結 局 、 捜 索 活 動 は 夜 が 明 け て か ら に な っ た 。 予 想 以 上 に 流

随分前、
誰かに聞いた話だから
正確ではない。
天気が良かったので、
つい調子に乗ってしまった。
予想外に
気がつくと、
沖に出てしまっていた。
釣りは堪能したので、
戻ろうとエンジンをかけた。
してなかったよ。
「ちっとも心配なんか
しかし彼女は、
ボートだったが、
父親の情報が
正確だったので、
午前中に発見された。
救助された娘に、
多くの人が口々に
よく頑張ったね」
「こわかったろう。
と声をかけた。
そう育てた親にも
喝采の声があがった。
「何を信じたらいいのか!」
なんてつぶやきをよく聞く。
あ ら た め て 、信 用 で き る 、で き な い は 、
相手によるのではなく、
自分のことなのかなと思う。
いるためには何が必要なのだろう。
言葉は簡単だが、そのような自分で
未来を信じる。
明日を信じる、
誰かを信じる、
自分を信じる、
育まれるものなのだろう。
日常の育ちの中で
人を信じる能力もまた、
でも、信じきれないから不安になる。
信じたいとは、誰もが思う。
それを聞いて皆、驚きの声をあげた。
と答えた。
言ったから」
迎えに来ると
必ずお父さんは
静かにしていたら、
海岸に泳ぎ着くのに、
予想以上に
潮の流れのせいで、
夜が明けて
流されていた
思いがけず
時間がかかった。
結局、
からになった。
捜索活動は
動かなかった。
感動していた。
心を持った娘に
信じて待てる
聞きながら、
波の音だけを
夜の大海原で、
真っ暗な
何度も何度も
起動させようとしたが
エンジンの反応がなかった。
不安げな娘の顔を見て、
と声をかけた。
そう言って父親は
父親と娘が
小さなボートだから、
案じながら泳いだ。
娘のことを
海の上に待つ
ただ、一人で
不安はなかった。
自信があったので、
泳力にも体力にも
船を離れて泳ぎだした。
静かに待っていなさい!」
この船は安全だ。
波も穏やかだから、
心配は要らない。
戻ってくるから、
「必ずお前を迎えに
娘にこう言った。
彼は決心をして、
救助を求める手段もない。
レジャーボートで
海釣りに出た。
思案していた。
ボートは流されている。
来慣れた海だから
陸がどの方向にあって、
どちらに
流されているのか、
見当はついている。
まだ夕方だが、
そのうち暗くなる。