2015.8.22 2015 FJCCIA 定時総会、およびミン ASEAN 事務総長との対話等 開催報告(案) 会 期: 2015 年 8 月 21 日(金) 場 所: Pullman Kuala Lumpur City Hotel & Residences 内 容: 以下のとおり <1.事務局長会議(8/21 09:00~10:00)@ Pullman 10> ○今回の定時総会、ミン総長との対話について、各 SG の分担や当日の段取りについて確認を行った。 ○各地会議所の現状、事務局運営、外部機関との関係などについて報告、および意見交換を行った。 ○日系企業の進出が増え、会員が拡大する中で、組織体制や人員体制のあり方などについて議論。 ○主な課題として共有されたのは以下の 3 点。①組織体制のあり方(規定や内規の未整備、および規定と 実態のかい離。ニーズに合った会員サービスの提供、渉外面での体制強化など)、②人員体制(専門 的な知見を要求される中での事務局長の役割・負担の増加など)、③財政上の課題(諸経費の高騰と バランスのとれた会費基準のあり方) ○各国の状況のアップデート、会議所運営の課題に関するナレッジの共有を図るため、引き続き、定期的 に事務局長懇談会を開催していくこととなった。 <2.FJCCIA 定時総会(8/21 10:30~11:30)@Pullman grand ballroom> ○本年度の FJCCIA 議長は、岡本 敏郎・マレーシア日本人商工会議所(JACTIM)会頭が選出された。 ○幹事には、ジャカルタ・ジャパンクラブ(JJC)、バンコク日本人商工会議所(JCCB)が選出された。 ○前年度議長国の天野 善夫・フィリピン日本人商工会議所・会頭より、昨年度実績の報告があった。 ○事務局長会議の報告(上記)を、幹事国の吉田・ジャカルタ・ジャパンクラブ事務局長より行った。 ○ミン ASEAN 事務総長との対話に向けたスケジュール、当日の段取り等について、幹事国のバンコク日本 人商工会議所・石井事務局長より説明した。 ○今回の対話のフォローアップとして、ASEAN 事務局や ASEAN-BAC などから FJCCIA に対して意見交換等の 申し出等があった場合、議長国を中心に FJCCIA の各会議所が対応することとなった。 ○23 日開催の ASEAN 経済大臣会合にて、岡本会頭より、今回の対話の成果報告に加えて、RCEP 交渉で課題 になっている物品ルールの改善を要求したい旨、提案があり、了承された。 ○次回(2015 年度)の開催地は、ジャカルタ(インドネシア)で確定した。 <3.ミン ASEAN 事務総長との対話(8/21 14:00~16:30)@ Pullman Grand Ballroom> ○冒頭、開会式が開催され、岡本 FJCCIA 議長、石毛 JETRO 理事長、相星在 ASEAN 大使より挨拶を頂戴し、 ミン事務総長からの基調講演、ムスタパ・マレーシア国際貿易・産業大臣より歓迎挨拶を頂戴した。 ○その後、ミン事務総長と FJCCIA との対話が行われた。岡本会頭より今回の要望のアウトラインを説明 の後、各国会頭より、個別の詳細内容について要望を行った。主な骨子は以下の通り。 ・ジャカルタ:非関税障壁・非関税措置の撤廃、産業人材育成、域内でのヒトの移動の自由化 ・バンコク:原産地証明書の運用問題の解決、規格・基準の統一化、サービス業の自由化の推進、知 的財産権の保護、エネルギーの効率化、最適化 ・カンボジア:シームレス域内ロジスティックの構築、クロスボーダー物流における税関の運用強化 ・ラオス:通関業務の簡略化、ワンストップサービス化、ハードインフラ整備、効率的な組織再編を 促す税制や関連法制度の整備 ・ミャンマー:ASEAN 域内のコネクティビティ、通関の適切なコントロール、エネルギー事業の成長 ・フィリピン:税制・社会保障制度の調和、インフラ開発、産業人材育成およびヒトの移動の自由化 ・シンガポール:域内金融取引に関する規制緩和、域内での企業再編の際の優遇措置、RORO 船によ る域内輸送の実現 ・ハノイ;通関手続きの簡素化、域内経済統合の加速、ビジネストラベルカードによる技能労働者の 域内移動の自由化 ・ホーチミン;ASEAN シングルウィンドウの早期実現、越境交通協定(CBTA)に基づく主要国境地点 でのシングルストップ検査の早期実現、通関コストの軽減 ・マレーシア:基準、認証の合理化および調和 ○これに対して ASEAN 事務局(Ms. Yap)より別添の回答があった(以下は口頭説明部分のみ記載) A)関税手続き ASEAN 関税委員会としては、税関職員の対応力強化に向けて、能力向上のためのプログラムを提供。 B)ASEAN・シングルウィンドウ(ASW) 本格版パイロットプロジェクト(第 2 弾)の導入を最優先で取り組む。最近の課題は、全ての国の 当局がリンクすることと、ATIGA フォーム D の電子交換のテストの第一段階を実施することが焦点。 C)Back-to-Back 原産地証明書 我々は ASEAN-OCP(運用上の証明手続き)をルールの解釈のためのガイドとしている。まずは例え ば鉄鋼分野において、原産地規則についてパイロット調査を行っている。 D)基準情報 各国の基準情報は、web 上もしくは関連する WTO-TBT のコンタクトポイントより入手できる。 E)基準調和 コスメティックス、電気、医療機器のダイレクトリは完了しているが、自動車、包装済食材、建築 建材は作業中。エネルギー分野での要望に対しても検討中。 