マーケットプレイスサービス

特
集
マーケットプレイスサービス
Marketplace Services
あらまし
急速な情報技術の発展に伴い,企業間取引も大きく変革している。人手を介した紙中
心から電子化が進展し,取引の対象が一企業対 n 企業から,業界,さらには業際の n 対
n の取引へと拡大している。また,取引の対象業務も部品や商品から,MROと呼ばれ
る事務用品,設備など,多様化している。このようなニーズに対応するための自社での
システム構築は,コストと導入に時間がかかる。この課題のソリューションとして富士
通では,マーケットプレイスのサービスに取り組んでいる。具体的には,資材とMRO
について単なるシステムソリューションの提供だけでなく,実運用での実践経験に基づ
いたマーケットプレイスの仕組みを「ProcureMART」
「SupplyMART」として提供して
いる。さらに,富士通だけでなく,多くの企業・官庁間での貿易実務オペレーションを
円滑に実現する貿易金融EDIシステム「TEDI」を約30社の協力のもとに開発した。
本稿では,「TEDIシステム」
「SupplyMART」
「ProcureMART」についてそのマーケッ
トプレイスとしてのサービス内容および今後の方向性について紹介する。
Abstract
Online transactions among companies
(B2B EC)have been developed from 1 to N to N to N
business transactions in the marketplace. Furthermore, connections among marketplaces are
now emerging. Currently, there are many vendors specializing in the operation of such
marketplaces. However, before these marketplaces can be properly managed and operated,
there are many issues left to be solved for both sellers and buyers. Fujitsu provides not only
system solutions for MRO, but also marketplace systems with products such as our
ProcureMART and SupplyMART which have been developed based on our practical experiences.
Furthermore, to facilitate the trading process between many different companies and ministries,
we have established the Trading Financing EDI(TEDI)system in cooperation with about 30
companies. This paper describes the services and future development of theTEDI system,
SupplyMART and ProcureMART products.
村形武志
(むらかた たけし)
コンサルティング事業部
所属
現在,インターネットビジ
ネスに関わるコンサルティ
ング業務に従事。
FUJITSU.52, 1, p.15-20 (01,2001)
石見宗彦
(いしみ むねひこ)
コンサルティング事業部
所属
現在,貿易金融EDIに関わ
るコンサルティング業務に
従事。
篠原彰考
(しのはら あきたか)
コンサルティング事業部
所属
現在,MRO(総務購買),
ワークフロー(電子伝票)
関
係のコンサルティング業務
に従事。
近藤 毅
(こんどう たけし)
Webアプリケーション統括
部ネットワークアプリケー
ション部 所属
現在,当部提供の資材調達
サービス“ProcureMART”
の拡販・商談業務に従事。
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マーケットプレイスサービス
○○○○○○○
RSPサーバ
ま え が き
多くの企業は,業務の効率化・迅速化などの業務改
善・改革を課題とし,その手段としてのITを,簡単に安
リポジトリ
TEDI標準メッセージ
企業システム
TCサーバ
インターネット
価で導入したい,という要望が高まっている。
TCサーバ
富士通では,これまで培ってきたインターネット技術と
業務ノウハウをもとに構築したサービスを提供している。
○○○○○○○
本稿で紹介する3事例は,インターネットを活用した
EDI,e−マーケットプレイスへの取り組みである。
認証サーバ
Webブラウザ
Webブラウザ
TEDI システム
図-1 TEDIの基本構成
Fig.1-Components of“TEDI”
.
