+o
げればたらず、そのようた値は経済的には無意味であるから、︵H.s︶の関係は実際上の意味がないことになる。
そこで、普通は・を中心とする燕の変動は互・の変動に比べてず一と小さいので、互・とそれを燕
︵3︶
で割ったものとの差は僅少な場合が多いから、︵H・s︶の代りに
’
推〃坤 簑粛 ∼〃ぎ 一量一
として、寄与率の増減をもって互Gそのものの増減を表わすとみなしても、∼と∼との差が非常に小さい場合
でない限り、それが誤りであることはほとんどないであろう。︵H.轟︶において等号がないのは、寄与率が等しい
、 ︵4︶ 1
時は互Gは増加ないしは減少のいずれかであって一定しないからである。図1・において寄与率の増減は互G
の増減を示すと考えた場合、それが誤りであるのは48年度の個人業主所得のみであり、また、45年度の法人税お
︵5︶
よび税外負担は寄与率が横ばいのために、互Gの変化の方向がわからないのである。
H+灼
H+o
そして、互Gとそれを で割ったものとの差が僅かであることから、︵H.胃︶より寄与率の差ざ−ぎ
内旨 内o− 、。 H+灼、
は相対的増加率の差d引19−にほぽ比例するのであるが 〃とH+Oが時問の経過と共に・変化するために
近似的にも比例しない場合があり、また、部分問で寄与率の差を比べる時は、物が大きく違うためにー相対的増加
率の差を全然反映しない場合が多い。
なお、︵H・轟︶の寄与率と相対的増加率との関係は、隣接する2時点だけではなく離れた2時点の寄与率を比
較する場合でもいえるのであって、したがって、01Ioのために寄与率を計算し得ない時点があっても、それを
飛ばして寄与率を比較すればよいのである。しかし、比較される2時点の問隔が広い程、寄与率の増減が相対的
︵6︶ 1
増加率の増減を示すとみなした時の誤りは多くなると考えられる。図1・において2年間隔で寄与率を比べる時、
相対的増加率の増減を誤って判断したのは47年度の雇用者所得、44年度の法人税および税外負担、43年度の法人
留保であり、また、3年問隔で寄与率を比べる時の誤りは、47年度の個人財産所得と45年度の法人税および税外
寄与率についての一考察︵関︶ 一七︵四三一︶
立命館経済学︵第二十六巻・第三号︶ 一八︵四三二︶
負担、49年度の法人留保である。
7・以上の考察の結果を用いて、国民所得統計におげる構成比率と寄与率の推移の意味を解釈してみよう。図1・
1
は昭和40〃49年度の雇用者所得、個人業主所得、個人の財産所得、法人税および税外負担、法人留保の構成比率
と寄与率の推移を示している。それによると、雇用者所得の構成比率は40年度の睾o。“から43年度の睾o“まで
低下を続けたが、44年度から増加に転じ49年度には賢。◎“になった。これによって国民所得のうち賃金、俸給等
として雇用者に支払われた所得の割合の変化を知ることができるのであるが、そのほかに構成比率の増減から雇
べ
ぶ
凧寸
’
“
ぷ
1一
ノ
、
、
、
“
・
−
沿
一
氷
“
x
ヅ
↓
10
水
20
︷
“
・
・
.
4
.
‘
一
・
’
ぷ
び担
よ負
括外
税税
杁
汐
一
ぺ
1・
︷
コ〃
\
個
の
人
財
一 産
べ
︷
10
、
“
・
・
x
保
留
人
法
\
−
0
2
一
3
0
■
0
1
和
昭
40
41
42
43
44
45
46
47
48
49
年
用者所得の増加率9と国民所得の増加率Gとの関係がわかるのであって、今の場合Gは全期問を通じてプラスで
あるから、9は41〃43年度はGよりも
︶
線
%20
%10 0 度
低かったが、44年度以降はGを上回る
ようになったのである。そして、この
ことから更に。寄与率の動きが説明でき
るのであって、以上のようなgの動き
比率よりも小さいが、44年度以降は構
実
︵
のために、寄与率は41ぞ43年度は構成
移
推
成比率よりも大きくなったのであろ。
の
寄与率は構成比率と違って42年度ま
と
率
与
寄
でで低下が止み43年度から上昇に転じ
8一G
︶
︵
率
加
増
的
対
相
の
得
所
民
国
841
74■
641541
441
34■
8 704 592 2oo 351LL2.4 −
1■ 8 Q0 7 つo1■ 2 0 8 ﹁o1﹂L〇一〇 −
1■ 7 つリ ー 1←5 14 1 11■ 0 1← 0 0 ‘
1← 7 4 4 21 40 4つりL〇一L1・1.
〇一 ︵0 11一 6 oリO ’0 11一 5 [o1■ 0 1上 1 0
88つd 92oo 8 oJ 1 ’o0 00 12
2 68 7 48 1oo 500 1←0 1 何■一
0 3 7‘ 7 一LooU 7 o︶ 6 RU000・o4.
894 532 74 171・一 0 1■ 0 0 −
5ユ
版
年
和
昭
1■ o
報照
編与
︶
線
破
︵
率
比
成
構
の
得
所
民
国
1
図
第
1一
%20
国
口
増
の被
得年
所前
民対
\
m
80
n、寸
一グ
叩
者
雇
/
70
‘
以
1
1
ポ
−
\
兆
−
巾
ヤ
’
y
〃
ノ
’
イ
60
50
、
’
’
‘
x
‘
‘
x
、
、
、
、
、
人
、
・
−
叩
篶
、
%舳 20 10
\
得
所
主
業
人
同
.40
0度
49
年
48
47
45
如
付
z
肥
41
0
4
刊
不
月
刀口
の
得 国
が、更に寄与率の増減から雇用者所得の相対的増加率互Gの変化を知り得るの
得得担保メ雇個個法法
﹁率
所は
民値
得 上 って雇用者所得の増加が国民所得の増加に寄与した程度の変化がわかるのである
計書
統掲
年 参 たのであって、46年度に大幅にふえてから後は増減を繰り返している﹄これによ
41
241
1度0年41
表
2
1
第
目項
画と
企率
庁 寄 であって、 且Gは42年度までは次第に低下してきたが、43年度から増加に転じ
:構
経成
済 比 以後上昇を続げ、47年度からは増減を反覆していることがわかる。46年度に寄与
資注
料 率が激増したのは、不況よりの回復が国際通貨危機の衝撃で遅れたために、国民
所得の増加率は45年度の鼻べ“から46年度はHH﹂“へと大きく低下したが、雇用
寄与率についての一考察︵関︶ 一九︵四三三︶
立命館経済学︵第二十六巻・第三号︶ 二〇︵四三四︶
老所得の増加率は鼻◎・“から峯∼“に下がったにすぎなかったので、相対的増加率互GがH・HHからH・胃へと非
常に高くなったことによるのである。なお、43,47,49年度は構成比率と寄与率の変化が逆行しているのである
が、それは43年度の場合でいえば、42年度と同様に9はGよりも小さいのであるが互Gは42年度よりも大きく1
O
く
O
1
G
G
1
