学問研究における実践を通じた認識と理論との結合

研究センターNEWS第120号 2014年8月25日発行(毎月25日発行)
特定非営利活動法人 地域と協同の研究センター
2014年8月25日発行
号
、
巻頭エッセイ
学問研究における実践を通じた認識と理論との結合
前田 定孝
三重大学人文学部准教授、日本科学者会議三重支部
日本科学者会議三重支部がTPPの問題にとりくみはじめたのは、昨年2013年
4月の「TPP参加交渉からの即時脱退を求める大学教員の会」の呼びかけに、三重大・三重短大の10名を含む
全国900名近くの大学教員が名を連ねたことであった。その直後から、地域の運動団体からの要望・期待が、に
わかに高くなった。まずその対応の矢面に立たされたのは、支部事務局長である私であった。「会」と銘打ったら、
組織があることになるらしい。「会」とは名ばかり、単なる署名運動なのに……、とぼやきながらの出発だった。
まず手始めに、2013年7月に、三重支部の例会という形式で研究会を開催した。そこでは、三重大学の農業
経済学担当の教員による、TPPという国際協定の特徴、交渉参加国、および問題点についての総括的な報告を中
心として、民医連からは医療ツーリズムや混合診療などの問題性が、自治労連三重県本部からは自治体キャラバン
を通じて明らかになった、三重県内各市町におけるそれぞれの区域内の農業に対する影響が、そして三重県生協連
からは、三重県農協中央会、三重県漁連、および三重県生協連の3組織の会長が連名で「“安全・安心なくらしを
守る”地域ネットワークみえ」を結成したことが報告された。
これらのとりくみは、その後三重大学で開催された日本高齢者大会におけるTPP分科会のとりくみや、さらに
はその後12月に三重県内11市町で開催された
「TPP参加許すな!! 三重県民拡散アクション」のとりくみへ、
さらにはこの5月に開催した三重支部定期総会における「TPP推進の背景とその『効果』」と題した研究会へと
つながっていく。そしてその後、この8月8日には、「TPPと食の安全」と題して、研究会と食事会とを一体化
した「第1回 オープンカフェ」(主催:日本科学者会議三重支部・地域と協同の研究センター三重のつどい・三
重大学生活協同組合)にもとりくんだ。
三重支部としては、一定の継続的なとりくみともなってきているように感じる。
これらのとりくみを通じて、TPPという、一見すると農業や一部の経済学などの個別の分野に属する問題であ
っても、各自のさまざまな専門分野からみていくと、新たな発見があることが、そしてその過程を通じて、支部会
員それぞれの学問的な視野を拡大していくことにもつながることが、関与した者の認識となっていった。
地域貢献とは何か、サイエンスが地域住民に問題提起をし、そしてそれはいかにして変革のための働きかけにつ
ながっていくのか、そのことをいろいろと考えさせられる1年あまりである。
研究センター 8月の活動
4日(月) 常任理事会 6日(水) 事務局会議
CONTENTS
巻頭エッセイ
「学問研究における実践を通じた認識と理論との結合」
8日(金) 協同の未来塾
1
11日(月) 生協の未来のあり方研究会
岐阜県協同組合間提携協議会 主催「協同組合を考える集い」
講演 「協同組合を見つめなおす」
18日(月) 三河地域懇談会実行委員会
2
21日(木) 研究フォーラム職員の仕事を考える世話人会
「地域福祉を支える市民協同」を活動現場で探す
“窯のひろば”を訪問---地域福祉を支える市民協同パネル
情報クリップ
企画案内・書籍案内
22日(金) 第14回 協同の未来塾企画委員会
3
26日(火) NEWS120号発送
5-7
28日(木) 環境パネル世話人会
8
1
研究センターNEWS第120号 2014年8月25日発行(毎月25日発行)
岐阜県協同組合間提携協議会 主催
講演
特定非営利活動法人 地域と協同の研究センター
「平成26年度 協同組合を考える集い」
「協同組合を見つめなおす」
より
(文責:事務局)
7月3日に、岐阜県協同組合間提携推進協議会(構成団体:県生協連、県森連、県酪連、JA岐阜中央会、JA全農岐阜)
主催の「平成26年度 協同組合を考える集い」が岐阜市内で岐阜県内の協同組合と連合会の役職員112名で行われまし
た。若手職員から「協同組合の仕事と自分の役割」と題してリレートークなどが行われ、その後、「協同組合を見つめ
直す」と題して、名古屋市立大学向井清史教授より講演がありました。その要旨のご紹介をします。
