2月定例会 まつや清総括質問 消防の広域化と原子力防災について 市の

2016 年 2 月定例会 松谷清議員 総括質問 質疑応答
(傍聴者による聞き書きから)
≪消防の広域化と原子力防災について≫
1.広域消防運営計画について
松谷清
今年、4 月 1 日から島田市、牧之原市、吉田町及び川根本町の消防事務を受託しま
す。委託市町の区域において発生する平時の消防救急活動や災害対策本部が設置され
るような有事の場合に消防事務における指揮権を静岡市が持つようになるのか。
消防局長
島田市、牧之原市、吉田町及び川根本町の2市2町は消防の広域化により本市への
消防事務の委託により基本的には静岡市が2市2町の消防事務に関する指揮権を有
することになります。一方、大規模災害発生時に2市2町の災害対策本部が設置され
た際には予め災害対策本部員として任命を請けた本市の消防委員が災害対策本部の
事務文書の範囲以内において、災害対策本部長である2市2町の首長から総括的な指
揮監督権として災害対応の指示を受けることになります。このように、災害対策本部
長である2市2町の首長の指示を受け、静岡市長の指揮権に基づいて消防長が災害情
報を集約し、部隊編成や活動方針の決定を行い対応して参ります。
2.原子力防災計画について
松谷清
一方で、新年度は福島原発事故から 5 年、チェルノブイリ原発事故から 30 年とい
う節目の年になります。静岡県は福島原発事故を受けて、浜岡原子力事故時の広域避
難計画を、国、重点地区の自治体と連携して策定中です。重点地区に広域消防となる
牧之原市、吉田町が含まれます。この計画策定に静岡市消防局は関与するのか。
消防局長
静岡県は浜岡原子力発電所の事故時の広域避難計画を、国、重点地区の自治体と策
定中であり、重点地区に広域消防となる牧之原市、吉田町が含まれているが、広域化
の計画策定で静岡市消防局が関与するのかについてですが、県は、各市町の意見を聞
きながら広域避難計画を策定中であり、この計画について牧之原市相良消防本部、及
び吉田町、牧之原市広域施設消防本部は関与をしていないため、広域の安全において
も静岡市消防本部は関与しません。
松谷清
避難計画が策定された場合、静岡市地域防災消防計画は見直しされるのか。
危機管理統括監
現在、静岡県は浜岡原子力発電所で万が一事故が発生した場合に周辺住民を避難さ
せるための、浜岡地域原子力災害広域避難計画の策定を進めています。今後この計画
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における本市の役割など内容を精査し、本市市域防災計画の見直しを含めどう対応す
るか検討してまいります。
松谷清
避難計画については、お手元資料、UPZ30 キロ圏外でも放射能汚染数値によっては
「一時移転」とあり避難計画策定の必要性が示されています。UPZ 外の静岡市でも避
難計画を策定する考えはあるのか、伺います。
危機管理統括管
本市はUPZ圏外に位置することから現在のところ具体的な避難計画を策定する
対象となっていませんが、引き続き国の原子力規制委員会が示す原子力災害対策指針
を注視してまいります。
松谷清
静岡市の避難計画はつくる必要がない、注視していくということですが、先日、県
東部の人たちが原子力災害避難計画について県に対して東部地域も必要じゃないか
と交渉している訳ですね。それは当然なんです。お手元の資料の中にもはっきりとU
PZ圏外でも放射能汚染数値によって「一時移転」の必要があることが示されている
訳ですね。そうすれば当然静岡市も考慮しなければならない。大変残念な答弁があっ
たことについて意見を述べたいと思います。
3.広域消防運営計画について
松谷清
続いて広域化の指揮権についてですが、広域化の指揮権は静岡市が持つと、災害対
策本部が立ち上がった際には地元首長の包括的な指揮監督権が発生するとのことで
す。これはどういう関係なのかという問題が非常に曖昧だと私は考えております。静
岡市消防職員が、2 市 2 町から委託された消防事務を遂行したことによる消防職員の
補償はどのようになるのか。
消防局長
静岡市消防局の職員が2市2町から委託された消防事故を遂行し負傷した場合の
補償についてどのようになるのかについてですが、消防職員が公務上の災害等をうけ
た場合、広域化後の2市2町において地方公務員災害補償法に基づき地方公務員災害
補償基金から補償をうけることになります。なお、基金への掛け金は2市2町が委託
料にて負担することになります。その他に、2市2町の区域内で職員が消防業務に従
事することにあたって、災害をうけ死亡、または重度障害の状態となった場合に支給
される傷病等については本市の条例に基づき支給された額に相当する金額をこれか
ら提携する協定書に基づき関係する市町が負担することになります。
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4.原子力災害計画
松谷清
牧之原市には原子力災害対に対応するために災害対策本部が PAZ 圏内ということで
