プロジェクションマッピングの改善 2班 1. 序論 最近プロジェクションマッピングが一般人にも知 られるようになってきた.プロジェクションマッピ ングとは,実物と映像をシンクロさせる映像手法で あり,映像やコンピュータグラフィックなどを建築 物や家具などの立体物や凹凸のある面に投影し,そ の動きで対象物自体が動いたり光ったりしているか のように見せる錯視的な映像表現である¹⁾ .よく知 られているものでは,東京駅や東京ディズニーラン ドのシンデレラ城,大阪城などへの投影が挙げられ るが,近年ではこの他にも様々な場所で行われてお り,テレビなどでもよく放送されている. シンデレラ城のプロジェクションマッピングを実 際に自分が見た際に「投影した映像の色が,シンデ レラ城の白い部分でははっきりと見えたが,屋根な どの青い部分など色のついたところでははっきりと 見えづらい」と感じた.プロジェクションマッピン グがより見えやすくなり,より多くの人々を感動さ せることができるようになることを期待し,上記問 題点を改善するために,建造物の色と投影する色と 実際に見える色の間にはどのような関係が成り立っ ているかについて調べた. 2.実験 2.1 方法 菓子箱に,柄が透けるのを防ぐために白い画用紙 を貼り付け,その上に折り紙を張りつけることで緑, 赤,青,紫,黄の各色の箱を用意した(図 1 は赤色の 箱の例).コンピュータで作成したさまざまな色の単 色の画像をそれぞれの箱にプロジェクタを用いて投 影した. 佐藤愛 2.2 結果 多くの実験結果が得られたが,ここでは色がわか りやすく見えたものの結果の写真および考察に用い る写真のみを記載する.図 2 は赤い箱に青い画像を 投影したときのもの,図 3 は黄色い箱に青い画像を 投影したときのもの,図 4 は黄色い箱に紫色の画像 を投影したときのもの,図 5 は青い箱に赤い画像を 投影したときのもの,図 6 は青い箱に黄色い画像を 投影したものである. 図 2~4 の写真からわかるように,図 2 は紫色に 近い色に,図 3 は緑色に近い色に,図 4 はオレンジ 色や茶色に近い色に,図 5 は赤の強い赤紫色に近い 色に,図 6 は水色に近い色に見えた. 図2 図3 図1 赤い箱 赤い箱に青い光を投影した結果 黄色い箱に青い画像を投影した結果 それぞれの色を混ぜ合わせると,もとの色よりも暗 図4 図5 図6 3. 図7 加色法の原理(光の三原色)²⁾ 図8 減色法の原理(色の三原色)²⁾ 黄色い箱に紫色の画像を投影した結果 青い箱に赤い画像を投影した結果 青い箱に黄色い画像を投影した結果 考察 箱に張り付けた折り紙の色と投影した画像の色と 実際に見える色との間には,加色法の原理(図 7) , または減色法の原理(図 8)のどちらかが成り立って いるだろうと予想していた. 加色法とは赤,緑,青の光の三原色を基本とする もので,それぞれの色を重ねていくことで,もとの 色よりも明るい色が得られるもので,すべて重ねる と白になる.これはカラーテレビやスポットライト などに応用されている. 一方で減色法とはマゼンタ(赤紫),イエロー(黄), シアン(緑みの青)の色の三原色を基本とするもので, い色が得られ,すべて混合すると原理的には黒とな る(実際には暗い灰色になる).絵具や塗料,インク などの色材においてはこの原理が成り立っている³⁾. 実験結果より,箱に張り付けた折り紙の色と投影 した画像の色と実際に見える色との間には,明度(色 の明るさ,暗さの度合い)や彩度(色みの強さ,弱さ の度合い)に多少の違いはあるものの,基本的には減 色法の原理が成り立っていると考えられる. 4.結論 箱に張り付けた折り紙の色と投影した画像の色と 実際に見える色との間には,減色法の原理が成り立 っていることを考慮して投影する映像を作成すれば, 今までよりも,より色がはっきり見えるプロジェク ションマッピングを製作することができる. 参考文献 1) PMAJ | Projection Mapping Association of Japan , http://www.projection-mapping.jp/ (参照日 2015 年 01 月 16 日) 2) OKI | Home Page , http://www.oki.com/jp/ (参照日 2015 年 01 月 16 日) 3) 武川 カオリ , 『色彩力 PANTONE®カラーに よる配色ガイド』 , 出版 PIE BOOKS (参照日 2015 年 1 月 16 日)
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