一 - JGAS Japan General Aviation Service

問題作成(出題)及び講評
Japan General Aviation Service
運航本部長 山口英雄
2015-04-01
CAP-NEXT
【一次試験の概要】
去る平成 27 年 4 月 12 日(日曜日)東京新橋の社団法人日本航空機操縦士協会の会議室をお借りして
民間航空操縦士訓練学校(只野塾)の一次試験が行われた。①9:00~10:00/②10:15~11:15/③11:30
~12:15、それぞれ「①数学・物理(60 分)」、「②英語・国語(60 分)」、「③総合・時事(45 分)」
の 3 科目を実施し、午後 13:30 より個別面接(1 名約 20 分程度)を行った。
各学科科目については、本番の試験問題とその解答、及び出題のねらいで詳しく説明しているが、予
告していた通り、過去の模擬試験問題に倣った出題としている。難易度としては決して高くなく十分な
予習(受験準備)ができていれば、高得点が得られたハズだが、特に数学・物理において対策が十分で
なかった受験者も見受けられた。合格者 8 名についての評価だが
(科 目)
(平均点)
①数学・物理(60 分)
②英語・国語(60 分)
49.8
66.8
③総合・時事(45 分)
72.4
3 科目合計の最高点は 237 点、最低点 92 点で、200 点超えは 4 名、150 点~200 点が 3 名、100 点未
満の者が 1 名という構成であった。
模擬試験問題と共に公開している 入学試験問題の概要【出題の傾向と対策】でも述べた通り、只野
塾における入学試験は、入校後の訓練、またエアラインに就職した後も必要とされる基礎的学力、もの
の考え方を問うものであって、選別の為に実施しているのではない。採点方法においても独自の方法を
採っており、科目別の最低基準点数(足切り)はなく、合否の判定は 3 種類の学科試験及び面接を総合
的に勘案して行なっている。
将来、プロパイロットとしてやっていけるかどうか… つまり、只野塾が提供する教育訓練を無事
終了し、入社後のエアラインの訓練にも適応できる人材であるか否か
を判定しているのである。
しかしながら、当然と言えば当然ではあるが、得点の高い者、特に 200 点を超える受験者は意識も高
く受験準備も十分であることが感じられ、卒業後についても見通しが立てやすい。現状のペースで日々
努力を重ねれば、まず間違いなく卒業でき、プロとして通用するだろうと思われる。150 点~200 点の
者についても、若干苦労はするだろうが、意識を切り替え、より一層努力することによって、まず間違
いなく卒業できるだろう。一方、100 点未満の者については、かなり苦労すると思われる。これは単に
試験問題の合計点だけでの評価ではなく、面接も含めた総合的な評価においてそうなのである。つまり
しごく真っ当な事実を述べることになるのだが
意識の高い者は試験問題の得点も高く、プロとして通用する可能性が高い
ということなのである。
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2015-04-01
CAP-NEXT
【意欲を測るとはどういう意味か】
すでに入学試験問題の概要【出題の傾向と対策】で
只野塾における試験問題とは、能力を測っているのではなく、意欲を測るための道具なのである
と述べた。全く努力が認められないような解答をすれば、それは「理解していない・解らない」のでは
なく「やる気がない」と判定するからである。過去の模擬試験問題を正しく理解していないのは、受験
準備が十分ではなかった(社会人だからと云って言い訳にはならない)か、理解力が足りないか、その
両方である可能性が高い。一所懸命に解答して、たまたま計算違いをする、質問の意図を誤解して解答
する、解答時間が足りなかった、そのような諸事情で高得点を出せなかった受験者もいるだろう。しか
しながら、現実に 200 点を超える得点を獲得している者が 4 名もいるのである。しかも、この 4 名は例
外なく数学・物理で高得点をマークしている。
①200 点超え
・KFTC-01-358 ・KFTC-01-415 ・KFTC-01-550 ・KFTC-01-913
②150 点~200 点
・KFTC-01-536 ・KFTC-01-307 ・KFTC-01-595
また、200 点に達しなかった者は 1 人の例外を除き数学・物理でお手上げ状態となっている。試験問
題から解るとおり、数学・物理以外の科目では差は出にくい。数学・物理では「復習したか否か」、つ
まり「本気であるか否か」が如実に表れるのである。
【今後の努力目標】
今回の一次試験で 200 点を超えられなかった者は、特に数学・物理において得点が低い。今後の国家
試験の学科試験、また入校後の航空力学、航法等の座学、実機訓練においても苦労することが予想され
る。もう一度一次試験問題を解き、答え合わせをし、出題のねらいを熟読しておいてほしい。もちろん
模擬試験問題も完全に理解しておいてほしい。入学試験問題の概要【出題の傾向と対策】で述べた「数
学と物理の復習範囲」を重点的に押さえておくこと。
只野塾が求める基本的な能力は「知っていること」ではなく「自ら調べ学ぶこと」と「学ぶことに対
する意欲や柔軟な着想があること」である。また、数々の課題を「自分の頭で考え」仲間と共に協調し
て「能力を拡げていく」ことである。もう一度言う。
黙って座って訓練を受ければプロになれる - そんな虫のいい話はない -
本気になって欲しいと思う。
以上
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