大阪府前期入試問題分析「数学」(PDF)

数 学
平成27年度 大阪府公立前期入試
本年度の注目問題!
【文理学科・理数科・総合科学科・国際文化科・サイエンス創造科】
■総評
大問 3 題の問題構成は昨年同様。小問数は 13 問とやや少なめ。記述問題が一昨年までの 4 問→昨年 3 問→今年 2 問(証明 1 問,
解法記述 1 問)と減少し,配点比率も一昨年までの約 40%→昨年 30%→今年 20%となった。2 年連続で採点ミスが多発したことにより,高
校側の採点負担軽減のためと思われる。これにより,小問 1 問当たりの配点が最低でも 6 点と大きくなり,1 問の重みは増している。また,記
述問題が減ったことで,時間的な余裕は少しできたと思われるが,正解まで導く計算力がより重要となる。
出題傾向は概ね例年通りで,既出・頻出のテーマが多い。1(5)「箱からカードを取り出すときの確率」,(6)「不定方程式」,(7)「関数での
媒介変数の活用」,2「直角三角形の合同,相似の利用」,3(1)「空間図形内の相似」,(2)②「断頭三角柱の求積」などは,繰り返し出題され
ている。ただ,「不定方程式」や「断頭三角柱の求積」などは教科書ではあまり扱われないため,過年度問題の傾向を踏まえた対策を徹底す
る必要がある。また,計算が複雑なものも多いので,スピードと正確さを兼ね備えた計算力を養うことが求められる。なお,文理学科以外の
受験生にとっては難度の高い問題が多いので,自分の得点できる問題を見分けて確実に得点することがポイントとなる。
■注目問題
※一部の問題は,スペースの都合上,問題内容を変えない範囲で編集しています。
y
1 (4) a,b,c,d を 0 でない定数とする。右図において,①は y=ax,②は y=bx2,
③は
y=cx2,④は
y=dx2
②y=bx2
③y=cx2
のグラフをそれぞれ表す。A は①と③との交点で
あり,その x 座標は-1 である。②と④とは x 軸について対称である。
次のア~エのうち,a,b,c,d の値の大小関係を表した式として正しいもの
A
はどれですか。一つ選び,記号を○で囲みなさい。
-1
ア a<d<b<c
イ
x
O
a<d<c<b
ウ d<a<b<c
①y=ax
エ d<a<c<b
④y=dx2
【解答例】
右図のように,①~④のグラフ上の点で,x 座標が 1 の点に着目すると,
y
②y=bx2
③y=cx2
y 座標が a,b,c,d となる。
y 座標は上の方が大きいので, d<a<c<b であることがわかる。
(1,b)
よって, エ
【解説】 このような問題は慣れていない生徒も多いだろう。定数の大小や符号を考え
A
-1
るときに,ある特定の座標を代入して考える方法がある。次の例も同様の考
(1,c)
O
x
(1,a)
え方を利用する。
《例》 右の図で,直線 l は 1 次関数 y=ax+b のグラフを
l
y
(1,d)
表している。2a+b は正,負のどちらになるか。
〈H25 桃山学院〉
①y=ax
④y=dx2
《解》 y=ax+b に x=2 を代入すると,y=2a+b となる。
右図より,x 座標が 2 のときの y 座標は負なので,
O
1
x
2a+b は「負」であることが分かる。
次頁に続く
1 (6) m,n を 2 けたの自然数とするとき,m2+6102=n2+6112 を満たす m,n の値をそれぞれ求めなさい。
【解答例】
1221 の素因数分解で苦戦した人もいるかも。
11,13,17,19 などの素数で割り切れるかを
チェックしよう。
与式より, m2-n2=6112-6102=(611+610)(611-610)=1221 だから,
(m+n)(m-n)=3×11×37
m+n>m-n より,m+n,m-n の組み合わせは表のようになる。
m+n
407
111
37
この中で,m,n が 2 けたの自然数になるのは,
m-n
3
11
33
(m+n,m-n)=(111,11)のときで, (m,n)=(61,50)
【解説】 「不定方程式」と呼ばれ,そのままでは解が定まらないが,条件を加える(この問題では 「m,n は 2 けたの自然数」)ことで解
を求めることができる。学校ではほとんど学習しないが,よく出題される。私立難関高,都立独自入試でも出題は多い。
《例》 s,t を正の奇数とするとき,s2-t2=400 を満たす s,t の値の組をすべて求めなさい。
〈H24 大阪府・文理〉
3 (2)① 図において,円 O の二つの弦 AB,CD が垂直に交わっている。A,C,
A
B,D は,円 O の周上の異なる 4 点であり,この順に左回りに並んでいる。弦
AB の長さは円 O の直径より短い。E は弦 AB と弦 CD との交点であり,CE<
DE である。A と C,B と D とをそれぞれ結ぶ。F は,A から線分 BD に引いた
C
垂線と線分 BD との交点である。G は直線 AF と弦 CD との交点であり,H は
G
E
D
O
直線 AF と円 O との交点のうち A と異なる点である。D と H を結ぶ。
F
弦 CD が円 O の直径であり,AB=8cm,CD=10cm であるとき,線分 AH
B
の長さを求めなさい。
H
【解答例】
A
△ACE≡△AGE より,∠CAE=∠GAE
⌒ に対する円周角), ∠GAE=∠HDF(BH
⌒ に対する円周角)
∠CAE=∠GDF(CB
よって, ∠CAE=∠GAE=∠GDF=∠HDF だから,
5
C
E
△DGF≡△DHF, △AGE∽△DGF であることが分かる。
1
弦 AB⊥半径 OC より,AE=BE= AB=4
2
△OAE で,∠AEO=90˚より, OE=
52-42
G
O
F
よって, EG=CE=5-3=2
B
H
△AEG で,∠AEG=90˚より, AG= 42+22 =2 5
△AGE∽△DGF より,DG:GF=AG:GE=2 5 :2= 5 :1 なので, GF=
6 5 22 5
=
(cm)
5
5
D
4
また,半径 OA=OC=OD=5
=3
5
4
1
1
6 5
DG=
×6=
5
5
5
よって, AH=AG+2GF=2 5 +2×
A
《別解》
4
CE=GE=x cm とする。
△AEG∽△DEB より, AE:EG=DE:EB だから, 4:x=(10-x):4
これを解くと, x(10-x)=16,
(x-2)(x-8)=0,
CE<DE より, x=2
x2-10x+16=0,
C
10
10-x
E
x
x
G
O
4
x=2,8
F
※このあとの解法は,上記と同様。
B
H
【解説】
半径 OA を結んで△AEO の各辺の長さが求められることに気づけると,比較的簡単に求められる。ただ,いつも最短の考え方に
気づけるとは限らないので,図形問題では色々なアプローチで考えるようにすると底力がつくでしょう。この問題では,《別解》のよ
うな解き方もできますね。
D