設置されます。この指揮系統はどのように扱われるのか。消防活動をする際の安全基
準は、原則 1 ミリシーベルトと認識しているがどのように考えているのか。
消防局長
牧之原市には、原子力災害に対応するための災害対策本部が PAZ 圏内ということで
設置されることになりますが、この指揮系統はどのように扱われるのかについてです
が、先ほど大規模災害の発生時における指揮権について答弁をさせて頂いた通り、原
子力災害発生時においても災害対策本部長である牧之原市長から包括的な指揮監督
権としての災害対応の指示をうけることになります。
次に、消防活動をする際の安全基準はどのように考えているのかについてです。消
防局の基準では、原子力災害等により毎時 0.5msv 以上の放射線が検出される地域を
放射線危険区域とし、この区域において活動する消防隊員は放射線防護服、及び個人
用線量計等を着装するよう定めております。また、消防隊員の放射線危険区域内の被
ばく線量限度については、放射線量の合計が 10msv を活動の上限とする安全基準を定
めております。ただし、人命救助活動での緊急時においては放射線量の合計が 100msv
を活動の限界と定めております。
松谷清
今後、島田市など中部電力との 31 キロ圏内 UPZ 圏自治体と県が交渉中である安全
協定の締結について、静岡市として関与していくのか、伺います。
危機管理統括官
原子力防災災害についてのご質問にお答えします。
安全協定の締結に静岡市は何をするのかですが、現在 UPZ 圏内の市町と中部電力の間
で安全協定の締結に向けた協議が進められていますが、UPZ 圏外に位置する本市は安
全協定への関与については考えておりません。以上でございます。
5.原子力防災計画
松谷清
静岡市は、牧之原市や吉田町を含む広域消防となることで原子力災害の当事者にな
ります。静岡市消防職員が被爆することもあります。牧之原市原子力防災計画に定め
のある牧之原市相良消防本部及び吉田町牧之原市広域施設組合消防本部の所掌事務
の取扱いについてはどうなるのか。
消防局長
牧之原市原子力防災計画に定めのある牧之原市相良消防本部及び吉田町牧之原市
広域施設組合消防本部の所掌事務の取扱いについてはどうなるのかについてですが、
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現在の牧之原市地域防災計画の原子力対策に定める牧之原相良消防本部及び吉田町
牧之原市広域施設組合消防本部の所掌事務として、一つめは避難等に関する広報、及
び避難誘導、二つ目めは、緊急被ばく医療措置に関する協力、三つめは防護区域の防
火対策、四めは立ち入り制限及び交通規制の協力の事務が規定されておりますので、
広域化後もその所掌事務を継続してまいります。
松谷清
島田市、吉田町の避難先は静岡市となっています。また静岡市を避難途中で通過す
る自治体もあり、被爆した住民の避難所、また道路途中での検査、簡易除染、ヨウ素
剤配布などの場所の設定、静岡市防災計画への反映はどうなるのか、伺います。
危機管理統括官
県の広域避難計画にそって道路途中での検査、簡易除染、ヨウ素剤配布などの場所
の設定静岡市防災計画への反映していくのかについて、現在静岡県では、広域避難計
画の中で、UPZ 圏内の住民が圏外に避難する場合の避難待機検査場所や、除染を実施
する場所について検討しております。
これについての本市防災計画の修正につきましては、先ほどの答弁と関連しますが、
今後県の広域避難計画の取り扱いと合わせて検討してまいります。
松谷清
静岡市消防局における原子力災害における資器材の現状及び広域化後の対応につ
いてはどうなるのか、伺います。
消防局長
静岡市消防局における原子力災害対応する資機材の現状及び、広域化後の対応につ
いてですが、まず本市の現状については原子力災害対応の中核をなす車両として現場
で放射線度の分析や指揮ができるよう、汚染外気の侵入を防ぐ装置を備えた特殊災害
対応自動車や、除染用のシャワーなどを積載した大型除染システム搭載車を保有して
おります。さらにその他の主な資機材として、活動隊員から放射線を保護するために
も放射線防護服 130 着、個人用線量計 139 個、放射線測定器 36 台などを保有してお
ります。
また、島田市、牧之原市、吉田町においても原子力対応資機材の主なものとして放
射線防護服は合わせて 1350 着、個人用線量計は 148 個、放射線測定器は 18 台を保有
しており本市をはじめ、島田市、牧之原市、吉田町において資機材は整備されている
と考えております。したがって広域化後は、これらの資機材を災害発生時に集約一元
管理することにより有効かつ効率的に活用してまいります。なお現在は特に新たな資
機材の購入については、予定はしておりませんが、消耗品や破損したものについては
随時買い替えをしていきます。
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