こちら - 佐久穂町役場

佐久穂町での結婚・出産・子育ての希望実現に向けた調査
~子育てママ対象インタビュー~まとめ
1.インタビュー概要
(1) 目的:
・佐久穂町への定住につながる「結婚・出産・子育て」の希望を実現するために検討
材料を集める
・佐久穂町で子育てする魅力や、今後重点的に取り組むべき施策につながる意見を収
集する
(2) 対象者:佐久穂町で子育てをするお母さん(20代~40代) 10名
(3) 日時:7月10日(金)13:00~14:20
(4) 場所:佐久穂町生涯学習館 茂来館
2.インタビュー結果
(1) 町民アンケート結果から、理想の子どもの人数と実際の人数の乖離について
理想の子どもの人数と実際に持つ子どもの人数に乖離があることについて、主に「出
産の負担」
、
「経済的負担」
、
「預け先」の3つの不安が寄せられた。
「出産の負担」では、佐久穂町には出産ができる病院がなく、妊娠してから出産ま
で町外に通院しなければならないことはとても負担であったとの声が寄せられた。
「経済的負担」では、現状3人目以降の3歳以上児は保育園が無料となる施策があ
るが、実際にはそれ以降の教育費が負担であるため、2人目、3人目に躊躇してしま
うとの意見があった。
「預け先」では、子どもが急に熱を出したとき等、仕事を休めないときに気軽に預
けられる場所が十分でないとの意見があった。また町内には未満児保育の定員がいっ
ぱいの保育園もあり、未満児の待機児童が発生しているとのことであった。
こうした意見を踏まえて、安心して希望している子どもの人数を産み、育てるため
に、出産期から育児期まで少しでも不安を取り除けるよう、幅広い期間できめ細かい
支援が必要である。
カテゴリー
出産の負担
経済的負担
預け先
内容
・安心してお産できる病院が町内にない
・晩婚化により初産年齢も高くなっている
・体力的に不安
・教育費が不安
・現時点で 3 人目は保育園無料だが、実際はそ
れ以降がかかる
・子どもを気軽に預けられる先がない
・町内に未満児保育の空きがない保育園もある
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(2) 佐久穂町の子育て環境への評価
佐久穂町への子育て環境については、評価できる部分、不満を感じている部分があ
る。
「地域コミュニティ」については、家族や近所の年配の人からの言葉で、妊娠前や
子育て中に負担に感じることもあったとする意見があった一方、家族が同居、近所に
いることで安心して子育てできるとの声もあった。
「自然環境」については、子育てする上でとても良いとの評価があった。ただし今
の親の子ども時代と比較すると、自然の中で遊ぶ機会が減っているとの声もあった。
「住宅」については、居住したいと思う住宅環境が少ないとの意見があった。
「転入者」については、子どもができるまで友人がいないことが不安であり、子ど
もができてからも家族が近くにいないため、何かあったときに頼れる人が少ないとの
意見があった。
「預け先」については、
(1)での不安と同様、気軽に預けられる場所がないとの声
が多数あった。そういった場所になるものとして、児童館への期待が感じられる。
佐久穂町での子育ては小さい町ならではのメリット、デメリットがある。メリット
を最大化するために、地域全体で子どもを見るコミュニティづくりや、年配者に対し
ても子育てについて改めて理解する機会を設ける等、子育て世代と高齢者とが相互に
信頼出来る関係性づくりが重要である。
また住宅については、町外転出につながる要因ともなるため、空き家活用やリノベ
ーション等も含めた、魅力ある住環境の整備が必要である。
カテゴリー
地域コミュニティ
自然環境
住宅
転入者
預け先
内容
・小さい町だからこそ、遠慮のない言葉が気にな
ることも(子どもはまだなの?)
