. 計測自動制御学会東北支部 第 2 9 4回研究集会 ( 2 01 5 . 5 . 2 9 ) 2 9 44 ABCアルゴリズムを用いた物体追跡手法の検討 資料喜子号 As t u dyo fo b j e c tt r a c k in gme t h o du s i nga r t i f i c i a lb eec o l o n ya l g or it h m 0藤回数匡,荻原義絡,萩原 由香里,アデルジャン イミティ ONobumas aFUJITA, Yos h i h i r oHAGI HARA, Y u k a r iHAG旧 ARA, 八d ij l a nYi m il 岩手大学 I w a l eUn iv e r s il y キーワード :A8Cアルゴリズム ( a r ti f ic i a l b e ec o l o n ya l go r i l h m ) . テンプ レー トマッチング ( l cmpla l Cm a lc hi n g ), 物体追跡 (movi n go b j e cl sI r a c k i n g ) 1 .緒言 物体追跡とは,指定 した対象が動画像 t をどのように移動しているか推定する技術 の ことであり,デジタルカメラ のオー トフォ ーカス機能やパノラマ写真の作成,防犯カメ ラの 人物追跡など幅広い分野で利用されて いる.物体追跡 、 には大 きく分けて 2つの種煩 があり,指定した領域内のカラー情報をもと 、, l , . ‘ r 、 ‘ t ﹀- ! I り提案された群知能アルゴ リズムであり, 引 き!隙,傍観的1:,斥候昨の 3種煩の人 工! 蜂 群と AU 2.ABCアルゴリズム 2 1ABCアルゴリズムの概要 ABC アル ゴ リズムは D.K a r a b o g a らによ j そこで,本論で は GAアル ゴリズムや PSO アル ゴ リズム等に比 べ 様 々な優位性が示さ れている群知 能 アルゴ リズムの 一種であ る ABCアルゴリズム 2).3)を用い た物体追跡手 法の提案と,その性能を評価 した結果につい て述べる . 'H E s ている . ριW うな品適化手法などにより高速化 が図られ ハ る幽像の低解像度化,GAアルゴ リズムのよ , d 咋用のハードウ ェアによる 処埋,前処理に よ ω 合を行うのに膨大な計算が必要であ るため, Mツ 素単位でテンプ レー ト画 像 と入 力画像の照 、 プレー トマッチングを利用する.しかし,同 一 ++ 本論では,領域ベースの追跡方法であるテン 一 一 1 ) 、 を行う特徴点ベースの追跡に大別できる f什 像上の特徴点を用いて画像問のマッチング rill-iJ Ill にマッチングを行う領域ベースの追跡 と,画 l 寸d , d 餌場を基本要素と して i 面白化問題の大局解 を求める探索手法であるの.以 Fに ABCア ルゴリズム の手順を示す. S t e pl :餌場 の数人ケと同じ数の働き蜂を探索 空間 ( D次元の超立方体) において 1 )により ランダムに配置 しながら式 ( 適合度 fの計算を行 う.配置された餌 場の位置を Uj( i =I , . ., Nr ,この位置に ) おける適合度の非吏新回数をんとす る. 本ステップではん =0と設定する . ここで d ( l I j ) は適応関数で、ある . S t e p 2 : ステッ プ lにおけ る各餌場の適合度 を比較することで,もっとも優れた 餌場を最良餌場 としてその適合度/ ムr とともに記録する . S t e p 3 : 働き蜂 の現在地の周囲 から式 ( 2 ) によ り新しい餌場 Vj を傑京し,その新し い餌場の適合度を計算する. Vi=U i+ゆ( U i- l Ik) ( 2 ) ここで I I kは I I j以外のI 必所であ り,併は 卜1, 1] 内のランダム尖数である . S t e p 4:新しい餌場 Vjの適合度が lIjの適合度 より大きい場合, この Vj を記録し , 適合度を書き換える .そうではない 場合,新 しい餌場 Vj を棄却し, 非更 新回数 t jの値を 11~1 す処理を行う . S t e p 5 : すべ、ての餌場における迎合度から 相 jを式( 3 )より 求める . 対確率 p fNr Pi = . f ; /I. f i ( 3 ) Step6 : 傍 観蜂を相対確 率に~づく ル ー レッ トによりめ回選択し,毎回選択され た傍観蜂に対してステ ップ 3 と 4 を 適用する . St e p 7 : 各餌場の適合度 J ;を最良餌場の適合 度, i Jeslと比較しながら,より優れた餌 場を最良餌場 として保持し,そ の適 i Jeslとして記録する. 合度を, S t e p 8:非更新回数 t i m i tを iが設定した限界 l 超えた餌場を棄却し,そこにいる働 き雌をステップ 1により再配置する . S t e p9 : ステップ 3からステップ 8を設定した 最大ループ回数 Rmaxまで反復させる. 