国際間の売買取引を実現するために,商品の輸送につ
係者が理解できるXMLの技術を利用したTEDI標準メッ
いては運送業者,通関手続きについては通関業者,決済
セージが開発された。TEDI標準メッセージはこれまでの
については銀行といったように様々な仲介サービスを利
貿易実務のノウハウを踏襲できることを考慮し,売買お
用する必要がある。このような各種の仲介サービスを組
よび運輸についてはUN/EDIFACT,金融については
み合わせる必要のある貿易手続きは,各国の法制度や商
SWIFTメッセージをもとに開発され,既存のシステムと
習慣上,船荷証券に代表されるように書面の交換によっ
の連携が容易に実現できることが考慮されている。
て手続きが行われてきた。
TEDI標準メッセージを利用することにより,業際間に
企業間取引のグローバル化の進展などによる貿易取引
おいても書類間の自動転記や自動照合を行うことが可能
のスピードアップの要請に対して,物流面においては大
となり,省力化とスピードアップの達成が可能となる。
型高速船や港湾における荷役システムなどの進展が見ら
また,TEDI標準メッセージにおいては,ドキュメント
れるが,貿易手続き面においては,一部は電子的な手続
ごとに認証機関が発行した証明書(注2)に基づくディジタル署
● 開発の背景
きが導入されている場合もあるものの,貿易手続き全体
を視野に入れた電子化(ペーパレス化)はまだ実現してお
らず,効率化を妨げる要因となっている。
名を付すことを要求しており,安全性が確保されている。
(2) TCサーバ
TEDIにおいては,ユーザ側のシステムとしてTC(ト
(注1)
TEDI(Trade Electronic Data Interchange)システム
レードチェーン)
サーバが提供される。TCサーバは,イ
は,このような現状を踏まえ,金融取引を含む貿易手続
ンターネット上でもデータ交換を安全に行う通信機能,
きのペーパレス化,すなわち,連鎖する実体取引契約を
電子貿易文書の自動転記機能を有した作成支援機能,自
インターネットを利用したデータ交換により実現するた
動照合機能を有した送受信文書の管理機能を基本機能と
めに,信頼できる第三者(TTP:Trusted Third Party)とし
して提供している。また,社内システムとのデータ交換
て,RSP(リポジトリサービスプロバイダ)と認証機関
機能や,すでにサービスを提供している輸出入許可に関
(CA)を導入し,システムと法的構成(legal structure)との
わるJETRAS(注3)(Japan Electoronic open network TRAde
整合性を持って構築されている。
(注4)
control System)や税関に関わるSEA-NACCS (Nippon
● TEDIシステムの特長
Automated Cargo Clearance System)
といった官側のシス
TEDIシステムは,TEDI標準メッセージ,TCサーバ,
テムとの接続も拡張機能として提供される。
RSP,および法的な枠組みの四つの特長を持つ
(図-1)。
TCサーバへは,一般に流通しているWebブラウザから
(1) TEDI標準メッセージ
貿易に関わる関係者とベンダの英知を集めて,貿易関
容易にアクセスが可能となっており,TCサーバを企業内
に設置しなくても,TCサーバの機能を提供するASP(アプ
(注1)TEDIシステムは,通産省の産業社会基盤を整備する平成10年度 (注2)TEDIシステムでは,認証機関は各国において整備されるものと
補正予算による実証実験プロジェクトとして,富士通が中心とな
予想し,どの認証機関の発行する証明書でも利用が可能となるよ
り,三菱商事,三井物産,住友商事,伊藤忠,丸紅,NTTコミュ
う設計されている。
ニケーション,日立,日本IBMなど,約30社の協力体制のもとに
(注3)輸入許可・承認などの申請を行うための通産省関係のシステム。
開発された。
(注4)国際運送貨物に関わる税関手続きを行うための大蔵省関係の通関
情報処理システム。
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FUJITSU.52, 1, (01,2001)