講師:名古屋市立大学大学院経済学研究科教授
向井 清史
氏
先生は、今日の経済情勢の中で協同組合がどのような立場をとるべきか、協同
組合が目指すべき方向性についてお話をされました。
講演要旨
Ⅰ グローバリゼーションと国民経済の崩壊-20世紀型社会と21世紀型社会
20世紀型社会は、国内におけるフルセット(原材料調達から製品まで一元
的に国内で行う)の自給型産業構造が確立した社会で、国内市場中心の価格形
成メカニズム(ナショナル・プライシング)が機能しており、経済に対する主権国家のマクロ経済政策による管理(完
全雇用)も有効であった。しかし、21世紀型社会では、地方経済を支えてきた公共事業や地方での工場立地の縮小
が進んでおり、兼業農家を平均的組合員像とした事業モデルは成り立たなくなった。つまり、経済社会は大きく変わ
ったのです。
Ⅱ 均質化社会から拡散型社会へ
家族世帯の構造変化を見ると、生協の事業モデルであった班共同購入を支えた夫婦+子供2人という標準世帯は減
少傾向にあり、
JAの事業モデルの前提となっている、
近隣の勤め先を前提とした多世代同居世帯も減少傾向にある。
他方で、独居世帯や高齢者世帯が増加している。つまり、日本の世帯構造は、均質化していく傾向から多様化してい
く傾向に変わっている。農協及び生協の事業モデルが時代の変化に対応しきれているのか疑問である。もはやこれま
での事業モデルに依存することが困難な社会になっていることを自覚する必要がある。
Ⅲ リスクが政策に反映されない仕組み=社会的なるものの崩壊
従来の標準世帯と言われた家族が解体したことで、PTAや子供会の集まりが減少するなど、利害が共通しなくな
ることによるコミュニティの解体が進行している。農村部においても、昔では考えられないほどに集落の話し合い回
数も減少してきている。また、市町村合併、農協合併によって地域の要求を積み上げていく仕組みが壊れ、地域にお
けるお世話係の後退につながっている。雇用を見ると正規、非正規への分断を背景として労働組合組織率は約16%
と低下しており、労働組合を通して人々の要求が政治に反映される仕組みも壊れている。こうしたことは、失業のリ
スクが高くなり、所得が低い状態に置かれている社会の状況を、政治や経済に反映していくルートが分断されてきて
いることを意味する。
→国がすすめる規制改革による成長戦略は経済厚生の向上に繋がらない。成長成果を末端まで落とすトリクルダウン
効果を期待しても、国民の要求が政策に反映する仕組みが機能しなければ格差を拡大するだけ。上にものを言ってい
くことは必要だが、それだけでは解決できない。弱者の声を集約して積み上げる仕組みがズタズタになった。これが
社会的なるものの崩壊の意味である。
Ⅳ 「地域をつなぐ」ことを視野に入れた事業改革
地方における暮らしにくさを解決するには、「地域力」でグローバリゼーションに対抗するしかない。
→○地域ネットワークの強化と利用→誰がどんな状況にあるのか、どのような資源を持っているのかを知っているの
2
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が本来の協同組合の姿
→○6次産業化も含めて付加価値の地域内循環で、儲けをできるだけ外に逃がさないように考える。協同組合の利益
で雇用を生み出したり、協同組合間連携を真剣に考えるべきであり、お題目ではいけません。→生活、経済、介
護、医療の全ての事業をできるのは協同組合だけ(これが縦割り行政の限界を突破することになる)。
何が変わってきたか。バブル前とバブル後の経済が全く違うように今は超低空飛行の時代に入っている。若々しい
力強さを失った経済社会の中で事業を行っていかねばならない。1980年代以降、ほぼ10年くらいの間隔で経済
の大変動があり、混乱が発生している。わが国経済は金融緩和によるカンフル剤によって維持されているが、これは
いつまでも続けられる手法ではない。日銀総裁を替えてまで大胆な金融緩和をやっているが、いつかは止めなければ
ならない。20世紀は国民経済中心社会であり、国内のフルセット産業が関税で守られてきた。今は一国の事情で価
格が決められる時代からグローバルな価格形成に変わってきたため、かつては、財政政策が有効であったが、今は金
融政策に頼らざるをえなくなっている。賃金も1995年頃がピークでその後は下がり続け、非正規労働が広がって
きた。安倍首相は、有効求人倍率が増えたのは私のおかげであると言うが、正規労働についての求人倍率はいまだ0.