2 2修正 ABC アルゴリズム 上述した ABCアルゴリズムは時不変関数 Xi の色に対応するビン番号は 正規化定数であり,それぞれ次のように表さ れる . 1 I -x, ! f 0: : ;X : ;1 , k ( x )=i 1 0, othelwise, =・川 'or 'H M ar e ゲ E E 、nu、 1h, ri ll 111 る. ここで,画素 b ( . )はバンド幅を f とする x i )で表される .k c( 重み関数であり ,kか)は式( 5 )より計算される. o n e c k e rのデルタ関数, Cは また, δ[,]はKr U ・ P ,tk[11午仲 h,=c 一 一 ・﹄ 、 ム 一卜マ ッチング 3 -1修正 ABCアルゴリズムの利用 本論では上記の修正 ABCアルゴリズムを 用い,動画に対してテンプレートマッチング を行う.また,ステップ 7の修正は全ループ に対してではなく l フレームごとに適用す る.テンプレー トマッチングはテンプレート 画像と探索位置における重み付きヒストグ ラムを作成し,その差の二乗をとることによ り行い,その座標は働き蜂の座標的にあたる. また,マッチング結果は緑枠で囲んで表示す 対象画像 { X j} ( i=1, 川)は y を中心座標に 画素位置が正規化されているとした時,重み ( z=1 . . . ..C_BIN3-1) 付きヒス トグラム ,, ={hz} は式( 4 )より求められる (5) FEE E 3 .修正 ABC アルゴリズムを用いたテンプレ る. G ‘ ・ PO ・ の大局解探索を目 的としてい るため ,目的関 数の時間変化には対応していない.そこで, 西国は D .Ka r a b o g a らの ABCアルゴリズム に対して修正を施すことで,時間変化に適応 できる ABCアルゴリズムの修正版を提案し た 3) その修正手順について以下に述べる . ( 1)ステ ップ 3と4間に次のステ ップを追 加する. S t e p 3・1 :餌場 lIiの適合度を再計算する. このステップの追加により目的関数の変 化に伴 う適合度の変化を ステップ 4 におけ る働き蜂の更新に反映させることができる . ( 2 ) ステップ 7を次のよ うに修正する. St e p 7 : 各餌場の中からより優れた餌場 を最良餌場として保持し,その適合度 i Jeslとして記録する. を, この修正により,全時刻ではなく,各時刻 の最大適合度を求めることができ,目的関数 の変化によって生じる適合度 の変化に適応 可能となる. 3・2 重み付きヒストグラムの作成 今回物体追跡に用いるテンプレートマ ッ チングはカラー図像で行う .そのため RGB 各チャンネルの蹄度値をそれぞれ CBINに 量子化 し , カラー空間を C B川 3ビンに分割す 州午 n C= ( 5 ) ( 6 ) ( 7 ) 1 1 4. 実験 41 実験方法 追跡対象が移動している条件の異なる動 画 A"-'Eを作成し,各動画に対して 5回ずつ マッチングを行いマッチング率と処理時間 を求める.マッチング結果の成否はオーバー ラップ 50%以上つまり マッチング結果が 24 ピクセル以内の誤差であれば成功と判定 する.マッチング率はマッチングが成功した フレーム数を総フレーム数で除することで 求める. 使用するテンプレートは 49X49ピクセル のものを用い, i l J J 困は 320X240ピクセルで 30 フレーム/ 秒のものを 300 フレーム分 ( 1 0 秒)用いた .各フレームでマッチングを行う │ 際の巌大ルー プ回数を R mαx' 用い る雌の総 数を NPとして実験を行う. 図 1,2にテ ンプレート画像とマッチング 結果とその軌跡の一例を示す. T a b l eIT r a c k i n gr e s u l l sf o rvi d e o -A u s i n gd i f f e r e n tc o l o n y 日・ ・ー ー ー F i g. lTemplateimage 山 ご と 2 4 6 8 1 0 - ー ・・司. _ ._ " _ ・・一・・・ーー・ 1 2 0 4 90. 7 9 . 8 61 .8 5 4 . 1 5 2 . 8 5 0 . 0 1 6 0 ・ . " , , 1 . . , 'L ' - 200 9 5 . 3 9 5. 4 9 0 . 5 9 5 . 7 9 . 2 7 2 . 6 7 9 . 0 6 2 . 7 6 4 6 3 . 3 5 8. 5 7 . 2 6 0 . 6 300 400 9 7 . 6 9 8. 4 9 8 . 3 9 9 . 1 9 4 . 0 9 8 . 1 8 5. 4 9 3 . 1 7 9 . 2 8 7 . 7 7 6 . 