◎
0
>
O
1
C○
、
、
、
、OソW
舳二肚
一
一
一
炉榊
1
O
G
1
>
1
Og
1
・
11
0C■W
O
1
W
XW
1
O
C
1
W×
’
’
’
炉舳
■
、
、
WX
、
、
1
火伽
ユ
■
●
O
1
g G
1
O
<
O
1
g G
1
O
=
炉榊
’
C
1
O
C
O
1
なったことを意味するのであり、47,49年度の場合はこれと逆に、9はGよりも大きいのであるが互Gは前年
度よりも小さくなったことを示しているのである。
1
第
図
1
率
与
寄
と
率
比
成
構
の
係
関
以上雇用者所得の場合にっいて説明したのであるが、それと同様のことが他の項目にっいてもいえる。
︵1︶ 大阪市大経済肝究所編﹃経済学辞典﹄八三八ぺ−ジ。
︵2︶ このことはGの符号のいかんにかかわらず成立するのであ
って、Gの正負によって吻吻の大小関係が決まるのみであ
り、︵H・畠︶と︵H一旨︶より次のようにたる。︵図H参照︶
一一パ一衿讐バ蔓
レたがって、Gがプラスの場合は、〃が増加︵減少︶を続げ
る時は6は引き続き〃よりも大きい︵小さい︶のであるが、
Gがマイナスの場合は、逆に〃が減少︵増加︶する時に6は
〃よりも大きい︵小さい︶のである。
一3一H志と吾との関係は次のようである。今j志
H+内 H+的
と置くと
o
klI
+ +○
H+o H
Q
的
I
︵H.畠︶
と葦これは互・の関数とすると点一“。一と一二一を通る直線一。・。の場合は増加撃。・。の時は減少
関数︶であゑ次に∼H︷と置くと、これは点︵〇一〇︶と︵ピH︶を通る直線︵鮒線︶である。ツと2は点︵■H︶に
おいて交わり、普通はツの方が傾斜はずっと緩いから、1を中心とする変動はツは2よりもはるかに小さく、したが
○
さい程緩くたり、また、oVoの場合は○︿◎の場合よりもツの傾斜が緩いから、り一と三ツとの違いはより小さく
って、互Gが1から遠く離れたい隈り、2と三ツとの差はあまり大きくたいのである。なお、ツの傾斜は1Gが小
︵4︶寄与率の増減をもって互Gそのものの増減とする時の正しい関係は次のようである。
なるのであ る 。
○O o旨V ◎ の 場 合
イ、寄与率伽が構成比率吻吻よりも大きい時は、
・、寄与率寮増加した匿景が増加したとは必ずしもいキ箒が横ぱいないしは減少し隻一が
あり得る。
・、寮横ぱいないしは減少した時は、老が減少したといつてよい。
口、∼が吻吻と等しい時は、∼が増加︵減少︶した場合は、 馳∼が増加︵減少︶したといってよい。
ハ、∼が吻吻よりも小さいプラスの値の時は、
a、∼が増加ないしは横ぱいの時は、 馳∼が増加したといって誤りではないが、
・、寮減少した時は、音が減少したとは必ずしもい差い。
の OOH︿◎の場合 一
二、∼がマイナスの値の時は、イのabがいえる。
寄与率についての一考察︵関︶ . 二一︵四三五︶
立命館経済 学 ︵ 第 二 十 六 巻 ・ 第 三 号 ︶
ホ、∼が吻吻よりも大きい時は、ハのabがいえる。
へ、∼が吻吻と等しい時は、口がいえる。
ト、∼が吻吻よりも小さいプラスの値の時は、イのabがいえる。
チ、∼がマイナスの値の時は、ハのabがいえる。
今理解を容易にするために、寄与率の増減が互Gそのものの増減とは必ず
しもいえない場合のみを図示すると、図1・のとおりである。 す
3 、 ︶
わ
以上の関係は次のようにして証明することができる・まずk11H+讐、一表
H+2 を
讐H 率
、11一と置くと 比
成
・−→一船−一一詐一 § 鵬
‘
であり、これは互Gの関数とすると点︵〇一〇︶︵ピo︶を通る曲線であっ
×
の場合は・イ、︷VH故に︵H.違︶より∼が構成比率よりも大きい時は、 卿 寄
て、oV◎の場合は上に凹、o︿◎の時は上に凸である。そこで、○DoVo率
与
○ は
∼
の値はプラスであるから∼Vーである。これと︵H.S︶との比較から ︵
k
ぎVぎ 洋ワ芦 −州 ︵−一 3
簿 N V 曽 − 図
0旨 9 1・
pN o旨
気ぎ婁池奪く答 第
がいえる。しかし、∼が∼を大きく上廻っている時は、○○ではたく 内、、V底F
pN o昌
○昌 k
ミ ∼ ・ 、
雪
H
1 l
Hしたカってぎ11き1−§の時は、蜘の値はoであるから∼111であり
二二︵四三六︶
O
の
合
場
G
0■
<
の
0
合
場
0■
﹀
G
0
がいえるであろう、 そして、
これと︵H・s︶とから
口、
’ 一 灼竃V容一
’N⋮⋮、旨 沖ワ再 州l
pN 9一
がいえる。次に一、・ふ・一故に器成比率よ−も小さいプ一一一の値の時は、ひりの値は一イナスであるから、・小
である。こ れ と ︵ H . 竃 ︶ と の 比 較 か ら
∼M3 洋∼叫 灼、、V比F
g N ○ 昌
〇嵩 os
∼︿∼洋∼沌俸州kド 官一
がいえる。しかk烹より為当小さい嘆岬で窪−泌一一・錐がいえるであ言そして、一、巾・。
故に∼がマイナスの値の時は、レりの値ぱプラスであるから、イの場合と同じことがいえる。
容易にわかるであろう。
次に、のO︿Oの場合は、ひりが上に凸の曲線であることから、ポとチがハと同じであり、トがイに相当することは
︵5︶ 48年度の個人業主所得の寄与率は畠.岬べであって47年度のS.o“よりも大きくなったのであるが、 且Gは逆に47
年度のH﹄。・から48年度は一.ミに低下している。これは注3の○Dイaの場合であるから、、の増加から且Gの増加が
45年度の法人税および税外負担の寄与率はべ.。・求であって44年度と同じであるが、亙Gは44年度のH.蟹から45年度
必ずしもいえたいのである。
はH.瞳に低下している。これは○Oイbの場合であるから、寄与率が横ぼいの時は且Gは減少したといえるのである。
︵6︶ 今0∼1時点問の寄与率と2∼3時点問の寄与率とを比べる場合を考えると、物は︵H.8︶においてサフィツクス
ー、2を2,3と書き換えた
、轟11 §N︺ ミo
的 轟 灼 轟 ︵ H + 曽 N ︶
o8 0轟︵H+o0N︶
寄与率についての一考察︵関︶ 二三︵四三七︶
立命館経済学︵第二十六巻・第三号︶ 二四︵四三八︶
曽N H+蟹− 淳。。 H+答N
であるから、︵H・胃︶︵H・s︶において 一 の代りに1一 を代入すればよく、したがって
○旨 H+o昌 o曽 H+o0N
^ 蓼−
雛斗董池希ぎ
H+o竃
がいえるのであるが、 は1に近い値が多いから、︵一・8︶と同様に
H+os
H + §
・ 曽。。〃讐、洋∼比ぎ似旨 一H.§
としても、伽と伽との差が憧かである場合を除いては、それが誤りであることはあまりたいであろう。しかし、この
○轟 o旨
場合は
き き ざ
H+讐N ざ き き H+答− H+曽N
H+os 5 ■ 5 H+o旨H+pN