マーケットプレイスサービス
リケーションサービスプロバイダ)
を利用することによ
行政機関とは,SEA-NACCS,JETRASを通して接続され
り,TEDIを容易に導入することが可能となっている。
ているが,今後,TEDI CLUBでは,海外の行政機関の
ネットワークとも接続を推進し,シームレスな貿易手続
(3) RSP
TEDIにおいては,これまでの書面による貿易手続き
きの電子化を実現する予定である。富士通は, T E D I
は,すべてデータメッセージで置き換えられる。RSPは
CLUBおよびRSP事業推進においても中心的な役割を担っ
これらのデータメッセージを中継し,取引の対象となる
ている。
貨物についての正当な権利者を特定し,船荷証券が持っ
また,ユーザ側のシステムを成すTCサーバは,社内シ
ている二重譲渡の防止や貨物の引渡しを行う機能を提供
ステムとの連携を行うために企業内に設置を行う場合と
する。
容易な導入を目的としたASPを利用する場合があるが,富
○○○○○○○
士通では,両方の形態のサービスを富士通独自の機能改善
(4) 法的な枠組み
電子署名法が日本をはじめ,世界の各国で整備されつ
つあるが,それらの内容は,各国で異なり,世界的に合
意された電子署名法または条約は存在しておらず,貿易
を加え,2001年4月より順次提供を開始する(図-2)(注5)。
SupplyMART
文書を電子化した場合,必ずしも貿易当事者間で法的効
● 総務購買の従来の解決方法と課題
果が発生しない場合がある。また,船荷証券は紙を前提
事務用品などの購買業務は,部品の資材調達と比較し
とした仕組みであり,船荷証券を電子データに変換して
て,調達金額が少ないこともあり,E D I化が遅れてい
送信するだけでは,紙で作られた船荷証券の有価証券の
た。しかし,手作業で小ロットの比較的低価格の商品を
機能を代替することはできない。このような法制度環境
頻繁に発注する業務であり,購入金額の割に作業工数が
を前提として,TEDIプロジェクトによって「TEDIデー
かかる点が課題であった。また,一企業の中でも各地区
タ交換契約」
,「TEDIリポジトリサービス約款」
,「TEDI
の購買部門でそれぞれこの業務を行っている業務モデル
電子署名サービス契約」が作成され,国際的にも通用する
が多い。
法的枠組みが整備された。
これに対する購入企業側の対策としては,購買業務シ
● 富士通の取り組み
ステムの構築,ワークフローからの業務システムへの連
TEDIが広く受け入れられるためには,TEDIプロジェ
携,Web-EDIシステムへの連携で,集中購買化と職場か
クト終了後も,継続的に利用者の意見を取り入れること
ら購買部門を通じて販売企業まで購買関連情報の流れを
が必要である。この認識のもと,TEDI規格を維持改善
電子化することにより,大幅な業務工数の削減が可能に
し,RSP事業を立ち上げることを目的とし,TEDIプロ
なる。しかし,このシステムを自社導入で稼働させるに
ジェクト関係者が広く参加者を募り,2000年11月にTEDI
は大きな投資を伴い,したがって費用対効果が得られる
CLUBが発足した。現状においては,TEDIは日本国内の
のは大企業に限定されるのが現実であった。
そこで,すべて自社でシステムを構築する方式ではな
く,アウトソーシングによりシステムの機能を外部のサー
TEDIネットワーク
ビスとして利用する方法が効果のある一手段となる。
RSP
(リポジトリサービスプロバイダ)
国内銀行
富士通では,このニーズに対する商品として,MRO(注6)
海外銀行
マーケットプレイスであるSupplyMARTを開発し,2000
年4月に他社に先がけてサービスを開始している。以下
輸出者
輸入者
保険会社
にその概要を述べる。
● SupplyMARTとは
SupplyMARTとは,複数の購入企業と複数の販売企業
船会社
JETRAS
通産省:輸出入管理 SEA-NACCS
大蔵省:税関
の取引情報の流れを仲介するMROのマーケットプレイス
海外輸出入管理
海外税関
認証機関A 認証機関B
図-2 TEDIネットワーク
Fig.2-TEDI network.
