質問と感想

質問
Q.イネ科植物が昆虫にアピールをしなくていい理由は?
A.イネ科植物の花は風媒花としてよく知られています。一般的に、イネ科植物の生育環境
は開けた明るい環境で、群生して生育しています。鬱そうとした森林内を風媒植物は好みま
せん。風がないし、花粉が飛んでも他の植物に当たってしまいますから。また、風媒の植物
の花粉の散布距離は、スギなどで長距離を飛ぶものもありますが、イネ科植物ではせいぜい
100m 程度と言われています。イネ科植物による花粉症は近くに原因となる植物がないと発
症しないのです。なぜ、イネ科植物が風媒花をつけるのか、詳しく検証した研究はほとんど
ないと思います。面白いと思いますので、ぜひ、生態や系統という観点から考えてみてくだ
さい。
Q.家にコオニユリがあり、花は咲くが種子がほとんどつかない。また、毎年ムカゴで殖え
ていくのに、種子をつくる利点はあるのか?
A.種子ができないのはなぜか詳しくは分かりませんが、株数が少ないと、自家受粉や近親
交配で種子ができない可能性があります。
ムカゴはクローン繁殖なので確実に個体数を増やすための戦略、種子をつくるのは、別の
個体から新しい遺伝子を取り込んで、多様性を維持するための戦略です。
Q.タンポポが種子をつくるとき一度花茎が下がる(倒れる)のはなぜか?
A.未熟な花序が風や動物に折られるのを防ぐなどと言われています。あと、頭花を持ち上
げていることにいくらかのエネルギーを要するなら、花粉と種子を飛ばすとき以外は下げ
ていたほうが良いのかもしれません。花茎の運動はどうやってコントロールされているの
か大変不思議です。誰も研究した人はいませんので、これだけで研究テーマになりますね。
Q.タンポポの花の白い汁は、花茎を折ったときに出るものと同じ?
A.同じです。キク科の中で白い乳液がでるものをタンポポ亜科、出ないものをキク亜科と
分類されることがあります。
Q.レポートの課題について、球根性の植物でもいいか?
A.良いです。球根の殖え方等詳しく調べてください。種子と球根を動使い分けているのか、
繁殖戦略を考察してみてください。
感想
種子の構造が奇抜になるのが不思議であり、同時に無駄がない構造ですごい。
植物が育ち繁殖する映像を見て、これまで持っていた植物に対する考え方が変わった。
小さいころ、イヌムギの小花をひたすら剥いていた記憶がある。
最近、花のつぼみがどう開花するのか、花弁がどう折りたたまれているのか興味があった。
回転するカラスムギが面白かった。
ビデオの中に出てきた蛾と蝶の名前が間違っていた。ウメエダシャク→トラガ、ツマグロヒ
ョウモン→アカタテハ。
ゲンノショウコが種子を飛ばすスピードがピストルの弾より速いことに驚いた。莢がめく
れる仕組みでこれだけエネルギーを生み出せるのであれば、それを応用して新たな技術を
生み出せるのでは。
花が咲く映像が神秘的できれいだった。映像がとてもきれいで感動した。
イネ科のレポートを作ってみようと思った。
散布様式の種類については知っていたが、そのなかにも器官や発達の仕方の違いがあるこ
とをはじめて知った。