5 5 メ
H+雪
当
であるから、右辺の2つの相対的増加率が一方は1以下であり他方は1以上である場合を除いては、 H+答、 は
H+os
物価指数の寄与率
たお、この場合は注4の関係は適用できないのである。
H+9H
よりも1に近似する程度が悪く、したがって、︵H・8︶よりも︵H.畠︶の方が精度は悪くなることがわかる。
三
今度は固定基準による総合指数の寄与率を考察しよう。ここではそれを物価指数の場合にっいて述べるが、
然得られた結論は生産指数、その他の総合指数すべてに妥当する。
L 物価指数の算式にはラスバィレス式、バーシエ式、その他多くのものがあるが、ここでは広く実用されてい
1
る基準時加重算術平均式による場合について考察する。今O時点を基準とする1時点の物価指。数を片で表わすと
、旨11︼享一§一汁汀ピ︼§1lH ︵ド一︶
である。この場合千ホであつて、商品ごとの。−1時点問の価格変動率を表わす個別擢指数であり、ま
々の商品を類にまとめて類別指数を作り、それの総合として物価指数を計算するのであるが、類別指数︵それは
た・§11吋。Q。 であって、O時点の支出額から求めた個別価格指数のウェイトである。物価指数の実際では個
︼享ぎ
︵N.H︶にょって作成される︶を加 そのウェィトを吻とすると、︵ドH︶はまた類別指数の総合である物価指数を表
わすといえる。故に、以下では加を個別価格指数として説明するが、それを類別指数と読み替えてもよい。なお、
物価指数は基準時点の物価水準をmとする数字で表わされるのが普通であるが、、では便宜上それが1で表わ
されたものとして処理する。以下で述べる式を実際のデータに適用する場合このことに注意すべきである。
物価指数は基準時点︵O時点︶を固定して、それに対する1時点、2時点、、の物価水準の変動率を表わすも
のとして作成される。今−時点から2時点にかげての物価指数の増分を求めると
箏︸1、昌11︺︵吋SIb昌︶§ ︵N﹄︶
であり、したがって、増分の構成比率である寄与率は次のようになる。
、、心1ータ心1,o−ミ。
、o心1,o− ︵ドoo︶
しかし、物価指数は本質的には比率であるから、寄与率を固定基準指数の差の意味におげる増分の構成比率とす
寄与率についての一考察︵関︶ 二五︵四三九︶
立命館経済学︵第二十六巻・第三号︶ . 二六︵四四〇︶
ることは理解が困難であり正しくないであろう。そこで、物価指数の寄与率は総合指数の上昇率Gの構成比率で
あって、個別価格指数の上昇率gがGの移成に寄与した程度を相対的に表わすものと考えなければならない。
そのためにはまず、固定基準指数から任意の2時点問の物価水準の変動率を求めなければならないのであるが、
︵N﹂︶
︵N.蜆︶
0時点の支出額を1時点価格で計算し直して修正した1時点のウェイトである。 これを吻で表わすと、
は
、
タミ。11︼b§⋮§、
寧− ︸ §
ところが
、・、跨−旨粂§
それは2っの時点の固定基準指数の比率をとることによって得られ、その理由は次のようである。今−時点に対
2
する2時点の物価水準の変動率を^で表わすと、bSlIbも旨と書げることから
である。
であり
︵心.ト︶
午埼占ぎぎ幕・安−一 婁一
点
問
の
個
別
価
格
指
数
^
2を修正−時点ウェイト吻で加重平均したものであって、
と 書 け 、 と れ は 1 ぞ 2時
1 〃 2母
寺
点間の物価水準の変動率を表わすのである。
ここで前節の変動率の記号を用いると
■︸. 一一;
であるから、︵ドo︶は
H+OSlI︼︵H+灼冨︶き ︵ドoo︶
と書け、したがって
OSlI︼内;ミH ︵ドo︶
となる。︵ド岬︶と︵ドH︶の比較より仙は1時点の固定基準指数の構成比率であるといえるから、︵N・◎◎︶︵ドo︶は
前節の︵H.べ︶︵H・。。︶に相当するのであり、したがって、絶対値の場合の寄与率、構成比率、相対的増加率の関
係がそのまま物価指数にも妥当することがわかる。ところが物価指数の場合は基準時点のウェイト吻のみがわか
っており、仙は特に計算しない限り与えられないのが普通であるから、構成比率を用いることができないので特
別の修正が必要になるのである。そして、︵ド。。︶と︵H・べ︶の比較からわかるように、絶対値の場合のO,1時点
は物価指数では1,2時点として表わされるのであるから、絶対値の場合の関係を物価指数に適用する時はサフ
ィックスO,1を1,2に書き換えなけれぼならず、絶対値の場合の吻は物価指数では修正ウェイト仙であって、
基準時点のウェイト仙とは異なることに注意すべきである。
なお、物価指数の寄与率の問題はんの場合で考えるのが便利である。なぜならぼ、そのサフイツクスー、2を
O O
適当な数字に置き換えることによって、任意の時点問の問題に変換することができるからである。その場合片九
はO時点を基準とするO時点の物価水準を意味するから︶、享o1−H したがってP1灼8110としなければな
らぬ。
2 2
2.︵ドり︶によって物価水準の上昇率らは商品ごとの価格上昇率&と修正−時点ウェイト吻との積の和に展開
寄与率についての一考察︵関︶ 二七︵四四一︶
立命館経済学︵第二十六巻・第三号︶ 二八︵四四二︶
され、その各項から商品の価格上昇率が物価水準の上昇率の形成に寄与した程度を知ることができるのであって、
したがって堕忘−を﹁寄与度﹂というのである。これを相対化して比較可能にするために︵ドo︶の両辺をGで
除すと
一、叔一一き 一;一
となり、右辺の各項によって物価水準の上昇率に対する商品の価格上昇率の相対的な寄与の程度を表わすことが
できる。故に、Gの構成比率である寄与率は
灼畠 内畠、昌
、・心H£§鼎募£タぎ幕ぺ︺。・1 一二−一
である。なお、︵ドHH︶は次のように変形することができる。まず
“一け享奏一 マ一
ト昌
であるから、これを︵ドHH︶に代入すると
、S1心昌
、富1ータータ§ ︵ド峯
となる。︵ドお︶は︵ドo。︶と同じであるから、寄与率は計算的には固定基準指数の増分の構成比率として求めれ
ばよいことがわかる。 ︵ドH。◎︶によって寄与率の値を計算する場合、4捨5入による計算誤差を防ぐために、分
寸Hヘケ
決
ミ舟
寧
仁 o 舟
ヱ・二一灼、引、、一一葦土硝良
決
10.oo
◎.oo
仁 べ
8.べoo
舟
ooH.o
予︸疋、、一マ中栂
醤竃洲酋副蔓阜繋︵謂着事nH◎O︶e峨中揖哉中涌斗輯耕
畠肯
︸
HO〇一〇
灘 望
§o
8﹄
HO〇一〇〇
トo.◎
ドo
ミ.8
N◎一〇〇
ー旨.oo
N︶
琳中厨
浪
0.トo
l〇一H
◎.N
◎.O
o.oo
−お﹄
O.0
睾一moo
卜○0
〇一〇
◎.ト
一冨.O0
お.o
HO卜OO
トo.べ
H。。ムり