6倍のままである。この正規雇用が減っていることが、大きな経済問題である。また、日本の家電、電子産業も急速
にダメになってきて国際競争力を失っている。
協同組合としての事業モデルも、今までの延長ではうまくいかない。成長をこれ以上追求しても展望がない。株主
からの配当要求のない事業形態、成長しなくても分け合って生きていけるのが協同組合ではないか。組合員の要求に
応えるためにかけたコストを確実にリターンさせることにしか道はない。組合員の情熱をかき立てるような事業を行
うことが大切ではないか。
と結ばれました。
○参加者より、「行政が合併しきめ細やかなサービスが無くなり、経済が縮小している。こうした状況下では、何で
もできる「協同の力」が必要」などの感想が寄せられました。
“窯のひろば”を訪問---地域福祉を支える市民協同パネル--去る7月6日(日),愛知県瀬戸市にある“窯のひろば”を訪問調査しました.名鉄瀬戸線の終着駅「尾張瀬戸」から
ほど近い,昭和のなごりを感じるアーケード,銀座商店街のなかに“窯のひろば”がありました.今回の訪問調査では,
運営団体であるNPO法人エム・トゥ・エムの総会にオブザーバー参加し,運営の概略と活動の中心的な担い手の方の
話を聞きました.加えて,アーケード商店街や周辺地域もウオッチングしました.これは地域福祉パネルの世話人によ
る取り組みで,事務局も含む12名の参加で行いました.
(文責 パネル事
❥“窯のひろば”は,どんなところ?
愛知県瀬戸市は,窯業の古い歴史があり,セト
モノとよばれる陶磁器の産地として繁栄の時を経
験した地域です.そうした地域性とともに、銀座商
店街は人々のにぎわいで溢れた時代を思い起こ
させます.店の軒が連なるアーケードを歩いてきた
人が『ここは何屋さんですか?』と,つい声をかけ
たくなるような建屋が“窯のひろば”です.ランチや
ティ―タイムが過ごせるお店という一面のほかに,
便利屋さんもやっていて,野菜市を開いていること
銀座商店街の様子
3
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❥担い手の活動現場で話を聞くことでの学び
パネルのメンバーは,それぞれの地域で活動し自
己実現に取り組んでいますが,瀬戸に来るのは初め
て,窯のひろばを初めて訪問という人もいました.パ
ネルでは事前学習をしてから今回の訪問を行いまし
たが,参加者からは現場に来て見ての発見は大き
いと感想を寄せられています.特に窯のひろばの建
屋については,建設準備の段階から今に至るまでの
様々なストーリーを秘めながら,一つの作品のような
姿で在るのです.その空間を体感することも大切で
す.
調査参加者は印象記を作成し,それらを基に意
見交流しながら,問題の発見や意味を探していきま
す.地域福祉を支える市民協同とはどういうことなの
か,その問いを瀬戸の窯のひろばに向け解明してい
く作業を行っていきます.なお,このプロジェクトは小
木曽洋司先生(中京大学現代社会学/地域と協同
の研究センター常任理事)が指南役になりつつ,地
域活動の実践家の方々のコラボレーションで進めて
います.
(椋木真佐子)
もあります.貸スペースとしての利用もできます.また,
月に1回程度イベントが企画されていますし,くらし
の相談ごとを持ち込める「おせっかいプロジェクト」も
曜日ごとで開設されています.多様に機能するくらし
のオープンスペースとなっていることに合わせ,人と
人がつながる場にもなっているようです.
❥運営はNPO法人エム・トゥ・エムが担います
いきいきワーカーズ瀬戸で活動していた二人が中
心になり2004年に法人を設立.本来はMtoMで、M
はマインドの意味です.地域の心をつなぐ場が必要
という思いから翌年の2005年に建屋が建ちました.と
いってもこれで完成というのではなく,常に手が加え
られて変化してきています.これは,事業活動のポリ
シーと連動していて,動きはとても自由で,より良くあ
りたいという意思の現れのようにも見えます.「つな
ぐ」という役割を担う,中間支援組織としてのNPOの
あり様に当パネルでは注目しています.