FUJITSU.52, 1, (01,2001)
であり,購入企業はこれを取引の場として利用すること
(注5)TEDIについての最新情報は,http://www.fujitsu.co.jp/hypertext/
solution/ediを参照。
(注6)Maintenance, Repair, Operationsの略で,ここでは事務用品,サ
プライ用品,什器備品などの総務購買品(一般購買品)を指す。
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マーケットプレイスサービス
により,オープンな調達が可能になる。以下に主な特長
の業務やシステムのノウハウとワークフローから電子カ
を述べる。
タログに至るまでの基盤となるシステムについての経験
(1) 電子カタログを持ち,各社間の取引関係や価格情報
を管理することができる。
と実績を持ち,購入企業へのコンサルティングやシステ
ムのカストマイズで,各社に最適な新たな業務モデルと
電子カタログは,マルチメディアを取り扱えるデー
運用サービスを提供している。これを効果的に実現させ
タベースソフトである富士通のJasmineで構築されて
るため,Webインテグレーションサービスの一環とし
おり,画像を含めた検索機能,照会機能,入力機能の
て,業務テンプレートを活用したモデルベースコンサル
簡便な操作性を実現している。
ティングを2000年12月より実施している。
(2) 見積りを簡便にとることができる。
● 今後の課題と方向性
(3) 定期指定購買(単価契約)
の機能を持つ。
マーケットプレイスの今後の課題として,別のサイト
(4) 職場からワークフロー
(電子伝票)を利用した発注や
との連携および企業間における共同での調達業務が挙げ
見積りが可能になる。
られる。
ワークフローについては,富士通のワークフロー
またバリューチェーンの全体の効果を上げるために
パッケージであるMyOFFICEと連携できるほか,別の
は,物流や決済についての連携機能強化を図っていく。
ワークフローや購入企業の基幹業務システムとの連携
以上により,有力なマーケットプレイスとして今後も
も可能にしている。
魅力あるサービスを提供していく所存である。
このワークフロー部分をカストマイズすることによ
り,業務フロー上の様々な要件に対応することを可能
○○○○○○○
ProcureMART
としている。例えば,総務子会社を活用したグループ
● 提供の背景
企業内での業務集約を実現することができる。
従来型のEDIはその利用に際しコンピュータ設備や通
(5) 購入企業として購入品目を特定の定型品だけに制限
信設備などの初期投資や通信コストが大きく,中小企業
することができる。マイカタログにより,商品の検索
にとっては導入の障壁になっていた。このため大規模取
を容易にしている。
引先とのEDI化は実現するものの,小口取引先に対して
(6) 発注データと連携することにより,確実な検収をす
は依然としてFAXや電話などのやり取りが行われ,その
ることができる。
対応が業務効率改善の上でボトルネックとなっていた。
● SupplyMARTの効果
また,さらなる業務効率化やスピードアップ,SCM対応
購入企業にとって,ワークフローの活用と重複業務の
などのためには,より柔軟でリアルタイムなやり取りが
削除により,職場と購買部門の工数削減を図ることがで
必須であり,かつ導入・運用コストの更なる低減が急務
きる。ある中堅企業の導入例では,購買業務工数の4割
であった。
の削減効果が出ている。また,オープン調達や価格比較
このような企業ニーズに対し,インターネットを利用
の機能によって,商品価格面での効果が期待できる。販
した企業間取引が急速に立ち上がってきている。こうした
売企業にとっては,従来取引関係のない購入企業に対し
環境変化の中で富士通が自社の長年にわたる資材調達のノ
て,売込みをする機会を得ることができる。また,ネッ
ウハウをもとに開発した企業間インターネット取引サー
トを通じて販促活動が可能になり,営業業務の作業を効
ビスがProcureMART
(プロキュアマート)である(図-3)。
率化できる。
● サービス概要
● 考察
ProcureMARTの最大の特長は,インターネットを利用
事務用品の購買業務は,定型品が中心であり,ネット
したアウトソーシングサービスであり,自社へのシステ
調達に当たっては電子カタログと連携した発注から検討
ム導入が不要なことである。このことは単にEDIの導入
していくことになる。しかし,購入企業,販売企業の双
を容易にするだけでなく,より拡張性の高いサービスの
方にメリットのあるマーケットプレイスという新たなビ
提供を可能にしている。
ジネスモデルを成功させるには,カタログ発注機能のほ
その主な特長は以下のとおりである。
かにも価格交渉や品目選択などの取引面の機能やサービ
(1) ローコストで容易なEDIの提供
ス面,それらを支えるシステム技術面での充実が求めら
従来のEDIと異なり,インターネットの接続環境があ
れる。富士通は,自社を含め企業のネット調達について
れば,少ない初期投資でEDIの導入が可能である。これ
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FUJITSU.52, 1, (01,2001)
マーケットプレイスサービス
製品サイクル
バイヤ製品
サイクル
設計開発
調達
アクション
購買条件提示
量産立上げ
量産
バイヤ
サプライヤ
取引交渉
技術情報
購入仕様
見積依頼
見積回答
見積EDI
販売
アクション
所要提示
発注
検収(納期調整)
支払
注文EDI
(従来EDI適用範囲)
ProcureMART
サプライヤ
発注先
決定
納入条件提示
商流情報
所要提示/注文/検収
決済
金流情報
買掛
物流
見積
受注∼売上
(納期確保)
入金
図-3 ProcureMARTと調達業務との位置付け
Fig.3-How“ProcureMART”makes your procurement business easy.
