「人材育成」を柱に「校長・校長会の自立」を 久留米市小学校長会 会 長 井 上 米 民 耳納連山の木々の緑が,その輝きを増してきました。生き物の生き生きとする姿と同 じように,子どもたちも進級した喜びと新しい出会いがあり,学習や生活に嬉々とした 日々を送り始めています。久留米市小学校長会も本年3月末をもって8名の先輩校長が ご勇退,2名が行政へ転出され,かわって行政よりの転入,昇任の10名の新会員を迎 えました。新たな風を送っていただけるものと期待するところです。 さて,本会は,昨年度「着実な活動と実践を」という目標を掲げ,全連小の研究主題 「新たな知を拓き,人間性豊かな社会を築く日本人の育成を目指す小学校教育の推進」, 県小学校長会の研究主題「豊かな社会力を身に付けた子どもを育て,信頼に応える学校 をつくる校長の理念と指導性」を受けて,本市小学校長会の研究主題を「笑顔で学ぶく るめっ子を育て,信頼に応える学校をつくる校長の理念と指導性」として,各地区の実 情に応じて設定した研究副主題で調査研究部のもと実践研究を進めてきました。結果, 平成26年度「研究紀要」にあるような成果を得ることができました。特に南部地区にお きましては,本年度開催予定の北筑後地区小学校長研究大会での提起に向け,校長の理 念と指導性が明確となった研究内容の構築に取り組んでいるところです。 広報部,対策部,人材育成部の各部におきましても,部の課題解決に向けた創意工夫 と熱意ある取組がなされ,活動目標の具現化が図られました。本年度も「本年度の努力 点」を意識した活動と成果を期待するところです。 また,久留米市第2期教育改革プラン実施4年目は,各学校において校長のリーダー シップのもと,学校プランを立て実施・評価・改善を着実に行い,具体的に改革プラン を推進してきました。目標値の達成具合を経年で見てみますと,達成できている数が確 実に増えてきましたが,「学力の保障と向上」をはじめ,「不登校の予防と解消」,「いじ め・問題行動の早期発見・早期対応と未然防止」という課題は,まだまだ解決には至っ ておりません。改革プランの目標値は最終年度である本年度へ引き継がれますので,引 き続き目標値に向かって学校プランが実効性のあるものになるようにPDCAサイクル を入れて確実に推進していくことが大切です。 さらに,今後3年間で本市小学校長の70%以上が退職することがわかっています。 本年度の校長会は,校長の資質・能力の向上と校長会の組織力の継続,発展のため, 「人 材育成」を柱に「校長・校長会の自立」を目標に運営したいと思います。県,市の研究 主題にもあります「校長の理念と指導性」を発揮するのが校長の大切な職務であり職責で す。揺らいではいけない確固たる「理念」を育み,「指導性」を発揮するためには,その 資質・能力を育成・向上させる研修が必要です。限られた年数の中で限られた研修の機 会を生かし,経験豊かな校長の学校経営の理念と熟練の技といえる指導性を繋いでいく 研修が必要です。経験が少ない校長の「理念と指導性」を向上させ,学校のトップリーダ ーとしての自覚をもち,いろいろな課題解決に向けて主体的に判断できる校長の資質・ 能力の育成を目指した研修システムの確立が急務です。これまで校長会として副校長・ 教頭,主幹教諭,教務主任,若年教師の育成を組織的,計画的に行ってきましたが,あ わせて校長の資質・能力の育成・向上を図っていくことも大切です。「人材育成」を柱 に,各校長そして校長会の自立につないでいきたいと思います。 課題は山積していますが,久留米市教育委員会のご指導をいただきながら連携を強化 し,将来を託す子どもたちのため,しなやかに力強く課題解決に向けた取組を進めてい きたいと思います。校長先生方のご協力をよろしくお願いいたします。 -1-
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