ドN
偉﹄O
講 昨
済 挙 事
lo1o0
N.爵
IHO◎.O◎O
m.べ
oo.o◎
◎一〇◎
HO.り
卜寓
lP8
1〇一H
ーべ.◎
Io.H
1畠.震
l〇一H
lo.o◎
ooドo
lco.o◎
ートo‘o
s.岬
1oo○.べoo
0o〇一り
べ﹄
8一H
1ゆ.o◎oo
8.べ
1岬.8
竃一H
ートo.o
心.ooo◎
1N一H
べ一ベベ
ooo.べ
HOOO.OO
半済挙癖茸蹄薄
貨.o
1崖﹄
○oり.H
ま一〇◎
畠.o
lo﹄
曽.割
Is.◎
ド○o
IHo〇一トoo
lトト
l〇一H
lO.◎
lO.0
1−.oo
lO.0
IH一mN
寓.oo
ー◎.杜
−一◎
o.◎
Iり.m
豪.い
ード仁
IH一◎
〇一岬
H一〇〇
Ho◎.8
O.O
〇一H
・⋮一 ⋮
畠﹄
l〇一〇
ー◎.ooco
O.H
1◎一◎
ーべ一〇べ
1oo.紅o◎
H.8
NO.OO
18.べ
o﹄
べ.o◎
ーべ.m
1卜o
l〇一〇〇
l8一貨
O.仰
1P旨
−旨−漫
濯.ooo
lN0◎一〇〇
1卜旨
l〇一H
19仁
HOO.H
1◎一べ
1◎﹄
竃.雷
仰.ooo
o〇一べ
lO.H
IHトト
竃.H
OOH﹄
HOO.岬
8﹄
HHH一0
O◎1◎
H.o
oo.H◎
Io﹄
旨.o
8一ト
HS.O
lo.り
H■一0
HO卜◎O
−婁一 。・卜8
HoH.0
−彗二⋮一
H8.◎
HH.0
邑。。
OOm一〇
8.o
oooo.o0
竃一紅
欝議耀事
心.c0H
oo.べoo
H一8
ニミN。強⋮画鰹臣
鱈茸計耀事
齢繭搬茸
o.coべ
べ一観
o〇一Ho
卜腎
oo.べo◎
墨一胃
o◎.お
トNO
騨 薗
帯灘紛劇
紛剥灌罰
繁薄鶉畑
さ俳耀事
創董訓涛画鱈罰
鵜辮耀串
講 罰 皿
昨 卑一
畔−︶︵︸1旨o︶§o+Ho0 N︶ ︵寧ーぎ︶ミo斗り〇一N
踊箪“口料賠饒欝単刮﹁曹宙粛蝉肯錨﹂竈曽8舟o
母の値は垣﹁垣一によるのでたく、︵心﹄︶より明らかなようにそれと相等しい分子の和︼︵︾﹁ト昌︶§を用い
1
るのがよい。今昭和46,47年の卸売物価指数の寄与率を計算すると表2・のとおりである。
︵ドHH︶より明らかなように、物価水準の上昇率Gと商品の価格上昇率9との符号が同じ場合は寄与率はプラ
寄与率についての一考察︵関︶ 二九︵四四三︶
立命館経済学︵第二十六巻・第三号︶ 三〇︵四四四︶
スになり、両者の符号が異なる時は寄与率はマイナスになる。したがって、物価が騰貴しGがブラスの時は9の
符号と寄与率の符号が一致するが、物価が下落しGがマィナスの場合は9の符号と寄与率の符号は逆になる。表
”によると、46年に食料品はトo。“上昇し非鉄金属は岸ト“下落したのであるが、卸売物価が9・。“下落したので
食料品の寄与率は1夷い“非鉄金属の寄与率は十事。・“になり、この場合のマイナスの寄与率は卸売物価の下
落を抑制する作用をしたことを意味し、プラスの寄与率は卸売物価の下落の要因であったことを示すのである。
そして、47年にも引き続き食料品はH.o“上昇し非鉄金属は切.H“下落したのであるが、卸売物価が◎.・。“騰貴し
たので食料品の寄与率は十。・H.o“非鉄金属の寄与率は−§◎“であって、今度はプラスの寄与率は物価騰貴の
要因であったことを示し、マィナスの寄与率は物価騰貴を抑制したことを表わすのである。要するに1、プラスの,
寄与率はGと同じ方向の寄与を意味し、マィナスの寄与率はGと逆の方向の寄与を示すのである。
なお、寄与度は︵ドs︶︵ド岬︶または︵ドHH︶より
、S1︾H
内;き1− § ︵N.崖︶
箏−
11∼OS ︵ド冨︶
となり、寄与度の値はこれらの式によっても計算することができる。
3・以上で物価指数の寄与率の算式が明らかになったので、次に寄与率と物価指数のウェイト、上昇率との関
係を調べよう。まず寄与率とウェイトとの関係からみることにする。今寄与率∼と物価指数のウェイト吻との差
をとると、︵ドHH︶より
亨干一船辛−、一§
となり、これから
︵ド崖︶
船堆⋮、 葦河 希§ 一;一
がいえ、&と九の積で表わされた商品の価格上昇率を、それと同様の物価水準の上昇率で除して相対化したもの
2 1
が、1より大きい︵小さい︶場合に寄与率はウェイトよりも大きく︵小さく︶なり、それが1に等しい時は寄与率
はウェイトと一致するのである。したがって、寄与率と吻との比較から相対的価格上昇率妙呼と1との関係を
知り得るのであるが、ここで注意すべきことは岳の経済的妥当性である。享分子は一;一吉
>1>
内富b昌1ートo∼1bo−11
寧
であり、これは1〃2時点問の価格上昇額>1>をO時点価格九を基準とする比率で表わしたものである。し
かし、経済的に意義のある1∼2時点問の術格上昇率は1時点価格^を基準とする比率で表わしたもの、すなわ
ち、 11内富でなげればたらぬ。そして、分母は︵ドり︶︵ド岬︶より
>1> 、
○富箏−11︼内畠寧−ミo
︸
であり、分子を物価指数のウェイトで加重平均したものである。したがって、 妙“は1∼2時点間の相対的価
格上昇率としては経済的意義がわかり難く、正確にはぬ∼でなけれぼならないことがわかる。
もしも修正ウェイト吻の値が得られるならぼ、寄与率∼と仙との差は︵ド■︶より
寄与率についての一考察︵関︶ − 三一︵四四五︶
立命館経済学︵第二十六巻・第三号︶
亨・1華−、一§
であり、したがっ て 、
三二︵四四六︶
︵ドHo。︶
船似 撃、比 。榊き 一ご〇一
によることはできない。そこで、 前節で︵H・s︶
に関
がい冬寄与率と吻との比較によ一て繁が・より大きいか否かを智得るのであるが、実際に段の値は発
表されないから、 特に吻を計算するのでない限り︵ド岩︶
して述べたように、・を中心とする牛証一の変動はきの変動よ呈ずつと小さいのが普通である
から、船堆は繁と大差がない場合が多いので、9一二代りに
○畠
内一、⋮⋮H 洋∼池 ∼w§ ︵ド8︶
として、寄与率がウェィトよりも大きい︵小さいv場合は互Gが1より大きい︵小さい︶ことを意味するとみな
しても、寄与率とウェイトとの差が非常に小さい場合でない限り、それが誤りであることはほとんどないであろ
ゲ∼図ユは消費者物価指数のウェイト吻と寄与率の推移を示しているのであるが・寄与率と吻との関係が互G
2
︵2︶ 1
と1との関係を示すと考えた場合、それが誤りであるのは49年の被服のみである。なお、図2・において、45年ま
での寄与率は40年基準の物価指数から求めたものであるから、40年基準指数のウェイトと比較するのに対して、
46年以降の寄与率は45年基準の物価指数から計算したものであるから、45年基準指数のウェイトと比較されるこ
とに注意すべきである。