❥NPO法人エム・トゥ・エムの総会に参加
この日は,エム・トゥ・エムの第11回通常総会の開
催当日で,事前に了解を得てオブザーバーとして参
加することができました.『今年の総会はNPO法人
設立10年,窯のひろば建設から12年の総会にあたり,
これからのことを相談できる場にしたい』という代表の
方の言葉が投げかけられました.活動の経緯につい
ては,当時の写真スライドを見ながら,支え合ってき
た思いが伝わる話ぶりが感動を誘いました.
【当日のスケジュール】
11:00~ 名鉄「尾張瀬戸」駅集合,瀬戸の町歩
き・・・銀座商店街~深川神社(瀬戸市有形文化財)
~末広商店街(瀬戸ノベルティ倶楽部に立ち寄
る)
12:00~ 窯のひろば・窯のキッチンの
「健康ランチセット」で昼食&休憩
13:00~ 藤井達吉ゆかりの「無風庵」がある丘へ
瀬戸の市街を俯瞰
14:00~16:00
NPO法人エム・トゥ・エム総会
オブザーバー参加する
16:00~17:00
窯のひろば内で総会を開催中です
担い手から話を聴き交流
その後、都合の付く人のみ残り話合い続行
※研究センターのホームページにも活動レポートが掲載されていますのでご覧ください.
→ http://www.tiiki-kyodo.net/
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メインタイトル・特集など
刊行物名・発行所
▶COOP共済
《たすけあい》30周年
COOP「生協運動」改題
NAVI
2014.8
749
日本生活協同組合連合会
▶ 憲法を活かす
平和をつくる
医療生協の情報誌
COMCOM
2014.8
564
日本医療福祉生活協同組合
連合会
目次・主な内容
▶特集COOP共済《たすけあい》
30周年「明日のくらし、ささえあう」
<僕らは商品探偵団>ふんわりやわらか グリーンキーパーコンパクト
<声に応えた商品レポート♪>「COOPレンジ&食品保存ラップ」
<全国のラブ・コープ・キャンペーンをお知らせ>
「ひろげようラブコープ~合員のつどい~」 開催!
<進化する生協の店づくり> ユーコープ 白根店
<こんにちは!生協男子ですっ!>こうちみえ 桑名センター 堀 考志さん
<宅配・現場レポート> 接遇による組合員の向上 ならコープ
<CO・OPニュースフラッシュ>鳥取県生協 パルシステム連合会
<つながろうCO・OPアクション情報> 福島県生協連 コープふくしま
<生協人の基礎知識> 第5回 店舗事業
<この人に聴きたい> 医学博士 認定NPO法人ロシナンテ理事長 川原尚行さん
▶特集
憲法を活かす
[インタビュー]
平和をつくる
今こそ「活憲」の時 ~コスタリカに学ぶ
ジャーナリスト 伊藤千尋
[リポート] 新入職員の広島・岩国訪問記
[バンビのつぶやき⑳]
ぐるぐる回すぜ、地域でお金を
本のおもちゃ屋 店主 中根桂子
[住まう⑳] 住まいと生活支援で地域居住を支える (前編)
空き家を活用した低所得高齢者住宅 NPO法人自立支援センターふるさとの会
[介護十人十色⑳] 元気な高齢者の活力を生み出し地域の担い手に
地域回想法にとりくむ北名古屋市(愛知県)の事例から
[TOMOそだち⑳]
不登校・ひきこもりの子どもたちを孤立させないために
[協同のある風景] 219
人がふれあう場をつくる -つながりでくらしを豊かに-
八王子市保健生協「八王子市シルバーふらっと相談室館ケ丘」
▶コミュニティの真ん中に グラビア 水俣の現在 撮影 桑原史成
ワークを取り戻す 特集 協同組合と政治 - 英国協同組合報告をモチーフに
解題
澤口隆志(市民セクター政策機構)
英国協同組合運動再生をめざした4年間に学ぶ
エド・メイヨ
藤井敦史 原田晃樹
