平成24年度第2回せたがや食の安全・安心区民フォーラム 「もっと知ろう食中毒」 質疑応答の主な内容は以下の通りです。 ○ 講師 甲斐 明美氏 □ 世田谷保健所 Q1:飲食店の法律違反のチェックはどのようにしているか? □ 保健所では、毎年テーマを持って、業態ごとの一斉監視を行っている。例えば、焼肉店 と給食施設では、見るべき点が違うので、業態ごとに一斉検査として計画的に施設をま わっている。その中で、法に違反しないまでも、食中毒につながるような不衛生な取扱 については指導を行い改善をさせている。また、飲食店については、最初に営業許可の 実地検査があるので、その際にも注意喚起を行っている。 Q2:アルバイトなど、資格のない方がお肉を扱うことも多いのではないか?その辺の検査 はなされているか? □確かに飲食店などでは、アルバイトの方が非常に多く働いていて、社員の方との知識の レベルに差があることも実際にはある。ただ、飲食店などでは、食品衛生責任者という人 間を1人置く必要がある。この食品衛生責任者は、調理師等や調理師等でなければ一定の 講習会を受けた人がなる。この食品衛生責任者に対して、保健所では定期的に講習会を開 催し、そこへの参加を義務付けて、衛生知識の普及、徹底を図っている。 Q3:豚の生食が増えたという新聞記事をみたのですが、この点についてはどうか? ○ 富山県で起きたユッケの事件があって、牛肉の生食、あるいは牛レバーがだめだとなる と、今度は豚レバー、鶏レバーならよいのだと、いたちごっごのようなことが起きてい る。豚レバーは豚レバーで違う問題がある。豚は E 型肝炎ウィルス、寄生虫の問題があ る。動物の肉を生で食べるということはそれなりのリスクがあると考えていただきたい。 Q4:講演の中でカンピロバクターの妊婦へのリスクのお話があったが、妊娠中に特に、食 中毒で注意することはあるか? ○ 妊娠中は、生あるいは加熱不十分な肉は食べないということを本当に心がけて頂きたい。 生肉などを食べないことが、カンピロバクター、O157、あるいはサルモネラといっ たものの予防になる。もうひとつ、リステリアという菌があるが、これも妊婦が感染す ると胎児に影響を及ぼすので、気をつけなければいけないと思う。リステリアによる食 中毒の感染源として多い、生のミルク(日本ではほどんど流通していない)やナチュラ ルチーズは、妊娠中は食べるのをやめておいたほうがよい。
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