テスト「学問」ではなくてテスト「勉強」

1年団通信
2015年5月8日発行第21号
発行責任者:大野孝之
[email protected]
印 刷 所:丸亀市立飯山中学校
http://www.hanzan-jh.ed.jp/
テスト「学問」ではなくてテスト「勉強」
「勉強」「学習」「学問」「研究」・・・、よく似(に)た言葉がたくさんあります。
しかし、私たちはその言葉を微妙(びみょう)に使い分けています。テスト「勉
強」とは言いますが、テスト「学問」とは言いません。テスト「学習」もしっくりこ
ないし、テスト「研究」では意味が変わってきます。(テストの「研究」はみなさ
んがするのではなくて、私たち教師がすることです)
つまり、みなさんが今やっているテスト「勉強」は、決して「学問」や「研究」
ではないので、「学問」や「研究」とは違うやり方でやらなければならないと
いうことです。
では、テスト「勉強」と「学問」や「研究」との決定的な違いは何かというと、
それは「正しい答」がすでに分かっているかどうかということです。
「学問」や「研究」は、まだ正しい答が分かっていないからするものです。
例えば、宇宙がどのようにして始まったのか、まだ正解は確定していません。
人間はどう生きるべきか、どのような社会を作ることが正しいのかなども、正
解はわかりません。だからこそ研究することに意味があるし、おもしろいし、考
えることが楽しいのです。
それに対して、テスト「勉強」ですることには、必ず正解があります。問題
集には必ず答がついています。自分がどんなに時間をかけて考えて出した
答も、正解と違っていれば○はつきません。×をつけられます。つまり、テス
ト「勉強」では、考えることそのものにはあまり意味はないのです。
ですから、テスト「勉強」は能率よくやりましょう。分からない問題に時間を
かけて、自分が苦しくなるほど考えこむ必要はありません。わからないことは
どんどんとばしてやるか、とりあえず、適当(てきとう)な答えを書いておきます。
そして、すぐに答え合わせをして、正解を覚(おぼ)えればいいのです。また
は、「どうしてそういう正解になるのか」「どのように解けば、そういう正解が導
き出せるのか」というようなことを考えればいいのです。その方が、時間がか
からず早く楽にできます。
少し難しい言い方をすると、「学問」や「研究」はそれ自身が目的になりま
すが、テスト「勉強」は決して目的にはなりません。テストで良い点をとるため
の手段(しゅだん)でしかありません。手段、つまり道具です。道具はできるだ
け能率よく、うまく使った方がいいのです。それに、もともと「勉強」という言葉
の意味は「いやなことを無理してする」ということです。(大阪あたりで買い物
をすると「お客さん、勉強しますよ」などと言って安売りしている店員さんがい
ますね)無理しすぎて健康を害さないように、できるだけ能率よくやりましょう。
それでは、テストが迫(せま)ってきている今日から実際にはどうするか。
● 宿題などの提出物をきちんと出して提出点は必ずとる。
● 家庭での勉強は、習ったことを何度もくり返して覚(おぼ)える。
● 学校では、授業中に先生の話を体全体で聞き、言われたことにした
がってノートに書いたり、練習問題を解いたり、作業したりする。授業中
や家庭での勉強でわからなかった
評定の基準
ことを質問する。授業点がマイナス
中学校の通知表の点は5段階
にならないように気をつける。
ですが、その5段階の基準は以下
● テスト発表中は、部活動なども
のように決まっています。
ないわけですから、放課後の時間、
●「5」・・・成績をつけた点をすべて
遊びに行かないで、学校からすぐ
足したものの90%以上
家に帰り、家庭での勉強に取り組
●「4」・・・80%以上、90%未満。
む。
●「3」・・・40%以上、80%未満。
以上、これだけできれば完璧(かん
ぺき)です。
テスト勉強は突(つ)き詰(つ)めて言
うと「繰(く)り返(かえ)して覚(おぼ)え
る」ということです。覚(おぼ)えてないと
テストで書けないわけですから。
●「2」・・・10%以上、40%未満。
●「1」・・・10%未満。
教科によって成績をつけている
内容や割合は変わりますが、たと
えば私(理科)は、だいたいテストで
70%、提出物で20%、授業態度
で10%、合わせて100%です。