政府と対等に渡り合う英国協同組合運動の中枢組織 ベルナード・タイナー
社会運動
協同組合をめぐる公共政策と政府政策のせめぎあい
ジェームス・ライト
英国教育改革と協同組合スクール・地域再生
米倉 克良
2014.7
412
ワーカーズ・コレクティブの社会化のポイント
石毛鍈子(市民福祉サポートセンター)
福祉就労を超える社会的企業の可能性
花田昌宣 (熊本学園大学)
市民セクター政策機構
「10万円分あげます。帰ってきてください」
葉上太郎(ジャーナリスト)
桑原史成の土門拳賞
岸桂子(毎日新聞学芸部記者)
船大工一家の悲劇
桑原史成 (写真家)
書評
ワーカーズ・コレクティブネットワークジャパン著
『小さな起業で楽しく生きる』 田中夏子 (都留文科大学)
林和孝 (ストライドクラブ)
5
発行年月
判型
定価(頒価)
2014 年
8月
A4 版
35 頁
定価
350~円
2014 年
8月
A4版
40 頁
定価
400 円
2014 年
7月
B5 版
68 頁
頒価500円
研究センターニュース第120号 2014年8月25日発行(毎月25日発行)
▶災害からの復元力
■ 巻頭言 分断された人の痛み、つなぐために
▶特集
生活協同組合研究
2014.8
463
(財)生協総合研究所
■
■
■
■
■
▶地域に根ざしたJA経営
月刊JA
2014.8
714
全国農業協同組合中央会
特定非営利活動法人 地域と協同の研究センター
天野正子
災害からの復元力
災害レジリエンスを高めるためには
林春男
首都直下型地震と首都の復元力の向上
中林一樹
仙台の経験から見た「次」への課題
奥山恵美子
レジリエンス・ブームの盲点
萩原優騎
-みやぎ生協生活相談・家計再生支援貸付事業
「くらしと家計の相談室」の現状とこれから-
小澤義春
コラム1 復元力のある生協
~コープネット事業連合におけるBCPの取り組み~ 馬杉弦(構成:萩原優騎)
コラム2 生きていたくなるまちづくり
~住まいと心の耐震補強~
水谷正道
オープンアクセス (第3回)
博報堂生活総合研究所「生活定点」調査とは
宮崎達郎
時々再録
国際シンポジウム「広野町から考える」
白水忠隆
海外情報
第7回非営利・社会的経済研究会学会参加レポート
山崎由希子
フィンランドの生協をめぐる状況と雑感
鈴木 岳
イギリス・コーペラティブ・グループの経営危機とそれを招いたもの 佐藤孝一
コーペラティブ・グループ(CG)2013年度決算
経営リテラシーが決定的に不足した理事会と経営陣が招いた悲劇 藤井晴夫
本誌特集を読んで(2014・6)
牧内昇平・渡邉一博
新刊紹介
国民文化研究会・新潮社編 『小林英雄 学生との対話』
眞田隆裕
特集 地域に根ざしたJA経営 ~人づくりビジョン運動の実践強化
【提言】
仕事で「人が育つ経営」への転換に向けて
JA全中教育部
【解説】
JAグループ人づくりビジョン運動の意味
河合昭彦
【事例】 事例に学ぶ経営戦略としての人材育成
① JA鹿児島県中央会教育部
② JAl高知中央会JA教育研修センター
・きずな春秋 -協同のこころ―
童門冬二
・地方紙ニュース 第41回
南部一郎と機能性食品
作山充 (岩手日報社)
・直言!JAへのメッセージ 連携によって農業の多様性と持続性を
竹田茂夫 (法政大学経済学部教授)
・JAトップインタビュー ブランドを守る「担い手」と「優良園地」
愛媛県JAにしうわ
経営管理委員会会長
高月初彦
・地域・支店から『戦略』を考える JA 地域くらし戦略を再考する
西井賢悟
・展望 JA の進むべき道 成長できない病因なのか
谷口肇
・海外だより [DC通信] 39
中間選挙と TPP 交渉の行方 古林秀峰
・見せましょう、協働の底力!