なお、星Gとそれに互pを乗じたものとの差が僅かであることから、︵ド冨︶より寄与率と物価指数のウェ
イトの差。、ミニ小.、にほぽ比例するのであつて、;ら比較によ一てTの大小が大体一わかるので
ある。しかし、。、、。を品目問で比較する時は、品目によつて崇大きく違うことが多いから、恥−;違いを
知ることはできない。
4・今度は寄与率の時問的変化をみるのであるが、それを1〃2時点問の寄与率∼と2∼3時点間の寄与率∼
︵ドs︶
︵心.旨︶
との差で調べることにする。窪一ド、、一よ二、陸苧;あり、∼はこの式のサフィ一クスー、・を
、、3と置き換えることによつて得られ亨陸苧・である。今両者の差をとると
、二工平恥一堆ま蛤一・
○墨wぎ
ところが平宜⋮二一一−iまであるから
したがって
−す﹂締一亨
となり、
灼 畠
雛・幸ト3婁池
H+○富
がいえ、相対的価格上昇率が大きく︵小さく︶たると寄与率は増大︵減少︶し、相対的価格上昇率が変らない時は
寄与率についての一考察︵関︶ 三三︵四四七︶
立命館経済学︵第二十六巻・第三号︶ 三四︵四四八︶
H+灼 ・
寄与率の値は同じである。しかし、この場合1∼2時点問の相対的価格上昇率は互GでたくそれをH+O で
除したものであり、そのような値は経済的に無意味であるから、前節の︵H・s︶の場合と同様に、︵ドs︶の代り
に
蹄∼昨 洋ワ、沌 。和。冨 ︵ド§
とし・寄与率が増加︵減小︶する時は星Gそのものが大きく︵小さく︶なったとみなしても、∼と∼との差が非
、 一3∼ 1
常に小さい場合を除いては、それが誤りであることはほとんどないであろう図2・の場合、寄与率の増減を互G
の騰落と考えた時それが誤りであるのは46年の住居のみであり、また、49年のその他の食料は寄与率が横ほいで
︵4︶
あるので、 互Gの変動方向を知り得ないのである。
しかし・46年の住居の例は︵ド轟︶による誤り以外の要因によるのであり、物価指数の寄与率の推移を比較す
る際に注意すべき問題を示しているのである。すなわち、︵ド曽︶はウェィトを同じくする固定基準指数から算
出された寄与率の差か表わすものであって、ウェィトの異たる指数から求めた寄与率の差は相対的価格上昇率の
差だげではたく、更にウェイトの差によっても影響されて決まるために、それは相対的価格上昇率の差を正しく
表わし得ない場合がある。消費者物価指数は45年に改訂されたのであって、45年までの寄与率は40年基準指数に
よって計算されているが、46年からの寄与率は45年基準指数によって算出されているために、45年と46年の寄与
率の差はウェイトの差の影響で相対的価格上昇率の差を正しく表わさたいことがあり、住居はまさにこの例であ
電
このようた寄与率の比較から相対的価格上昇率の増減を知ることは、隣接したい2時点の寄与率の比較の場合
癌
一ご寸いへ7
︷蜆
H○○
ト○
O○
ooo
旨
胃
o○
¢
HH.
coト
ミ
8
○ooo
卜
○OO.
旨.
様
糠N﹄鮒
OO
仁m
8
お
○○o
卜
oo○
○o
1 ’’,一 L− 一 . ﹄ 、
Nり.
s.
Ho.
ooOo
o﹄ト◎
へい
HOO
皿一窯一 箒一
>口
﹄二 一,︷’︸﹄Fr工■
亘一琳中僚
岬○
Ho○
享一
o
べ
べ
お
s.
10
碗.
N0o.
お肯
HOO
○
oo岬
H○○
阜一
H○○
N
享一
畠 仰
○
H○○
○
卜
旨
HOo.
8.
べ
○o
co
]1
べ
o
ト仁
oo
岬
O
ト○
岬 べ
仁◎
N○.
ト。co.
H.
り べ
べ
ト 仁
H○◎
蕎一
o
o
蜆 H
ト○
喜一
HOO
O
8 べ
Q
閉
ら
ト
ト
○oべ.
崖.
Hl
H○
心 o
○oべ
り H
o
N
い 岬
8.
Hoo.
oo
o
O
Ho
oo
○o
o
畠.
崖.
oo.
︷oo
∼
m○
事一
り
○
HN
トoo
oo
○o
H
﹄
○ら
○oH.
旨.
o◎.
ooo
H
HOO
‘
喜一
◎
胃 N
H
ト
oo
o
¢
¢
○OO.
H○.
o
べ.
coco
ミ o
ト
oo
o
oo
co
oo
O
ま灘昧き膏誌薄︵昨画︶e寸いべ7 我吋音一註茸旨ト車槻
阜一
HO○
■
HO.
coN
o◎
o
H○.
旨.
H
o
m
H
−1
り1
奈.
g寺
H○○
畠
H○
H
ト◎
]1
O.りOO H.NO
O.0べ H.COO
H.H¢ ◎.べm
○.べo H.N0
o.ミ
○.ざ
H.良
H1胃
H.昌
H.富 o.coo
O.Oト H.]lOO
◎.HO o.い○o
◎.お ◎一〇〇〇〇
H.HN H.ト岬
H.8 ◎﹄o0
H.島 H.Hべ
O.Oべ ]..Nい
H.トo◎ H.N∼
O.0]1 ◎.OOCO
O.べり ◎.OH
H.○oo ○.oo仁
O.仁0 ◎.OO仁
○.りo◎ ○.coべ
o.o仁 ○.べo
ー.oo仁 ○.り切
◎1︷o H.Hト
◎.OOm HlOべ
H.Hoo H.Ho
O.べ﹄ O.OCO
H一HH H.Hco
H.轟
◎.胃
H.崖
o.竃
H.oo
H.亭
H.HO
ト
co
]1
O.NN IO.HOO
H.OO
O.OOOO
co岬.
べ一
心.
べ H
○oo
○
でも可能であるが、その2時点の問隔が大きい程この判断の誤りは多くなることは、前節で述べたとおりである。
譲
済
輩
時
済
小e曹e跨章
萌
覇
聾し’’’
薄
購
*
甫
講
時昌∼畠青e賊曲童堂o青鮮擦量町警︹トG輯臣﹁しアg辛e喋曲栂一宝箏嵩榛豆町警︹トdべ箒E﹁汁。
毒’一‘’,
鴎華一護贈奉欝単劃﹁ユき鳩雌鳶富苛薄∼刊薫﹂雷曽g辛。
冨一斗茎書ト車督一小︶
H.mり ◎.om
三五︵四四九︶
o.べH 9べ○
ミ一事一 葺二皐一 事二享一 事一葺一 葺一事
寄与率についての一考察︵関︶
立命館経済学︵第二十六巻・第三号︶ 三六︵四五〇︶
の住居であるが、後者はウェイトの変更による誤りであり、また、3年間隔で寄与率を比較した時の誤りは、45
図。1において2年間隔で寄与率を比べた場合、相対的価格上昇率についての判断を誤ったのは50年の食料と46年
2
年の食料と50年の雑費である。
糞、互・とそれを訳で除しをのとの差は僅少であることから、一;一より寄与率の差。竃.、忘
相対的価格上昇率の差雛−坤に大体比例するのであるが、多が時問的菱化するために近似的にも比
%20
10
住居勺
%珊 O
20
10
50
40
30
20
蘭
刀口
矛
口
皿
‘
42
43
姐
45
46
47
48
49
50
年
例しない場合があり、また、品目問で寄与率の差を比較する時は、品目によって吻が大きく違うために、相対的
︶
線
破
︵
と
率
与
寄
︶
線
実
︵
の
移
推
価格上昇率の差を反映しない場合が多い。 .
