「見通す」「見直す」ことで深まる子どもの学びと学ぶ楽しさ

研究主題
「見通す」
「見直す」ことで深まる子どもの学びと学ぶ楽しさ
(1)社会の情勢と要求
成果主義・知識偏重
合理性の追求・効率化の重視
機械化によるスピード化
学力低下の懸念
学習離れ
プロセスの軽視
確かな学力の育成
全教科の教育の充実
学ぶ喜び・楽しさの体感
豊かな表現力の育成
(2)竜谷小の子どもの実態
〈子どもへの学習アンケート分析〉
・問題や課題に取り組み、できた、やれたと達成感を感じる機会が少なく、学習面や生活面
において自信に欠ける子どもがみられる。
・自らの考えや思いを発表することに消極的な子どもがみられる。
(上学年)
〈学力テスト(昨年度)の分析〉
・様々な場面で考える力や自分の考えを表現力豊かに発表したり、討論したりする力がやや
劣る。
〈教師アンケートの分析〉
・課題を認識する力、発見する力、そして自力解決する力に欠ける。
(3)教師の願い
・基礎・基本の定着のため、個に応じた指導を充実して、確かな学力をつけること
・作業的・体験的な活動を積極的に取り入れ、活用する力をつけること
・実感をともなった理解を図り、学ぶ喜び・楽しさを感じさせること
・ESD 教育へ幅を広げること。
・他者とのかかわりから、話す力、聴く力を向上させ、学習を深めること。
・学習活動の中で自ら課題を見つけ、さらに解決方法を考える力をつけること。
・自ら課題を解決する経験を積み、自己有用感を育てること。
(4)めざす子ども
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学習のおもしろさや不思議さを感じ、学ぶ良さを実感することができる子
学んだことを生活の場で生かし、活用することができる子
他者とかかわりながら、表現力や思考力を向上させることができる子
課題を認識し、その解決にむけて、自ら実践することができる子
(5)研究仮説
仮説1
各教科において、課題解決に向けて自分の考えがもてるように見通す場や、学んだ
ことの価値を見直す場を設定すれば、学ぶ良さを実感し、課題解決の経験から自信
を育み、自己有用感を高めることにつながるであろう。
仮説2
学習において、かかわり合いの場を設定すれば、他者に自らの考えを伝えることや、
他者の考えを聞くことができ表現力及び思考力を向上させるともに学習を深める
ことができるであろう。
(6)手だて
手立て1:見通し・見直しの場の設定
・
「見通す」
「見直す」の発問の吟味を十分にすること。
・
「見通す」
「見直す」場面をカードによって提示し、日常化すること。
・付けたし発言を推奨して、
「見通し」
「見直し」の議論を深めること。
・
「見通し」
「見直し」の活動を指導案に明記し、授業の視点を明らかにすること。
・板書計画に「見通し」
「見直し」を取り込むこと。
「見通し」の視点と具体例
○1 時間の授業の中での「見通し」の位置づけ
見通す は
文科省キーワード
である。
○1 時間の授業モデルをベースにした「見通し」の視点
第 1 段階
結果の予想
・不確かだけど、○○になりそうだなと先のことを予想できる
か。
・答えはどれぐらいになりそうか、大まかな見当をつけられる
か。
第 2 段階
類推する
・学んだことや様々な条件から、他のことを類推できる。
解決方法の予想
・既習事項などを活用させて、解き方を考えることができる。
・実験・観察方法を思い浮かべることができる。
・結果のまとめ方を考えることができる。
「見直し」の視点と具体例
○ 1 時間の授業の中での「見直し」の位置づけ
モデルプラン参照→授業の後半(
「見通し」とはスパイラル関係にある)
見直す には
確かめる・
(振り返る) 文科省キーワード を含める。
○1 時間の授業モデルをベースにした「見直し」の視点
第 1 段階
答えの妥当性
・問いに対して、きちんと答えているか。
(勘違い)
(答えの確かめ) ・とんでもない答えがないか。
(常識内)
・明らかな間違いはないか。
(算数科:単位・大きさ)
第 2 段階
解き方・学び方
過程
学ぶ喜び・楽しさ、確かな学力
・答えに行きつける。
・解き方が分かった。
・分かったと思える。
・学習が楽しくなった。
第 3 段階
学んだことの価値・有用性
結果
学ぶ良さ・活用する喜び
・できるようになった。知らなかったことに気づく。
・いつでも同じことが言える。便利だね。
(一般化)
・これはほかでも使える。みんなに知らせよう。
(価 値)
・こんなふうに広がる。こうすれば簡単だね。 (発展性)
・どこで使われているか。使ってみよう。
(活 用)
手立て2:竜谷小学習早見表の活用と学習、発言のきまりの意識化・習慣化
・子どもの意識の流れを予測して、早見表に照らし合わせて発問できるように準備する。
(学習早見表)
・意見交換や話し合う場では、学習、発表のきまりを振り返らせ、
「話し方」
「聞き方」の
ポイントを意識させて取り組ませる。
(学習、発言のきまり)
教卓に貼付け
教室の全面掲示
手立て3:かかわり合いの場の設定(本年度重点項目)
・学習形態(コの字型の座席,4 人グループ等)を工夫する。
【形態】
・教師の指示や説明など教師の出場を極力おさえ、子どもの発言を増やす授業計画。
【児童主体の学び】
・他者と協力しながら、積極的に課題に取り組む活動を取り入れる。
【協力・協同】
・話し合って、よりよい考え方や結論を目指して取り組む活動【話し合い・討論】
手立て4:ESDの視点を授業構想に取り入れる(全ての教育活動に通じる)
・各教科・領域の学びをつくる際に、単元(題材)の目標や授業の目標に、以下の育てたい
能力や態度を入れ込んだり、関連付けたりする。
【能
力】
○批判的に考える力(本質を見抜く)
○未来像を予測して計画を立てる力(過去や現在に基づいて考える)
○多面的、総合的に考える力(つながり、関わり、広がりを見通す)
○コミュニケーションを行う力(他者の気持ちや考えを尊重する)
【態
度】
○他者と協力する態度(共感しようとする)
○つながりを尊重する態度(つながり・関わりに関心をもとうとする)
○進んで参加する態度(自分の役割を理解しようとする)