6月定例月議会 反対討論 6月30日 加藤 清助 私は、議案 第14号 平成27年度四日市市一般会計補正予算 ついて反対の立場から討論を行います。 第4号に 本議案は、旧ジャスコ A 館跡地に大和ハウス工業株式会社が15階建てのマン ションを建設・分譲するにあたり、本市がその1階の123平方メートル37. 2坪を6000万円で取得し、内装工事その他で2690万円の初期投資を行 おうとするものであり、今回、そのための補正予算として2400万円の計上を 行っているものであります。 中心市街地公民連携型 情報発信・市民交流拠点整備事業と名付けられた本事 業の目的は、近鉄四日市駅東口近接に立地するマンションの一角に情報発信機 能と市民交流機能を有した設備を整備し、本市のシテイプロモーションを推進 するとともに中心市街地の活性化へ寄与することを目的としています。 私は、この目的中にうたう「中心市街地の活性化」に異を唱えるものではなく、 むしろ、もっと本腰を入れて、この123平方メートルだけに視点をおくのでは なく中心市街地をとりまくこの間の経緯や現状を分析し、人口減少が確実な将 来にむけて公共が税投入して「公共空間」を新たに取得し、維持していくために 既存の公共施設・空間を含めて検討することが不可欠だと認識しています。 本事案の立地場所に関する経緯は、皆様方ご承知の通り、平成14年1月に ジャスコ発祥の地と言われる場所からジャスコが閉店撤退し、その後「空き地」 のまま市民の目にされてきました。 この13年間に、行政も何とかしたいという思いやお考えはあったのでしょう が陽目を見ることはありませんでした。 昨年9月に大和ハウスが当該土地を取得し、本年4月下旬にマンション建設の 建築確認申請を終了し、5月着工されました。 市は、2月2日、議会に対して、議員説明会の場において今回上程された補正予 算整備事業の説明が行われました。 1 一方で、市は大和ハウス工業と市が計画する事業案についての協議が2月以降、 6回行われ、5月22日に2回目の議員説明会がもたれ、5月28日の価格交渉 においてダイワハウスの提示額の2分の一相当額6000万円で平成29年3 月引き渡し予定で合意したと本定例議会へ説明がなされました。 市長は、5月22日の議会説明会において、隣接する「文化の諏訪駅」の今年度 限りでの廃止を表明しました。文化の諏訪駅は、市長の肝いりで「中心市街地の 空き店舗を市民の芸術文化活動の発表・体験・交流拠点」とし、賑わいづくりを 図ろうとし開設した「駅」ですが、本事業の浮上でにわかに「終点」宣言となり ました。 審査を付託された産業生活・予算分科会における議論および予算常任委員会全 体会における議論を通じてもなお、私は、本事業を了とする確信を得るに至りま せんでした。 議員説明会の場で、市長は、本事業を中心市街地活性化の起爆剤にしたいが、起 爆剤ということにはならない旨、ご発言されています。 本物件を、向こう数十年間、市の財産として取得することの意義が見いだせない のであります。 中心市街地というのは、経済状況などで変化していくのは避けられません、市民 の回遊も変化します。 そういう中で、公共施設・公共空間が果たす役割、担う役割は何か、 当該駅周辺中心市街地には、市民のニーズに対応すべく種々、公共施設空間が存 在しています。 諏訪公園、交流館、博物館・資料館、じばさんみえ、文化会館、近鉄高架下市民 窓口センター、四十三茶屋、さらには鵜の森公園、本町プラザ・・・など。 もちろん、今回の123平方メートルの公共空間の可能性はゼロではないと思 います。 情報発信、市民交流機能は大きさだけで論じるものではないが、市民のニーズ 地元のニーズと理解、さらには民間マンションを購入する住民の理解と共存は 不可欠です。 本事案は、市の政策・方針よりも民間事業者のタイムリミットに迫られて、市の 判断、議会の議決を求めている状況に変わりはないでしょう。 現時点においても、取得・管理運営契約に関して、いまだ発足していないマンシ 2 ョン管理組合を想定しても、不確定要素を残していることは否めません。 また、分科会の質疑答弁で「リニア中央新幹線の開通で名古屋周辺の地方都市も 競争の時代に入ると考えている、だから本市の顔にあたる駅前に拠点を整備す る必要がある。長期的な視点で養っていかなければならない」とお答えになって いますが、リニアとこの拠点事業を結びつけるのは無理があると思います。 この公共空間が、このまち、四日市の顔づくりになるのでしょうか。 123平方メートルに目を奪われず、 むしろ、市民の憩いや学習、観光、情報発信といった分野、切り口で考えるなら ば、総合計画にある新しい図書館構想をこそ急ぐことのほうが優先順位ではな いのかと申し上げたいし、このまち四日市の強み、地域資源を生かす創意と工夫 計画をこそ求められているのであり、都市間競争という言葉に見失っているも のがあるのではないかと申しあげ、議員各位のご賛同を呼びかけて討論といた します。 3
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