1
5 以上の結果を用いて図2・の寄与率
の推移の意味を解釈してみよう。消費者
物価の上昇に対する寄与率が一番大きい
のは食料であって、多くの年では消費者
物価の騰貴の45∼50%が食料の騰貴によ
ってもたらされたのである。そして、食
料の寄与率は値が大きいだげではなく、
それらの年では物 価 指 数 の ウ ェ イ ト を 相
当上廻っており、したがって価格上昇率
が総合よりもずっと高く、しかもほぼ同
様の高い相対的上昇率が続いたのであ
る。これを主食とその他の食料に分げて
みると、両者の寄与率したがって相対的
上昇率の推移は完全に逆行しており、一
方が上昇する時は他方が下落することに
よって、食料のほぼ一定した相対的な騰
貴を生ぜしめたのである。かくて、食料
の騰貴は消費者物価の上昇に対する寄与
が大きい上に、それをリードする役割を
果してきたことがわかる。
ト
ニ
イ
ウ
の
数
指
価
物
者
費
消
2
1
図
第
%30
\
セ陣
蛍
鮒
20
10
〃〃一汕
”
30
50
40
介一
−ヤ
\
〇
他
柵
30
20
10
し
か
し
、 このような食料の役割には45年を境に違った様相がみられるのである。すなわち、45年までは食料が
50
年
幼
蝸
灯
土
犯
4
■つ
4
4
3
1寸
’ー工
9一
1
4
和
日
丁]
主力となり雑費がそれを補足して消費者物価の騰貴を生ぜしめたのであるが、46∼47年には食料の相対的上昇率
は低下し代って被服と雑費が物価騰貴を主導するのであり、48∼50年の狂乱物価期には再び食料の相対的上昇率
が高くなったものの45年以前程ではなく、被服、雑費等の騰貴とあいまって激しい物価上昇をもたらしたのであ
る。なお、被服の寄与率は45年以前から漸増しており、相対的上昇率が低いとはいえ増加傾向にあったのであり
同様のことが住居、光熱についてもいえる。
6・以上で物価指数の寄与率の基本的な性質の説明が終ったので、次に特殊の問題である寄与率の結合と接続
. 寄与率についての一考察︵関︶ 三七︵四五一︶
、
立命館経済学︵第二十六巻・第三号︶ 三八︵四五二︶
指数による寄与率の計算を説明しよう。
まず寄与率の結合であるが、これは1∼2時点間の寄与率∼と2ク3時点問の寄与率∼とが与えられている時、
それを用いて1〃3時点問の寄与率∼を求める問題である。123時点問の寄与率は︵ドHo・︶においてサフィッ
クス2を3に書き換えることによって得られ、それは次のように変形することができる。
b畠1b昌 H
、、タータ干タ.辻§。。←・一予一ぎ←昌一ミ・一
ところが︵ドお︶より ︵、S1、昌︶§11∼︵箏心−箏−︶ と書げることから
H
、畠1ータータ一。失タータ︶十、氏タータ︶一 ︵竃ト︶
故に、1〃3時点問の寄与率は172時点問の寄与率と2〃3時点間の寄与率の加重平均で求められ、その場合
のウヱイトは総合 指 数 の 差 で あ る 。
なお、寄与度の結合を考えると、1∼3時点間の寄与度は︵N・崖︶においてサフィックス2を3に書き換えて
得られ、それを次のように変移するとよい。
、畠1、昌 H
筆き1ー タ§1ータ;冨←S︶§十︵享﹁ぎ︶三
ところが︵心・崖︶より ︵、SIb旨︶§11内量きタ。と書げることから
H
筆ミータ一雲§タ十筆・・主 §切一
したがって、1∼3時点問の寄与度は、1∼2時点問の寄与度と2∼3時点間の寄与度を、総合指数をウェイト
として加重平均することによって得られる。
ゼ物価指数の改訂が行われ基準時点が変更されると、旧指数は新しい基準時点の物価水準をmとする指数に
換算され、新指数に接続されるのであるが、この接続指数を用いて寄与率を計算する時のやり方を知らねばなら
ない。今O時点基準の物価指数が5時点において新指数に切り換えられ、旧指数は5時点基準の新指数に接続さ
一婁
れたと仮定し、接続された総合指数、個別価格指数は2時点の場合で示すと次のようであるとする・
タ”タ
箏o
号s
も竃”
b冒
2
この場合具は5時点基準の2時点の接続指数であり、んとんはO時点基準の2時点および5時点の旧指数であっ
5
て、片をリソク係数という。このことは個別価格指数にっいても同じである。そして、1∼2時点間の寄与率∼
を求めるものとすると、旧指数による時は︵ドお︶より計算し得るのであるが、それは次のようにして接続指数
から計算する式に変形することができる。
、sIbo− h旨 b冒 h暮
ト冨 b昌
。、、1ータータミ。11、冨 タ タ§
箏︸ 箏q
Ib竃1、昌 、冒
1よ﹁、豊箏。ミ。 ︵心ミ︶
したがって、接続指数から寄与率を計算する時は、それに︵ドH。。︶を適用した結果にリンク係数の比加孔を乗
寄与率についての一考察︵関︶ 三九︵四五三︶
立命館経済学︵第二十六巻・第三号︶ 四〇︵四五四︶
じて修正すれぽよいのである。
︵6︶
なお、1∼2時点問の寄与度灼旨きは、︵ド崖︶に同様の変捗を施して得られる式
内量§11、。、1、饒、、。岬ミ。 ︵ド轟︶
争一 箏“
によって計算し得る。︵ドミ︶︵N﹄。・︶の吻は旧指数のウェイトであることはいうまでもないであろう。
7.更に、場合によっては寄与率を計算する期間が現行指数と接続指数の両者にまたがることがあるので、そ
の時の寄与率の求め方を知らねばならたい。今2∼7時点問の寄与率伽を求めるものとすると、寄与率の結合を
示す︵ド違︶によって、接続指数から計算する2∼5時点問の寄与率∼と、現行指数から計算する5∼7時点問
の寄与率伽との和を求めればよい。そこで、 ︵ド違︶においてサフイツクスー、2,3を2,5,7と書き換え、
5
また、基準時点Oを5に直すことに、よって伽を求める式が得られる。その場合耳は基準時点の物価水準を表わす
から炉似1−Hであるので
享11苧︸タ一更兵﹁、一十更、.タ一一 琶
である。そして、伽は現行指数から求めた寄与率であるから、 ︵心.Ho。︶においてサフイツクスー、2を5,7と
書き直し、基準時点Oを5に改めることによって得られ、その場合、蟹11Hであるから
。。、u箏﹃lHミ。
寧lH 重
とたる。この式の吻は5時点基準の現行指数のウェイトである。また、∼は接続指数から求めた寄与率であるか
ら、 ︵ドミ︶においてサフィツクスユ、2を2,5と書き換えて得られる式
’
−
,
表
算
計
率
率
与
寄
B
十
A
5
0
〃
与
寄 砺
力1
年 ’︵
〃
B
0
∼止峠・
47
42
5
力
%
1
7
4
8
3
4
1
5
4
2
8
O
3
8
3 8 3 2 4
3
4
3
Fo
4’
6
6
2
6
3
,
4 6
8 9
2 3
2 2
!
