城陽市個人情報保護条例の一部改正に向けた考え方(案) 1.背景 番号

城陽市個人情報保護条例の一部改正に向けた考え方(案)
1.背景
番号法及びそれに基づく社会保障・税番号制度は、住民票を有するすべての個人に「個
人番号」、法人に「法人番号」を付番することにより、社会保障や税に係る各種行政事務の
効率化が図られるとともに、窓口で提出する書類が簡素化され、国民の負担を軽減するこ
と等を目的としています。
番号法では、個人番号を含む個人情報を「特定個人情報」と定義し、個人番号の情報漏
えいや不正利用等の懸念に対応するため、特定個人情報について、個人情報の保護に関す
る法律(平成15年法律第57号)
、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律(平
成15年法律第58号)及び独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律(平
成15年法律第59号)
(以下、「一般法」という。)よりも更に厳格な個人情報保護措置を
講じています。
一方で地方公共団体については、地方分権の観点から特定個人情報の取扱いについて一
律に番号法で規定することは望ましくなく、また現行の個人情報保護法制においても、地
方公共団体における個人情報保護は地方公共団体の定める個人情報保護条例に依るものと
されています。
そのため、番号法第31条の趣旨を踏まえ、保有する特定個人情報の適正な取扱いが確
保されるために必要な措置を講ずるものです。また、一般法の読替えとして規定されてい
る番号法第29条(行政機関個人情報保護法等の特例)及び第30条(番号法第23条1
項及び2項に規定する記録に記録された特定個人情報(以下、
「情報提供等記録」という。)
についての特例)については、当然に適用されるものではないため、その趣旨に沿って城
陽市個人情報保護条例(以下、「条例」という。)の一部改正を行うものです。(図1参照)
図1.
.番号法と個人情報保護法
個人情報保護法の法体系
個人情報保護法 法体系
2.改正
改正に係る考
考え方
(1
1)特定個人情報
特定個人情報の定義
定義の追加
「
「特定個人情報
特定個人情報」については
については番号法
番号法に準じた定義
定義を新たに
たに追加します
します。本市で取
取扱う
「個人情報
個人情報」は
は実務上、生存
生存するものに
するものに関する情報
情報か否か確認
確認することが
することが困難なこと
なこと、
死者
死者に関する情報
情報であってもたとえば
であってもたとえば
であってもたとえば、死者の名誉棄損罪
名誉棄損罪(
(刑法第230
230条第2項
項)の
ように
ように死者の名誉等
名誉等が法的保護
法的保護の対象
対象となっている
となっている場合もあり
もあり保護されるべき
されるべき権益
権益があ
るため
るため、生存するものに
するものに関
関する情報と
と異ならないことなどから
ならないことなどから、死者の
ならないことなどから
の情報についても
についても
保護
保護の対象としています
としています。
。
一方
一方、番号法
番号法での「個人情報
個人情報」及び
び「特定個人情報
特定個人情報」の取扱
取扱いは、死者
死者を含まないと
まないと
されて
されています((内閣官房のマイナンバー
マイナンバー
マイナンバー社会保障・
・税番号制度
税番号制度HPのQ&A
Q&A参照)。本市条
本市条
例において
において「特定個人情報
特定個人情報」は番号法
特定個人情報
番号法に準じて新
新たに規定するため
するため、そ
その範囲は死者
死者を
特定個人情報
特定個人情報として
として位置づけしないものとし
づけしないものとし
づけしないものとし、番号法
番号法の定義
定義と不一致することが
することがないよ
ないよ
う、
、条例として
として区分して規定
規定するものとします
するものとします。
。
図2.特定個人情報の定義
個人情報
生存者
死者
特定個人情報
個人番号(マイナンバー)をその内容に
含む個人情報
マイナンバーを含まない個人情報
(2)特定個人情報の取扱いに関する規定
