N5172B/82B 任意波形再生におけるRF Blanking Markerの設定方法 本資料では、バーストしている任意波形をALC Onで使用し、かつ ダイナミックレンジを最大化するためのMarker設定についてご紹介 いたします。 2015年1月 電子計測本部 アプリケーション・エンジニアリング部門 バースト信号の再生とALC(Auto Level Control) ALC(Auto Level Contol)機能とは 信号源ではDefaultのALC設定がONとなっており、常に出力パワーをモニターして設定された出力レベ ルを保つように動作します。 任意信号波形がバーストしている信号の場合、OFF(IQデータがゼロ)の部分もALC機能が働き、RF出 力を上げようとフィードバックが働き、正しくバースト信号が出力できなくなります。 本資料で説明しているRF Blanking Markerは波形の各サンプルにMarkerを付け、バーストジェネレータ のON/OFFの制御することでバーストしている任意信号波形をALC Onで使用し、かつダイナミックレンジ を最大化するための方法についてご紹介します。 ※ALCの応答速度は信号源のモデルや設定しているALCの帯域によって異なります。 変調レートやバーストの速度によっては、ALCはOFFにしてご使用いただく必要がある場合もございま すので必ず設定後の波形出力をご確認の上ご使用ください。 ※バーストの一部がBoostしているような信号の場合、さらに、ALC Holdの機能もご使用いただけます。 ALC=ON Markerなし ALC=ON Marker機能使用 RF Blanking Marker の設定方法 Page 2 RF Blankingの設定方法(概要) RF Blankingの機能は、波形の各サンプルにMarkerをつけて設定を行って いただきます。 Markerは1~4まで4つ、設定を行っていただけます。 Marker1に設定をすると、背面のEVENT1という端子から、Markerに連動 した信号が出力されます。 Signal Studioでは通常、アナライザのトリガ 用にEVENT1出力を使えるように、Marker1は信号の先頭部分でONに設定 されており、RF BlankingはMarker3やMarker4に割り当てられることが多 いです。 ◆大まかな設定手順◆ ① 信号を出力したい部分だけMarkerをONにする設定をします。 (本資料では例としてMarker4を使用しています) ② MarkerをRF Blankingの設定に割り当てます。 ③ 波形の出力を確認し、OKであれば、Markerの割り当てなどの設定を波形にHeader情 報として保存します。 RF Blanking Marker の設定方法 Page 3 波形データのMarkerの状態を確認する方法 まず、現時点でのMarkerの設定状態を確認します。 Markerの状態は、下記手順で確認していただきます。 1)[Mode]->{Dual ARB}->[More]->{Marker Utilities}->{Set Markers} 2)確認したい波形を矢印ボタンなどで選択して、{Display Waveform and Markers} IQのデータと、Marker1~4の状態が画面に図で表示されます。(波形全体を表示) 右に表示されるボタンを使って、細かくMarkerの設定を確認いただけます。 (First Sample Pointは、画面左端に表示させる最初のポイント番号になります。) このボタンで表示 領域を調整します RF Blanking Marker の設定方法 Page 4 波形データのMarkerの状態を確認する方法(例) ※標準搭載波形 “EDGE_1C_BURST.SECUREWAVE“ を使用 Zoom In Max を押すと、最小 単位でMarkerを 確認することが できます。 さらにFirst Sample Pointを600ポイントと すると、波形の途中から データが確認できます。 RF Blanking Marker の設定方法 Page 5 Marker4を任意に設定する方法 Markerの状態を確認し、何ポイント目にMarkerをつけるかが決まったら、実際にMakerの 設定を行います。 1)[Mode]->{Dual ARB}->[More]->{Marker Utilities}->{Set Markers} 2)設定する波形を選択し、さらに、設定したいMarkerを選択して、 {Set Marker On Range Of Points}を押します。 (3pageと同じ) 下図のようにするとORIGNALWAVEという波形のMarker4にONの部分を設定することになります。 3)MarkerをONにしたい最初と最後のポイントを指定して{Apply To Waveform} (次ページ参照) MarkerをONにしたい部分が複数ある場合は、この作業を繰り返します。 途中で間違えてしまった場合、意図せぬところにMarkerが残ってしまうのを防ぐためにも、一度、 {Set Marker On Range Of Points}を使用してすべてのMarkerをOffにしてから設定し直すと 意図せぬMarkerが残ってしまうことを防げます。 RF Blanking Marker の設定方法 Page 6 Maker4を任意に設定する方法(例) 最初の波形のMarker状態 Marker4を選択し、 {Set Marker On Range Of Points}。 FirstとLastに1と14400を設定して {Apply To Waveform} Marker設定後の状態 RF Blanking Marker の設定方法 Page 7 Marker4をRF Blankingの機能に割り当てる方法 Markerの設定が完了したら、Marker4をRF Blanking機能に割り当てる設定をします。 1)[Mode]->{Dual ARB}->[More]->{Marker Utilities} 2){Marker Routing}->{Pulse/RF Blank}->{Marker4} (3pageと同じ) を押します。 ※これらの設定は、波形に対し て行っているものではありませ ん。 {Select File}で選択している 波形を出力するときにどのよう にMarkerを割り当てるかの設定 となります。 Marker使用のON/OffとPolarityについて そのため、次ページの手順で、 波形自体に、Markerの情報を ヘッダ情報として付加します。 Markerの設定は、機能の割り当ての他に、Polarityの設定を行っていただくことが可能です。 Polarityは、DefaultではすべてPositiveの設定になっていますが、Negativeに変更することで、 MarkerのOn Offを設定し直さなくても逆の動作にすることが可能です。 RF BlankingはPolarityがPositiveの時に、MarkerがOnの部分のみ信号を出力します。 RF Blanking Marker の設定方法 Page 8 MarkerのRoutingを波形のヘッダに付加する方法-1 1)[Mode]->{Dual ARB}->[More] (3pageと同じ) 2){Header Utilities}を押します。 今SelectされているファイルのHeader情報と、実際に 出力に使っている設定が表示されます。 3)ノブを回して(または[Page Down]ボタンを押して)ページをスクロールし、 Current Inst. Settingの欄を確認して、Marker設定が正しければ {Save Setup To Header} を押します。 RF Blanking Marker の設定方法 Page 9 MarkerのRoutingを波形のヘッダに付加する方法-2 {Save Setup To Header} を実行すると、「Saved Header Settings」と 「Current Inst. Settings」のデータが同じになります。 この状態で波形にHeaderがつきましたが、この操作は、再生メモリ(揮発性メモリ)に ある波形に対して行った操作になります。 そのため、この波形を信号源の内部メモリに保存する場合は、 [Mode]->{Dual ARB}->{Select Waveform}->{Waveform Segments} のメニューから、通常通り、波形を不揮発性メモリに保存していただく必要があります。 RF Blanking Marker の設定方法 Page 10
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