・集まる場所や機会が多く、安心できる
・親と同居していたり、近所だと支えてもらえる
・自然が身近にある
・自然を活かした教育環境とは言い切れない
・アパートで新しいところが少ない
・一戸建ての町営住宅はキレイで人気
・子どもができるまで、友人が出来にくい
・近くにすぐに頼れる人や場所が少ない
・何かあったときに気軽に預けられる場所が少な
い(病気になっても休めないとき)
・児童館が新しくできることには期待している
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(3) 町外に転出して就職・結婚・子育てしている人の状況
同世代の友人、知人が町外に転出している状況については、主に4つの視点が考え
られる。
「仕事」を理由に町外に転出している場合、そのまま出た先で結婚、出産するため
戻ってこない。
「住宅」では、近隣地域が住環境として特別魅力的というわけではないが、住みた
いと思う住宅が町内にないため、転出の要因になっている。
「生活環境」としては、買い物や外出への利便性で町外を選択していると考えられ
る。
「地域コミュニティ」では、コミュニティがしっかりしているからこその生活しに
くさをあげている。
町内での働き先を充実することや、就職を検討するまでに町内の仕事について知っ
てもらうことが必要である。また住宅については、子育て世代に住みやすい住宅や、
環境を整備することが求められる。
カテゴリー
仕事
住宅
生活環境
地域コミュニティ
内容
・働く場が町内にないので、出て行くとそのままそ
の先で結婚、出産
・仕事を離れて戻ってくるのには抵抗がある
・就職が町内でないと、その後なかなか戻る機会
がない
・佐久市が特別良いわけではないが、住みたいと
思う住居が町内にない
・空き家があれば借りたいと思っている人はいる
が、情報がどこにあるか分からない
・家を建てるにも田舎ならではの先祖代々の土
地、という考えを持つ人もいて借りにくいことも
・家を建てるタイミングで出て行く人もいる
・大きな商業施設がある方が便利
・町ではなく市を選ぶ人も
・道路に近いほうが良い
・家にいると親や近所の人から言われる、プレッ
シャーがある
・都会にいると自由に生きられる
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(4) 町外の人を佐久穂町に呼び込むために必要な施策
必要な施策としては、これまででてきている課題ともあわせて、主に4つの視点が
寄せられた。
「情報発信」では、町内であっても、たとえばイベントや実施事業に関する情報や
町営住宅の入居者募集等、情報が伝わってこないことが多くあるとの声があった。
(い
ろいろな情報が記載された紙を一度に渡されること、無線放送でさらりと重要なこと
を言う、など)情報発信の方法を見直す必要があると考えられる。伝えたい情報を伝
えたい相手に合わせたツールで発信していくことが求められる。町外への情報発信に
ついては取組み始めている Facebook を積極的に活用してほしいとの声があった。
「ネットワーク」では、転入者を積極的にコミュニティに取り込む機会が重要であ
るとの話があった。特に、子どもが生まれるまではなかなか地域のコミュニティに溶
け込むことが難しいため、行政が声をかける等して集まりの場に参加してもらうこと
が求められる。
「子育て環境」については、ネットワークとも連動するが、不安を話し、少しでも
和らげるためのフォローが求められる。また佐久穂町ならではの規模を活かして、教
育費を町民全体で抑えることができないか、との提案も寄せられた。
「住環境」については、転出の要因にも、また町の魅力にもなりえるため特に力を
入れる必要があると考えられる。住まいだけでなく、周辺の住環境全体を整備してい
くことで総合的な住みやすさへとつながると考えられる。
カテゴリー
情報発信
ネットワーク
子育て環境
住環境
内容
・町内にいても知らないことも多い。積極的に情報
を発信すること。
・発信している情報が伝わるように、方法を工夫す
る。
・町内向け、町外向けそれぞれで PR をもっとすべ
き。
・結婚などを理由に町外出身の人が転出してきた
際にコミュニティや集まりの場を積極的に紹介す
る。ネットワークがつくれると住み続けてもらいやす
い。
・保健師さんに声をかけてもらって集まりを知った。
・子どもが生まれるまでのケアもしっかりすることで
魅力が向上する(不安を取り除く、今のうちからマ
マ友を作る等)
・教育にもっと特色をつけて魅力を向上させる
・子どもグッズのレンタル(チャイルドシート・おまる
等)を積極的にすることでかかる費用を少しでも抑
える
・古民家再生等で、自然の中でのびのび暮らし、子
育てできる環境であることをアピールする
・一戸建てを購入しやすくすることで、ファミリー層
の転入を図る
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