番号法においては、特定個人情報を「情報提供等記録を除く特定個人情報」および
「情報提供等記録」に分け、情報の性質に応じ異なる保護措置を講じています。
図3.特定個人情報の分類
個人情報(城陽市個人情報保護条例)
特定個人情報
生存者
死者
個人番号(マイナンバー)をその内容に含む個人
情報(情報提供等記録を除く)(法第29条)
情報提供等の記録(法第30条)
マイナンバーを含まない個人情報
保護措置については、番号法第29条の規定による「情報提供等記録を除く特定個人情
報」及び第30条の規定による「情報提供等記録」における一般法の読み替え規程が置か
れているため、その内容を現行の条例に反映させるものとします。
個別の項目ごとにおける改正内容については次表のとおりです。
表1.改正に係る条例及び番号法の規定の要約
項
個人情報
目
(条例)
特定個人情報
(情報提供等記録を除く)
(第29条)
情報提供等記録
(第30条)
目的外利用は次の場合の
みできるものとする。
(1) 法令等に基づくと
き。
(2) 本人の同意があると
き又は本人に提供すると
き。
(3) 個人の生命、身体又
は財産の保護のため緊急
かつやむを得ないと認め
られるとき。
目的外
(4) 事務の執行上やむを
利用
得ず、かつ、当該利用によ
って本人又は第三者の権
利利益を不当に侵害する
おそれがないと認められ
るとき。
次の例外を除いて原則禁
止とする。
<例外>
人の生命、身体又は財産の
保護のために 必要がある
目的外利用を禁止する。
場合であって、本人の同意
が あり、又は本人の同意
を得ることが困難である
場合
(5) 上記の他、個人情報
を利用することに相当の
理由があり、かつ、当該利
用によって本人又は第三
者の権利利益を不当に侵
害するおそれがないと認
められるとき。
外部提
上段と同じ場合にのみ提
番号法第1 9条(特定個人情報の提供の制限)の各号
供
供をできるものとする。
の事務(1号~14号)に限定する。
開示請
求者
開示手
数料
本人、法定代理人による請
求を認める。
実費負担
本人、法定代理人、任意代理人による請求を認める。
経済困難などを理由に減免を可能とする。
他法令
の開示
他の法令による開示の実
他の法令による開示制度との調整規定を除外する(他
制度と
施を優先する。
法令と重複して開示を可能とする)。
の調整
訂正請
求者
本人、法定代理人による請
求を認める。
本人、法定代理人、任意代理人による請求を認める。
必要があると認めるとき
訂正の
は、当該個人情報の提供先
通知先
に対し、遅滞なく、その旨
総務大臣及び情報照会者
又は情報提供者に通知す
る。
を書面により通知する。
利用停
止請求
者
利用停
止等の
事由
本人、法定代理人による請
求を認める。
本人、法定代理人、任意
代理人による請求を認め
る。
次の場合に利用停止請求
次の場合も利用停止請求
を認める。
を認める。
①個人情報の収集の制限
①収集・保管制限に違反
に違反している場合
している場合
②利用及び提供の制限に
②利用制限に違反してい
違反している場合
る場合
③オンライン結合の制限
③ファイル作成制限に違
に違反している場合
反している場合
④正確性及び安全性の確
④提供制限に違反してい
保に違反している場合
る場合
利用停止請求を禁止す
る。
正当な理由があるときは、
開示・訂 開示請求の趣旨に反しな
正の移
い限りにおいて、当該実施
送
機関と協議の上、移送する
ことができる。
他機関への移送を禁止す
る。
【条文説明】
ア
目的外利用について(条例第7条関係)
番号法第29条では、特定個人情報(情報提供等記録を除く)を目的外利用することが
できる場合を次のとおり限定しています。
(ア)人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合であって、 本人の同意が
あり 又は本人の同意を得ることが困難であるとき
(イ)激甚災害時であって番号法第9条第4項に規定された要件を満たすとき
このうち、
(イ)は金融機関等が預貯金等の支払いに利用することを想定したものであるた