協同のパワーで被災地復興へ (後編)
食のみやぎネットワーク (宮城県)
青山浩子
・トピック 直接支払いの Why と How
- 『農業直接支払いの概念と政策設計』を読む
小田切徳美
・次代へつなぐ協同実践塾
・持続可能な農業の実現
JA 出資型農業法人による地域営農サポート機能
JA全中営農部・農地総合対策部
・豊かで暮らしやすい地域社会の実現
JA グループの認知症対策の充実・強化について
JA全中くらしの活動推進部
・10年後 JA が存続するために
事務リスク管理体制の改善・強化に向けて (後編) J 全中経営対策部
6
2014年
8月
80 頁
B5 版
2014 年
4月
A4版
64頁
年間購読料
4.800
円(送料込)
研究センターニュース第120号 2014年8月25日発行(毎月25日発行)
▶生協の福祉事業の
到達点と
今後の方向性
●巻頭インタビュー わが生協、かくありたい!
組合員が自ら学び、理解し、考えることが生協のガバナンスであり、
地域のためになる
京都生協●理事長 渡邉明子氏
特集
生協運営資料
2014.7
278
日本生活協同組合連合
▶戦後レジームからの
脱却
文化連情報
2014.8
特定非営利活動法人 地域と協同の研究センター
生協の福祉事業の到達点と今後の方向性
1 現行の介護保険制度と制度改定ポイント 生協の法改正対応について
日本生協連 ●福祉事業推進部 部長 山際淳
2 入念な準備と熟議を経て介護保険事業に挑戦
コープしが●福祉事業部 統括マネージャー補佐
デイサービス業務管理者 兼務 松田達也氏
コープしが●福祉事業部 ケアサポートセンターぽこセンター長 永芳亨氏
3 市民自らが、声も手も資金も持ち寄る市民の協同の健康なまちづくり
南医療生協●地域ささえあいセンター 本部長 大野京子氏
連載
●全米勝ち組小売業から学ぶ ~現地レポート
第2回 アメリカで進む 「現場の力」を尊重する小売業経営
JAC_USA ENTERPRISES INC ● 代表取締役社長 浅野秀二氏
●全国生協の宅配事業・宅配センター運営を学ぶ
第2回 22週間の長期にわたるOJTで新入職員の事故発生率を削減
ユーコープ●宅配運営部 安全運転推進課 課長 栗城定一氏
農協組合長インタビュー (8) 支店単位の組織の活性化を測る
報酬改定に続き総合法がかけつ迫られる第2ラウンドの対応
院長リレーインタビュー (278)
断らないというスタンスは崩さずに
二木学長の医療時評 (124)
「患者申出療養」の内容と背景と影響を複眼的に考える
高齢化する地域での医療資源の有効活用
ポストTPP農政の展開 (5)
「戦後レジームからの脱却」農政-協同組合の否定
437
日本文化厚生農業協同組合
連合会
2014 年
8月
B5 版
95 頁
定価850円
「国際家族農業年」が問いかけるもの (2)
日本の家族農業 - オルタナティブな農業へ
対等な支え合いを基盤とした地域包括ケアを
JPEPAの神話を超えて (1)
日本は本当に外国人看護師を必要としているのだろうか
岡田玲一郎の間歇言 (125)
リハビリテーションは現在のままだろうか
海を支えた「森は海の恋人」運動
デンマーク&世界の地域居住 (63)
デンマークの最新動向:ボランティア活動は社会サービスの補完
野の風 いい車との出会い
旅する私との素敵な出会い (11)
いざ、地球の裏側へ! ①
線路は続く
海幸山幸 日南線
最近みた映画 人生はマラソンだ
小川英雄
東公敏
亀崎高夫
二木立
佐川恵一
2014 年
8月
B5 版
80 頁
文化連情報
編集部
03-33702529
*注
田代洋一
関根佳恵
朝倉美江
平野裕子
岡田玲一郎
畠山重篤
松岡洋子
正田昌道
山本京子
西出健史
菅原育子
地域・協同の運動、協同組合に関する文献資料、協同組合・生協関係の研究所などの調査研究成果や研究センター会員の
研究成果などから、比較的入手しやすいと思われるもの、寄贈いただいたもの(✤)などを中心に順不同で紹介しています(主
な内容は目次等から事務局が要約しています)。 詳細は研究センター事務局までお気軽にお問い合わせください。
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研究センターニュース第120号 2014年8月25日発行(毎月25日発行)
特定非営利活動法人 地域と協同の研究センター
企画案内
❥社会保障制度の課題と生協の新たな可能性~くらしやすい地域づくりを目指して~
