傾 斜 問 題 なぜ偽装が起きたのか

なぜ偽装が起きたのか
マンション
傾斜問題
〔発行日〕2015年10月28日
〔発 行〕動労千葉を支援する会
千葉市中央区要町2-8DC会館
第230号
http://www.geocities.jp/kanemasa1616/
外注化阻止ニュース
JRの業務外注化と非正規雇用化に反対するニュースです。感想や意見、現場の情報をお寄せ下さい。[email protected]
重層的な下請構造がもたらした事件
かいざん
ションが傾いた問題は、建物を
横浜市のマくン
い
支える基礎杭が固い地盤に達しておらず、デー
タ改竄が明らかとなりました。
必ずしも全容は明らかになっていませんが、
設計を担当した元請けの三井住友建設がまとも
に ボ ー リ ン グ 調 査 を 行 わ ず( わ ず か 2 カ 所 の
み)に基礎杭を発注し、下請業者が図面通り施
行したところ、コンクリ杭の長さが不足、デー
タを改竄して工事を続行したとも報道されてい
ます。
下請には納期・費用の圧力
杭打ち込みを担当したのは2次下請けの旭化
成建材ですが、旭化成建材もまた重機を持たず
実際にはさらに地元の下請業者に回しただけで
す。
いざ施工段階で基礎杭の長さの不足が判明し
ても、ここで杭を追加発注すれば工期が1カ月
以 上 も 長 く な り ま す。
「工期は延長できない」
という上からのプレッシャーは十分予想できま
す。しかも元請会社のミスを指摘すれば下請業
者は嫌われます。
元請ゼネコンはすべて知っている
また建設業界は重層的な下請構造によって予
算(利益)の中抜きが常識となっています。下
請会社にとって予算の締め付けも大きなプレッ
シャーです。基礎杭の長さが不足しても追加発
注は要求できません。それは下請業者の負担に
なりかねません。
多くの専門家が「元請けゼネコンはすべてを
知っていたはず」と指摘しています。杭打ち工
事が始まり、生コン車が現場に横付けされる状
況で「延期や打ち直しは無理」としてゼネコン
側の現場監督も聞かないふりした可能性も示唆
されています。
今回の事件は、建設業界の重層的な下請構造
が大きな背景にあり、担当者個人の責任に押し
付ける問題ではありません。
JRの外注化の構造も同じ
電化柱倒壊など相次ぐ事故、CTS幕張事業
所の清掃不正、JRの予算締め付けと天下り役
員による中抜きによる低賃金……JR東日本の
外注化施策も同じ構造を生み出しています。