~ 互いに支えあい いきいきと暮らせるまち・柳井 ~

第3章 高齢者福祉施策の方針
【1】高齢者福祉施策の基本目標
◇私たちはいつまでも健康で、自分たちの住み慣れた地域社会で暮らし続けたいと思
っています。この願いをかなえるためには、それぞれの地域に医療、介護、予防、
住まい、生活支援のサービスが整備されていなければなりません。また、それらの
サービスが一体的に提供される地域包括ケアシステムを構築することが、高齢者に
なっても安心して住み続けられるまちづくりの重要な要件となります。
◇本計画は、上位計画である「柳井市基本構想」及び「柳井市基本計画」(計画期間:
平成 28 年度まで)における高齢者福祉に係る分野を具体化するものであり、また、
地域福祉*を総合的かつ計画的に推進するための指針である「柳井市地域福祉計画」
(計画期間:平成 29 年度まで)と調和を図るかたちで定めています。
◇本市では、前期計画において基本理念を「高齢者がいつまでも元気に『支えあい
見
守り育むまち・柳井』」と定め、高齢者福祉施策を推進をしてきました。この基本理
念を踏まえ、本市が今後実現していくべき重要課題の「地域包括ケアシステムの構
築」を引き続き推進していくとともに、高齢者の社会参加の促進や介護サービスの
充実など、今後取り組むべき施策を定め、本計画において、
『互いに支えあい
いき
いきと暮らせるまち・柳井』を基本目標として掲げることとします。
柳井市基本構想
人が輝く・夢が生まれる
瀬戸内のふれあい元気都市
~自主自立・参加と連帯によるまちづかい~
↓
柳井市地域福祉計画
自分らしく健康でいきいきと暮らしていけるまち・柳井
↓
高齢者福祉施策の基本目標
高齢者がいつまでも元気に
~
互いに支えあい
いきいきと暮らせるまち・柳井
~
◇この基本目標は、高齢化が進展する本市において、住み慣れた身近な地域に医療、
介護、福祉等のサービス基盤が整備され、行政、専門職やボランティア、地域住民
とともに、高齢者自身が社会参画することで、相互に連携しながら見守りや支え合
い活動を行い、住み慣れた地域でいつまでも元気にその人らしい生活を継続するこ
とができるまちづくりを意味しています。
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【2】高齢者福祉施策の基本方針
◇高齢者福祉施策の目標を達成するため、次のような施策の基本方針を掲げます。
地域包括ケアシステムの基盤整備
◇高齢者一人ひとりの状態やニーズに応じた多様なサービスを切れ目なく提供できる
支援体制の構築を目指します。多様なサービスとは、個人や団体を問わず医療・介
護・福祉サービスだけでなく、民間企業や地域の組織、ボランティア等も含まれま
す。これらは地域包括支援センター*が中心となって、既存サービスの掘り起しや資
源開発等を推進し、その上で各種サービス相互の連携がとれるよう包括的な支援体
制の確立を図っていきます。また、災害時に迅速な対応が行えるよう関係機関と連
携し、防災・安全対策を推進します。
高齢者の社会参加と生きがいづくり
◇高齢者自らが社会参加することで地域づくりの担い手となり、高齢者を包括的に支
援していくことは、これからの社会にとって重要な鍵になると思われます。支援者
となる高齢者にとっても地域の中で役割を持ち充実した社会生活を送ることは、介
護予防にもつながることから、地域の中でお互いが支え合う仕組みづくりに取り組
んでいきます。
認知症施策の推進
◇高齢化とともに認知症高齢者の増加が見込まれることから、認知症に対する正しい
理解を促進するとともに、予防対策の推進、認知症の人や家族に対する支援体制の
強化に取り組みます。また、認知症についての理解が広がることは、高齢者が安全
に見守りを受けながら生活できる地域づくりにもつながるため、啓発活動等にも力
を入れていきます。
介護サービスの充実と体制づくり
◇高齢者一人ひとりの介護ニーズに応じた適切なサービスの提供を行うとともに、介
護サービスの質の向上に努めます。また、犯罪被害や高齢者虐待等を防止するため、
予防や早期発見・早期対応技術等の習得機会の充実を図ります。併せて、関係機関
との連携体制の強化を図ります。介護サービスに携わるケアスタッフ一人ひとりが、
地域包括ケアシステムの中核を担う役割としての自覚と力量を持てるよう取組を推
進します。
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基本目標
高齢者がいつまでも元気に
~
互いに支えあい
いきいきと暮らせるまち・柳井
地域包括ケアシステムの基盤整備
高齢者の社会参加と生きがいづくり
基本方針
認知症施策の推進
介護サービスの充実と体制づくり
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~
