商品説明資料 新ホシ家畜胃腸薬 はじめに 健康な牛の第一胃内(ルーメン)pHは中性(7.0前後)に維持されています。しか し、濃厚飼料・槽糠類・穀物のような炭水化物を一度に多量に摂取した場合、ルーメン内 で乳酸生成グラム陰性菌が急速に増え、pHの急速な低下を引き起こします。 pHが5以下になりますと乳酸が独占的に増え、胃内の原虫や細菌・微生物叢の数が減少 したり活性が低下し、軽症の場合は一過性の食欲不振、第一胃運動の低下、軽度の脱水・ 軟便などが見られるようになります。 さらに乳酸が増えpHが低下すると、第一胃液の浸透圧が高まり、ルーメン内に大量の 体液が移動し、重度の脱水症状が生じて血液濃縮が起こります。これが急性アシドーシス です。また、唾液分泌や胃運動の抑制が生じ、酸を中和する唾液量の減少でますますpH は低下し、胃内要物を第三胃に送る運動力もなくなると、強い酸性内容物が長時間ルーメ ン内に留まるようになります。それにより粘膜上皮がダメージを受け細菌が侵入し易くな り、下痢や第一胃炎を起こしたり、角化異常となり第一胃不全角化症を引き起こします。 また悪化すると歩行がふらつき、やがて起立不能となり昏睡状態を経て死に至ります。 このような状態は、乳牛では分娩後の数ヵ月内、特に泌乳初期に多発する傾向が強く、 これは、泌乳開始に当たって急激に濃厚飼料を増給することが原因と見られます。この期 間は、濃厚飼料:粗飼料比は50:50(乾物%)を目安に給与し、飼料乾物中17%程 度の粗繊維率を確保するのが理想といわれています。これにより、ルーメンpHは中性付 近に維持されることになります。 一方、我が国の肥育牛の場合は、肥育効率のアップや繊維素の供給が質・量ともに 不足し易く、また省力化を図るため、ほとんどが濃厚飼料依存型の飼養方法をとって います。これがルーメン機能の恒常性を乱し、胃腸炎・第一胃炎・第一胃不全角化症・ 肝膿瘍などの疾病の主因となっています。 今回は、 『新ホシ家畜胃腸薬』を投与し、肥育牛の消化器病 特にルーメンアシドー シスに起因すると思われる疾病に限って試験した結果、かなりの好成績が得られまし たのでご報告いたします。 星家畜薬株式会社 商品説明資料 『新ホシ家畜胃腸薬』による牛の消化器障害の治療 【 応用試験例 】 1. 2. 3. 4. 岩手県 1991年2月~4月 黒毛及び褐色和種(去/繁殖)・ホルスタイン(去/雌) 成牛には、500gを団子状に分け1回のみ1度に経口投与。 子牛(1~3ヵ月令)には、125~500gを症状に応じ、 原則1回のみ経口投与。 5. 効果の判定 : 糞の状態・食欲・反すう・胃腸運動の回復状態を臨床症状と 合わせ獣医師(4か所4獣医師)が判定した。 【 場 期 牛の種 投与方 成 績 所 間 類 法 : : : : 】 「±及び-」が「+」に また「下痢及び軟便」が「正常便」に転じた頭数。 I. 胃腸炎(対象6頭) 正常 下痢・軟便 6 4 4 2 食欲不振 反すう低下 10 2~3日後 2 1 1 2 胃腸運動低 併用薬投与5頭あり。 * 効果 「有効」6頭 II. ルーメンアシドーシス(対象3頭) 3 3 3 3 10 翌 日 1 1 2頭は急性鼓脹症を伴っていたので * 効果 「有効」3頭 胃カテーテルにて胃内ガス排除措置。 他1頭は胃洗浄の他併用薬投与。 III. 胃腸カタル(対象4頭) 4 4 9 1~2日後 4 2 4 2 3 併用薬投与2頭あり。 * 効果 「有効」3頭 / 「やや有効」1頭 星家畜薬株式会社 商品説明資料 IV. 胃アトニー(対象2頭) 正常 下痢・軟便 2 2 2 2 2 2 食欲不振 反すう低下 2 翌 日 1 1 胃腸運動低下 併用薬なし。 * 効果 「有効」1頭 / 「やや有効」1頭 V. 第一胃食滞(対象1頭) 1 1 1 1 4 2日後 併用薬あり。 * 効果 「有効」1頭 / 「やや有効」1頭 VI. 次に最も経済的ダメージが大きく肥育農家の関心の強い【下痢・軟便】についてのみ 上記すべての疾病にその効果を見てみます。 (対象16頭) 1 9 正常便 6 下痢便 軟便 16 VII. 次に同じく【食欲】について、-(食欲不振) 、±(やや不振) 、+(正常)の薬剤投与後 最終結果について見てみます。 (対象16頭) 2 5 正常 9 食欲不振 12 4 やや不振 結論: 『新ホシ家畜胃腸薬』は、下痢・軟便及び食欲不振にかなりの効果がありました。 星家畜薬株式会社
© Copyright 2024 ExpyDoc