8 8 6 . 1 T a b le2S t a n d a r dde vi a l i o noft r a c k i n gr e s u l t sf o rv i d e o・A l enumberR' " ‘ F i g .2S n a p s h o to f t r a c k i n gr e s u l t 4・2 実験用動画 実験には図 1で示した画像が類度の高い 背景を移動している動画を使用する.動画 A は追跡対象と背景のみのもの,動画 B はオ クルージョンを生じさせるために黒い太線 を引いたものを,動画 C は追跡対象とは別 に以下の図 3に示す画像を追加したものを, 動画 D には B, C に用いた 2つの画像を追加 したものとなっている.図 4は動画 D にお いてオクルージョンが発 生した時の画像で ある. 守 ご ! と 2 4 6 8 1 0 u 1 2 0 6 . 8 4 5 . 8 6 4 . 0 1 3 . 8 0 3 . 5 9 2 . 8 1 1 6 0 200 300 400 .9 4 . 0 4 1 5 . 2 6 3 . 41 . 0 4 1 4 . 6 0 2 3 . 8 4 3 . 1 4 2 . 1 1 3 . 0 7 2 . 9 8 2 . 1 5 . 1 3 . 8 4 2 3. 4 2 2 2 . 7 7 2. 4 8 2 . 0 2 1 .5 9 1 .2 6 1 . 36 1 .5 6 1 .9 1 1 . 18 T a b l e3T r a c k i n gr e s u l t sf o rv i d e o -Bus i n gd i f f e r e n tc o l o n y 主 ご と 2 4 6 8 1 0 F i g .3S i m i l a ro b j e c tw i t hh i g hsimi la r i t y10t h et e m p l a t e " . ‘. . ・ , 1 2 0 1 6 0 200 300 400 4 84. 7 4 . 7 5 6 . 8 4 9 . 6 4 3 . 8 4 3 . 3 8 7 . 3 8 2 . 7 66. 4 5 6 . 0 5 4 . 9 51 .6 8 8 . 3 91 .2 7 5 . 5 4 64. 56. 1 5 8 . 2 9 2 . 7 9 5. 3 8 8 . 0 7 7 . 8 7 3 . 6 71 .8 9 2 . 9 9 5. 4 9 3 . 6 8 5 . 5 8 0 . 6 7 7 . 1 T a b l e4S t a n d a r dd e v i a t i o no f t r a c k i n gr e s u l t sf o rv i d e o -B l enumberR""'. ‘ ー ー ・・・ ー・・ ・ー . _ ... - _ .ー .. . - ー , 司.. 山 ご と F i g 4S n a p s h o l仕omvideo-Ds e q u e n c e 司 4・3 事前実験 事前実験として ABCアルゴリズムのパラ メータの組み合わせによるトラッキング率 への影響を調査する.今回はRmαxxNPが同 数である場合のトラッキング率の関係を調 べるために,異なる蜂の数において比較する. 動画 A,D を用い各Rm 仰の値において NPの 値を変え 10回ずつ追跡を行う.表1. 3はト ラッキング率の平均を,表 2,4は標準偏差 を示す. 2 4 6 8 1 0 . 400 1 2 0 1 6 0 200 300 5 . 5 1 6 . 5 2 5 . 5 6 3 . 2 6 3. 82 2 . 9 2 5 . 0 1 3 . 3 6 4 . 9 3 3 . 1 4 2 . 9 8 3. 42 4 . 8 3 1 .9 9 3 . 1 9 3 . 8 5 3 . 2 2 3. 46 2 . 0 5 1 .8 7 1 .2 2 0 . 7 5 2 . 2 5 1 . 71 . 3 3 2 . 2 1 2 .2 6 2 . 8 9 1 3 . 5 0 3 . 1 3 これらの結果より ,RmaxxNPの値が増加 するにつれトラッキング率も上昇し,標準偏 差は小さくなる傾向にある.また , Rmαxの 値が小さいほどにトラッキング率が高く標 準偏差も大きくなる傾向にある .この結果に より実験に用いる Rmaxの値は,多い計算回 数においてトラッキングが高く標準偏差が 小さい 2を使用するものとする. 4-4 実験結果 R m a x=2の時の各蜂数におけるトラッキ 6に示す. ング率と処理時間を表 5, T a b l e5T r a c k i n gr c s u l t sf o re a c hv i d e ow h e nu s i n g い と ー . _ 且且 ‘--・ー ー , 】ー・-... - A B C D u 40 60 8 0 1 0 0 2 0 0 61 .5 6 0 . 