フィルタ付き気腹チューブの性能評価を実施して 聖隷浜松病院 臨床工学室 鈴木 克尚 【はじめに】 日本臨床工学技士会手術室業務指針や日本内視鏡外科学会メディカルスタッフマニュアルでは気腹装置 の供給ガスからの異物混入と術野からの汚染防止のため、気腹ガスフィルタを装着する事を求めている。 今回、市販前のメドラインジャパン社(M 社)フィルタ付き気腹チューブと他社の製品評価を実施した ので報告する。 【対象及び方法】 M・A・B 社の 3 製品とフィルタ無に対し気腹圧 10mmHg、流量 1~5l/min で 10 分間の 0.5μm 以上 粉塵の数/m3 を測定した。測定装置では日本カノマックス社パーティクルカウンタを使用した。逆流試験 ではチューブ内に水 30ml を注入し、術野から気腹装置を 30cm 低くした状態で 50mHg の加圧を 10 分 間実施し逆流の有無を確認した。 【結果】 粉塵数はフィルタ無 1.8×105/m3、M 社 6.4×103/m3、A 社 3.2×104/m3、B 社 1.7×103/m3 であっ た。逆流は M、B 社無し、A 社は 1 分程で発生した。 【考察】 M 社は、他社と同等の性能があり、臨床でも問題なく使用できると考える。当院でも業務指針やマニュ アルに準じて、フィルタ装着を標準化する必要がある。本体への血液汚染の問題もあることから実際に逆 流の機能も評価して行く必要がある。 【結語】 各社の評価を行った。他社と同等の性能を有していた。
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