「美馬市休・廃校施設利活用計画策定に関する調査研究」 報告書の概要

平成25年度一般財団法人地方自治研究機構共同調査研究事業
「美馬市休・廃校施設利活用計画策定に関する調査研究」
報告書の概要
調査研究の目的・方法
少子化に伴い全国的に休・廃校が増加しており、施設の利活用が課題とな
っている。本市においても、休・廃校の度に施設の一部を「多世代交流セン
ター」に改修してきたが、今後は計画的に利活用を進めていく必要がある。
特に美馬地区においては小学校の統合が決定しており、統合作業と並行して、
施設の利活用に関する計画(方針)を策定しなければならない。
そこで、一般財団法人地方自治研究機構から共同調査研究事業の採択を受
け、美馬地区をモデル地区としたアンケート調査や学校施設の詳細調査、先
進事例の調査を実施し、専門家の意見を踏まえながら活用方策の研究を行っ
た。
調査研究項目(報告書の構成)
・第1章
美馬市及びモデル地区の現状
・第2章
美馬市及びモデル地区の学校施設の現状
・第3章
学校施設の有効利活用に係るモデル地区住民及び住民団体の意向
・第4章
先進事例からみた休・廃校施設利活用の手法・効果
・第5章
モデル地区における休・廃校施設の利活用のあり方
・第6章
美馬市における休・廃校施設利活用の基本的考え方・方向性
調査研究の体制
学識者、美馬地区関係者、行政関係者等で構成する「美馬市休・廃校施設
利活用計画策定に関する調査研究委員会 」(委員長:松村豊大徳島文理大学
教授)を設置し、調査結果の分析及び調査研究結果の取りまとめを行った。
委員会は3回(8月、10月、2月)開催した。
報告書のポイント(美馬市における休・廃校施設利活用の基本的考え方・方向性)
○ 利活用に向けた基本的考え方~コミュニティスクエア構想~
誰もが親しみやすい地域の中核施設として、休・廃校施設が地域内・地域
間の交流をより一層活発化させるための機能・役割を果たすことを想定。
海外の賑わい溢れる「広場」になぞらえ 、(仮称)コミュニティスクエアと
位置づける。
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(仮称)コミュニティスクエア構想
空間的余裕度・応用度の
市民生活や地域の機能を再生するための
→
地
高い敷地・建物・機能
休
市民に親しみ・馴染みのある
・
建物・機能レイアウト
→
域
コミュニティスクエア
の
~コミュニティスクエアが果たす役割~
貴
①市民(地域住民)と行政をつなぐ
重
廃
校
実用性・安全性が確保された
施
建物・インフラの整備
→
源
の
住民・地域社会の
特
シンボル性・中核性の確保
→
・
資
産
性
旧校区単位で発想できる
例)相談窓口の設置,行政サービス実施の場
な ⇒ ②個人・世帯と社会をつなぐ
資
設
(仮称)
例)放課後児童クラブ,生涯学習・健康増進等の場
③地域活動を広域的につなぐ
例)まちづくり活動,NPO活動等の場
④他市町村と美馬市をつなぐ
例)合宿施設、イベント会場,観光・展示施設等
⑤多様な主体を共創・協働のまちづくり
→
につなぐ
新たな地域活性化や再生
例)コミセン,集会・会議施設等
○ 休・廃校施設(コミュニティスクエア)の利活用から創出される機能
休・廃校施設(コミュニティスクエア)の利活用を通じ、新たに次の4つ
の地域機能が創出される。
① 地域の教育力・子育て力を高める機能
② 住民の健康づくりや生きがい・社会参加を促進する機能
③ 安全・快適・利便性等の住みやすい地域を創出する機能
④ 地域力を活用して美馬市・徳島県の活性化や発展に貢献できる機能
○ 休・廃校施設(コミュニティスクエア)のレイアウト
・教室棟(延床2,000㎡)・・・中核施設として、教室棟が有する多様な機能
を活かして、魅力的な空間を提供
[1階]一般の市民利用を想定し、交流系の機能を集約
例)社会参加・自己実現スペース、健康づくりスペース、子育て
サロン・放課後児童クラブ、高齢者スペース、障害者利用ス
ペース、交流スペース、事務局・スタッフスペース
[2階]地域団体の専有スペースやサークル活動のレンタル
スペースとしての機能を配置
例)地域団体専有スペース、レンタルスペース、校区史・地域史
展示スペース、地域ライブラリー、地域アーカイブ、校長室
[3階]まちづくり団体の専有スペースや中長期貸出用のレ
ンタルスペース(舞台稽古等)としての機能を配置
例)まちづくり団体専有スペース、レンタルスペース(中長期用)、
行政利用スペース
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・体育館(500㎡)・・・
大規模空間施設としてスポーツの他にイベント
施設、劇場施設等として活用
・運動場(4,000㎡)・・・
利用者が気軽に立ち寄ることができる多目的
広場として活用
○ 休・廃校施設(コミュニティスクエア)利活用に向けた課題と対応
(1)管理・運営主体
旧校区レベルにおける検討は一次的には各校区に設立された「跡地利用検
討委員会」が主体となる必要がある。一元化された相談窓口をもつ行政と、
全市レベルの地域活性化組織が各跡地検討委員会に対し参画・支援を行う。
管理・運営体制のイメージ
休・廃校施設の利活用に
→
跡地利用検討委員会
係る行政の一元的窓口
参画・支援
↓
コミュニティスクエアの
管理・運営主体へと組織化
休・廃校施設利活用のため
→
の地域活性化組織
参画・支援
全市レベル
地域校長の配置 集落支援員の協力
旧校区レベル
(2)施設改修と維持管理の財源調達
国においては休・廃校施設の利活用に資する多様な支援制度を用意してい
ることから、施設利用ニーズ等を踏まえて、これら支援制度の導入・利用を
検討する。
また、維持管理費の財源調達については、レンタルスペースからの使用料
収入の確保などについて、先行事例の取組や企業等からの提案に基づき、導
入・活用を検討する。
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