平成 29 年新年のご挨拶日本証券業協会会長稲野和利平成 29 年の新年を迎えるに当たり、謹んでお慶び申し上げます。我が国経済は、新興国経済の成長鈍化や英国によるＥＵ離脱の選択など世界経済全般に対する不透明感の高まりが懸念されているものの、政府・日本銀行の大胆な金融政策や機動的な財政政策の効果を受け、基調としては緩やかに拡大しており、持続的な成長路線への道を進みつつあります。このような流れの中、本協会としましては、我が国経済の本格的な成長路線へ結びつけるために、政府が掲げる主要施策の具体化・実行に向けて積極的に貢献すべく、投資による資産形成の推進及び活力ある金融資本市場の実現に向けて、取り組んでまいります。具体的には、 NISA・ジュニア NISA 及び新たに創設されることとなった積立 NISA、さらには本年１月から加入対象範囲が拡大された個人型確定拠出年金（iDeCo）を含めて、これらの制度を利用した資産形成を行うことの有用性について、幅広く理解してもらえるよう、引き続き、広報活動を推進するとともに、制度上の必要な措置等について関係各方面に働きかけてまいります。また、国民による投資への資産形成を進展させるためには、金融リテラシーの向上が必須であります。本協会としましては、金融リテラシーを国民各層に浸透させるため、中学校・高等学校における金融経済教育のさらなる拡充に向けた働きかけ及び教育現場のニーズに応じた教材の開発・提供等の支援を行うとともに、幅広い世代に向けた取組みとして、講師派遣・セミナー事業のより積極的な展開や投資初心者・未経験者向けの情報発信の拡充を図ってまいります。このほか、本協会は、我が国経済を支えるための金融資本市場の確立に貢献するため、引き続き、様々な事案に関し全力を挙げて取り組んでまいる所存であります。最後に、皆様方の益々のご発展、ご多幸を祈念いたしまして、年頭のご挨拶といたします。以上