により企業の大小を問わずEDIの導入が可能になる。
(2) 豊富なサービスメニューの提供
従来のEDIでは,受発注情報といった定常取引の情報
交換がその主な機能であったのに対して,ProcureMART
順次導入し,価格管理,交渉などの業務の更なる効率化
を実現する。現時点では富士通社内での適用段階だが,
2001年春に提供を予定している。
(3)
海外取引EDI
ではインターネットの特長を生かし,Webを利用した
富士通の海外営業拠点を利用することで,現地ユーザ
様々な付加価値サービスを提供している。またその
サポートを含めたサービス提供を行っている。現在,中
サービス内容も,例えば,電機・電子・機械業界の直
国,シンガポールなど,日本を含めたアジア11拠点で
接材調達業務など,適用業務を明確化し,より企業の
サービスを提供中である。さらに,欧州へのサービス展
業務ニーズに即応した内容となっている。ProcureMART
開も計画中である。現時点では,受発注情報のEDIの提
ではこれらの機能について個々にサービスメニューを
供を行っているが,つぎのサービスとして見積EDIの提
用意し,ユーザのニーズに応じたサービス提供を行って
供を計画している。
いる。
● 今後の展開
● サービスメニュー
ProcureMARTは1998年にサービスを開始し,現在約
ProcureMARTで提供している主なサービスを以下に述
1,500社の企業に利用されている。2002年には,日本とア
べる。
ジアを合わせて3万社へのサービス適用を目指している。
(1) 受発注EDI
また,利用規模の拡大だけでなく,同時にサービスの
受発注情報といった調達の定常取引を対象とした業務
拡充も計画している。現在,各企業の調達業務のEDI化
サービスを行う。従来のE D Iでも提供されていたが,
をその基本としているが,利用企業の拡大に併せて,
ProcureMARTでは更にインターネットの特長を生かし,
サービスの共通の「場」としての機能も同時に提供し,調
情報交換のリアルタイム化やWebを利用した販売業務支
達業務のマーケットプレイスとして利用企業の利便性の
援機能を提供している。
向上を図っていく
(図-4)。
(2) 見積EDI
ProcureMARTは,豊富なサービスメニューとグローバ
部材の見積依頼から見積回答,保管までをサポートす
ルなサービス提供を武器に,従来からの資材調達業務
(e−
る。利便性を考慮し,Web上での電子決済の機能や購入
プロキュアメント)とオープンなネット市場(e−マーケッ
仕様書などの図面添付機能などを併せて提供している。
トプレイス)とを融合した,新たな調達市場の創出を実現
今後はカタログベースでの見積機能や,入札機能なども
していく予定である。
FUJITSU.52, 1, (01,2001)
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マーケットプレイスサービス
1対N のEDI基盤の構築
1対N のEDI基盤と
N 対N での共通基盤(ネット市場)との共存
A社
X社
Procure
MART
Procure
MART
B社
C社
C社
Y社
Procure
MART
X社
X社向け
EDI
Y社
Y社向け
EDI
Z社
Z社向け
EDI
D社
A社
B社
C社
D社
E社
E社
F社
G社
E社
Z社
Procure
MART
共通ネット
市場
F社
G社
買手
売手
H社
I社
図-4 ProcureMARTにおける調達市場の形成
Fig.4-Model of procurement market that“ProcureMART”would establish.
○○○○○○○
む す び
インターネットを活用した新しいビジネスモデルに
士通としては,社内事例・先進事例の研究などをとおし
て新たなビジネスモデルを構築し,製品・サービスの投
入を行っていく所存である。
よって,今後ますますビジネスの拡大が期待できる。富
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FUJITSU.52, 1, (01,2001)