め、(ア)のみを条例改正の対象とします。
現行の条例では、
(ア)の他、緊急かつやむを得ないと認められるときと規定されており番
号法より厳しい規制となっていますが、特定個人情報については、(ア)のとおり規定し、
番号法の趣旨に合わせた規定とします。
また、番号法第30条では、 情報提供等記録の目的外利用を認めていないので、情報提
供等記録の目的外利用を認めないようにします。
イ
外部提供について(条例第7条関係)
番号法第29条及び第30条では、 特定個人情報を外部提供することができる場合を同
法第19条各号のいずれかに該当する場合に限定していますので改正を行います。
また、 番号法第19条第7号による外部提供は、情報提供ネットワークシステムを用いて
行うが、オンライン結合することを制限する条例第8条の法令等に基づく場合に該当する
ため、条例を改正することなく実施できるものですが、特定個人情報の取り扱いについて
は個別に規定していることから、オンライン結合の適用除外とします。
ウ
開示請求者について(条例第14、15、16条関係)
番号法第29条及び第30条では、特定個人情報の開示を請求できる者に任意代理人(本
人の委任による代理人)を加えていますので、条例においても任意代理人(本人の委任に
よる代理人)を加えるものとします。
エ
開示手数料について(条例第25条関係)
番号法第29条及び第30条では、経済的困難その他特別の理由があると認めるときは
開示手数料を減額又は免除することを可能としていますが、現在の条例第25条では開示
手数料を実費負担としており、他の開示との公平性との観点と開示に自体に係る負担を求
めていないことから、見直しは行わないものとします。
オ
他法令の開示制度との調整について(条例第40条関係)
番号法附則第6条では、 個人が自己の特定個人情報を容易に確認できる仕組みとして、
情報提供等記録開示システム(以下「マイナ・ポータル」という。)を新設することとし、
また、同法第29条及び第30条では、既定の開示制度があったとしても、調整すること
なく、マイナ・ポータルにて 特定個人情報の開示を可能とするように定めています。
条例第40条第2項及び40条第5項で定められている個人情報については、条例によ
る開示をしないこととしております。そのため、マイナ・ポータルによる特定個人情報の
開示方法は適用されませんので、条例第40条第2項及び第5項については、他の法令と
の調整の対象から特定個人情報を除外する旨の改正を行うものとします。
カ
訂正請求者について(条例第26、27条関係)
番号法第29条及び第30条では、特定個人情報の訂正を請求できる者に任意代理人(本
人の委任による代理人)を加えていますので、条例に任意代理人を加えるものとします。
キ
訂正の通知先(条例第32条関係)
番号法第30条では、情報提供等記録を訂正した場合は、総務大臣及び同法第19条第
7号の情報照会者又は情報提供者に通知することとしていますので、これを規定します。
ク
利用停止請求者について(条例第33、34条関係)
番号法第29条では、特定個人情報(情報提供等記録を除く)の利用停止を請求できる
者に任意代理人(本人の委任による代理人)を加えていますので、条例においても任意代
理人を加えます。また、番号法第30条では、情報提供等記録の利用停止の請求を認めて
いないので、条例においても請求を認めないものとします。
ケ
利用停止等の事由について(条例第条33関係)
番号法第29条では、特定個人情報(情報提供等記録を除く)の利用停止等の請求をす
ることができる事由を次のとおり追加していますので、 条例においてもこれを規定します。
・条例第7条(利用及び提供の制限)の改正規定に違反したとき
・番号法第20条(収集等の制限)の規定に違反したとき
・番号法第28条(特定個人情報ファイルの作成の制限)の規定に違反したとき
コ
開示・訂正の移送について(条例第22、31条関係)
番号法第30条では、情報提供等記録に対する開示及び訂正の請求について、当該
情報提供等記録の提供元に事案移送することを禁止しているため、条例においても移
送を禁止します。