PROGRAM GREETING LYRICS 北秋の 悲しくなったときは 落葉松

GREETING
LYRICS
ごあいさつ
訳詞
本日はお忙しい中、私たちのコンサートに足をお運び下さいまして誠
にありがとうございます。
すっかり秋も深まり、
紅葉が美しく色づいてまいりました。
本日は、
『秋
に紡ぐ 名歌曲の調べ』と題しまして、日本歌曲とドイツ歌曲から、傑作
と名高い曲の数々をお贈り致します。秋に聴くにふさわしい、美しい日
本歌曲と、ドイツ・ロマン派後期を代表する2人の作曲家、ブラームスと
リヒャルト・シュトラウスの味わい深い音楽を、どうぞお楽しみ下さい。
PROGRAM
プログラム
信時 潔 (1887-1965):北秋の
北秋の
悲しくなったときは
北秋の
峡(かひ)の凝々(こご)しき道の曲(くま)
わが見し花に
名づけてよ 君
悲しくなったときは 海を見にゆく
古本屋の帰りも 海を見にゆく
あなたが病気なら 海を見にゆく
心貧しい朝も 海を見にゆく
いなむしろ
君によそへて
呼ばましものを
みつみつし
白く小さき
北秋の花
ああ海よ 大きな肩と広い胸よ
おまえはもっと悲しい
おまえの悲しみに
わたしの生活 (くらし)は洗われる
山田 耕筰 (1886-1965):かやの木山の
中田 喜直 (1923-2000):悲しくなったときは
小林 秀雄 (1931- ):落葉松
ブラームス (1833-1897):きみの青い瞳は
私のまどろみはいよいよ浅くなり
甲斐なきセレナーデ
永遠の愛
R. シュトラウス (1864-1949):あなたは私の心の王冠
万霊節
献呈
かやの木山の
かやの木山の
かやの実は
いつかこぼれて
ひろはれて
山家のお婆さは
ゐろり端
粗朶 (そだ)たき 柴たき
燈 (あかり)つけ
かやの実 かやの実
それ 爆 (は)ぜた
今夜も雨だろ
もう寝よよ
お猿が啼くだで
早よお眠よ
どんなつらい朝も どんなむごい夜も
いつかは終わる
人生はいつか終わるが
海だけは終わらないのだ
悲しくなったときは 海を見にゆく
ひとりぼっちの夜も 海を見にゆく
落葉松
落葉松の 秋の雨に
わたしの 手が濡れる
落葉松の 夜の雨に
わたしの 心が濡れる
落葉松の 陽のある雨に
わたしの 思い出が濡れる
落葉松の 小鳥の雨に
わたしの 乾いた眼が濡れる