7
5
8
1
一■o
O
1
1
6
9
︵之
8 9
6 2
2 3
1 1
4
4
2
1
18
1
2
2
7
2
1
4
9 4
3 9
0 3
1
7 O 2 O 9
5 4 2 9 1
1 3 1 9 6
8 1
1 4
O 2
O 6
O 3
O 4
1
4
6
2
1
8
3
O
1
4 O
O 4
3 3
1 1
O
1
3
4
O 4
4 4
8 8
O
5
1
1
2
1
7
1
1
1
9
2
O
1
1
9
O
1
9
6
9
2
4
9 1
0 O
1 1
1 1
1
7
8
Fo
8 3
3 1
8 8
O
O
1
1 !%O04573968006
’
1
〃
ユp
年リ係
O
4
イ榊
二
ウト
年
7力
5
1
二
ウト
O
O
1
O
4
1
1
4
2
1
O
3
イ吻%008660173899
4
1
2力
一一
4
0
O
1年2
4
年
5
7
5
O
O
1 クカ
= ソ数
1
和 ︵
昭
の
︶
国
全
︵
数
指
価
物
老
費
消
表
3
2・
第
目篤鵠灘麟
項
O
O
O
1
,
,
5
1
1
7
2
1
,
7
8
8
O
1
,
2
2
6
1
’
1
1
計
合
1
○
50
年
45
和
昭
U
報
年
数
指
価
物
者
費
消
﹁
局
計
統
府
理
総
料
資
寄与率についての一考察︵関︶
、、饒HH−畑︸箏。ミ。 ◎
H1、竃 ト畠一
である。 そこで四〇を¢りに代入して得られる式
。ミ、礼加÷﹃、一葦一、−邑玲主 一量一
︵7︶
によって、2∼7時点問の寄与率を求めることができる。
また、この場合の寄与度灼署sは次の式で計算し得る。
婁←÷﹃、一葦一、−邑苧一 蔓一
これは、︵ド冨︶より撃﹃SlI享P﹃であり、それに︵ドS︶とQミ“ざ、
−一﹄斗心を代入することにより得られる。一蔓一一;の准
旧指数のウェイト、仏は現行指数のウェイトである。
昭和45年基準の消費者物価指数は42年は。・c。.。・ 47年はH鼻りであって5
カ年問に睾Hポイソト増加し、物価水準の上昇率はo.N﹄“であった。こ
のような総合指数の上昇に対する類別指数の寄与率を計算すると表3のと
2
おりである。それによると寄与率の大きいものは食料、雑費、被服の順で
あって、それらの倉計は90ガに上っている。その上、寄与率をウェイトと
比較すると、食料と被服の寄与率は物物のいずれよりも大きく、したがっ
四一︵四五五︶
立命館経済学︵第二十六巻・第三号︶ 四二︵四五六︶
て、42’47年問の上昇率が総合指数の上昇率よりも高く、この間の物価騰貴をリードしたことがわかる。そして、
雑費の寄与率は吻と仏の中問にあるから、その上昇率は総合指数の上昇率とぼぼ同じであり、住居と光熱の寄与
率はウェイトよりも小さいために、その上昇率は総合指数の上昇率よりも低いことがわかる。
︵1︶寄与率∼と物価指数のウエイト吻との関係から相対的価格上昇率馳砺が1より大きいか否かを判断する時、それ
が誤りを犯す危険があるのは、∼が吻に等しいかまたは吻の極く近くにくる場合である。それは次のようにして証明
することができる。享、寮物よりも大ミしたがつて、§一吉搾V、と判断する場合を考える。修正
、・三肇当よ一・麦るかご一れは誤つた判断萎。次に、・が吻吉も小さいので脾一・、と判
ウェィト吻が与えられているものとすると、§︿§︿∼の時は︵ド畠︶よりその判断は正しいのであるが、§︿。富
断する場合を考えると、§V・ぎ奮ぽそれでょいが、§ぎV§奮ば実際は咋V、であるかミこれは
誤りである。そして、寮吻と等しく非、、と判断する場合は、ミ。、、旨、ミ・の時はその判断はモいが、ミ。、
希三時は本当は非・、であるか享これは誤つた判断である。かくて、
鴛以 丁一
ミo110旨∼§−
の時に︵ド8︶による判断が誤りを犯すのであるが、灼は与えられていないのが普通であるから、のか否かを知るこ
とはできたい。そこで、蔓吉テ守;貢音が普程1に近い値であることかミ吻と吻とは大
差がない場合が多いので、∼が吻に非常に近い場合にG○の可能性が大きいとみれ浅よいであろう。
しかし、修正ウェィトと物価指数のウニィトとの差は、基準時点から遠ざかるにしたがって大きくたる傾向がある
ことに注意すべきである。今2時点の修正ウニィト物の場合とすると、 物は︵ド切︶においてサフィヅクスーを2こ
書き換えて得られ、一;よ二・工旨∼であを一とから、それは次のように変形することができる・ 吾
ミ、 1 1 、 竃 ミ 。 1 1 、 昌 、 富 ミ 。
、◎N ,o−吋s
したがつて、右辺の・つの舌の一方が1以上であり他方が・以下である場合狂烹との差は僅かであるが・
離れるにつれて著しくなることがわかる。
舌全票−以上一−以下一の時は物猛より或る程度離れる一一とがあり、それは・時点・4時点と輩時点から
よいのであ る 。 な ぜ な ら ぱ 、 ︵ − . 畠 ︶ よ り
そして、舌と1との関係は、寄与率が吻より美きい一小さい一時は、・V・の場合は舌は1より美き
い一小さい一といつても大部分の場合誤りではなく、尺・の場合は逆に去は・吉小さい一大きい一とい一て
。・。。畢や片→、茎片事似
○︿◎◎尋弄 ︷wH 洋∼片 H+灼⋮⋮一
〇 H+○,
であり、これと︵ド8︶とからほとんどの場合
oVo◎尋再 ○W§ 洋£艸 H+灼WH
H+○ハ
といってよいからである。
○︿o◎垂汁 榊⋮§ 洋∼艸 H+ド舳H
H+o
一。一翠の被服の寄与率は婁ミ物一一ド・・§よ呈大きいのであるが、且・は暮であ一て1吉小さい・
これは、ザ牟の被服の寄与率が全驚より美きいので葦の修正ウ一イトが吻より美きくなり一注3参照一・
筆の寄与率をも上廻つたためであると考えられる。今試みに牽の准正ウ一イーを計算すると⋮一葦ある。
一。一寄与率の増減と相対的価格上昇率の増減との関係は前節の注・のとおりであるが一ただし・サフィ一クス。・1
寄与率についての妻察一関一 四三一四五七一
立命館経済学︵第二十六巻・第三号︶ 四四︵四五八︶
を1・2に書き換え淳れ窪らない一、物価指数の場合は各時点の修正ウ一イトが与えられないから、その場合必
う大きく離れること凄いから、寄与率祭よりもある程度大きい一小さい一時は,修正ウ一イトに対しても大きい
要蕃与率と構成比率との大小関係がわからないことに雲。しかし、修正ウ一イトは物価指数のウ一イト吻吉そ
一小さい一とみてもよいので、寄与率が響近い場合にのみ寄与率と驚比率との関係が問題集るのである。その
時は・注1で述べたよ乏修正ウ一イト陸加一∼銑がいずれも・より大きい一小さい一場合は吻より美きく
一小さく一菅・そして・寄与率訟より美きい一小さい一時は吾は・よ呈大きい一小さい一 ただとV一
の場合 のであるから、これを利用して寄与率と構成比率の関係を推察するとよいであろう。
一4一その他の食料の寄与率は葦、翠共;§であるが、それ集奪§より春当大きいから当餐年の
修正ウ一イトよりも大きいと考えられる。したがつて、これは前節の注・のODイ・の場合であるから翠の互。は
である。
減少したといえる三際に星・猛年の;から翠は;一低下した。また、筆の修正ウ一イトは。一;“
