税法改正の方向と対処方針 - 税理士法人 サクセスサポート

■ 新年のご挨拶 ■
新年明けましておめでとうございます。今年も、皆様のお役に立つ情報をこのサクセスサポートニュ
ースでお届けしますのでよろしくお願いします。
日本経済は、アベノミクスの超金融緩和策によって急激な円安となり、輸出産業の大企業には追い風
になりましたが、原材料等輸入に依存する中小企業には向かい風になっています。円安によるコスト高
に(社会保険料を含む)人件費高も加わり、会社の収益構造に変化が起きているケースが多いようです。
加えて後に記載しますように、税制もいろいろ改正され経営上考慮すべき要素がますます複雑になりま
す。このような時代こそ会社経営に必要な情報を(税法に限らず若干広げて)提供してお役に立ちたい
と思います。
税法改正の方向と対処方針について
1.法人税率を引き下げ個人所得税率を引き上げる方向にある
政府は企業の国際競争力向上のため法人税率を引き下げ、個人の所得格差の是正するため、高額所
得者に対する課税を強化する方向にあります。
したがって、高額所得役員の節税対策としては、会社からの役員報酬や家賃を上げるよりも、会社
高額所得役員の節税対策としては、会社からの役員報酬や家賃を上げるよりも、会社
に残した利益に対する法人税課税の方が、会社と個人の税金合計は少なくなります。
に残した利益に対する法人税課税の方が、会社と個人の税金合計は少なくなります。
2.相続税を課税強化し贈与税を引き下げる方向にある
政府は税収確保と資産格差是正のため、基礎控除縮小等により相続税の課税を強化し、一方、金融
資産保有の高齢者から消費支出旺盛の若年者への資金贈与を促し、もって需要を喚起、経済の再生
を期待し、あの手この手の贈与税の減免措置を講じています。
① 相続税対策は、財産債務の総額と税額の把握からスタートする必要があります。
相続税対策は、財産債務の総額と税額の把握からスタートする必要があります
相続税は、財産額と相続人の数によって税率が違いますので、相続税率 10%の場合と 20%、30%、
40%の場合では、贈与方針を含めた相続対策が異なります。
② 第一次相続だけでなく第二次相続も考慮して相続税対策をする必要があります。
第一次相続は配偶者の税額軽減がありますが、第二次相続にはそれがありません。
第一次相続で配偶者財産が増えすぎると、第二次相続の税額が予想外に多くなります。
③ 相続税対策のため子や孫に贈与するときは、老後の必要資金を十二分に考慮する必要があります。
贈与のやり過ぎが子や孫の教育に良くない場合もあります。
特に、不動産のウエイトが高い人は売却予定財産を決めた資産運用等が必要です。
④ 相続税の節税だけでなく、法律上の検討、相続人間のバランスを考慮することが重要です。
相続対策は、相続税の基礎控除引き下げによって課税対象者の数は倍増し、税額も増加するとい
う税務上の対策にとどまらず、相続人間の争族につながるケースが多いことから法律上の対策と
併せて行う必要があります。
最後に
税法も法律もかなり複雑で、更にご家族の微妙な人間関係が加わります。しかも、重要問題であ
りながら、どなたも、一生に一二度の未経験の対策です。
したがって、これらを総合して判断できる専門家として当サクセスサポートをご利用いただけれ
したがって、これらを総合して判断できる専門家として当サクセスサポートをご利用いただけれ
ば幸いです。
(裏面に続く)
平成 27 年度税制改正大綱
平成 26 年 12 月 30 日に、自公両党により平成 27 年度税制改正大綱が公表されました。皆様に関係
がありそうな主な改正事項は次の通りです。
(法人税関連)
○ 法人税実効税率の引き下げ
○
○
○
中小法人・公益法人等の
軽減税率を据え置き
株式配当金へ課税強化
繰越欠損金の繰越控除
○
その他
現行 34,62%から平成 27 年度に 32,11%(▲2,51%)
H28 年年度に 31,33%(▲3,29%)に引き下げる。
現行の所得金額年 800 万円以下の部分の税率(原則 19%を
特例で 15%)の適用期限を 2 年延長。
受取配当の「益金算入」割合を拡大。
資本金 1 億円超の法人は控除額縮減。
繰越期間は全法人について現行 9 年間を 10 年間へ延長。
地方拠点強化税制の創設。研究開発減税の縮小。
領収書の電子保存等。(内容省略)
(消費税関係)
○ 消費税率引き上げ
○ NISA 証券投資関係
(平成 28 年から)
○ ふるさと納税制度
○ 住宅ローン控除
消費税率引き上げは平成 29 年 4 月 1 日。
19 歳以下の子供版 NISA 年間 80 万円限度で創設。
大人版は現行 100 万円の上限を 120 万円へ引き上げ。
控除限度額を個人住民税所得割額の 1 割から 2 割へ引き上げ。
現行制度を平成 31 年 6 月まで延長。
(相続税・贈与税関係)
○ 住宅取得等資金の贈与
○
非課税限度額を贈与時期に応じて最少 1200 万円から最大
3000 万円へ変更(詳細はお問い合わせ下さい)。
20 歳以上 50 歳未満の子や孫が対象。
結婚資金 300 万円まで、子育て資金 1000 万円までにつき、
平成 27 年 4 月から 31 年 3 月までの一括贈与に限定。
(受贈者 50 歳時の使い残し部分はその時に贈与税課税)
結婚・子育て資金の
一括贈与の非課税制度
(その他)
○ 法人事業税の外形標準課税
(資本金 1 億円超の会社が対象)
○ 財産債務明細書の見直し
(財産債務調書へ名称変更)
○
○
空き家の固定資産税
国民健康保険料引き上げ
所得割のほかに加価値割・資本割も計算するので赤字会社も
税額が出る。付加価値割・資本割の税率を引き上げ。
現行提出義務は年間所得 2000 万円超のところ財産総額 3 億円
以上又は有価証券総額1億円以上も追加。
なお、提出の有無により過少申告加算税に差をつける。
倒壊のおそれのある空き家は住宅軽減措置不適用。
上限額を現行 81 万円から 85 万円へ引き上げ。
税理士法人サクセスサポート
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