E)熟練労働者の移動の自由化 熟練労働者の移動の自由化は ASEAN 自然人移動協定(MNP)にて約束されているが、現在は ASEAN 相 互認証アレンジメント(MRAs)には建築家およびエンジニア分野が登録されている。ビザやワークパ ミットのような関連するイシューが存在することも視野に入っている。 F)ファイナンス 越境での貿易決済、送金、小売支払いシステムなどについて、財務大臣や中央銀行の下に WG を作 って検討しているが、議論はまだ初期段階(特に域内金融統合)。ASEAN 銀行統合フレームワーク (ABIF)が始まった。税制もポスト 2015 にて議論が進むことに期待。 G)インフラ開発 安定的なエネルギー供給含む、ASEAN のコネクティビティについて、対話国との資源動員戦略の模 索が大きな課題。および、ASEAN・PPP プログラムの推進については日系企業に大いに期待している。 ○今回の対話についてミン事務総長、およびゲスト参加者からも以下のとおり、コメントがあった。 【ミン・ASEAN 事務総長】 ・FJCCIA との対話・提言は非常に役立つ。非常に精緻・インプレッシブな内容。過去 8 年の対話の 成果は AEC ブループリントの前進に役立った。その結果、日本から ASEAN への直接投資、相互の 貿易は世界経済の減速にも係わらず非常に高い。ASEAN での日本企業は中小企業も含め増加中。日 本政府・企業の協力、信頼によるもの。しかし、世界経済は課題が多い。日本企業による ASEAN への投資が続くことに期待。ASEAN は、FJCCIA や各国商工会議所との強固な協力関係を重視。 ・2015 年は、ASEAN にとってより努力が必要な年。より複雑な課題が残っているが、その解決に役立 つよう AEC2025Vision に引き継ぐ。その準備を日本と進め、基準や中小企業など分野別にさらに密 接な協力を期待したい。ビジネスカウンシルを通じて基準や中小企業など分野別、ビジネス分野 ごとの具体的な課題を洗い出し、それらを行動計画に反映させることは非常に役に立つ。 【久貝・日本商工会議所常務理事】 ・我々の要望に耳を傾けて下さったミン事務総長に感謝。 ・JCCI は ASEAN 諸国のリーダーと積極的に意見交換を行ってきた。例えば 2 月にはインドネシアとフ ィリピンでミッションを行い、来年の 2 月にもタイとマレーシアで大きなミッションを行う予定。 ・本日 FJCCIA の各会頭は様々な要求を提出。ミン事務総長には要求実現に向け、引き続きご支援い ただけることを期待。我々の要求へ対応していただくことが日本企業の ASEAN へのさらなる投資に 繋がる。今回の対話が ASEAN のビジネス環境改善につながることを期待。 【西村・ERIA 事務総長】 ・ASEAN 議長国を支援するという文脈で現在進めている取り組みを 3 点ハイライトしたい。 ・はじめに「非関税障壁撤廃・緩和に向けた取り組み」。全ての加盟国間で UNCTAD の新分類に基づ いて非関税障壁(NTB)データベースの構築を進めている。当該情報は公的にアクセス可能であり、 透明性向上に資するものと考えている。 ・2 点目は「非関税措置(NTM)と非関税障壁(NTB)」。NTB 解決の最もよい方法は、通商交渉によ ってもたらされるものではない。重要なのは各国の規制パッケージであり、その中で不要な規制 を削減していくこと。特に輸入障壁の中には、国内企業にも影響があるものも含まれる。NTM を考 える上では、ASEAN 各国の NTM 要件を分析し、そのように影響がある部分に対応する必要がある。 この点につき、ERIA は東アジア地域における規制マネジメントシステムの研究を行っているとこ ろ。優先統合分野につき、各国のバリューチェーン分析を行う。 ・最後に「インフラ開発、連結性」。この点でも規制プラクティスが重要になる。例えば ATIGA や AFAS は全て制度的連結性の向上につながるもの。また、物理的連結性についてはアジア総合開発 計画(CADP)の中心的な要素であり、同じく重要。民間セクターの参画をどのように促すかという ことが重要であり、その観点で ERIA は PPP ガイドラインを作成した。改訂版 CADP により、そのよ うな原則が示されることになる。産業集積の組成のためには、経済をより効率的にすることが必 要であり、インフラ開発「計画」の質、さらにインフラ「開発」の質に着目すべき。 <4.その他> 上記に加えて、以下のプログラムも開催された。 ○ 記者会見(8/21 16:30~16:50) <出席者> 岡本・FJCCIA 議長、ミン ASEAN 事務総長、石毛・JETRO 理事長、久貝・日商常務理事 ○ 「FJCCIA レセプション」(8/21 19:00~20:30) <出席者> マレーシア日本人商工会議所役員、駐マレーシア日本国大使、FJCCIA、JETRO、アセ アン日本国大使、日本商工会議所、関西経済連合会、ブルネイ日系企業代表ほか <挨 拶> 開会挨拶: 岡本・FJCCIA 議長(マレーシア日本人商工会議所・会頭) 来賓挨拶: 宮川・駐マレーシア日本国大使 乾杯挨拶: 石毛・JETRO 理事長 閉会挨拶: 竹部・ジャカルタ・ジャパンクラブ・理事長 ○JETRO 主催「マレーシア、AEC の現状に関するブリーフィング(昼食会)」(8/21 12:30~13:45) 以 上
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