と考えられるのであるが・それを計算すると・・纂である。一したがつて、筆の互・は増加するはずであるが、
一5一住居の奪率猛年婁c・薫ら牽は二乏増加したのであるが、これは前節の注・8一aの場合である。
奪奮ぽ・葦の寄与率筑一・・嚢一吉或る程度離れているので、隼の修正ウ一イトよ呈小さいと考え
られるからである・一姐∼牽の寄与率が大部註より束さいことから、隼の修正ウ一イト氏よ呈小さい
実際に塞年の毫から筆は・.乏低下したのである。故に、筆の寄与率の増加は、住居のウ一イトが隼基
準指数のH9お決から45年基準指数のHH・8“に増加したためであることがわかる。
奮賃・−舵よ−ギ舵であるか宅しかし、実際上は、捨5入の誤差の影響で末尾に多少の誤りが
一6一リソク係数焦の値がわか窪い時は・接続指数の・時点の値急の嚢を隻一とによつて得ら答。なぜ
︵7︶接続指数でなく旧指数が得られる時は、伽は次の式で計算することができる。
生ずるのは 、 や む を 得 な い と こ ろ で あ る 。
3汁一一工一蜆十︵吋。岬貼、︶、。一 ︵ド。。、︶
これは︵ド8︶ の右辺第2項に
四 寄与率の問題点
、s
鼻N1l,、1− を代入することにより得られる。
︾岬
以上絶対値の場合と物価指数の場合とに分げて寄与率の算式、性質を説明してきたのであるが、どの場合も基
内
本的には同じ関係が成立するので虚った。今それを要約すれぱ、寄与率の算式は。11引§で与えられ、寄与率と
構成比率︵物価指数の場合はウェィト︶との関係から全体の増加率を基準とする部分の相対的増加率が1より大き
いか否かがわかり、また、寄与率の増減から相対的増加率の増減を知り得るのであって、物価指数の場合は固定
基準であることから特別の修正が必要になるだげであツた。寄与率の値が大きいことは全体の増加に対する部分
の増加の寄与の程度が大きいことを表わすのであるが、寄与率としては同じであっても部分の増加のテソポには
差があり、それを表わす相対的増加率にっいての知識が寄与率と構成比率︵またはウニィト︶および寄与率相互の
比較によって得られるのである。従来から全体と都分の関係を表わす統計的測度として増加率、構成比率が一般
に用いられてきたのであるが、それに寄与率を併用することによって一段と事態の認識を深めることができるの
である。
このように寄与率は非常に有効な統計的測度ではあるが、その反面次のような限界、欠点をもっている。まず
第一は、全体の増分がOの場合は寄与率を計算できないということである。絶対値のデータの場合でいうと、全
体の増分〃が0であっても部分の増分小はすべてOではなく、プラスのもの、マィナスのものがあって、それら
の総合の結果として〃がOになるのが普通であるが、〃がOになったということにー対する小の寄与の程度を寄与
寄与率についての一考察︵関︶ . 四五︵四五九︶
立命館経済学︵第二十六巻パ第三号︶ 四六︵四六〇︶
率で表わすことはできないのである。
次の欠点は、たとえ全体の増分がOでないにしても、その絶対値が非常に小さい値の時は寄与率の絶対値が著
しく大きな値になり、時にはooを越す場合すら生じ、そのために意味がわかり難くたるということである。物
−
価指数の場合で説明すると、総合指数の上昇率Gの絶対値がどん在に小さい値であっても、個別価格指数または
類別指数の上昇率gが全部プラス︵またはマィナス︶である時はそのようなことにはならないのであるが、gがプ
ラス、マィナスまちまちであり、それらの総合の結果同が小さくなったようた場合には、絶対値の非常に大きい
寄与率が生ずるのである。例えば、卸売物価は46年に◎・。。“下落したのであるが、下落の要因を知るために類別指
数の寄与率を見ると表”のとおりであって、プラスの寄与の大きなものは非鉄金属︵事・。“︶、鉄鋼︵奉N“︶、
金属素材︵o.o.H“︶、繊維︵o。ドo“︶であり、この4っの寄与率の合計はsトベ“になる。他方、 マイナスの寄
与の大きなものは食料品︵−夷N“︶、石油・石炭同製品︵1奉べ“︶、雑品目︵ーいo。.。。“︶であって、この3っ
の寄与率の合計は−H戸べ“である。このことは、卸売物価の◎.o。“の下落のうちべo﹄“に相当する部分は非鉄金
属の下落によってもたらされたのであり、また、食料品の騰貴によって鼻N“に当たる部分だけ下落が抑制され
味
す
る
の
で
あ
っ
て
、
こ
の
よ
う
に
寄
与
率
の
絶
対
値
が
1○
た 、 等 の こ と を意
0以下の時はその意味が理解し易いであろ
う。ところが、9。◎“の下落のうちSトベ“が非鉄金属等4っの類の下落によって生ぜしめられ、他方、食料品
等3っの類の騰貴によって弓H・べ“だげ下落が抑制された、というユうに寄与率の絶対値がm以上の時は、そ
の読み方について訓練された者でない限り、一般には意味がわかり難いであろう。
このように全体の増分が0または極めて小さい絶対値のために、寄与率が使えないかまたは有効に作用しない
時は、寄与率の代りに寄与度を用いるとよいであろう。それは、寄与度は全体の増加率Gと部分の増加率9との
関係を表わす式011︼内ミの右辺の各項をいうのであるから、GがOであっても寄与度は計算でき・それによっ
てGがOになったことに対して各部分がどのように作用したかを知ることができるからであり、また、Gの絶対
値がどんなに小さい値であっても、そのために寄与度の絶対値が非常に大きくなり理解が困難になるようなこと
はないからである。そして、寄与度はGの大きさが等しいかまたはほぽ同じである場合でない限り比較可能性を
欠き、他の時点の寄与度と比べて全体の増加に対する部分の増加の寄与の程度の違いを知ることはできないので
あるが、Gが0または非常に小さい値の時は、Gの差違は僅少であるから寄与度を相互に比較することは可能で
あろう。
最後に、寄与率を計算する際の4捨5入の誤差のために、理論的に導かれた寄与率と他の統計的測度との関係
を正確に表わし得ない場合があることを注意しておこう。例えぼ、 ﹁国民所得統計年報﹂によると昭和44年度と
45年度の法人税および税外負担の寄与率は同じ値︵べ・o◎“︶であり、したがって、︵H・S︶から両者の相対的増加
率は等しいと亨又ら一るの一藁そ註一る−差ニホニー一して牽一干一−
であって低下しており、寄与率の動きと矛盾する。しかし、これは寄与率が4捨5入の結果同じ値になったため
であって、寄与率の値をもうーケタ多く表わすと44年度﹁o・H劣、45年度﹁ミ劣であって45年度は減少しており・
相対的増加率と同じ動きであり︵H・S︶の関係が確認されるのである。もっとも、このような4捨5入の誤差に
よる難点は寄与率だけではなく増加率、構成比率についてもいえ、それを避げるためにはこれらの値をより多く
寄与率についての一考察︵関︶ 四七︵四六一︶
立命館経済学︵第二十六巻・第三号︶ 四八︵四六二︶
のケタ数まで計算することが望ましいのであるが、与えられたデータの関係からそれが許されない場合があり、
特にこの難点は端蓼丸めた・主ヶタの数字で表わされる物価指数の場倉多いと考えられる。故に、寄与率、
その他の統計的測度の値が非常に接近している時は、その意味の解釈に慎重でたげればならぬ。