5 5 5 . 3 5 3 . 7 8 0. 5 8 0 . 1 4 7 9. 7 3 . 0 9 3 . 1 9 1. 4 8 7 . 7 8 1. 4 9 6 . 7 9 6 . 9 9 3 . 0 8 9 . 9 9 9 . 1 9 9 . 5 9 83 9 5 . 8 目 45考 察 事前実験より ,R m a xxNPの値が同じであ る際 , R m a xの値が少ない時トラッキング率 が高くなるのは,一つのフレームに配置する m a xが多い時と比べ増えるた 働き蜂の数が R めであると考えられる.つまり,探索空間内 今回は 320X240ピクセルの動画内において, 一度に配置される働き蜂の数が多くなるこ とにより探索範囲が広がり,正f f J f t .座標を探索 しやすくなる ためであると考えられる.また, 表 2において標準偏差は概ねRm αxの値が少 ない時に大きくなる傾向にある.これは,働 き蜂の配置に乱数を用いているため,正解座 標付近に配置されなかった場合,次に再配置 され正解座標に近づく機会が少なくなるた めであると考えられる. 表 5 において蜂の数の増加に伴いトラッ キング率も上昇しているのが分かる.こ れは 先に述べた通りの理由であると考えられる. また,各動画でトラッキング率の差がある . l W J 画 A,Bはほぼ変わらない値であるがこれ は , B に追加した図 3がトラッキングに与え る影響が少なかったためである.動画 C は オクルージョンが発生し た際に背景の適合 度が高い箇所にトラッキングするため動画 A よりトラッキング率が低いものとなった. 1 W J 画 D は動画 B の時に影響が少なかった図 3を用いているが動画 Cよりトラッキング率 が低い.これは黒棒によるオクルージョンが 発生している際に,図 3と背景に用いた色に より動画中で最も高い適合度となっていた ためである. しかし,用いる蜂の数を増加さ せることに よりほぼ追跡は可能である . 本実験に用いた動画は約 10秒のであるが, 表 6より結果はどの数値も 1 0秒以上である ため,現状リ アルタ イムで の処理ができない. そこで,今後高い トラ ッキング率を実現して いる蜂の数の場合においてもリアルタイム での処理が可能になるよう処理速度を向上 させる必要がある . 5. 結言 本論では,修正 ABCアルゴリズムを用い た動画に対する物体追跡の実装を行った.ま た用いるパラメータの組み合わせによるト ラッキングへの影響を調査した.今後の方針 として,他のアルゴリズムとの比較や,他の テンプレートマッチングの評価関数との比 較,処理速度の向上が挙げられる. 参考文献 1 )藤吉弘亘, "4・2・lテ ンプレ ートマ ッチン グ(ブロックマッチング) ".電子情報通 信 学 会 . ( オ ン ラ イ ン ), 入 手 先 <h t t p :/ / www . ie i c e h b k b . o r g / f i1 e s / 02 /02g un_ 02hen_04.pd僻 page=8),(参照 2015・05・2 0 ) 2 )D.Karaboga and B.Akay “A c o m p a r a t i v e s t u d y of Ar t i f i c i a l Bee Col ony a1 g o r i t l u n “Applied Mathematics and Computation, 214, pp.108-132, 2009 3 ) 西田 {也“時変関数 に適応するための ABCアルゴ リズムの修正 J ' 電気学会論文 言 志 C,Vo . 1132,No4,pp.584591, 2011 4 )D.KarabogaandB. B a s t u r k, ‘A ' p o w e r f u land e f f i c i e n ta l g o r i t l u nf o rn u m e r i c a lf u n c t i o n o p t i m i z a t i o n : A r t i f i c i a1 bee colony (ABC) a l g o r i t l u n, " J.Gl o b a lO p t i m i z a t i o n ,Vo . 139, pp. 45 9 4 7 1, 2007 5 )D . Comaniciu,V . Ramesh and P . Meer: Kerne l -BasedO b j e c tT r a c k i n g ,IEEET r a n s . ofP a t t e r nAn a l y s i sandMachineI n t e l l i g e n c e , vo1 .25, n o . 5, 2 0 0 3 . ・
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