関西電力取締役社長 八木 誠 様 2015 年 12 月 22 日 高浜原発3・4号機の再稼働中止を求める申し入れ 日本共産党京都府委員会 委員長 渡辺 和俊 日本共産党京都府会議員団 団長 前窪 義由紀 東日本大震災にともなう東京電力福島第一原発事故は、原子力は未完成の技術であり、これまで「安 全」とされていたのは神話に過ぎなかったことを明らかにしました。原子炉がいったん暴走を始めれば、 押しとどめることはきわめて困難です。放出された放射性物資の被害は、空間的、時間的、社会的に限 定なく広がります。とりわけ京都府は、舞鶴市の一部が高浜原発の5キロ圏(PAZ)内に入るほか、高 浜・大飯の 30 キロ圏(UPZ)内に約 13 万人が居住しており、市域の大半が 60 キロ圏内に入る京都市 も含めて、甚大な被害を被る危険があるのです。府民の命と暮らしを脅かす原発は、再稼働せずに廃炉・ 撤去へ向かうべきです。 ところが貴社は、原子力発電に固執する立場から、福島事故後最初の再稼働として、2012 年7月に 大飯原発3号機を稼働させました。原子力規制委員会が発足し、新規制基準が定められた後は、これに 基づく再稼働の一番乗りを目指し、高浜原発3・4号機の再稼働に向けた準備を進めてきたところです。 福井地裁が運転差し止めの仮処分を決定したことにより、その計画は大幅な修正を余儀なくされました。 しかしその後も、異議申し立てによって決定が覆ることを前提に、再稼働に向けた「地元手続き」を進 めてきています。司法の判断も、国民世論をも顧みない傲慢な姿勢であり、厳しく抗議するものです。 貴社はまた、使用済み核燃料の中間貯蔵施設を 2030 年ごろまでに稼働させる方針を示しています。 これは今後も長期にわたって原発を動かし続けることを前提にしたものであり、立地場所がどこになろ うと、認めるわけにはいきません。 原発なしでも電力供給に問題がないことは、一昨年9月に大飯原発4号機が停止して以降、2年近く にわたって「稼働原発ゼロ」の状況が続いたことによって証明されています。貴社は、その間2度にわ たって大幅な料金値上げを行い、「原発再稼働すれば引き下げる」などと公言していますが、原発の危 険と電気料金を天秤にかけるような議論自体が大問題です。しかも、原発維持のための莫大な費用が負 担になっているのが実態であり、原発依存から抜け出すことこそが求められているのです。再稼働しな ければならない合理的な理由はありません。 京都府ではこの 11 月、UPZ 内7市町での住民説明会が開催されました。再稼働の必要性や「安全」 が一方的に強調される内容だったにもかかわらず、過酷事故の危険や避難計画の実効性について、多く の疑問や不安が寄せられたところです。電力事業者として、こうした声を正面から受け止めるべきです。 ついては、以下の点について、誠意ある対応をしていただくよう強く申し入れるものです。 1、高浜原発3・4号機の再稼働を中止すること。 2、貴社が保有するすべての原子炉について、すみやかに廃炉の方針を決定すること。 3、使用済み核燃料中間貯蔵施設建設の方針を撤回すること。 以上
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