●2014年9月27日(土)10:00~16:05
●明治大学駿河台キャンパスリバティタワー2F1021教室
第24回全国研究集会
10:00~10:10
10:10~10:30
10:30~11:30
11:30~12:20
13:10~13:50
13:50~14:50
開会挨拶 生源寺眞一(生協総合研究所理事長/名古屋大学大学院教授)
「あいさつに代えて 社会政策と協同組合、コミュニティ(英国の事例)」 中川雄一郎(明治大学教授)
「日本の社会保障制度の概要、変化と問題点」 駒村康平(慶應義塾大学教授)
「行政と非営利組織による地域サポートの現状と課題」 前田正子(甲南大学教授)
「地域づくりの作法 千葉県中核支援センターはどのように作られたか」渋沢 茂(長生ひなた所長)
① 行政、医師会等の他団体との連携を大切にして、誰もが安心して暮らし続ける街づくりをめざす
杉岡真由美(姫路医療生活協同組合ケアマネ統括責任者・法人理事)
② 福祉サービスの複合化と行政連携について 島田朋子(生活クラブ風の村エリアマネジャー・風の村いなげ施設長)
③ 子育て分野の生協の可能性 渡辺 寧(コープみらい千葉県本部)
15:00~16:00 パネルディスカッション
16:00~16:05 閉会挨拶 芳賀唯史(生協総合研究所 専務理事)
16:15~17:15 懇親会(リバティータワー17階)
【問合せ先】 公益財団法人 生協総合研究所 中村・遠藤・茂木
TEL: 03-5216-6025 FAX: 03-5216-6030 E-mail: [email protected]
申込締切:9月22日(月) 先着250名
参加費用は事前振込で ※懇親会参加費必要
(要申込)
詳しくは→http://ccij.jp/
書籍案内
学校給食改革 公共食と持続可能な開発への挑戦
著者名:ケヴィン・モーガン、ロバータ・ソンニーノ 著
杉山道雄、大島俊三 共編著 堀田康雄、野澤義則、下内充 共訳
定価:3,240円(3,000円+税) 出版社:筑波書房
発行日:2014年03月22日 判型:A5 頁数268ページ
《日本農業新聞 6月1日 書評から》
地元の牛乳や農産物を学校給食で使わない自治体が増えていること
が報道されている。その理由はさまざまだが、生きる基本となるのは
食生活。その重要な基礎をつくる学校給食の内容をこれからどうして
いくか、英国の大学2教授の著作を邦訳した。杉山道雄岐阜大学名誉
教授らが「給食の理論、実際、実践を見事に説明。世界規模で、給食
で世界を変えようと訴えている。」と、3年がかりで翻訳した労作。
ローマ市の「質的改革」が、学校給食改革で最も成功していると取
り上げる。同国は豊な食文化を持つが、だから革新的な取り組みにつ
ながったのではない。同市は遺伝子組み換え食品とほとんどの冷凍野
菜の使用を禁止。地域の新鮮な季節の有機野菜と果物を使った、バラ
ンス良い食事の提供を決めた。親や地域・企業を巻き込んで進化続け
る原動力は、市長の強力なリーダーシップと絶賛。決定権を持つ首長
の重要性を指摘する。(以下略)
2014年8月25日発行(毎月25日発行)
定価200円
(税・送料込み。年会費には購読料が含まれています)
発行 特定非営利活動法人地域と協同の研究センター
代表理事 西 川 幸 城
〒464-0824 名古屋市千種区稲舟通1-39
TEL 052-781-8280 FAX 052-781-8315
E-mail [email protected]
HP
http://www.tiiki-kyodo.net/
研究センター 9月の活動予定
2日(火) 事務局会議/食と農パネル世話人会
4日(木) 寄付講義準備会第3回 5日(金) 常任理事会
8日(月) マイスターコース第3回/三河地域懇談会実行委員会
12日(金) 協同の未来塾 第6回
13日(土)協同集会in東海
20日(土) 東海交流フォーラム実行委員会/第3回理事会
22日(月) 研究フォーラム職員の仕事を考える世話人会
25日(木) 岐阜地域懇談会「岐阜のつどい」ほのぼの朝日
26日(金) 理事ゼミナール第1回
30日(火) 地域福祉を支える市民協同パネル世話人会
≪お詫びと訂正≫ 前号の119号、巻頭エッセイの1行目 79年目の夏→69年目、後ろから2行目 敗戦・被曝
80年→70年の間違いでした。訂正してお詫び致します。( 事務局 )
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