【3】高齢者福祉施策の課題と取組の方向
◇本計画では、高齢者福祉施策への重点課題と取組の方向として、次の項目を掲げま
す。
1.地域包括ケアシステムの基盤整備
◇高齢者が在宅での生活動作が困難になったときに、多様なサービスを利用し、高齢
者の状態やニーズに応じたサービスが提供できる体制の構築を目指します。多様な
サービスとは、個人や団体を問わず、公的サービスだけではなく民間企業や地域の
組織、ボランティア等も含まれます。これらのサービスは、地域ケア会議*等におい
て足りないサービスや既存サービスの掘り起こし、資源開発等について検討してい
きます。また、多様なサービスを包括的に提供できるよう、サービス相互の連携体
制の確立を目指します。
◇高齢者が心身において何らかの健康問題を抱えたときに、在宅で安心して生活する
ためには在宅医療の充実が重要になってきます。かかりつけ医を中心として家族や
介護サービス等の支援者が高齢者の心身の変化を共有しながら、適切な支援をして
いくために、医療と介護の連携体制の強化を図っていきます。
◇地域包括支援センターは、地域包括ケアシステムの構築を目指すとともに、身近な
相談や支援をする機関としての役割を果たせるように機能の強化を図ります。
◇災害弱者である高齢者が災害時に逃げ遅れずに迅速かつ適切な支援が受けられるよ
う、地域住民や関係機関と連携し、防災・安全対策を推進します。
2.高齢者の社会参加と生きがいづくり
◇高齢者が長年培ってきた知識や技能などを活かし、高齢者自身が地域づくりの担い
手となって配慮を要する高齢者を包括的に支援していくことができれば、これから
の社会にとって大きな財産となります。団塊の世代が前期高齢者となる時期を迎え、
元気な高齢者が地域に増えると予想されることから、地域でのボランティア活動な
ど個々の実情に応じた活動を通じて、引き続き社会のリーダーとしてその能力を発
揮できる地域づくりを推進します。
◇支援者となる高齢者にとっても、地域の中で役割を持って充実した社会生活を送る
ことは、閉じこもり*や活動量の低下を防ぎ、介護予防にもつながるため、地域の中
でお互いが支え合う仕組みづくりに取り組んでいきます。
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3.認知症施策の推進
◇認知症患者は本人や家族等の不安が強く、適正な受診や支援に円滑につながらない
場合も見受けられます。発症してから支援を受けるまでの体制の整備を行い、医療・
介護・地域との連携強化を図ります。併せて、発症が疑われる段階からの早期・事
前対応を推進します。
◇認知症患者は徘徊等により行方不明になるおそれや外出時に予想できない問題行動
をするなど、地域の中で困難に直面する場面が多く見受けられます。地域の人が認
知症患者の特性や支援の方法を知り、見守りや支援を行うことができれば、より安
全にその地域で生活できると考えます。そのため、地域住民が認知症についての知
識を深め、支援の方法を習得してもらえるよう、認知症サポーター*養成講座などの
研修活動に積極的に取り組みます。
◇認知症患者や家族を支える体制づくりとして、認知症デイサービスやグループホー
ムの整備、家族会等の充実を図るとともに、若年性認知症*についても支援を強化し
ます。
4.介護サービスの充実と体制づくり
◇要介護状態にならないように、運動・栄養・口腔ケアといった面から介護予防につ
ながるサービスを提供していきます。また、高齢者自らが介護予防の視点を持ち、
地域づくりの一環として介護予防に取り組めるように支援していきます。
◇要介護状態となっても在宅で介護が継続できるように、介護サービスの充実を図り
ます。特に、要介護者の状況により在宅を中心としながらも、泊まりなど同一施設
内でのサービスを組み合わせて支援できる小規模多機能施設等の地域密着型サービ
ス*の整備を行います。
◇高齢者虐待については、高齢者とその養護者を取り巻く様々な支援者(地域の民生
委員や自治会、医療機関、介護保険サービス事業者など)の役割が重要です。支援
者が高齢者虐待の早期発見・早期対応ができる技術を身につけ、虐待が起こらない
よう高齢者及び介護者への支援を行うとともに、支援者相互の情報共有や連携体制
の強化を図ります。
◇判断能力や認知機能の低下などにより、高齢者が犯罪の被害者とならないように、
また、仮に被害者になった場合でも迅速に対応できるように、関係機関との連携や
権利擁護に対する支援を行います。
◇介護サービスの質の向上はもとより、介護サービスに携わるケアスタッフ一人ひと
りが、包括ケアシステムの中核を担う役割としての自覚と力量を持てるよう、研修
等の充実を図ります。
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