花卉栽培管理情報【0501】

花き栽培講習会(小ギクの定植・エスレル散布、アスター等の定植等)
平成 27 年 5 月 1 日
<小ギク>
1.定植
・排水の良い場所を選定し、高畝にする。
・事前にマルチに直径 5cm 程度の穴を空ける。
・必要に応じて、定植前にネキリムシ対策と
15~20cm
してオルトラン等の粒剤を施用する。
・幅の狭いシャベルなどで土を押し
開け、シャベルの背側に苗を押し込み、
シャベルを抜き取った後、軽く土を押さえる。
・たっぷりかん水し、土と根をなじませる。
株間 12cm
通路中央間 140cm
ポイント
・苗の大きさ、太さを揃えて植えるとその後の生育が揃う。
・苗が長くても深植えしない。
2.摘心
・定植から 1 週間~10 日後、新たに発根してきたら
展開葉5枚程度残し、先端部分を折り取れる位置で摘む
・GW後の定植では、摘心後に定植する。
・摘心後にダントツ粒剤を施用し、アブラムシ等の発生
を予防する。
・うまく摘心が行われていない場合は速やかに再摘心する
ポイント
・摘心位置をそろえると生育が揃う。
・側枝が出にくい品種は、摘心の位置を高めに行い、整枝時に下から出る側枝を
残すようにする。
・摘心後に液肥をかん注すると、芽吹きが促進され、ボリュームも出やすくなる。
3.エスレル処理
・花芽分化を遅らせるため、「エスレル10」の500倍液を散布。
・散布回数は品種に応じて0~3回散布とし、開花が早い品種には必ず散布する。
散布時期例 2回散布(やよい、かがやき)→①5/15 頃、②5/25 頃
1回散布(いずみ)
→①5/25 頃
・ハンドスプレーや噴霧器で、株全体が濡れる程度まで散布する(目安:1株5mℓ程度)
・摘心後から5月末までに行い、ほ場が乾いた晴天日の昼間に散布すると効果が高い。
4.病害虫防除
・定植後は、週1回程度の定期防除を実施する。
殺菌剤:病害が発生していない場合は、予防剤(ジマンダイセンフロアブル、ダコニ
ール1000等)を中心に散布し、発生した場合または降雨が続き病害が発生
しやすくなってきた場合は、治療剤(ラリー乳剤、アミスター20 フロアブル)
に切り替える。
殺虫剤:薬剤抵抗性の出現を防ぐために、効き目の違う薬剤(ダントツ水溶剤、オル
トラン水和剤等)をローテーションで散布する。
*散布は朝夕の涼しい時間帯に行う。
*薬剤は葉の裏側から吹き上げるように、万遍なく散布する。
*農薬のラベルに記載されている内容をよく確認して、登録のある薬剤を散布する。
*白さび病が発生した所は、徹底した防除を実施(発病適温 17℃、雨とともに広がる)
○特に必要な防除
・入梅前の予防(6 月中旬)
白さび病 → ラリー乳剤等
ハダニ
→ バロックフロアブル、ニッソラン水和剤等
*ハダニの薬剤は抵抗性がつきやすく、使用回数が各1~2回なので気をつける。
・梅雨明け後の予防(7 月中旬)
白さび病 →
ラリー乳剤等
○農薬散布量の目安
草
丈
散布量
1a(1,200 本)当り
10~20 ㎝
25~50 ㎝
55~100 ㎝
10 ㍑
30 ㍑
40 ㍑
○参考
小ギクに発生する病害虫の発生消長
2月 3月
4月
5月
マメハモグリバエ
アブラムシ
ハダニ
アザミウマ
ヤガ類
白サビ病
黒斑病
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
1月
5.整枝
・草丈(側枝)が 20~25cm になったら、樹勢の強い枝や弱い枝をかき取り、株揃いが均
一になるように3~4本仕立てにする。
・地際から出ている枝は折り取る。
・揃える枝は地際から近いもので揃える。
・1~2週間後に再度確認し、遅れ芽等を取り除く
○
太く勢いのある枝
地際から出た枝
や細い枝
<アスター>
・発芽後は明るい場所で管理し、乾いてきたらかん水する。
・トレイ内で根が回る前に定植(目安:播種から 4 週間後、本葉3~4枚)
・5 月 20 日頃までに定植する。
・定植後は活着するまで乾かないようにかん水する。活着後も過湿(排水)
・過乾燥に注意。
・近くの大きい雑草は引き抜かない(根を痛めるため、ハサミで切る)。
・萎ちょう病・立枯病の罹病株は速やかに圃場外で処分する。
<ケイトウ>
・トレイ内で根が回る前に定植(目安:播種から 4~6 週間後、本葉が3~5枚)
・遅くとも 5 月 20 日頃までに定植する。(痩せ地に元肥無し)
・5月下旬~6月上旬に本葉3~5枚を残して摘心すると、側枝が採花できる。摘心位置
が浅いと複数の茎が立たないので確実に。
<シンテッポウユリ>
・まだ定植していない場合は早めに定植する。
・葉色が薄くなってきたら、液肥を施用する。
液肥散布例…
野菜の達人または硝化燐安S540の 500 倍液を株元かん注
<共通>フラワーネットの引き上げ
・生育にあわせて、草丈の半分~2/3 程度まで小まめにフラワーネットを引き上げる。